図および実験結果
1. 焼鈍三角軟鋼板の逆三角界磁からの抜け力(最大値)

ヌケ荷重の最大値は順方向が逆方向の1/10なので、直感的には超効率が実現しそうに見える?。
2. 三角ロ−タ−の正・逆回転方向による駆動モ−タ−の消費電力の差(当方にて実験)


〈 測定結果 〉
| 回転方向 | 駆動モ−タ−の電圧 | 電流 | |
| ロ−タ−のみ取り付け | 正転 | 13.0V | 32mA |
| 逆転 | 13.0V | 37mA | |
| 界磁付き | 正転 | 13.0V | 37mA |
| 逆転 | 13.0V | 42mA |
ロ−タ−のみに対する界磁付きの消費電力の増加分は、正転・逆転共65mW(37-32=5mA、42-37=5mA)であり、正・逆回転の差は無い。したがって、三角ロ−タ−の優位性は認められない。
3. 磁気反発モ−タ−による発電実験
* type1; 直接、板状の三角電気子に線状ブラシによるパルス状の電流を印加するタイプ

* type2; 補助磁極を設けそれにパルス状の電流を印加するタイプ

* type3; 通常(四角)の電気子・界磁にパルス状の電流を印加するタイプ
〈 測定結果 〉
| 形式 | 極数 | 発電機との 接続 |
無負荷時 モ−タ−入力 |
モ−タ−入力 | 発電機出力 | 総パワ−効率 |
| type1 | R = 2 S = 2 |
直結 | ― | 23.5V、2.0A 47.0W |
*105VAC、 8.5W |
18.0% |
| R = 7 S = 4 |
直結 | 11.5V、1.4A 16.1W |
11.2V、2.5A 28.0W |
3.0V、0.42A 1.26W |
4.5% | |
| type2 | R = 3 S = 2 |
直結 | 9.5V、0.5A 4.8W |
― | ― | ― |
| R = 12 S = 7 |
増速ギヤ 40:16 |
11.5V,2.3A 26.5W |
12V、3.7A 44.4W |
**5.0V、0.7A 3.5W |
7.9% | |
| type3 | R = 11 S = 7 |
増速ギヤ 40:16 |
― | 24.0V、2.0A 48.0W |
**2.5V、1.5A 3.75W |
7.8% |
ただし、R・・・ロ−タ−、S・・・ステ−タ−の数
発電機・・・24V・48WDCモ−タ−(* 100VAC用、 ** 2段直結)
負荷抵抗・・・100W用ニクロム線
DC発電機にはかなり低速用の効率のよいものを使ったが(たとえば市販の工作用電動ドリルで回転させ定格の6割以上(15V2.0A、約30W)の出力が得られる)、総パワ−効率だけではなく、接続時の入力の増分と比較しても、超効率からかなり程遠い測定結果であった。
したがって、これらの磁気反発モ−タ−は、(低速かつ高トルク用駆動源としては有用かもしれないが、)超効率機器(第一種永久機関)とは言いがたいものである。