2) 死の苦しみ;

 ・ 焼身自殺者の苦しみ方;

 法医学的な検証によると、立つか座るかの直立した姿勢でガソリンなどをかぶって火をつけた場合、燃焼ガスにより酸素が絶たれる為、比較的急速に意識を失い他の動きの形跡はほとんど無い。
 しかし、たとえば、寝たきりの人が焼身自殺をした場合、呼吸ができるので、あまりの苦痛のゆえに、他の自殺の手段を講じた形跡が生々しく残るのである。(近くにある刃物で自分の体を刺す、舌を噛み切るなど。)
 そして、多くの場合、呼吸困難や出血のためではなく、すさまじい痛みによるショックで絶命するのである。

 ・ 地震・事故と火災による死;

 倒壊した建物や自動車、飛行機などの部材にはさまれ意識がある状態で焼死した場合、そのいくつかは、その人の歯が歯ぐきにめり込んでいるほどの苦痛である。
 また、即死といっても数分間は生きているのが通常である。

 ・ 石川五右衛門の話;

 石川五右衛門は戦国時代の強盗団の首領で、国賊として豊臣秀吉によって捕えられ釜ゆでの刑に処せられた。有名な時世の句を読んだ後、共に釜に入れられた自分の幼い子を高々と差し上げ秀吉に対し大見得を切った。しかし、そのあとが悲惨なのである。足が耐えられないほど熱くなり、目からくやし涙を流し、プライドも打ち砕かれ、ついにかんしゃくを起こし、自分の子供を叩き落し足でめちゃくちゃに踏み殺したのである。その後は断末魔の声を上げて釜の中を暴れ狂い、結局すさまじい苦痛によるショックで絶命したのである。なんと哀れで悲惨な最期だろうか!。


 ・ 感覚について;

 感覚は大脳皮質の感覚野で認識するが、意識のある状態ではじめて成立する。
 皮膚感覚は温、冷、圧(触)、痛の4種類の受容体で成り立っているが、そのうち痛みと温度の感覚は、大脳皮質より内側の古い皮質で営まれる。刺激を強くすると、他の感覚は麻痺しても痛覚だけは最後まで残るのである。


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