バッハの曲想について;


 バッハ(J.S.Bach)の教会音楽はすばらしいと思うが、筆者はよくわからない。学生の時、示し的に受け取った世俗曲のうちの特定の曲しか知らない。筆者の全く主観的な曲想について書いてみた。(他の人には他の曲想があるかもしれない。)

 バッハはフリードリッヒ王の宮殿(ポツダム宮殿)で宮廷楽師として仕えていた。(フリードリッヒ王は政治的には大した手腕家ではなかったが、典型的な芸術家タイプであり、ホモであった。)

 バッハは、敬虔なプロテスタントのルター派のクリスチャンだった。バッハの妻アンナ・マグダレーナ(最初の妻の死後の2番目の夫人)はバッハの仕事場に入る事はできなかったが、ある時彼女が彼の部屋を覗いた時、彼が激しく聖霊に満たされた状態で作曲しているのを見た事が記録されている。彼は、非常に熱心に他の作曲家の作品を研究し、勤勉な多作家であったので、彼以前の作風の全てがバッハに流れ込み、また、バッハから全てが流れ出したと言われている。(”バッハ”とは”小川”と言う意味) バッハ自身は、彼の時代にはそれほど人気が無く(ヘンデルのほうがはるかに人気があった)、その後は和声法の流れに変わってバロック音楽はすたれてしまった。バッハの子供たちも、父親の作風を古風なものとみなし、皆、和声法の作曲家になった。しかし、後の時代のメンデルスゾーンによってその音楽性が再評価されリバイバルした。最近では軽音楽に編曲されたものが流行った。

 バッハの音楽はバロック時代の対位法で作られておリ、各パートのメロディーがそれぞれ独立に動くと同時に、互いに親密に関連し合い、父・子・聖霊の三位一体なる神を躍動的に感じさせる。現代の音楽と比較すると”いやし系”である。彼の曲の多くの部分から、いろいろな新しい曲が生まれるのではないかと思われる。また、主を表す画像やみことばと共に鑑賞すると面白いかもしれない。

 12音階の西洋音楽は、元々はギリシャ神話の女神を祭る為の音楽であり、音楽そのものも、古くはカインの末裔のユバル(創4-21)が創始者と書かれてあるが、ただ聖霊によって霊感されて聖められたものは、神の栄光を現すと考えられる。(賛美とは元々弦楽を奏でる事(エペ5―19後半))


     ***  筆者の主観的な曲想  ***


 § 幻想曲とフーガ・ニ短調(BWV903)

      ・ 幻想曲(前半) ・・・ イエス・キリストの十字架(肉体的苦しみ)

      ・ 幻想曲(後半) ・・・ イエス・キリストの十字架(たましいの苦しみ)

      ・ フーガ   ・・・・・・・ イエス・キリストの復活

                     あるいは、復活と、最後のほうに終末のさばきと再臨

 * チェンバロは音量の小さな楽器だが、場合によっては、ピアノやオルガンを遥かに上回る、怒涛のようなものすごい迫力を演出できる。


 § 音楽の捧げ物・ハ短調

 一つの定旋律(王の主題・フリードリッヒ王がバッハに与えた短い旋律)を展開して、九つの曲集に仕上げ、王に奉献した。(当時の音楽の手法) 世的には雇い主であるフリードリッヒ王に奉献したのだが、信仰的には、もちろん、”王の王、主の主であるイエス様”に捧げたのである。イエス様の栄光が、時代の流れと共に、随所に形を変えて現れる。


   1. 3声のリチェルカーレ ・・・ 天地創造

   2. 無限カノン     ・・・  堕罪

   3. 各種カノン     ・・・  −1. エデンからの追放、 −2. ノアの洪水、 −3. 混乱(バベル)と拡散、 −4. 約束(アブラハムとの契約)、 −5. 出エジプト、あるいは、律法

   4. 五度のフーガ・カノニカ ・・・ 預言と成就(ダニエル)

   5. 6声のリチェルカーレ ・・・ イエス・キリストの生涯(一部修正しました)

 (1声目・Vn1・”神聖”、2声目・Vn2・”いのち”、3声目・Viola1・”愛”、4声目・Viola2・”義”、5声目・VC1・”恵み”、6声目(・7声目(6声目の1オクターブ下の旋律)・VC2(・WB)・”力”(”永遠”)、これらは、後の各小節で個別に展開される。 ・・・・・   1〜39小節;神の”聖のあかし”、40〜47;降誕・聖霊のバプテスマ、48〜57;いやし・宣教開始・弟子たちの召命、58〜65;十字架への道・エルサレムへ、66〜72;エルサレム入城、73〜76;ゲッセマネ・捕縛、77〜82;十字架(神の”愛のあかし”82前半・「完了した」)、83〜85;よみでのあかし、86〜89;復活、90〜98;顕現(+後の聖霊の力)、99〜103;昇天)

   6. 2声のカノン(とその裏返し) ・・・ キリスト者(と反キリスト)の成長

   7. 4声のカノン ・・・ 終末のさばきと再臨

   8. トリオ・ソナタ ・・・ −1. キリスト者の救いと成長、 −2. 迫害下のリバイバル、 −3. 千年王国、 −4. 最終末

   9. 永遠の反行カノン ・・・ 永遠の天国とさばき



 § イタリア協奏曲・ヘ長調(BWV971)

   1. 使徒行伝(聖霊行伝)、あるいは、パウロの伝道旅行

   2. 獄中書簡・パウロの祈り

   3. 迫害下の伝道とパウロの殉教

 * イエス様の十字架によって、どんな状況にもよらず、本当に勝利したリバイバルの伝道者を表現。


 § チェロ・ソナタ第1番・ト長調

      キリストの花嫁の成長


 § フランス組曲の最終曲

      イエス様との交わり


 他の作曲家:

  § ベートーベンの第九以降の曲で、(ベートーベンはカトリックの信者)
     弦楽四重奏曲第14番 ・・・ キリスト者の救いから、成長、試練、リバイバル、終末の主の再臨まで

  § 弦楽四重奏曲第16番 ・・・ 天の御国、あるいは、天国


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