炎色反応;
原子を炎の温度に加熱する際、軌道電子が解離してそれが元の軌道に戻るとき、その原子およびその軌道に特有の波長の光を発するので、いくつかの元素についてはその存在の確認に用いる事ができる。 (参考: ICPという装置は、元素をプラズマ中で6000゜Cにまでにしてそのスペクトルを解析するもので、ほとんどの元素について短時間に定量ができる。)
各元素の発する色は次のとおりである。
元素 | 色 | 備考 |
Li(リチウム) | 強い赤 | |
Na(ナトリウム) | 強い黄 | わずかの存在でも非常に強い黄色(Na-D線)が現れる ので、他の元素に影響しないように注意。 |
K(カリウム) | 赤紫 | 試料にNaが混在するときは、コバルトガラスを通して見 ると黄色が除かれよく見える。 |
Rb(ルビジウム) | 青紫 | |
Cs(セシウム) | 青紫 | |
Ca(カルシウム) | オレンジ | |
Sr(ストロンチウム) | 深紅 | Liと違って色が持続する。 |
Ba(バリウム) | 黄緑 | 銅よりも黄色味がかった緑色が持続する。 |
Cu(銅) | 緑 | (溶液はCuOを酸に溶かして調整する。) |
Mn(マンガン) | 薄い青 | |
Pb(鉛) | 薄い青 |
【 用意するもの 】・ 白金線付きガラス管(*自作可;軟質ガラス管を伸ばし、細くなった所に白金線を差込み封入する。白金線の先は曲げる。)
・ アルコ−ルランプ(芯のきれいなもの。Naによる汚染のないもの。)
あるいは、ブンゼンバ−ナ−
・ 白金線の洗浄用希塩酸
(・ 必要に応じて、コバルトガラス板)
・ また、白金線に付けて加熱して球状にした硼砂球に試料を付け、再度加熱してできた球の色から元素を特定する試験法もある。(硼砂球反応)
これは、酸化炎と還元炎では異なる色になる事が多く、七宝焼きや色ガラスの原理である。