コリント人への手紙・第一*
第1章
1 神のみこころにより召されてキリスト・イエスの使徒となったパウロと、兄弟ソステネ*から、
2 コリントにある神の教会へ。すなわち、私たちの主イエス・キリストの御名を、至る所で呼び求めているすべての人々と共に、聖徒として召され、キリスト・イエスにあって聖なるものとされた方々へ。このキリストは、私たちの主であるのみならず、あらゆる所の人々の主でもあられます。
3 私たちの父なる神と主イエス・キリストから、大いなる恵み*と平安とが、あなたがたにありますように*。
4 私は、あなたがたがキリスト・イエスにあって与えられた神の大いなる恵み*を思って、いつも神に感謝しています。
5 あなたがたはキリストにあって、すべてのことに、すなわち、すべてのみことば*にも、あらゆる知識*にも富む者とされました。*
6 それは、キリストのあかしが、あなたがたのうちに確かなものとされるためであり、
7 それゆえ、あなたがたは、あらゆる賜物*に欠けることがなく、私たちの主、イエス・キリストの顕現*を待ち望んでいます。
8 また、主は、あなたがたを、私たちの主、イエス・キリストの日に、責められるところのないように、終わりに至るまで堅く建て上げて*下さいます。
9 神は、信頼すべき方です*。あなたがたは神を通して、御子、すなわち、私たちの主、イエス・キリストとの交わり*の中に、召されたのです。
10 さて、兄弟たち。私たちの主イエス・キリストの御名を通して、あなたがたにお願いします。皆が語ることを一つにし、あなたがたの間で分裂が無いようにしなさい。同じ思い*、同じ考え方*になって、完全に合わせなさい。
11 私の兄弟たち。実は、クロエ*の家の人たちから、あなたがたの間に争いがあると聞かされています。
12* このことを言いますが、あなたがたが、「私はパウロにつく。」、「私はアポロに。」、「私はケパに。」、「私はキリストに。」と、それぞれ言い合っているとのことです。
13 キリストが分割されたのですか。パウロがあなたがたの身代わりに十字架につけられたのですか。パウロの名によってバプテスマを受けたのですか。
14 私は、クリスポ*とガイオ*以外には、あなたがたのうちの誰にもバプテスマを授けたことがないことを、神に感謝しています。
15 それはあなたがたが、私の名によってバプテスマを受けたのだと、誰にも言われることのないためでした。*
16 もっとも、ステパナの家の人たち*にも、バプテスマを授けました。しかし、他の人たちには、誰にも授けた覚えがありません。
17 キリストが私を遣わされたのは、バプテスマを授けるためではなく、福音を宣べ伝えるためです。しかも、話し方の*知恵を用いないで宣べ伝えるためでした。それは、キリストの十字架が空虚なもの*にならないためです。
18 十字架についてのみことば*は、滅びに向かう人々には愚かであっても、救われている*私たちには、神の力です。
19 すなわち、聖書に、「わたしは知者の知恵を滅ぼし、賢い者の賢さをむなしいものにする。」*と書いてあるからです。
20 賢者*はどこにいますか。文筆家*はどこにいますか。この時代*の詭弁家*はどこにいますか。神はこの世*の知恵を、愚かにされたではありませんか。
21 事実、この世が、その知恵を通して神を知ったことがなかったことは、神の知恵の内にあったからです。そこで神は、宣教の愚かさを通して、信じる者を救うことを良しとされました。
22 事実、ユダヤ人はしるしを要求し、ギリシヤ人は知恵を求めます。
23 しかし私たちは、十字架につけられたキリストを宣べ伝えます。このキリストは、ユダヤ人にはつまずきのわな、異邦人には愚かですが、
24 召された人々にとっては、ユダヤ人にも、ギリシヤ人にも、キリストは神の力、神の知恵*なのです。
25 なぜなら、神の愚かさは人々よりも賢く、神の弱さは人よりも強いからです。
26 兄弟たちよ。あなたがたが召された時のことを考えてみなさい。人間的な基準による*知恵者は多くはなく、権力者も多くはなく、身分の高い者も多くはいません。
27 しかしながら、神は、知者をはずかしめるために、この世の愚かな者を選び、強い者をはずかしめるために、この世の弱い者を選び、
28 この世で低い身分の人々や軽んじられている人々を、神は選ばれました。それは、有るものを廃止させ、無いものとするため、無きに等しい者を選ばれたのです。
29 それは、すべての肉なる者が、神の御前に誇ることがないためです。
30 あなたがたがキリスト・イエスにあるのは、神によるのです。キリストは神に立てられて、私たちの知恵*となり、義と、聖化と、贖い(あがない)とになられたのです。
31 それは、「誇る者は、主にあって誇れ。」*と書いてある通りです。
* コリント人への手紙の背景: コリント(コーリントス(ギ))は、当時、東西南北の海路、陸路の流通の交差点の港町で、非常に繁栄した。(ローマ、アレキサンドリア、エペソに次ぐ都市。自由人:20万、奴隷:40万) 一方、偶像崇拝(特に、フェニキヤ系のアシュタロテ(母子神)から派生した女神アフロディトの祭祀・1000人の神殿娼婦)が行なわれ、地中海地域で最も倫理的に退廃した町でもあった。(コリント風=不品行の の意)
§ パウロの第2回宣教旅行の途中で、アテネ伝道の不振の後、コリントに初めて訪問。(使徒18:1−) この時、知恵のある言葉によらず、御霊と御力による伴う伝道をした。(2:4) その後1年半に渡って宣べ伝えコリント教会は成長した。 パウロが去った後、エペソ教会からアポロが遣わされ、またケパ(=ペテロ)も宣べ伝えたが、内部にいたパウロに対立するグノーシス的傾向の人々が教会を撹乱し、それぞれの人につくという分裂状態になった。(1:11、12) また、「前に送った手紙」(5:9)で”不品行の人と交わらないように”も曲解されていた。そこで、これらの問題に具体的に答えるために、この「コリント人への手紙・第一」(AD54年頃)が、3年間(使徒20:31)のエペソ滞在の終わり頃、五旬節までのエペソ滞在中(16:8)、あるいは、ピリピで書かれ(巻末の付記)、この手紙を持たせてテモテを派遣した。(同時期に「ガラテヤ人への手紙」)
§ その後パウロ自身が2度目の訪問したが、悲しむべき訪問だった(Uコリ12:14、13:1)ので、帰ってから「涙の手紙」(Uコリ2:4)を書き、テトスに持たせて派遣した。 そのため、喜ばしい結果になったので(使徒19:21、20:1、Uコリ7:6−16)、パウロは「コリント人への手紙・第二」(AD54−55年頃)を書いて、テトスに託して送った。 パウロ自身は、マケドニヤからエルサレムへ行く途中、コリントへ3度目の訪問をし、そこでAD55−56年の冬を過ごした。(使徒20:3、Uコリ12:14、13:1−10) この3ヶ月間ガイオの家に滞在中に、「ローマ人への手紙」を書いた。
*1 会堂管理人のソステネ (使徒18:17)
*3 § 「恵みと平安があるように」はパウロの手紙すべてに共通のあいさつ、 カリス(ギ) grace、(大いなる)恵み
*4 § 具体的に御霊の賜物が、教会によく現れていたこと (12:1−)
*5 パンティ ロゴー(ギ、単・男) all word、すべてのみことば(=福音の内容の言葉)、 パセー グノーセイ(単・女)
<グノーシス every knowledge、あらゆる知識、 § コリントにはパウロが行き、アポロもペテロも行って宣べ伝えた。 ただしアポロは聖霊を知らず(使徒19:1−)、パウロも12人だけ聖霊のバプテスマを授けたのみ(使徒19:7)なので、ペテロが注いだ?
*7 カリースマティ(ギ、受格、単・中) <カーリスマ gifts、the gift of divine grace、gracious gifts、(御霊の)賜物、カリスマ; 神の恵み、 アポカリュープシス revelation、manifestation、appearance、啓示、黙示録; 顕現、現われ → ここでは 再臨のこと
*8 ベバイオーオ(ギ) make firm、establish、堅く立てる
*9 ピストース(ギ、形容詞) trusty、faithful、trusting、信じるべき、信頼すべき、(真実△)、 コイノーニア fellowship、association、交わり、交流
*10 ヌース(ギ) mind、power of considering、understanding、thoughts、精神、理解、熟考する力、思想、思い = 2:10、 グノーメ faculty of knowledge、thought、view、judgment、opinion、知の能力、考え方、見解、判断、意見
*11 (女性名)
*12 § それぞれ指導者を担ぎ上げて、全くの自己主張をするもの。 ここで「キリストにつく」とは、グノーシス的な考え方のことで、最も悪質: 人格に潜在する知恵(グノーシス)を
神と同一視し、仮現論的にイエスの十字架と死を否定するもの
*14 クリスポ 使徒18:8、 ガイオ ロマ16:23
*15 § 信じた人が、バプテスマを授ける者(パウロ)と特別な関係になると俗信されていて、そのことによっていたずらに誇ることを懸念した。
油注ぎをされるのは主ご自身である
*16 ステパナの家族 「アカヤの初穂」 (16:15)は、パウロのコリント宣教前
*17 (冠詞無し・単数の)ロゴス 演説、説教、講話、 ケノーオー void、empty、空虚、空洞
*18 ホ ロゴス(ギ、単・男) the word、みことば(= イエスが十字架で死なれた事実。パウロの宣教内容 のこと)、 ソーゾメヌース(受、現在、複・男) ones being saved、救いに向かっている(者たち) の意
*19 イザ29:14
*20 ソフォス(ギ) wise、artificers、skilled in letters、知者、職人、哲人、 グラマテュース 学者、律法学者、文筆家、 スゼテテース 弁論家、(特に、)古代ギリシャ、アテネ(BC400年代)のソフィスト(詭弁家)、 アイオーン eternity、the worlds、period of time、age、時代、 コスモス 世、世界、宇宙
*24、30 ソフィア(ギ) wisdom、知恵、 § 神の知恵 = 人の知恵をはるかに超えた、神による救いの計画のこと cf.ソフォス、wise、(ロマ16:27)
*26 (直訳) 肉を通して
*31 エレ9:23、24
第2章
1 さて兄弟たち。私は、あなたがたの所に行ったとき、すぐれた言葉や知恵によって、神のあかし*を公に語ることはしませんでした。
2 それは、私はあなたがたの間では*、イエス・キリスト、すなわち十字架につけられた方*以外のことは、何も知らないと決心したからです。
3 私があなたがたの所へ行った時*には、弱く、また恐れ、ひどく不安でした*。
4 そして、私の説教内容*も、私の宣教方法*も、説得力のある*人の知恵の言葉*によらず、御霊と、御力の、実演証明*によったのです。
5 それは、あなたがたの信仰が、人間の知恵にではなく、神の力にあるものとなるためでした。
6 しかし私たちは、成人たち*の間では、知恵を語ります。この知恵とは、この世の者の知恵ではなく、この世の滅び行く支配者たちの知恵でもありません。
7 私たちが語るのは、隠された奥義*としての神の知恵のことです。それは神が、私たちが栄光に入るように、世々が始まる以前から、予定*されていたものです。
8 この世の支配者たちでこの知恵を知った者は、誰一人いませんでした。もし知っていたなら、栄光の主を十字架につけはしなかったでしょう。
9 しかし、聖書に書いてある通りです。「目がまだ見ず、耳がまだ聞かず、人の心に思い浮びもしなかったこと。神が、ご自分を愛する者たちのために備えられたものは、皆そうである。」*
10 そして、神は私たちに、御霊を通して啓示して下さったのです。 御霊は、すべてのものを、神の深み*さえも、探られる方だからです。
11 一体、人間の思い*は、その内にある人間の霊以外に、誰が知ることができるでしょうか。それと同じように神のみこころ*も、神の御霊以外に知る者はありません。
12 ここで、私たちが受けたのは、この世の霊ではなく、神からの御霊です。その方によって、神が大いなる恵みを賜ったことを知ったのです。
13 この恵みの賜物*について語るにも、私たちは人間の知恵が教える言葉を用いないで、聖霊が教える言葉を用います。 霊の事がらは、霊によって解釈するのです。
14 生れながらの人間は、神の御霊の事がらを受け入れません。それはその人には愚かなものだからです。また、その人はそれを理解することができません。御霊の事がらは、御霊自身によって探り判断される*ものだからです。
15* 御霊の人は、すべてのものを探り判断しますが、彼自身は誰によっても探り判断されません。
16 「誰が主の霊**を知って、主を教え導いたのか。」* しかし、私たちはキリストの霊性**を持っています。*
*1 マルテューリオン(ギ) testimony、あかし = (パウロの救いの証言としての)キリストの福音のこと cf.シナイ写本(×)では”奥義(ミュステリオン)”になっている
× → § 「奥義」とは、2:7(神の救いの計画)、エペ3:6(異邦人の救い)、ロマ11:25(イスラエルのリバイバル)、15:51(再臨に伴う栄化)、などのレベル
*2 § すなわち、「幼子」状態のコリント教会の人々 のこと (→ 2:6、3:1、2)、 グノーシスでは、キリストを、十字架抜きで、単なる知恵や霊ととらえる× → ∴ 十字架につけられた方、を強調している
*3 使徒18:1、 9、 (直訳) 震えていた
*4 ホ ロゴス(ギ、単数) みことば、話の内容、教義、 ケーリュグマ proclamation、(すべての人に公に語る)宣言、 方法 は補足、 ペイソース persuasive、説得力のある、 ロゴイス(複数) 言葉、 アポーデイクシス making manifest; demonstration、proof、実演、実地、証明、デモンストレーション (cf. にせ使徒にはわざが起こらない Uコリ12:11)
*6 テレイオイス(ギ、形容詞) 終わった、完成した; 十分成長した = 御霊に属する人
(3:1)
*7 § 奥義 = 神の救いの計画、 プロオリーゾ(ギ) predetermine、あらかじめ定める、予定する
*9 イザ64:3、4、(65:17?)
*10 タ バセー トウ セオウ(ギ) 神の深み = 神に秘められたみこころ全体、 「神の、豊かな富と、知恵と、知識とは、何と深いことでしょう」(ロマ11:33)
*11 思い、みこころ は補足、 冠詞のみ+things、事がら(中・複)
*13 恵みの賜物 は補足
*14 アナクリノー(ギ) examine、judge、探る、調査する、判断する
*15 § ここでは、パウロ(+少数の人)が御霊を受けていて、神の深みに及び(2:10)、御霊の賜物を受けたことを知ることができ(2:12)、コリント教会の問題について的確な判断・指示を与えること。 § また、4:3−のように、指導者に対し、人の勝手な好みによって先走った判断をしてはいけない の意
*16 イザ40:13 (ロマ11:34)、 「みこころ」(70人訳△) → 「霊」(マソラ訳○)、「だれが主の霊を推し量り、主の顧問として教えたのか。」 ** ヌース(ギ) mind、power of considering、understanding、thoughts、精神、理解、熟考する力、思想、思い = 1:10 → 教会の一致の原動力ともなる「御霊の一致」、 § 神の霊が内に住んでおられ、常に真理の語りかけが与えられる の意。 成長したクリスチャンは、内なる聖霊により聞き従いの歩みをする
第3章
1 そして、兄弟たち。私はあなたがたには、御霊に属する人々*に対するように話すことができず、むしろ、肉的な人々*、すなわち、キリストにある幼子(おさなご)*たちに対するように、話しました。
2 あなたがたに乳*を飲ませて、堅い食物は与えませんでした。あなたがたは食べることができなかったからです。実は、今もまだできません。
3 それは、あなたがたがまだ、肉的な人々だからです。あなたがたの間に、ねたみや争いや不一致があるのは、あなたがたが肉的な人々であって、ただの人間として歩いているためではありませんか。
4 すなわち、ある人は、「私はパウロに。」と言い、他の人は、「私はアポロに。」と言っているようでは、あなたがたはただの人間に過ぎません。
5 パウロとは何者ですか。また、アポロとは何者ですか。あなたがたを信仰に導いた給仕人*にすぎません。しかもそれぞれ、主から与えられた分に応じて仕えているのです。
6 私は植え、アポロは水を注ぎました。しかし成長させて下さるのは、神です。
7 だから、植える者でも水を注ぐ者でもなく、大事なのは、成長させて下さる神です。
8 植える者と水を注ぐ者とは一つであり*、それぞれ自分の働きに応じて報酬を受けるのです。
9 それは、私たちは神の同労者*だからであり、あなたがたは神の畑、神の建物だからです。
10 神から与えられた恵みによって、私は熟練した*建築師のように、土台を据えました。そして他の人がその上に家を建てているのです。しかし、どのように建てるのかを、各人は気を付けなければいけません。
11 なぜなら、すでに据えられている土台に対立する*ものを据えることは、誰もできないからです。この土台とはイエス・キリストのことです。
12 この土台の上に、誰かが金、銀、宝石、木、草、または、わらを用いて建てるならば、
13 各人の働きは明らかになっていくでしょう。その日は火の中に現れ、それぞれの働きがどのような種類のものか*を、その火が試すからです。
14 もし、ある人がその上に建てた働きの実*がそのまま残れば、その人は報酬を受けますが、
15* その働きの結果*が焼けてしまえば、損失を被るでしょう。しかし彼自身は、火の中をくぐるようにして*救われます。
16 あなたがたは神殿*であって、神の御霊*があなたがたのうちに宿っていることを知らないのですか。
17 もし誰かが、神殿を破壊するなら、神はその人を滅ぼされます。なぜなら、神殿は聖なる*ものだからです。あなたがたはその神殿です。
18* 誰も自分を欺いてはいけません。もしあなたがたのうちに、自分がこの世の知者だと思う人がいるなら、その人は知者になるために愚かになりなさい。
19 なぜなら、この世の知恵は、神の前では愚かなものだからです。「神は、知者たちを、彼らの悪知恵を使って捕える。」*と書いてあり、
20 また、「主は、知者たちの論議のむなしいことをご存じである。」*とも書いてあります。
21 だから、だれも人間を誇ってはいけません。 すべては、あなたがたのものであるからです。
22 パウロも、アポロも、ケパも、世界*も、いのちも、死*も、現在のものも、来たるべきものも、すべては、あなたがたのものです。
23 そして、あなたがたはキリストのもの、キリストは神のものです。
*1 プニューマティコース(ギ) spiritual、belonging to a spirit、(14:13、ガラ6:1 =成人、2:6) サルキノス fleshly, consisting of flesh、 ネピオス 小児、幼子
*2 § みことば(= 福音についての言葉)の乳 (=Tペテ2:2、(Tペテは初心者、Uペテは成長したクリスチャン向け)、 ヘブ5:13、14) → 救いの信仰の状態から、積極的に聞いて従う信仰の歩みへ
*5 ディアコノス(ギ) servant of a king、waiter; minister、deacon、(元々、王の食卓の)給仕人; 大臣、執事
*8 ヘン(ギ) one、 分裂した状態ではなく、主にあって一致して働く
*9 シュネルゴース(ギ) companion in work、仕事の協力者
*10 ソフォス(ギ、形容詞) wise、skilled、賢い、熟達した
*11 パラー(ギ) from、besides、(〜を置いて)他に、 対立も並列も禁止 の意 (ガラ1:8、9)
*12 金、銀、宝石 と 木、草、わら の2つに大別 (「尊いものと、卑しいもの」 = Uテモ2:20)
*13 § さばきの日における火の試練によって、残るものと、残らないもの ホポイオス(ギ) what sort or quality、どのような種類・質か
*14、15 エルゴン(ギ) work、product accomplished、仕事、働き、働きの結果できたもの
*15 火の中をくぐるようにして (アモ4:11、ゼカ3:2) § さばきの日に、人間的に作り上げたもの(木、草、わらの素材)は燃えてなくなるが、その人の霊だけは救われる の意。 主に聞き従わず、霊的に死んだような聖徒たちも、行なったわざによってではなく、神の一方的な恵みによって、霊だけは救われる(= Tペテ4:6)
*16 ナオス(ギ、単・男) 聖所、(エルサレムの)神殿(単数)、聖徒たち全体が一つの神殿、 ト プニューマ(単数・中) 御霊
*17 ハギオス(ギ、形容詞) 聖なる、聖徒、 神に捧げられ分けられた の意 → 教会は、神に所有権がある
*18 § 「自分を欺いてはいけない」は、「(分裂させて)神殿を壊す」と、「自分は世の知者と思う」の両方にかかっている。 「自分は〜と思う」という自己主張(8:2、10:12、14:37、ガラ6:3、ヤコ1:26) ∴ 教会の分派の原因は、自分を欺いてでもする、人間の誇り(高慢)だった。 それに比べ、キリストの十字架は、人の賢さよりも賢い、「神の愚かさ」であり(1:25)、同時に真の知恵でもある(1:24、30、コロ2:3)
*19 ヨブ5:13
*20 詩篇94:11 「主は、人の思い計ることがいかにむなしいかを、知っておられる。」
*22 § 教会は、神により聖なるものとされているので、世界も聖徒たちが相続し、支配するもの(6:2、ロマ4:13)であり、死も、召されることと関係し、教会に関する事である(ピリ1:21、ロマ8:38、39)
第4章
1 このように、人は私たちを、キリストの付き添い人*、神の奥義*の管理者*とみなしなさい。
2 さらに、管理者に要求されているのは、主人に信頼される者*と見られることです。
3 私にとって、あなたがたに審査されたり、人の日*の審判にかけられたりすることは、どうでも良いこと*です。いや、私は自分をさばくこともしません。
4 私は自分に少しもやましいことはありませんが、それで義とされたというわけでもないからです。 私をさばく方は、主です。
5 だから、主が来られるまでは、何事についても、先走ったさばきをしてはいけません。主はまた、暗やみに隠れていることを光で照らし、心の中のはかりごとを明らかにされます。その時には、神から、各人に対して賞賛が現れるのです。
6 兄弟たち。以上のことを、私自身とアポロとに当てはめて言ってきましたが、それはあなたがたが私たちを例として、「書かれていることを越えない。」*ように考えることを学び、ある人につき、別の人に対抗して、高慢にならないためです。
7 誰が一体、あなたを選り抜いて*いるのですか。何か、あなたが持っているもの*で、もらっていないものがありますか。もしもらっているなら、なぜもらっていない者のように誇るのですか。
8* すでにあなたがたは飽き足りています。すでに裕福になっています。私たち抜きで、王になっています。本当に、王になっていてくれたらと思います。もしそうなら、私たちも、あなたがたと共に王になれたでしょう。
9* 私はこう考えます。神は私たち使徒を、死刑囚のように列の最後の者として引き出し、こうして私たちは、全世界に、御使いたちにも、人々にも、劇場の見せ物にされたのです。
10* 私たちはキリストのゆえに愚かな者となり、あなたがたはキリストにあって賢い者となっています。私たちは弱いが、あなたがたは強いのです。あなたがたは尊ばれ、私たちは卑しめられています。
11* たった今の今まで、私たちは飢え、渇き、みすぼらしい服装で、奴隷のように虐待され、落ち着くところが無くさまよっています。
12 苦労して自分の手で働いています*。 はずかしめられては祝福し、迫害されては持続して耐え、
13 ののしられては慰めの言葉をかけています。私たちは今に至るまで、この世のごみのように、拭き取る汚れのようにされているのです。
14 私がこのようなことを書くのは、あなたがたをはずかしめるためではなく、むしろ、私の愛する子供*としてさとすためです。
15 たといあなたがたに、キリストにある養育係*が一万人あったとしても、父が多くいるのではありません。私の福音によって、キリスト・イエスにあって、あなたがたを生んだ*のです。
16 そこで、あなたがたに勧めます。私にならう者となってください。*
17 このために、私は主にあって愛する忠実な私の子テモテを、あなたがたの所に送りました*。彼は、キリスト・イエスにおける私の行く道*を、私が至る所のすべての教会で教えている通りに、あなたがたに思い起させてくれるでしょう。
18 私があなたがたの所に来ることはないだろうと思って、高慢になっている人々がいます。
19 しかし主のみこころであれば、私はすぐにでもあなたがたの所に行って、高慢になっている人々の、言葉ではなく、力を見せてもらいましょう。
20 それは、神の御国は、言葉にではなく、力のうちにあるからです。
21 あなたがたは、どちらを望みますか。私が棒むち*をもって、あなたがたの所に行くことですか、それとも、愛と柔和の霊にあってですか。
*1 ヒュペレーテス(ギ) servant、attendants of a king、assistant、(元々 船の3段の一番下で漕ぐ者 の意)しもべ、使用人、王の付添人、助手、 ミュステリオン 奥義、 オイコノーモス (家、農場)の管理人、(町の)管理者
*2 ピストース(ギ、形容詞) faithful、trusty、(神、人に)忠実な、信頼される 主人に は補足、 (3節以下、人による評価ではない事を述べる)
*3 「主の日」に対する 「人の日」の審判 の意、 (直訳) 最も小さいこと
*6 1:19、(イザ29:14)
*7 ディアクリノー(ギ) separate、discriminate、prefer、他と区別する、より好む、えり抜く、 § 持っているもの: 御霊の賜物、奉仕の召しのこと
(12:7−10、12:28) → これは御体において一致し、互いに仕え、建て上げるためのもの。 コリント教会は、品性が成長していない割に、御霊の賜物がよく現れていた、バランスの悪い教会だった
*8 § ここでは、すでに終末の約束がすでに成就したと主張する、一部の”放縦主義”の人たちへの、皮肉の言葉
(Uテサ2:2、Uテモ2:18) (あるいは、神の語りかけの言葉が無いのに、すでに起こったこととして願望を宣言する、(現在で言う)”積極思考カルト”にも適用)
*9 § 7、8節のそれぞれの人々と対比して、使徒である自分について言っている
*10 § 十字架の言葉による宣教の愚かさ(1:21、23)、弱さを通して神の力が現れること(Uコリ12:9、13:4)、キリストの死にあずかる現在、を語る使徒と、すでに世の終わりが来て、賢いものになって、すでに飽き足りている、コリント教会の一部の者たちとの、対比
*11−13 (特に、使徒20:23−のエペソでの大騒乱の時期と一致) § パウロはテサロニケ、コリント、エペソで天幕職人として働いて生計を立てていた(Tテサ2:9、Uテサ3:8、Tコリ9:6、Uコリ11:7、使徒18:3) 当時のギリシャ人は、肉体労働は奴隷のする卑しい仕事と考えていた。(ユダヤでは手に職は一般的) これに加え、宣教する時は必ず、迫害やはずかしめ、ののしりがあった
*14 テクノン(ギ) children、son、子、信仰の子 cf. フィオス(弟子、Tペテ5:13、ヨハネ・マルコに対して)
*15 パイダゴゴス(ギ) 養育係、家庭教師、引率者 (= ガラ3:24) § 「養育係」は奴隷であり、子供をしつけ、学校に伴って行き、世話をするが、一方「父」はもっと親密な生みの親である。 パウロはこの「父」の方であると言っている。 (パイディオン 幼児、幼子)、 ゲンナオー born、be begotten、生む (ピレ:10)
*16 § 多くを語っても最後は全存在で見習うよう結論される (11:1 偶像の肉の問題を語った後で、 ピリ3:17、4:9、Tテサ1:6)
*17 送りました(書簡体不定過去: まだ遣わしていないが、手紙が届く頃には到着している の意)、 ホドース(ギ) way、course of conduct、道路、行く道 cf. スケマ 形状、形式、生活様式(7:31、ピリ2:7)
*21 ルハブドス(ギ) rod、staff、棒、棍棒、杖; 打つための棒
第5章
1 どこででも言われていますが、あなたがたの間に不品行*があるということです。しかも、他の国々の間にもその呼び名がないほどの不品行で、ある人が父の妻を妻にしているということです。
2 にもかかわらず、あなたがたは高慢になっています。その行ないをしている者を、あなたがたのただ中から除くべきであることを思って、むしろ嘆き悲しむべきではありませんか。
3* しかし、私のほうでは、体は離れていても霊では一緒にいて、その場に私がいるように、その行ないをした者をすでにさばきました。
4 それは、私たちの主、イエス・キリストの御名によってです。 すなわち、あなたがたが集まりに、私の霊も共にいて、私たちの主、イエス・キリストの御力によって、
5 そのような者をサタンに引き渡しました*。それは、彼の肉が滅びても、彼の霊が主イエスの日に救われるためです。*
6 あなたがたの誇り高ぶり*は、良くないことです。あなたがたは、ほんの少しのパン種が粉のかたまり全体をふくらませることを、知らないのですか。
7* 新しい粉のかたまりのままでいるために、古いパン種を取り除きなさい。私たちの過越しの小羊であるキリストは、すでにほふられたので、あなたがたはパン種のない者だからです。
8 それゆえ、私たちは、古いパン種、すなわち、悪意と堕落とのパン種を用いずに、パン種の入っていない純粋かつ真理のパンをもって、祭りをしようではありませんか。
9 私は前回の手紙で、不品行な者たちと交際してはいけないと書きましたが、
10 それは、この世の不品行な者たち*、貪欲(どんよく)な者たち、略奪をする者たち、偶像礼拝者たちなどと全然交際してはいけないと、言ったのではありません。もしそうだとしたら、あなたがたはこの世から出て行かなければならないことになります。
11 しかし、今この場で言いますが、私が書いたのは、兄弟という名が与えられている人で、不品行な者、貪欲な者、偶像礼拝をする者、人をののしる者、酒に酔う者、略奪をする者がいるなら、そのような人と交際をしてはいけない、食事も共にしてもいけない、ということです。
12 外部の人たちをさばくのは、私のすることでしょうか。あなたがたがさばくべき者は、内部の人たちではありませんか。
13 外部の人たちは、神がさばかれます。 そして、その悪い人を、あなたがた自身の中から除名することにしなさい。
*1 ポルネイーア(ギ) (元々売春の意)広義の姦淫で、売春、未婚性交、不貞などすべて (マコ7:21) cf. モイケイーア(ギ) 狭義の姦淫で不倫のこと (マコ7:22、ヨハ8:3、ロマ7:3)
*3 § 使徒は、遠隔で、御名の権威を行使した (コロ2:5、Tテサ2:17、 U列5:26 等)
*5 教会からの除名と、肉の死、 3:15
*6 コウケイマ(ギ、名詞・中) boasting、grolying、自慢、誇り; 誉れ、 § パン種は、罪というよりも、罪を黙認する無感覚な態度のこと (→ 6:5)
*7 § 過越し祭の規定をここにもってきている、 過越しの小羊がすでにほふられたのに、まだ古いパン種を除いていないのか の意
*10 ポルノス(ギ) (直訳) 男娼、金のために身を売る男
第6章
1 あなたがたの中の誰かが、別の人と何か問題を起した場合、それを不義の者たち*に訴え出て、聖徒たちには訴えないことを、あえてするのですか。
2 それとも、聖徒は世をさばくようになることを、あなたがたは知らないのですか。世があなたがたによってさばかれるはずなのに、あなたがたは簡易裁判所に着く価値もないのですか。
3 私たちは、御使いたち*さえもさばく者になることを、あなたがたは知らないのですか。まして日常生活のことなどは、言うまでもないことです。
4 それなのに、日常生活の事件が起こると、教会で無視されたような人たちを、裁判の席に着かせるのですか。
5 私がこう言うのは、あなたがたをはずかしめるためです。一体、あなたがたの中に、兄弟の間の争いを仲裁できるほどの賢い人は、一人もいないのですか。
6 そして、兄弟が兄弟を告訴し、しかもそれを不信者の前でするのですか。
7 そもそも、互に訴え合うことが、すでにあなたがたの損失*なのです。なぜ、むしろ不正を受けないのですか。なぜ、むしろだまし取られないのですか。
8 しかも、あなたがたは自ら、不正を行ない、だまし取り、しかも兄弟に対してそのようにしているのです。
9 あるいは、また*、不義な者は神の御国を相続できないことを、あなたがたは知らないのですか。惑わされてはいけません。 売春する者たち*、偶像崇拝する者たち**、不倫をする者たち*、少年男娼たち*、同性愛者たち*、
10 盗む者たち、貪欲な者たち、酒に酔う者たち、ののしる者たち、略奪する者たちは、いずれも神の国を相続できないのです。
11 あなたがたの中には、以前はそのような人たちもいました。しかし*、あなたがたは、主イエス・キリストの名によって、また私たちの神の霊によって、洗われ、そして*聖なるものとされ*、そして*義とされたのです。
12 すべてのことは、私に許されています*。 しかし、すべてのことが益になるとは限りません。すべてのことは、私に許されています。しかし、私はどんなものにも支配されません**。
13 食物は腹のため、腹は食物のためにあります*。 しかし神は、腹も食物も*滅ぼされます。体は不品行のためではなく、主のためであり、主は体のためにあります。
14 そして、神は主をよみがえらせました。そして、その方の御力によって、私たちをもよみがえらせて下さいます。
15 あなたがたは自分たちの体が、キリストの御体の一部であることを、知らないのですか。キリストの御体を取って遊女の体の一部とするのですか。それは絶対許されません。
16 それとも、遊女*と堅くつながる*者は一つの体になることを、知らないのですか。それは、「二人の者は一つの肉体*となる。」*とあるからです。
17 しかし主と堅くつながる者は、主との一つの霊であるのです。
18 不品行*を避けなさい。人の犯すあらゆる罪は、体の外にあります。しかし不品行をする者は、自分の体に対して罪を犯すのです。
19 あなたがたの体は、神から受けて自分の内に宿っておられる聖霊の神殿であって、あなたがたは、もはや自分自身のものではないことを、知らないのですか。
20 あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。それゆえ、自分の体をもって、また霊をもって、神の栄光を現しなさい。 それらは神のものです。
*1 アディコス(ギ) unjust; unrighteous、sinful、不正の; 不義の(=救われていない)
*3 アンゲロス(ギ) 御使い(冠詞無し): 教会は、この被造物の最高位の存在に対して、さばく権限を持つようになる(未来形)
*7 ヘッテマ(ギ) diminution、decrease; loss、減少(ロマ11:12)、損失
*9 ヘ(ギ) or、あるいは、 ポルノス(ギ) (直訳) 男娼、売春、 ** エイドロラテゥレス 偶像崇拝、(特に、女神アフロディト神殿の)巫女との姦淫を伴う儀式、 モイケイーア 不倫、姦通、 マラコース 男らしくない者、ホモの相手の少年、 アルセノコイーテス sodomite、ソドム人、同性愛者、男色者
*11 アラ(ギ) but、しかし が3回もそれぞれの語(洗われ、聖なるものとされ、義とされ)の前に入っている、 ヘギアスセーテ(アオ過去、2・複)
<ハギアーゾー hallow、purify、聖なるものとする、汚れを取り除く
*12 § すでに教会にあったグノーシスの放縦主義の主張 (体においてなしたことは本質的なことではなく、何ら影響を受けない というもの)、 ** 自己抑制のこと
*13 § これも、コリント教会の一部の人たちの主張 (食欲と性欲との類似性を主張して、性的放縦に走る こと)、 (直訳) これも それらも、
*16 ポルネー(ギ) 売春婦、 コルラオー(ギ) glue、join、糊付け、堅くくっつく、張り付く; 堅く自身を加える、しっかりつながる、 サルクス flesh、肉体、 創世2:24
*18 ポルネイーア(ギ) 売春、不貞などの全般
第7章
1 さて、あなたがたの手紙に書いてあった事についてですが、成人男子は、女に触れて結びつか*ないのが良いと思います。
2 しかし、不品行*に陥ることのないために、男はそれぞれ自分の妻を持ち、女もそれぞれ自分の夫を持ちなさい。
3 夫は妻に喜んで*その分を果し、同様に、妻も夫にそうしなさい。
4 妻は、夫以外に自分の体についての権限を持たず、同様に、夫も、妻以外に自分の体についての権限を持っていません。
5 互いに拒んで*はいけません。ただし、合意の上で、断食と祈りの時をしばらく過ごし、それからまた一緒になることは構いません。 それは、あなたがたが自制力が無い*時、サタンの誘惑にかからないためです。*
6 以上のことは、容認であって、命令ではありません。
7 私としては、すべての人が私自身のようになってほしいのです。しかし、一人一人に神から与えられた賜物*があるので、ある人はこのようにし、別の人はそのようにします。
8 次に、未婚者たちと、やもめたちとに言いますが、私のように、独身でいれば、それが最も良いのです。
9 しかし、もし自制することができないなら、結婚しなさい。欲情の燃えるよりは、結婚する方が良いからです。
10 更に、結婚している人々に命じます。命じるのは、私ではなく主です。 妻は夫と別れてはいけません。*
11 ・・・ しかし、万一別れているなら、そのまま結婚しないでいるか、それとも夫と和解するかしなさい。 ・・・ また、夫も、妻と離縁し去らせてはいけません。
12 その他の人々に言います。これを言うのは、主ではなく、私です。 ある兄弟に不信者の妻がいて、そして共にいることを喜んでいる場合には、離縁し去れせてはいけません。
13 また、ある婦人の夫が不信者であり、そして共にいることを喜んでいる場合には、分かれて去ってはいけません。
14 なぜなら、不信者の夫は妻によってきよめられていて、また、不信者の妻も夫によってきよめられているからです。もしそうでなければ、あなたがたの子は汚れていることになりますが、今や、聖なるものになっているのです。*
15 しかし、もし不信者の方が離れて行くのなら、離れるままにしておきなさい。兄弟も、姉妹も、このような場合には奴隷の束縛の下にはありません。神は、あなたがたを、平和の中に召されたのです。
16 なぜなら、妻よ、あなたが夫を救うことができるか、どうして分かりますか。また、夫よ、あなたも妻を救うことができるか、どうして分かりますか。
17 ただ、それぞれが主から分け与えられた分に応じ、また神に召された状態*のままで、歩むべきです。 私は、すべての教会に対して、このように指導しています。
18 誰かが召されたとき割礼を受けていたら、その跡をなくそうとさせてはいけません。また、召されたとき割礼を受けていなかったら、割礼を受けさせてはいけません。
19 割礼が有っても、無くても、問題ではありません。大事なのは、神の戒めを守ることです。
20 各自が召されたままの状態にとどまっているべきです。
21 召されたとき奴隷であっても、それを気にしないでいなさい。しかし、もし自由の身になれるなら、むしろその自由を用いなさい*。
22 主にあって召された奴隷は、主によって自由人とされた者であり、また、召された自由人はキリストの奴隷なのです。
23 あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。* 人の奴隷となってはいけません。
24 兄弟たち。あなたがたはそれぞれ、その召されたままの状態で、神の御前にいるべきです。
25 処女、独身*のことについては、私は主の命令を持ってはいませんが、あわれみによって主に信頼されている*者として、意見を述べます。
26 私はこう考えます。現在迫っている危機*のゆえに、人は今の状態にとどまっているのが良いのです。
27 もし妻に結ばれているなら、解かれようとしてはいけません。妻に結ばれていないなら、妻を迎えようしてはいけません。
28 しかし、たといあなたが結婚しても、罪を犯すのではありません。また、処女が結婚しても、罪を犯すのではありません。ただ、それらの人々はその肉体に苦難を受けるでしょう。* 私は、あなたがたに、そのような目に遭わせたくないのです*。
29 兄弟たち。私の言うことを聞いてほしい。時はすでに巻かれて短くなっています。* 今から後は、妻のある者たちは無い者たちのように、*
30 泣く者たちは泣かない者たちのように、喜ぶ者たちは喜ばない者たちのように、買う者たちは持たない者たちのように、
31 世の富*を用いている*者たちは、用い過ぎ*ないようにしなさい。 なぜなら、この世の形態*は過ぎ去るからです。
32 私はあなたがたが、煩わされないでほしいと思います。 独身の男は主のことに心を配り、主を喜ばせようと努めます。
33 しかし、既婚の男はこの世のことに心を配って、妻を喜ばせようと努めるのです。
34 妻と処女の間にも、違いがあります。未婚の女は、身もたましいも聖くなるため、主のことに心を配りますが、結婚した女はこの世のことに心を配って、夫を喜ばせようと努めるのです。
35 私がこう言うのは、あなたがたの利益のためであって、あなたがたをわなで束縛するためではありません。あなたがたが良い立場の生活を送って、目移りすることなく主に没頭してほしいからです。
36* もし、自分の処女の娘が一番盛んな時を過ぎようとしていて*、その扱いが正しくないと思い、またやむを得なければ、望みどおりにさせなさい。それは罪を犯すことではありません。二人に結婚させなさい。
37* しかし、彼が心の内で堅く決心していて、他に強いられる事情もなく、自分の思い通りにすることができ、その上で自分の娘ををそのままにしておくなら、そうしても構いません。
38* だから、自分の処女の娘を結婚させることは良いことであり、結婚させないことはさらに良いことをしているのです。
39 また、妻は夫が生きている間は、法に縛られていますが、もし夫が死ねば、彼女の望む人と結婚する自由があります。ただし、主にあってのみ、そうなのです。
40 しかし、私の意見では、もしそのままでいるなら、彼女はもっと幸いです。* そして、私は、神の霊を受けて意見を言っているのです。*
*1 ハプトー(ギ) fasten to
*2 ポルネイーア(ギ) 売春、不貞などの全般
*3 ユーノイア(ギ) good will、kindness、好意をもって
*5 (直訳) 詐欺を働く、 アクラシーア(ギ) 自制できない事、失禁、 § 片側が長い間留守にすると、(特に)コリントの場合は危ないので、祈りに専心する必要のある時は、夫婦の合意の上、暫定の間、再び戻って来る、という3条件を満たす注意深さが必要 と言っている § コリント教会の場合は、女性が夫と別れたがって、夫と離れて祈る場合があったと思われる (11:5「祈る時、被り物をしなさい」、14:34、35「黙っていなさい。夫に聞きなさい」 の意味)
*7 § 結婚の賜物と 独身の賜物
*14 § 夫婦生活で、キリスト者である方の影響力が強いので、子供も救われる率が高い
*17 § ここで最も重要なのは「召し」であって、11、15節の離婚は特別な例外 → 全生活にあってひたすら主に奉仕する
(:35) ことが目的
*21、31 クラーオマイ(ギ) receive a loan、borrow; use、make use of、借りる、用いる、役に立てる
*22 § キリストの血という非常に高い代価によって、キリストの奴隷として買い取られた
*25 パルセノス(ギ) virgin、処女(ルカ1:27、Uコリ11:2)、童貞(黙14:4)、(男女とも)独身、 ピストース(ギ、形容詞) trusty; fathful; believing、信頼できる; 忠実な、裏切らない、浮気しない; 信仰心のある
*26 § コリント教会への緊急事態・迫害?、あるいは、主の審判の時 cf. ルカ21:23、23:29については「終末のこと」△
*28 § (どのような苦難か不明) 政治的な変化による?(:31)、 (直訳) 無しで済ませる
*29 スネスタルメノス(ギ、受、完了、単・男) <スーステッロ draw together、shorten、roll together、接近する、短くなる、巻く、 § ≒ ロマ13:11 「(秒読みで)眠りから覚める時が来ている」、 ここから今までの記述と異なってくる → キリストの奴隷として従うこと、召し に重点 (:22、 ルカ14:26 「主の弟子」)
*31 コスモス(ギ) 世、世の財産、 クラーオマイ(ギ) 借りる、用いる、役に立てる、 カタクラーオマイ use much(excessively)、用い過ぎる、 スケーマ habitus、figure、manner of life、(五感による)外形、生活様式 (ピリ2:7) → Tヨハ2:15−17
*36−38 (彼 が 父親か、結婚相手かで、2通りの訳がある: → ヒュペルアクモス(ギ) 一番盛んな時を過ぎる(KJV、新改訳) あるいは、 相手が過度の情熱を抱く(口語訳))
*39 § 未亡人にも、許容される生き方と、最良の生き方を示す、 § (自ら神の霊を受けていると誇っている人々に対し、)パウロの意見(:25、40)は、神の霊によるものである と言っている、 意見を は補足
第8章
1 偶像に捧げたものについてですが、「私たちは皆、知識を持っている。」ということは、よく知っています。しかし、知識は人を高慢にし、愛は人を建て上げます*。
2 もし人が、自分は何かを完全に知っている*と思うなら、その人は、知っていなければならない事すら、まだ知っていないのです。
3 しかし、人が神を愛するなら、その人は神に知られているのです。
4 それゆえ、偶像へ捧げた肉に関しては、私たちは、偶像というものが世に存在しないこと、また、唯一の神の他に神がいないことを、知っています。
5 それは、多くの神々、多くの主があるために、神々と人々に言われるものならば、天に、また、地にありますが、
6 しかしながら、私たちには、父なる唯一の神のみがおられるのです。万物はこの神から出て、私たちもこの神に帰属し*、また、唯一の主イエス・キリストのみがおられるだけです。万物はこの主を通して*存在し、私たちもこの主を通して存在するのです。
7 しかし、すべての人この知識があるのではありません。ある人々は、ごく最近まで*偶像の慣習があり、偶像に捧げたものとして食べるので、それで彼らの弱い良心が汚されるのです。
8 食物は、私たちを神に導くものではありません。食べても富むわけではなく、食べなくても欠乏するわけではありません。
9* しかし、あなたがたのこの自由の権限が、弱い者たちのつまずきにならないように、気をつけなさい。
10 たとえば、知識のあるあなたが偶像の宮で食事をしているのを*、ある人が見た場合、その人の良心が弱いため、それによって”成長して”*、偶像への供え物を食べるようにならないでしょうか。
11 するとその弱い人は、あなたの知識によって滅びることになります。この弱い兄弟のためにも、キリストは死なれたのです。
12 このようにあなたがたが、兄弟たちに対して罪を犯し、彼らの弱い良心を打ち叩く*のは、キリストに対して罪を犯すことなのです。
13 それゆえ、もし食物が私の兄弟をつまずかせるなら、兄弟をつまずかせないために、私は、これから後は、決して肉を食べません。
*1、10 オイコドメーオ(ギ) build a house、repair、establish、建て上げる
*2 エグノーケン(ギ、完了、3・単) 完全な(十分な)知識を持っている
*6 ディア(ギ) through、 エイス into、towards
*7 (直訳) 現在まで
*9 § 知識を誇る人たちによって、精神的強制によって その肉を食べさせられることは、つまずきになる(=再び、元の偶像崇拝に陥ってしまう)
*10 § 不信者の友人に招かれて偶像の宮で、(これ見よがしに横になる上席について、自分は信仰が強いのだと誇って、)食事をすること、 オイコドメーオ(ギ) build a house、grow in wisdom and piety、建て上げる、知識と信仰心において成長する、 ここでは皮肉で”成長”と言っている
*12 テュープトー(ギ) strike、beat、smite、(棒で)打つ
第9章
1 私は使徒ではないのでしょうか。自由な者ではないのでしょうか。* 私たちの主イエスを私は見たのではないのでしょうか。あなたがたは、主にある私の働きの実*ではありませんか。
2 私は、他の人に対しては使徒でないとしても、あなたがたには使徒なのです。あなたがたが主にあることは、私の使徒職の証印なのです。
3 私を審問する人たちに対する弁明は、これです。
4 私たちには、飲み食いをする権利がないのでしょうか。
5 私たちには、他の使徒たちや主の兄弟たちやケパのように、信者である妻を連れて歩く権利がないのでしょうか。*
6 それとも、私とバルナバだけには、労働をせずにいる権利がないのでしょうか。*
7 一体、自分で賃金を支払って軍隊に加わる者がいるでしょうか。ぶどう畑を作っていて、その実を食べない者がいるでしょうか。また、羊を飼っていて、その乳を飲まない者がいるでしょうか。
8 私は、人間の考えでこう言うのではありません。律法もまた、そのように言っているではありませんか。
9 すなわち、モーセの律法に、「穀物をこなしている牛に、くつこをかけてはならない。」*と書いてあります。神は、牛のことを心にかけておられるのでしょうか。
10 それとも、もっぱら私たちのために言っておられるのでしょうか。もちろん、それは私たちのために書かれたのです。耕す者は望みをもって耕し、脱穀する者は、その分け前をもらう望みをもって仕事をするのは当然だからです。
11 もし私たちが、あなたがたのために御霊のものを蒔いたのなら、物質的なもの*をあなたがたから刈り取るのは、行き過ぎでしょうか。
12 もし他の人々が、あなたがたに対するこの権利にあずかっている*ならば、私たちはなおのことではありませんか。しかし私たちは、この権利を用いませんでした。かえってキリストの福音の進撃の道を断ち切*らないようにと、すべてのことを覆い隠して*います。
13* あなたがたは、神殿に仕える者たちは神殿から下がる物を食べ、祭壇に仕える者たちは祭壇の供え物にあずかることを、知らないのですか。
14 同様に、主は、福音を宣べ伝えている者たちが福音によって生活すべきことを、定めておられます。
15* しかし私は、これらの権利を一つも用いませんでした。そして、自分がそうしてもらいたいから、このように書くのではありません。私のこの誇りを、誰かによって無効にされるよりは、死んだ方がましだからです。
16 私が福音を宣べ伝えても、それは誇りにはなりません。なぜなら、私は、どうしてもしなければならない事だからです。もし福音を宣べ伝えないなら、私は災いを受けるからです。*
17 進んでそれをすれば、報酬を受けられるでしょう。しかし、自発的でないとしても、それは、私にゆだねられた家の管理業務だからです。
18 それでは、その報酬は何でしょう。福音を宣べ伝えるのにその生活費をもらわないで提供し、福音宣教において私が持つ権利を十分に用いないことです。
19 私は、すべての人に対して自由ですが、さらに多くの人を獲得するために、すべての人の奴隷となったからです。
20 ユダヤ人たちには、ユダヤ人のようになりました。ユダヤ人たちを獲得するためです。律法の下にある人々には、私自身は律法の下にはありませんが、律法の下にある者のようになりました。律法の下にある人々を獲得するためです。
21 律法を持たない人々には、 ・・・ 私は神の律法の外にあるのではなく、キリストの律法*を守る者ですが、 ・・・ 律法を持たない者のようになりました。律法を持たない人々を獲得するためです。
22 弱い人々には弱い者になりました。弱い人々を獲得するためです。 すべての人々に対して、すべての人々のようになりました。何とかして幾人かでも救うためです。
23 私は、福音のためにはどんな事でもしています。福音の恵み*を共に受ける出場者*となるためです。
24* 競技場で走る者は、皆走りますが、賞を受ける者は一人だけであることを知っているでしょう。あなたがたも、賞を獲得するように走りなさい。
25 また、競技をする者すべては、あらゆることに自制をします。彼らは朽ちる冠(かんむり)を受けるためにそうしますが、私たちは朽ちない冠を受けるためにそうするのです。
26 そこで私は、到着点のはっきりしないような*走り方をせず、空を打つような拳闘もしてはいません。
27* そして自分の体を拳闘で打ち叩いて*奴隷とするのです。それは、他の人に宣べ伝えておきながら、自分が失格者になることのないためです。
*1 § コリント教会の律法主義者、放縦な者たちによって、誤解、批判され、パウロが使徒であることも否定されかけていた。使徒としての当然の権利を十分用いなかったため。(使徒権 :4−) パウロは福音の自由に生きる者であるが、兄弟愛、隣人愛にのみに、その自由を用いた(ガラ5:13)、 エルゴン(ギ) business、product、働き、働きの実
*2 § 問題に満ちていてもコリント教会の形成を行ない、それが使徒職の印であると言っている (エペ2:20 「使徒、預言者の土台の上に教会が建てられる」)
*5 § ペテロ(ケパ)以外の使徒たちにも妻がいた、 使徒権: 飲み・食い、結婚、宣教地の教会からの生活費
*6 § 他にも、同労者テトス(Uコリ12:16−18)、テモテ、シルワノ(Tテサ2:9)が、コリント、テサロニケで無給の奉仕をしていた
*7 § 生活を異にする3者: 兵士、所有者、奴隷を引き合いに出している
*9 申命記25:4
*11 (直訳) 肉のもの(複数)
*12 § 他の使徒や兄弟たちが、経済的援助を受けたことがあること (9:5、6)、 エグコレー(ギ) cutting (made in a road to impede an enemy in pursuit) (軍事用語) 敵軍の追撃の道を切って妨害する、 ステゴー(ギ) cover、cover to keep secret(hide、conceal)、cover of the errors and faults、覆う、隠す・秘密にする、間違い・欠点などを覆う (Tコリ13:7)
*13 § ここでは偶像の宮ではなく、エルサレム神殿のこと
*15 § この当然の報酬をもらわないと、ここまで言う理由は、(これまで述べたように、)強い者たちの自由によって、弱い者たちをつまずかせないでほしいから。 また、福音宣教の勢いをそぐことをしたくないから
*16 § パウロは、「使徒、伝道者、教師」(Uテモ1:11)であり、そのうちの「伝道者」は、召しの本分の「伝道」をしないと、主に打たれる
*21 § キリストの律法: キリストに従い(11:1)、キリストの霊に導かれて生きる道(ロマ8:4)。 兄弟愛(ヨハ13:34、ガラ6:1、2)
*23 恵みを は補足、 シュンコイノノース(ギ) participant with others in anything、joint partner、他の人たちと一緒に加わる参加出場者、共同経営者
*24 § パウロが1回目にコリントに滞在した時、2年に一度郊外で開かれる
”イスムス競技”が開かれた。 競技(一般人が参加する競争)に参加することと、賞をもらうことは
別のこと の意
*25 § 食物、ワイン、性的なこと、等を自制する。 中心選手たちは10ヶ月も自制をしたという
*26 (直訳) 不確かな、確信の無い、あやふや
*27 ヒュポピアゾ(ギ) (目の下を打つ、あざで青黒くなる過酷な)ボクシングの一種 (ルカ18:5)、 § 自分の最大の敵は、自分の体である の意
第10章
1* 兄弟たちよ。このことを知らないでいてほしくありません。 私たちの先祖は皆、雲の下におり*、皆、海を通り、
2 皆、雲の中、海の中で、モーセにつくバプテスマを受けました。
3 また、皆、同じ御霊の食物を食べ*、
4 皆、同じ霊の飲み物を飲みました。すなわち、彼らに伴って来た御霊の岩*から飲んだのですが、この岩とはキリストのことです。
5 しかし、彼らの中の大部分は、神のみこころにかなわず、荒野で滅ぼされてしまいました。
6 これらの出来事は、私たちに対する警告です。彼らが悪をむさぼったように、私たちも悪をむさぼることのないためです。
7 だから、彼らの中のある者たちのように、偶像礼拝者になってはならないのです。すなわち、「民は、座っては飲み食いし、また立っては踊り戯れた。」*と書いてあります。
8 また、ある者たちがしたように、私たちは不品行をしてはいけません。彼らは姦淫のために、一日に二万三千人も死にました。*
9 また、ある者たちがしたように、私たちは主を試みて*はいけません。主を試みた者は、へびどもに殺されました。*
10 また、ある者たちがつぶやいたように、つぶやいてはいけません。つぶやいた者は、滅ぼす者*に滅ぼされました。*
11 これらの事が彼らに起ったのは、私たちに対する警告としてであり、それが書かれたのは、私たちに対する訓戒のためです。この私たちに、世々の終りが到来しています。
12 だから、堅く立っていると思う者*は、倒れないように気を付けなさい。
13 あなたがたの会った試錬*は、人知れぬ特別なものではありません。* 神は信頼すべき方です*。あなたがたができる以上の試錬はお許しになりません。むしろ、試錬と同時に、その下にいて耐えられる*ように、出口をも備えて下さいます。
14 それだから、愛する者たち。 偶像礼拝を避けなさい。
15 あなたがたが、真に知恵ある人たちであるとして、私は言います。私の語ることを判断してみなさい。
16 私たちが祝福する祝福の杯、それはキリストの血にあずかること*ではありませんか。 私たちが裂くパン、それはキリストの御体にあずかる*ことではありませんか。
17 パンが一つであるから、私たちは多くいても、一つの体なのです。皆の者が一つのパンを共に食べるからです。
18 肉におけるイスラエル*を見てみなさい。供え物を食べる人たちは、祭壇にあずかる*のではありませんか。
19 すると、何と言うべきでしょう。偶像とは、何か意味のあるものでしょうか*。偶像の捧げものは、何か意味があるものでしょうか。
20 そうではなく、異邦人たちが捧げるものは、神にではなく、悪霊どもに捧げられている、と言っているのです。あなたがたが悪霊どもと交流を持つ*ようになることを、私は望みません。
21 主の杯と悪霊どもの杯とを、両方飲むことはできません。主の食卓と悪霊どもの食卓とに、両方にあずかることはできません。
22* それとも、私たちは主のねたみを起そうとするのですか。 私たちは、主よりも強いのでしょうか。
23 すべてのことは私にとって合法です*。しかし、すべてのことが益になるとは限りません。すべてのことは私にとって合法です。しかし、すべてのことが人を建て上げるとは限りません。
24 だれでも、自分のことばかり要求しないで、それぞれ他の人のことを求めるべきです。
25 肉売り場で売られている物はどれでも、良心を通して調べること無しに、食べなさい。
26 地と、それに満ちているものとは、主のものだからです。*
27 もしあなたがたが、不信者の誰かに招かれて、そこに行こうと思う場合、自分の前に出される物は何でも、良心を通して調べること無しに、食べなさい。
28 しかし、誰かがあなたがたに、これは偶像に捧げた肉です、と言ったなら、それを知らせてくれた人のために、またその人の*良心のために、食べてはいけません。というのは、地と、それに満ちているものは主のものだからです。*
29* 私が良心と言っているのは、あなた自身の良心ではなく、そのもう一人の人の良心のことです。 どうして私の自由が、他人の良心によって支配されるのでしょうか。
30 また、もし私が感謝して食べる場合、その感謝する物について、どうして人のそしりを受けるのでしょうか。
31 だから、飲むにも、食べるにも、また何かをするのにあっても、すべて神の栄光のためにしなさい。
32 ユダヤ人たちにも、ギリシヤ人たちにも、神の教会にも、つまずきになってはいけません。
33 私もまた、何事にもすべての人に喜ばれるように努め、多くの人が救われるために、自分の利益*ではなく彼らのことを求めているのです。
*1 § コリント教会のある人々を、かたくなな出エジプトの民にたとえている、 昼は(太陽光を遮る)雲の柱、夜は(暖房を与える)火の柱、昼も夜も進むため
(出13:21)
*3 奇跡によるマナ なのでこう呼ぶ
*4 § 当時、キリストが岩の形をとって、民に伴って来られた の意。
荒野での旅の初めと終わりのみ(出17:1−7 と、民20:2−13)この岩が水を出した cf.Tペテ2:4
*7 出エジ32:4−6
*8 民数25:1−9
*9 民数21:5、6 エクピーラーゾ(ギ) prove、test、試みる、(マタ4:7) § コリント教会の場合は、どこまで偶像崇拝にかかわることが許されるか、ということで、主を試みていた (→ 8:10)
*10 民数16:41、17:5、10、 御使いか、悪霊(死の霊)か
不明、 いずれにしても主の許しの下に働いた
*12 § 自らの立場と状況に過信している一部の人々 のこと
*13 ピーラスモス(ギ) experiment、attempt、trial; temptation、試験、試練; 誘惑、(マタ6:13、ヤコ1:2 等) § 偶像を捨てた時の葛藤は、コリント教会に限ったことではない の意、 ピストース(ギ、形容詞) trusty、faithful; believing、trusting、one who trusts in God's promises、信頼すべき、約束を成し遂げる の意、(真実な△) (1:9)、 § 試練(ここでは偶像と姦淫の誘惑の試練)と、その出口との、セットで神は備えられる、 ヒュポフェロー bear by being under、〜の下で耐える
*16、18、20 コイノニーア(ギ) fellowship、association、communion; participation、交流、仲間、親交; 参加
*18 イスラエル民族
*19 イードーロン ティ エスティン(ギ) idol anything is、偶像(単数)は何者かである
*22 § 被造物を拝んで、創造主なる神の「ねたみ」を引き起こすことが、真に恐るべきこと
*23 エクセスティ(ギ) lawful、合法; (律法に対して)合法
*25、28 詩篇24:1、 偶像そのものは存在せず(8:4)、食物が体を汚すことはない(マコ7:19、使徒10:10−16))
*29 (前半) § わざわざ挿入句として入れるほど重要なこと、 (念を押して、)強い人は、弱い人の良心に十分配慮して、つまずきになってはいけない (ロマ14:13−16等)
*33 シュームフォロス(ギ、単・中) 益、 (7:35 とここだけ)
第11章
1 私がキリストを模倣する者であるように、あなたがたも私の模倣をする者になりなさい。
2 あなたがた、兄弟たち。何かにつけて私を思い起こし、あなたがたに伝えた教えを守っているので、私はこれは良いと認めています。
3 しかし、このことをあなたがた知っていただきたいのです。 すべての男のかしら*はキリストであり、女のかしらは男であり、キリストのかしらは神です。
4 男が、祈りや、預言をする時、頭にかぶり物をするのは、自分の頭をはずかしめることになります。
5* 女が、祈りや、預言をする時、頭におおいをかけないのは、自分の頭をはずかしめることになります。それは、髪を剃ったのと全く同じことだからです。
6 もし女が覆いをかけ*ないなら、髪を切ってしまいなさい。髪を切ったり剃ったりするのが、女にとって恥ずべきことであるなら、覆いをかけるべきです。
7 男は、神の形、また栄光*であるので、頭に物をかぶるべきではありません。女は、また男の光栄*です。
8 なぜなら、男が女から出たのではなく、女が男から出たからです。*
9 また、男は女のために造られたのではなく、女が男のために造られたからです。
10 それゆえ、女は、頭に権威のしるしをかぶるべきです。それは御使いたちのためでもあります。*
11 ただ、主にあっては、男と分離した女はいないし、女と分離した男もいません。
12 なぜなら、女が男から出たように、男もまた女を通して生れた*からです。そして、すべてのものは神から出たのです。
13 あなたがた自身で判断してみなさい。女が覆いをかけずに神に祈るのは、ふさわしいことでしょうか。
14 自然*そのものですら、教えているではありませんか。男に長い髪があれば*彼の恥になり、
15 女に長い髪があれば彼女の光栄になるのです。長い髪は覆いの代りに女に与えられているものだからです。
16* しかし、それについて異論を唱えようとする人がいても、そのような風習は私たちにはなく、神の諸教会にもありません。
17 ところで、次のことに話を移しますが、あなたがたをほめるわけにはいきません。それは、あなたがたの集まりが益にならずに、かえって害になっているからです。
18 まず第一に、あなたがたが教会に集まる時、互いの間に分派があることを聞いていて、ある程度はそれを信じています。
19 確かに、あなたがたの中で容認できる*者たちが明らかになるためには、分派が起こることもやむを得ないからです。
20 そして、あなたがたが共に集まることは、主に属する*晩餐を守ることになっていないのです。
21 それは、食事のとき、各自が我先にと自分の晩餐を食べるので、空腹な人がいる一方で、酔っている人がいる始末だからです。
22 あなたがたには、飲み食いをする家がないのですか。それとも、神の教会を軽んじ、貧しい人々をはずかしめようとするのですか。私はあなたがたに何と言いましょうか。あなたがたを、良いと認めるべきでしょうか。この事では、認めるわけにはいきません。*
23* 私は、主から受けたことを、あなたがたに伝えたのです。 すなわち、主イエスは、まさに引き渡される夜、パンを取り、
24 感謝をささげてからこれを裂き、そして言われました。 「取って食べなさい。これはあなたがたのために裂かれた、わたしの体です。わたしを思い起こすために、これを行ないなさい。」
25 食事の後、杯をも同じようにして言われました。 「この杯は、わたしの血による新しい契約です。飲むたびに、わたしを思い起こすために、これを行ないなさい。」
26 だから、あなたがたは、このパンを食し、この杯を飲むたびに、主が来られる時まで、主の死を告げ知らせるのです。
27* それゆえ、ふさわしくないままでパンを食べ、主の杯を飲む者は、主の御体と血に対して罪を犯すのです。
28 誰でもまず自分を吟味し、それからパンを食べ、杯を飲むべきです。
29 主の御体であることをよく区別し*ないで飲み食いする者は、その飲み食いによって自分を価値の無い者としてさばくことになります。
30 あなたがたの中に、弱い者たちや病人たちが大ぜいおり、また、かなりの死んだ者たちがいるのも、そのためです。
31 しかし、自分をよく識別している*ならば、私たちはさばかれることはないのです。
32 一方、さばかれる場合は、この世と共に罪に定められないように、主の懲らしめを受けることなのです。
33 それゆえ、兄弟たち。食事のために集まる時には、互いに待ち合わせなさい。
34 もし空腹ならば、家で食べなさい。それは、さばきを受けに集まることにならないためです。その他の事は、私が行った時に決めましょう。
*3 ケファレー(ギ) 頭、支配権、起源
*4 § 男としての、神の像(似姿)、神の栄光を、覆い隠すことになる の意
*5 § (おそらく、コリントの地域性から、)一部の熱狂的な女性が被り物を取り払って祈りや預言をしたり、派手な髪型を見せびらかすなど、公同の教会の秩序を乱したことが原因といわれる (14:33−36、Tテモ2:11)、 髪をそる、髪を切る、頭を剃る = 奴隷、不倫の女、遊女 に対して行われた cf. レビ14:8、9(らい病人のきよめ)、申命21:12(捕虜を妻にする)
*6 カタカリュープトー(ギ) cover up、veil、覆いをかける、ベールを付ける
*7 エイコーン(ギ) image、figure、likeness、像、形、似たもの、 ドクサ splendour、glory、輝き、栄光
*8 創世2:21−23
*10 § 女を「教会」にたとえて、御使いによるカバリング(覆い)の守りを暗示している (サーカク(ヘ) coverer、覆う者、守護者、 教会の夫は、キリスト)
*12 生まれた は補足
*14 フューシス(ギ) nature、ここでは神による被造物 の意、 (直訳) 髪を伸びっぱなしにする
*16 § 女が被り物をしない風習は他の教会にも無く、異議を唱える者があってもこれ以上の弁証はしない の意
*19 ドキモス(ギ) accepted、pleasing、受け入れられる、喜ばしい
*20 キュリアコス(ギ) 主の、 (当時、)皇帝の、皇帝に属する の意 (黙1:10)
*22 § 富む者は教会を私有化する傾向にあった。 これは神の教会を軽んじることである
*23−26 § 聖餐式の式辞となっている
*27、28 § 通常は信じて確信がある人には、聖餐式を勧める、(洗礼を受けた人に限定するとつまずかせることがある)
*29、31 ディアクリノー(ギ) 区別する、識別する、(見分ける)
第12章
1 兄弟たち。御霊の事がら*については、次のことに無知でいてほしくありません。
2 あなたがたがまだ異教徒であった時、どう誘われて連れて行かれたとしても、物の言えない偶像のところだったことは、あなたがたがよく承知しています。
3 そこで、あなたがたに言っておきますが、神の霊によって語る者はだれも「イエスはのろわれよ*。」とは言わないし、また、聖霊によらなければ、だれも「イエスは主である。」と言うことはできません。*
4 賜物にはそれぞれ違いがありますが、御霊は同一の方です。
5 役職にはそれぞれ違いがありますが、主は同一の方です。
6 働きにはそれぞれ違いがありますが、すべてのものの中に働かれ、すべてのことをなさる神は、同一の方です。
7 皆の益となる*ために、それぞれの人に御霊の現われが与えられています。
8 すなわち、ある人には御霊を通して知恵の言葉*が与えられ、ほかの人には、同じ御霊にしたがって知識の言葉*、
9 また他の人には、同じ御霊にあって信仰*、またほかの人には、一つの御霊にあっていやしの賜物*、
10 また他の人には奇跡の力*、また他の人には預言*、また他の人には霊の見分け*、また他の人には各種の異言*、また他の人には異言を翻訳する力*が、与えられているからです。
11 これらのものは皆、一つの、また同じ、御霊の働きであって、御霊はみこころのままに、それらを各自に分け与えられるのです。
12 体が一つであっても器官は多くあり、また、体のすべての器官が多くあっても、体は一つであるように、キリストの場合も同様です。
13 なぜなら、私たちは皆、ユダヤ人もギリシヤ人も、奴隷も自由人も、一つの体となるように、一つの御霊によってバプテスマを受け、そして皆一つの御霊を飲んだ*からです。
14 実際、体は一つの器官だけではなく、多くの器官からできています。
15 もし足が、私は手ではないから、体に属していないと言っても、それで、体に属さなくなるのではありません。
16 また、もし耳が、私は目ではないから、体に属していないと言っても、それで、体に属さなくなるのではありません。
17 もし体全体が目だとすれば、どこで聞くのですか。もし、体全体が耳だとすれば、どこでかぐのですか。
18 そこで神はみこころのままに、それぞれの器官を、体の中に設置されたのです。
19 もし、すべてのものが一つの器官なら、どこに体がありますか。
20 ところが実際、多くの器官がありますが、体は一つなのです。
21 目は手に対して、「あなたを必要としない。」とは言えず、また頭は足に対して、「あなたを必要としない。」とも言えません。
22 それどころか、体の器官の、他よりも弱く見える部分が、かえって必要な存在なのであり、
23 体の他よりも尊く*ないと思えるところに、さらなる尊さで回りを覆います*。見栄えのしない部分は、有り余るほどの麗しさ*があるようにしますが、
24 私たちの麗しい姿の*部分はそうする必要がありません。神は、見栄えのしない部分に有り余るほどの栄誉を与えて、体に混ぜ合わせて*くださったのです。
25 それは、体の中に分裂がなく、それぞれの器官が互にいたわり合うためなのです。
26 もし一つの器官が苦しめば、他の器官も皆、共に苦しみ、一つの器官が尊ばれると、他の器官も皆、共に喜びます。*
27 あなたがたはキリストの体であり、一人一人はその器官なのです。
28 そして、神は教会の中で、人々を次のように任命されました。 第一に使徒たち*、第二に預言者たち*、第三に教師たち、次に、奇跡を行なう者たち、次に、いやしの賜物を持つ者たち、また助ける者たち*、治める者たち*、各種の異言を語る者たち、です。
29 皆が使徒たちでしょうか。皆が預言者たちでしょうか。皆が教師たちでしょうか。皆が奇跡を行う者たちでしょうか。
30 皆がいやしの賜物を持っている者たちでしょうか。皆が異言を語る者たちでしょうか。皆が異言を翻訳する者たちでしょうか。
31 あなたがたは、より優れた*賜物を熱烈に求めなさい*。しかし、私はそれらすべてを越えた*道をあなたがたに示しましょう。
*1 プニューマティコーン(ギ、形容詞、中・複) <プニューマティコース 御霊の〜、 〜 は、複・中より、
things(事がら)、 カリスマートーン(所有、複・中) gifts(賜物) ともおける
*3 アナセマ(ギ) のろい、のろわれよ (16:22)、 § ここで御霊の賜物を解説するにあたって、念のため、この世の霊ではないことを断っておく
*4 カーリスマ(ギ、中) gift、gifts of Spirit、 (= 御霊が分け与える9つの)賜物
*5 ディアコニーア(ギ、女) service、ministering、office of the apostles、office of prophets、奉仕; 使徒職、預言者職などの役職; 給食 (= エペ4:11 主イエスが任命する、「五役者(五職)」)
*6 エネールゲマ(ギ、中) thing wrought、effect operation、鍛造されたもの(精巧に造られたもの)、活動、 (奇跡を)行なう力 (:10) (= ロマ12:6−8
(7つの奉仕)、 あるいは、Tコリ12:28 「教会の器官」、父なる神が任命)
*7 プロス ト シュムフェロン(ギ) toward the being bear(bring) together、(直訳) 共に益(恵み)を産する
*8 § 9つの御霊の賜物: ロゴス ソフィアス (単数・男、冠詞無し) word of wisdom、知恵の言葉、 ロゴス グノーセオース word of knowledge、知識の言葉
*9 ピスティス(単・女) faith、信仰(の賜物)、(「山を動かす」(13:2)、「水上歩行」など)、 カリスマタ イアマトーン(複・中) gracious gifts of healing、(各種の)いやしの賜物
*10 エネルゲーマタ(複・中) デュナメオーン(複・女) operations of power、力のわざ(奇跡)を行なう能力、 プロフェーテイア(単・女) prophecy、預言、 ディアクリセイス(複・女) プニューマトーン(複・中) discrimination of spirits、霊の識別(見分け)、 ゲネー(複・中) グローッソーン(複・女) kinds of tongues(languages)、各国の舌(言語) (使徒2:6 「方言」)、§ これら「人の異言(外国語・方言)」の他に、「御使いの異言」(13:1)がある。 広い意味では、「神と直接話す(未知なる)言葉」(13:1)、「聖霊がとりなす(言葉にならない)うめき」(ロマ8:26)、「霊の歌」(エペ5:19)というものもあり、この多くがアズサ・リバイバル以降の「異言」に分類されている、 ヘルメーネイア(単・女) グローッソーン(複・女) translation of languages、言語の翻訳・解き明かし、 § 本来の「異言」を解き明かすと、必ず明確な言葉になる
*13 エポティスセーメン(ギ、アオ過去(不定過去)、受、1・複)
<ポティーゾ (過去のただ一度のこととして)飲ませられた(飲んだ) § 聖霊のバプテスマが、人の内部の、信仰の根底にかかわることを意味する
*23 ティメー(ギ、名詞) honour、valuing、尊さ、名誉、値段の価値、 ペリティーセミー 服を着せる、回りを覆う、 ユースケモシューネ(名詞) charm or elegance of figure、外形の魅力
*24 ユースケーモン(ギ、形容詞) elegant figure、honourable、麗しい姿の、尊敬すべき、 シュンケラーンヌュミ(動詞) mix together、commingle、unite、混合する、有機的に構成する、(複数のものが)合体する、結合して一体となる
(ヘブ4:2)
*26 § 深く、内面的に分かち合うこと
*28 § 「御父が定める7つの奉仕」(ロマ12:6−8)と 「御子が任命する五役者」(エペ4:11)
を混ぜたような構成で、教会の中で順位がある: 使徒は、キリストに直接召され、力強いわざを伴って福音を宣べ伝え、また(預言者と共に、)教会の土台となって建て上げ(エペ2:20)、全教会に権威と責任がある。( ex)小羊の12使徒、パウロ、バルナバ(使徒14:14)。イエスの兄弟ヤコブ(?)。 アンドロニコとユニアスは違う(ロマ16:7の誤訳)、”あの大使徒たち”とは、にせ使徒のことで、わざが起こらない(Uコリ11:5、12:12))、 預言者は、教会あるいは個人に対する神の言葉を取り次ぐ、 使徒、預言者、教師は、共にみことばにかかわる、 アンティーレプシス(ギ) aid、help、apprehension、助け、気遣い、 キュベールネシス government、政治、治めること、 助ける者、治める者も、人間的ではなく、主に聞いて、御霊の賜物によって行う必要がある
*31 クレイトーン(ギ) more useful、more excellent、より役に立つ、より優れた、 ゼーロウテ(命令、2・複) <ゼーロオー burn with zeal、desire earnestly、envy、ねたみに燃える、熱心に求める、ねたむ、 ヒュペルボレー(名詞) throwing beyond、 superiority、excellence、beyond measure、越えて投げること、優れていること
第13章
1 たとい私が、人々の異言や御使いたちの異言を語っても、もし愛*がなければ、私は、青銅のどら*の轟音*や、シンバルの鳴り響く音と同じです。
2 また、たとい私が預言を持っていて、あらゆる奥義とあらゆる知識とに通じ、また、山を動かすほどまでの、あらゆる信仰を持っていても、もし愛がなければ、私は何も持っていないのと同じです。
3* また、たとい、私のすべての持ち物を食物の施し物とし、また、自分の体を火で焼かれるために引き渡したとしても、もし愛がなければ、益となるものは何もありません。
4* 愛は、忍耐して待ち*、 親切です。 愛は、ねたまず、 自分を誇らず*、 高ぶり*ません。
5 礼儀に反せず、 自己中心ではなく、 激怒せず、 人の悪を数え上げず、
6 不正については喜ばず、 真理と 共に喜びます*。
7 すべてを覆って自制し*、 すべてを信じ、 すべてを期待し、 すべてに踏みとどまります*。
8 愛は決して冷めてなくなってしまうことがありません。しかし、預言は廃(すた)れ、異言は止まり、知識は廃れます。
9 なぜなら、私たちの知っていることは一つの部分*であり、預言することも一つの部分だからです。
10 完全なもの*が来る*その時には、部分から成るものは廃れます*。
11 私たちが幼子(おさなご)*であった時には、幼子として話し、幼子として思い、また、幼子として理解していました。しかし、大人になった今は、幼子としてのことがらを止めました。
12 私たちは、今は、鏡に映して見るようにぼんやりと*見ています。しかしその時には、顔と顔とを合わせて見る*ことになります。今私は、一部分しか知りませんが、その時には、私が完全に知られているように、完全に知ることになります。
13 今や*、信仰と、希望と、愛。 これらの三つのものが続いています*。 このうちで最も偉大なもの*は、愛です。
*1 アガーペー(ギ) brotherly love、affection、good will、love、(元々)兄弟愛、愛情; 愛、 (直訳) 銅、銅貨、 (直訳) 海のうなり音
*3 § 全財産を施すことや、火で焼かれる殉教さえも、「愛」とは別のこと。もし人間的に行うなら、実を結ばない。 主とのコミュニケーションをよく取り、主に聞き従って召しと賜物を行使するとき、キリストに似たものとなる。
*4 § 「愛」を「神」にして読み替えると、そのまま通じる。 「愛」とは、「神との交わりによる品性」のこと、 マクロシュメーオ(ギ) be longsuffering、(時間をかけて)忍耐する、 (忍耐=待つこと ヘブ6:15)、 ペルペリューオマイ boast one's self、self display、自分を誇る、自己顕示する、 フューシオーオ inflate、puff up、膨らませる、得意がらせる、偉ぶる
*6 愛と真理が、共に喜ぶ の意
*7 ステゴー(ギ)覆い隠す、(罪を)覆う、(怒り、感情を)抑える、(9:12、Tテサ3:1、5、ヤコ5:20、Tペテ4:8)、 ヒュポメノー 留まる(ルカ2:43)、(信仰の立場に)踏みとどまる(使徒17:14、ローマ12:12、マタイ10:22、24:13、マルコ13:13)
*9 メーロス(ギ、中) part、部分
*10 ト テレイオン(ギ、形容詞、単数・中性) <テーレイオス finished、perfect、full grown、完全な〜、(〜は、thing(中性)、もの)、 エルセー(アオ過去2(瞬時)、3・単) <エルコマイ (その時一回限り)来た、 カタルゲーセーセタイ(未来、3・単) 廃れるでしょう、 § 明らかに(未来の、一回限りの)「主の再臨」の時のことで、近い将来のこの時までは
御霊の賜物(知識や預言などの部分から成るもの)は継続して行われる の意、 (反カリスマ教理の論拠の、「聖書」がゆっくり形作られていったのとは異なる) cf.「キリストが現れたなら、私たちはキリストと似たものとなります。その本当の姿を見るからです。」(Tヨハネ3:2) は、賜物を品性に置き換えた、対の表現 (by. KJV(1945年)監修のスコフィールドによる脚注)
*11 ネピオス(ギ) infant、little child、幼子
*12 アイニグマ(ギ、名詞、中) obscure、よく見えずぼんやりしたもの、enigma、謎、 民数12:8、申命34:10、 § 今コリント教会における神認識がぼんやりしたものであっても、「主の再臨の時」は、「顔と顔を合わせて見る」ことになる
*13 ニュニ(ギ、副詞) now、今、今すでにあるもの の意、 メネイ(現在、3・単) <メノー remain、abide、continue、wait for、留まる、(状態が)持続する、(時間的に)残っている、を待つ、 メイゾーン(比較級、単・女)
<メガス greater、greatest、より多い、大きい、偉大な
第14章
1 愛を追い求めなさい。また、霊の賜物を、特に預言することを、熱心に求めなさい。
2 異言を語る人は、人々に対して語るのではなく、神に対して語っているのです。それは、誰が聞いても理解できず、彼は御霊によって奥義を語っているからです。
3* しかし預言をする人は、人々に語って、その人々を建て上げ*、励まし、慰めるのです。
4 異言を語る者は自分だけを建て上げますが、預言をする者は教会が建て上げられます。
5 私は実際、あなたがたがひとり残らず異言を語ることを望みますが、特に預言をしてほしいと思います。教会が建て上げを受けるように異言を翻訳しない限り、異言を語る者よりも、預言をする者の方が、より優っています*。
6 さて、兄弟たち。たとい私があなたがたの所に行って異言を語るとしても、啓示*、知識、預言、教えを語らなければ、あなたがたに何の益となるでしょうか。
7 また、笛や立琴のようないのちの無い楽器でも、もしその音に区別が無いと、何を吹き、何を弾いているのか、どうして分かるでしょう。
8 また、もしラッパがはっきりした音を出さないなら、だれが戦闘の準備をするでしょう。
9 それと同様に、もしあなたがたが舌を通して明瞭な言葉を語らないならば、どうしてその語ることがわかるでしょう。それは、空(くう)に向かって語っていることになります。
10 世界には非常に多くの音声*がありますが、意味のないものは一つもありません。
11 もしその言葉の意味を知らないなら、語っている人にとって私は異国人*であり、語っている人も私にとっては異国人*です。
12 このように、あなたがたも、御霊の事がらを熱烈に求めているのだから、教会の建て上げに向けて、それが豊かに与えられるように捜し求めなさい。
13 そしてそのために、異言を語る者は、自分でそれを翻訳できるように祈りなさい。
14 もし私が異言によって祈るなら、私の霊は祈りますが、知性*は実を結ばないからです。
15 すると、どうしたら良いでしょう。私は霊で祈ると共に、知性でも祈りましょう。霊で賛美を歌う*と共に、知性でも歌いましょう。
16 そうでないと、もしあなたが霊で祝福の言葉を唱えても、求道者の*席にいる者は、あなたの感謝に対して、どうしてアーメンと言えるでしょう。あなたが何を言っているのか、彼には通じていないのです。
17 感謝するのは良いことですが、他の人を建て上げることにならないからです。
18 私は、あなたがたのうちのだれよりも多くの異言を語ることを、神に感謝します。
19 しかし教会では、異言で一万語を語るよりも、他の人たちを教えるために、むしろ、五つの言葉を知性によって語りたいのです。
20 兄弟たち。物の考え方では、子供になってはいけません。悪事については幼子であり、考え方では大人でありなさい。
21 律法*にこう書いてあります。「『わたしは、異なる舌と異国の人のくちびるによって、この民に語るが、それでも、彼らはわたしに耳を傾けない。』と、主は言われる。」*
22 このように、異言は信者のためではなく、不信者のためのしるし*です。 しかし、預言は不信者のためではなく、信者のためのしるしです。
23 もし全教会が、一緒に集まって異言を語っているところに、求道者か不信者かが入って来るなら、彼らはあなたがたを気違いだと言うでしょう。
24 しかし、全員が預言をしているところに、何人かの不信者か求道者が入って来るなら、彼の皆の者に罪が示され、皆の者にさばかれ、
25 心の秘密が明らかにされ、その結果、ひれ伏して神を拝み、「まことに、神は、あなたがたの間におられます。」と、宣言するでしょう。
26 すると、兄弟たち。どうすれば良いですか。あなたがたが一緒に集まる時、それぞれが、聖なる歌*を歌い、教えをし、啓示を告げ、異言を語り、それを翻訳するのですが、すべては建て上げられるためにしなさい。
27 もし異言を語る者がいれば、二人か、多くても三人の者が、順々に語り、そして、一人がそれを翻訳すべきです。
28 もし翻訳する者がいない時には、教会では黙っていて、自分に対し、また神に対して語りなさい。
29 預言をする者の場合にも、二人か三人が語り、他の者はそれを吟味しなさい*。
30 しかし、席にいる他の者が啓示を受けた場合には、初めの者は黙りなさい。
31* あなたがたは、皆が学び、皆が勧めを受けるために、皆が代わるがわる預言をすることができるからです。
32* また、預言者たちの霊たちは、預言者たちに服従する*ものなのです。
33 神は無秩序の神ではなく、平和の神です。 聖徒たちのすべての教会で行われているように、
34* 婦人たちは教会では黙っていなさい。彼女らは語ることが許されていません。だから、律法も命じているように、服従すべきです。*
35 もし何か学びたいことがあれば、家で自分の夫に尋ねなさい。教会で教える*のは、婦人にとっては恥ずべきことです。
36 それとも、神のみことばはあなたがたのところから出たのですか。あるいは、あなたがたにだけ到来したのですか。
37 もしある人が、自分は預言者、あるいは霊的な者であると思っているなら、私があなたがたに書いていることは、主の命令だと認めなさい。
38* もしそれを認めない者がいるなら、その人もまた神に*無視されます。
39 それゆえ、兄弟たち。預言することを熱心に求めなさい。また、異言を語ることも禁止してはいけません。
40 ただし、すべてのことを適切に、また秩序正しく行ないなさい。
*3、4、5、12 オイコドメー(ギ、名詞) building up、edification、建て上げること、(宗教的な)啓発・教化、 § 預言の働きの中心は、人・教会を建て上げ、励まし、慰めること
(単に予告、警告だけではない)、 § また、預言は、すべての召しと賜物(11:29)の中で特別な地位を占め、御父が教会に定めた7つの奉仕(ロマ12:6−8)、御子が任命する五役者(エペ4:11)、聖霊が分け与える9つの御霊の賜物(Tコリ12:7−10)の3つのカテゴリーに唯一共通しているのが、預言。 ∴ 預言は、ことばの神、かつ、時間を超越された方の、三位一体の中心点にある。
*5 メイゾーン(ギ、比較級) より偉大、優れている
*6 アポカリュプシス(ギ) 黙示、啓示; 福音(ロマ16:25、26) ここでは、福音 の意
*10 フォーネー(ギ) sound、tone、voice、language、音声、話し言葉
*11 バルバロス(ギ) (特に、ギリシャ語を知らない)外国人、野蛮人
*14 ヌース(ギ) mind、understanding、精神、知性
*15 「霊の歌」 エペ5:19、コロ3:16
*16 イディオーテース(ギ) unlearned、求道者の、御霊を受けていない
*21 律法: ここでは、旧約聖書全体、 イザ28:11、12 → 「まことに主は、もつれた舌で、外国のことばで、この民に語られる。 ・・・ 彼らは聞こうとしなかった。」 この外国人とは、直接的には、アッシリヤの軍隊のこと
*22 しるし: ここでは、異言は、十字架の言葉を否定する不信者に対し、さばきのしるしとなり、不信仰を明らかにするだけで、積極的な信仰をもたらすものではない の意
*26 あるいは、 詩篇
*29 ディアクリノー(ギ) separate、discriminate; determine、give judgment、分離する; 確定する、判定する
*31 § 特に預言者でなくても、聖霊を受けているすべての信者が
皆、預言することができる の意 (いやし、異言(新しい言葉)同様、すべての信者ができる
(マコ16:17、18))
*32 ヒュポタッソー(ギ) subordinate、subject、下位に置く、従属する、 § 聖霊はジェントルマン(Uテモ1:7)であり、(通常は)こちらから一緒にしましょうと言って初めて動かれ、預言する者の主体性に任せてくださる
*34、35 § 女性たちを通して混乱があったという、コリント教会特有の問題 (→ 7:5、11:5 等) もちろん、プリスカ、ルデヤ、フィベなどのように、男性以上に用いられた女性たちがいた Tテモ2:11、12、Tペテ3:1、 教える: (直訳) 話す、語る、演説する
*38 神に は補足、 御霊が働かれない の意、 § パウロの使徒権と、コリント教会の誇りが、いかに対立するものであるかはUコリントによく現れている
第15章
1 兄弟たち。私が以前あなたがたに伝えた福音、あなたがたが受け入れ、それによって立ち続けている*あの福音を、思い起してください。
2 もしあなたがたが、軽はずみな応答で*信じないで、私の宣べ伝えた福音のことばを固く守っていれば、この福音によって救われるのです。
3 私が最も大切なこととしてあなたがたに伝えたのは、私自身も受けたことでした*。 すなわちキリストが、聖書に書いてある通りに従って、私たちの罪のために死なれたこと、
4 そして葬られたこと、聖書に書いてある通りに従って、三日目によみがえられたこと、
5 ケパ*に現れ*、次に、十二弟子に現れたことです。
6 その後、五百人以上の兄弟たちに同時に現れました。* その中にはすでに眠った者たちもいますが、大多数は今も生きています。
7 その後、ヤコブに現れ*、次に、すべての使徒たち*に現れ、
8 そして最後に、いわば、月足らずに生れたような*私にも、現れたのです。
9 というのも、私は、神の教会を迫害したのですから、使徒たちの中で最も小さい者*であって、使徒と呼ばれるのに十分でない者です。
10 しかし、神の大いなる恵み*によって、今の私があります。そして、私に与えられた神の恵みは中味の無いもの*にならず、むしろ、私は彼らの中の誰よりも多く働いてきました。しかしそれは、私自身ではなく、私と共にある神の大いなる恵みです。
11 それで、私であれ、あるいは彼らであれ、私たちはこのように福音を宣べ伝え、そして、あなたがたはこのように信じたのです。
12 さて、キリストは死人の中からよみがえったと宣べ伝えられているのに、なぜ、あなたがたの中のある人たちは、死人の復活は存在しないと言っているのですか。
13* もし死人の復活がないならば、キリストも復活されなかったでしょう。
14 もしキリストが復活されなかったならば、私たちの宣教はむなしく*、あなたがたの信仰もまたむなしい*ものとなります。
15 そうすれば、私たちは神について偽証する者にさえなります。なぜなら、仮に、死人が復活しないとすれば、神はキリストをよみがえらせなかったはずでしたが、私たちはキリストをよみがえらせた神に従って証言をしたことになるからです。
16 もし死人のよみがえりがないなら、キリストもよみがえられなかったでしょう。
17 もしキリストがよみがえらなかったとすれば、あなたがたの信仰は力の無い*ものとなり、あなたがたは今もなお罪の中にいることになります。
18 そうならば、キリストにあって眠った者たちは、滅びてしまったのです。
19* もし私たちが、この世にあってキリストに単なる望みをいだいているだけならば、私たちは、すべての人の中で最も哀れな存在です。
20* しかし今や、キリストは眠っている者たちの初穂として、死人たちの中からよみがえられたのです。
21* それは、死が一人の人を通して来たのだから、死人の復活もまた、一人の人を通してでなければならないからです。
22 アダムにあってすべての人が今は死んでいるのと同じように、キリストにあってすべての人が生かされるはずなのです。
23 ただ、それぞれの集団*ごとに行なわれます。 最初はキリスト、次に、主の到来*のときのキリストに属する者たちです。
24* その時、キリストは、すべての支配、すべての権威と力とを無効にし*て、御国を父なる神にお渡しになり、それから永遠*となります。
25 なぜなら、キリストの統治は、「あらゆる敵を彼の足台とするまで」*、と定められているからです。
26 最後の敵として滅ぼされるのが、死です。*
27 「神は万物を彼の足の下に置かれた*。」からです。ところが、万物を下に置いた*と言われる時、万物を服従させた*方がそれに含まれていないことは明らかです。
28* そして、万物が神に服従する*時には、御子自身もまた、万物を服従させた*その方に従われる*のです。それは、神がすべての者にあって、すべてとなられるためです。
29 そうでないとすれば、死者のためにバプテスマを受ける人々*は、なぜそれをするのでしょうか。もし死者が全くよみがえらないとすれば、なぜ人々が死者のためにバプテスマを受けるのでしょうか。
30 また、何ゆえ私たちはいつも危険にさらされるのでしょうか。
31 私たちの主キリスト・イエスにあって、私があなたがたを誇る誇りにかけて言うのですが、私は毎日、死が続いています。
32 もし、私が人間的な考えに従って、エペソで獣と戦った*とすれば、それは何の益になるのでしょうか。 もし死人がよみがえらないのなら、「私たちは飲み食いしようではないか。明日は死ぬから。」*ということになります。
33 惑わされてはいけません。悪友らとの交流は、良い習慣を損ないます。
34 しらふになって正しい生活を送り、罪をやめなさい。あなたがたのうちには、神を知らない人々がいます。私はあなたがたをはずかしめるためにこう言うのです。
35 しかし、ある人は言うでしょう。「どのようにして、死人がよみがえるのか。どんな体をして来るのか。」
36* 愚かな人だ。あなたの蒔くものは、死ななければ、生かされません。
37 また、あなたの蒔くのは、後に出来上がる体を蒔くのではありません。それは、裸麦や他の穀物となる種粒です。
38 しかし神はその時の*みこころ*に従って、今*それに体を与え*、その一つ一つの種にそれぞれの体を与えておられます*。
39 すべての肉が同じではなく、人の肉があり、獣の肉があり、鳥の肉があり、魚の肉があります。
40 天にある体もあれば、地にある体もあります。天にあるものの栄光は、地にあるものの栄光とは異なっています。
41 また他に、太陽の栄光があり、月の栄光があり、星々の栄光があります。また、星と星との間にも栄光の差があります。
42 このように、死人たちの復活もまた同様です。 朽ちるものとして蒔かれ、朽ちないものによみがえらされ、
43 不名誉なものとして蒔かれ、栄光あるものによみがえらされ、弱々しいものとして蒔かれ、力あるものとしてよみがえらされ、
44 血肉の*体で蒔かれ、霊の体によみがえるのです。 血肉の体があるので、霊の体もあるのです。
45 聖書に、「最初の人アダムは生きた者となった。」*と書いてある通りです。しかし最後のアダム*は、いのちを与える御霊*となられました。
46 最初にあったのは霊のものではなく、血肉のものであって、その後に霊のものが来るのです。
47 第一の人は、土で造られた*、地から出る者で、第二の人は天から来られた主です。
48 土で造られた者たちは皆、この土で造られた人と同類であり、天にある者たちは、この天におられる方と同類なのです。
49 すなわち、私たちは、土で造られた形*を着たのと同様に、また天にあるものの形をも着ることになります。
50 兄弟たち。私はこの事を言っておきます。 肉と血*とは神の御国を受け継ぐことができず、朽ちるものが朽ちないものを受け継ぐこともできません。
51 見よ。私はあなたがたに奥義*を告げましょう。 私たちすべては、ずっと眠り続けているのではありません。私たちは変えられてしまうのです。
52* それは、最後のラッパ*の響きと共に、まばたき*の一瞬の間にです。 それは、ラッパが吹き鳴らされ、死人たちは朽ちない者によみがえらされ、そして私たちは変えられてしまうからです。
53 なぜなら、この朽ちるものは朽ちないものを着、この死ぬものは不死を着なければならないからです。
54 この朽ちるものが朽ちないものを着、この死ぬものが不死を着るとき、 「死は勝利に飲まれた。」*と、聖書に書いてある言葉が成就するのです。
55 「死よ。疫病はどこにあるのか。 よみよ。破壊はどこにあるのか。」*
56 死のとげは罪であり、罪の力は律法です。
57 しかし神に感謝すべきです。神は、私たちの主イエス・キリストを通して、私たちに勝利を与え続けておられます。
58 ですから、愛する私の兄弟たち。堅く立って、動かされることなく、いつも主のわざをあふれるほど豊かに行ないなさい。あなたがたの労苦が、主にあって虚しくないと、あなたがたは知っているからです。
*1 ヘステーカテ(ギ、完了、2・複) <ヒステミ stand、establish、make firm、堅く立った、立っている(その時からの永続状態)
*2 エイケー(ギ、副詞) inconsiderably、without purpose; in vain、重要でないものとして、軽はずみな応答で; いたずらに(コロ2:18)、無意味に(ロマ13:4)、 § 信仰はまず、よく考える知性から入る
*3 § 福音は、受け、伝えで、伝承するもの
*5 ケパ(ケファ):アラム語で「(岩から取れた)石」 = ペテロ、 ルカ24:34、
*6 五百人以上の兄弟たち: おそらくガリラヤのタボル山で (マタ28:16、17)
*7 § イエスの生前には不信仰だったヤコブ(ヨハ7:5、主の兄弟のヤコブ)に現れ、彼は回心した といわれる、 (5節で12使徒は書いてあるので、)12使徒以外の使徒たち バルナバなど
*8 エクトゥローマ(ギ、単・中) 早産、死産 (= 民数12:12) パウロのへりくだりと同時に、(満ち足り、豊かになり、王様になっている人々に対し、)「死罪に決まった者のよう」(4:9)、「毎日が死の連続」(15:31)
*9 パウロの意味(ラテン、ギ): 小さい、 § パウロのへりくだり: 「使徒たちの中で最も小さい者」(15:9) → 「聖徒たちの中で最も小さい者」(エペ3:8) → 「罪人のかしら」(Tテモ1:15)・パウロが召される直前の言葉
*10 カリス(ギ) grace、(大いなる)恵み、 *10、14 ケノス empty、vain、devoid of truth、空の、むなしい、内実を伴わない
*13−19 § パウロは、背理法によって、復活の必然性を論じる
*17 マータイオス(ギ) devoid of force、truth、success、result; useless、no purpose、力の無い、真理の無い; 役に立たない
*19 § もし、死者の復活が存在しならば、毎日が死の連続であるような生き方は、最も哀れな生き方だ と言っている
*20 § ここからは、キリストの復活を前提に、論を進める
*21 ロマ5:12−21
*23 タグマ(ギ) 兵士の隊、グループ、組、 パローシーア presence、coming、arrival、現われ、来ること、到着; 来臨
*24 テロス(ギ、単・中) end、eternal、終わり、永遠 § 「初臨の復活」の次は、大まかに「主の再臨の時」のこと。 これを限定的に「終末の艱難期」と曲解すると、艱難期の直前に主の再臨があって携挙されることになる
(×)、 カタルゲーセー(アオ過去(不定過去)、3・単) <カタルゲオー render idle、to have no further efficiency、cease、無効にした(不定過去接続法)、より、「無効にする」が、「永遠となる(終わりとなる)」よりも先に来る
*25 詩篇110:1、(マタ22:44) ダビデではなく、キリストの統治に適用されている
*26 黙示20:14
*27、28 詩篇8:6、 ヒュペタクセン(ギ、アオ過去、3・単)
<ヒュポタッソー arrange under、subordinate; subject、下位に置く; 服従させる
*28 § 「御子自身も従う」: (キリストではなく、御子(ホ フィオス)という言葉を用いる) 御子が御父よりも下位ということではなく、同一の本質なる方が、本来の「三位一体」となられる の意
*29 § (多くの解釈があるが、要は、)コリント教会で行われていた、間違った儀式 (代理洗礼×)
*32 § この手紙は、3年間(使徒20:31)のエペソ滞在の最後に書かれ(16:8)たので、パウロは、アルテミス神殿の女神の悪霊に対し霊の戦いをしたと思われる (伝承によると、最終的戦いは使徒ヨハネによってなされ、その結果エペソ教会は小アジヤで一番大きな教会となった。 一方コリント教会は後に消滅した)、 イザ22:13、56:12
*36 § 悪意を持って興味本位で質問し、かつ、本業で麦を蒔く人に。 一度死んでから生える自然の摂理から推察できないのか の意。 死と復活の密接な関係
*38 その時の は補足、 エーセレーセン(ギ、アオ過去(不定過去)、3・単) He wills、(天地創造の時の一回きりで、)みこころを成された、 今 は補足、 ディドーシン(現在、3・単) gives、(今)与えておられる ex) 天地創造時のDNA(すべての生物にある、最も複雑で精緻な情報物質)が、今も、初期のDNAからの発生が相変わらず続いている
*44 プシュキコス(ギ) belonging to breath、息に属する、生まれながらの、血肉の
*45 創世2:7、 ロマ5:14、 ヨハ5:21、6:57、58、ロマ8:2
*47 コイコース(ギ) made of earth、土で造られた、 アダム = 土 の意
*49 エイコン(ギ) image、figure、likeness、形
*50 サルクス カイ ハイマ(ギ) 血肉の体、(特に倫理的な罪を犯した者、というわけではなく、)自然的人間
*51 ミュステーリオン(ギ) hidden thing、secret、mystery、奥義 (4:1、13:2、Uテサ2:7、黙10:7、黙17:7、等)、 アラゲーソメサ(未来2、受、1・複) will be changed、変えられるでしょう
*52 エン テー エスカテー サルピンギ(ギ) in the last trumpet、最後のラッパのうちに (エスカトス:(時間・場所・順位・ランクの)the last 最後) = 「(第1から数えて、最後の)第7の御使いが吹くラッパ」 、黙示10:7、11:15、 Tテサ4:16)、 エン アトモー エン リペー in moment in twinkle、目の瞬きの一瞬に、 § 主の再臨の時(=贖いの時)の劇的変化: 栄化、 「主にあって死んだ聖徒たちが初めによみがえり、次に生き残っている私たちが彼らと共に引き上げられる。」(Tテサ4:15−17)、 この時、御使いのような体で、永遠に朽ちない体となる
*54 イザ25:8 → 「永久に死を滅ぼされる。」(イザヤ25:8・マソラ訳より)
*55 ホセ13:14 → 「死よ。疫病はどこにあるのか。 よみよ。破壊(殺戮)はどこにあるのか。」(ホセア13:14・マソラ訳より) (「死よ、おまえの勝利は、どこにあるのか。死よ、おまえのとげは、どこにあるのか。」は、誤訳)
第16章
1 聖徒たち*に対する献金については、私はガラテヤの諸教会に前もって手配して*おきましたが、あなたがたもこのように行なってください。
2 週の初めの日*ごとに、あなたがたはそれぞれ、神が*繁栄させてくださるとおりに*、手もとに蓄えておいてください。私が着いた時になってから集め始めることのないようにです。
3 私がそちらに到着したら、あなたがたの承認を得た人々に手紙を持たせて送り出し、あなたがたの献金を持たせて、エルサレムに届けてもらうことにします。*
4 もし私も行く方が良ければ、一緒に行くことになります。
5 私は、マケドニヤを経由してから、あなたがたのところに行くことになるでしょう。マケドニヤは通過するだけなので、
6 おそらく、あなたがたの近くに滞在するようになり、あるいは冬を過ごすかも知れません。そうなると、私がどこへ行くにしても、あなたがたに送り出していただこうと思うからです。*
7 私は今、旅のついでにあなたがたの顔を見に行こうとは思っていません。もし、主のお許しであれば、あなたがたの所にしばらく滞在したいとさえ願っています。*
8 しかし、五旬節までは、エペソに滞在するつもりです*。
9 というのは、大きな門と、忙しい働きが私に開かれており、また敵対者も大勢いるからです。*
10 もしテモテが着いたなら、あなたがたの所で心配しないで過ごせるようにしてください。彼も私と同様に、主のみわざ*の働きをしている*からです。
11 誰も彼を軽んじてはいけません*。また、私の所に来るように、彼を平安のうちに送り出してください。私は彼が兄弟たちと一緒に来るのを待ち望んでいます
12 兄弟アポロについて*は、兄弟たちと一緒にあなたがたの所に行くように、何度も勧めてみましたが、彼は今のところ行くつもりは全くありません。しかし、機会があれば行くでしょう。
13 目を覚ましていなさい。信仰に堅く立ちなさい。勇敢になりなさい。強くなりなさい。
14 すべてのことを、愛をもって行いなさい。*
15 兄弟たち。あなたがたに勧めます。ご承知のように、ステパナの家族はアカヤの初穂であり、彼らは自分から進んで聖徒たちに奉仕してくれました。
16 どうか、このような人々、また彼らと共に働き共に労するすべての人々の下(もと)に従属していてほしいのです。
17 私は、ステパナと、ポルトナトと、アカイコとが来てくれたのを喜んでいます。* 彼らはあなたがたの足りない所を満たし、
18 私の霊と、あなたがたの霊とを、休ませ元気づけてくれました。それゆえ、こうした人々の働きをよく認めなさい
19 アジヤの諸教会が、あなたがたによろしくと言っています。 アクラとプリスカ*と、彼らの家の教会が、主にあって心からよろしくと言っています。
20 すべての兄弟たちが、よろしくと言っています。 あなたがたも互いに、聖なる口づけをもって、あいさつをかわしなさい。
21 パウロが、自分の手であいさつを記します。*
22 主イエス・キリストを好まない*者があれば、聖絶されよ*。 マラナ・タ*。
23 主イエス・キリストの大いなる恵みが、あなたがたと共にありますように。
24 私の愛*は、キリスト・イエスにあって、あなたがたすべての人々と共にあります。アーメン。
(コリント人への手紙・第一は、ピリピにおいて、ステパナ、ポルトナト*、アカイコ*、テモテにより書かれた)*
*1 「聖徒たち」 = エルサレム教会のこと、 ディアタッソー(ギ) arrange、appoint、ordain、手配する、指名する
*2 ヨハ20:19 日曜日、 神が は補足、 ユーオードタイ(ギ、現在、受動、3・単) (意訳)収入に応じて <ユーオドゥーマイ 良い旅をする、繁栄する、順調にいく
(Vヨハ:2、ロマ1:10)
*3 § パウロは注意深く、自身で献金には触れない と言っている
*6、7 § コリント教会にはいろいろな問題があったが、あえて教会の交わりにあって彼らの愛を確認したいという親愛の情を表し、また、しっかり時間を取って彼らの健全な信仰生活のために労したい と言っている
*8 § 五旬節には、エペソ滞在のユダヤ人が多く集まるので、宣教の機会となる、 敵対者: 使徒19:23−41、20:19
*10 エルゴン(ギ、中) business、work、deed、仕事、わざ、(ヨハ6:28、29) エルガゾマイ work、labour、do、exercise、perform、仕事する、遂行する
*11 § テモテは若かったが、パウロと同じように、「聖霊の賜物」のみわざの働きをしていた (Tテモ4:12、14)
*12 ペリ(ギ) concerning、about、〜に関してですが、(コリント教会からの質問の一つに答えて)、 アポロはエペソにとどまった
*14 (直訳) あなたがたのすべてのことを、愛が現れる中でしなさい
*17 § 彼らがパウロにコリント教会の質問状を持ってきた
*19 使徒18:2、3、ロマ16:3、4
*21 § この手紙は他の筆記者によって書かれた(当時の習慣) (コロ4:18、Uテサ3:17 「どの手紙でもこのあいさつ文を記す」 手紙の信憑性を保証するための直筆のサイン)
*22 ウー フィレイ(ギ、現在、3・単) <フィレオー be fond of、好む、 アナセマ(ギ、名詞、単・中) curse、man accursed、のろい、呪われた者 (ケレム(ヘレム)(ヘ)、聖絶、聖絶のもの の70人訳(誤訳)△、 レビ27:28、29) (マコ14:71、使徒23:14)、 マラン アサ(ギ) = マラナ・タ(アラム語) 「主よ来てください」 の意 (マラン・アタ(アラム語)は、主は来られる で、祈願文にならない)
*24 § (教会に大いなる恵みを祈った後で、)さらに、使徒としての、教会に対する愛を語った
*() (おそらく後からの追記、 ピリピではなくエペソで書かれた?) :17、 使徒19:21、22、20:6、 エペソ → マケドニヤ(ピリピ) → アカヤ(コリント) → エルサレム