高圧実験装置の作成 1;


  1000V以上の高電圧を得る方法として、
 * 摩擦によるもの ・・・ ウイムズハ−ストの発電機、ヴァンデグラフの発電機など
 * 高巻き線比のトランスによるもの ・・・ 昇圧トランス、ネオントランス、誘導コイル(感応コイル)、フライバックトランス(TV(高周波)用)、テスラコイル(高周波)など
 * コンデンサ−とダイオ−ドを組み合わせた昇圧整流器など
 が、挙げられる。
 このなかで、操作性が良く一般的な、誘導コイルと昇圧整流器を作成してみた。


 1. 誘導コイルの作成;

 トランスとしては、入手の簡単な自動車用イグニッションコイルを用い、これを駆動するようにした。
 予備実験的に、リレ−を用いて直接駆動したが、接点がすぐに損耗して長期間の使用に耐えない事が分かった。次に、リレ−のあとに電力用トランジスタ−を入れて駆動すると結構使えるが、トランジスタ−の電力消費が大きくバックラッシュと発熱で壊れやすい欠点があった。
      

 そこで、低周波(1kHz以下)としては効率の良いスイッチング素子であるサイリスタを使って駆動してみた。

 ここで、左側はUJTを使った低周波トリガ発生部(PUTを用いても良い)、右側は二個のSCRによるスイッチング部でイグニッションコイルの一次側に直結され方形波電流を供給する。
 真中のSCRはCtを充放電するためのもので、Rt、Ctの値によりパルス巾が決まる。(右のSCRはCtの放電により一瞬電流が止まると次のトリガが来るまでOFFになる。)
 発振周波数はUJTのエミッタ側のVRを通してのCの充放電によって決まり、30kΩ半固定抵抗で調整した所、このイグニッションコイル(12V用・DC抵抗8Ω、日本電装製)に対してはf=140〜150Hzで最も安定的に作動した。
 尚、出力SCR(8A)には3×3cm×1mmtのアルミ板を放熱用に取り付けた。
 出力電圧は、電源電圧を12V〜24Vに切り換えて、5kV〜10kV程度(端子OPEN時)であった。
 出力端子はケ−スとアクリル管で絶縁し、また、電源スイッチはコ−ドスイッチを使い駆動時ケ−スに触れる事の無いようにした。
   


                       戻る