コリント人への手紙・第二



  第1章


 1 神のみこころを通してのキリスト・イエスの使徒パウロと、兄弟テモテとから、コリントにある神の教会、ならびにアカヤ全土にいるすべての聖徒たちへ。
 2 私たちの父なる神と主イエス・キリストから、大いなる恵みと平安とが、あなたがたにありますように。

 3 私たちの主イエス・キリストの父なる神、あわれみ深い父、慰めにあふれる神がほめたたえられますように
 4 神は、いかなる患難の中にいる時でも私たちを慰めて下さり、また、私たち自身も、神に慰めていただくその慰めを通して、あらゆる患難の中にある人々を励ますことができるようにして下さるのです。
 5 それは、キリストの苦難が私たちに満ちあふれているように、私たちの受ける慰めもまた、キリストによって満ちあふれているからです。
 6 私たちが患難に会うなら、それはあなたがたの慰めと救いのためであり、私たちが慰めを受けるなら、それはあなたがたの慰めのためであって、その慰めは、私たちが受けているのと同じ苦難に踏みとどまらせる力となるのです。
 7 だから、あなたがたに対していだいている私たちの希望は堅い不変のものです。あなたがたが、私たちと共に苦難にあずかっているように、慰めにも共にあずかっていることを知っているからです。

 8 兄弟たち。私たちがアジヤで会った患難を、知らないでいてほしくありません。それは、私たちの能力を超えて度を越えてのしかかり、生きる望みをさえ失ってしまい、
 9 まさに、死という答えが決まりました。それは、自分を自分で説得するのではなく、死人をよみがえらせて下さる神を信頼する者となるためでした。
10 神はこのような大きな死の危険から、私たちを救い出してくださいましたし、救い出していてくださいます。そして、私たちは、神が今後も救い出してくださることに期待しています。
11 そして、あなたがたもまた、私たちのために祈りをもって共に助けてくれています。これは多くの人々の前から出る祈りによって、私たちに与えられた賜物について、多くの人を通して神に感謝がささげられるようになるためです。
12 それは、私たちがこの世で、特にあなたがたに対しては、神が唯一であり純粋で偽りのない方でおられることにおいて、肉の知恵によってではなく、神の大いなる恵みによって行動していることは、私たちの誇りであり、良心のあかしするところだからです。

13 私たちが手紙で書いていることは、あなたがたが読んで理解できないことではありません。それを完全に理解してくれるように、私は望みます。
14 すでにある程度、私たちを理解してくれているように、私たちの主イエスの日には、あなたがたが私たちの誇りであるように、私たちもあなたがたの誇りであるのです。
15 この確信をもって、以前に二度目の大いなる恵みをあなたがたが受け取るようにと、私たちはあなたがたの所に行こうとしました。
16 そして、そちらを通ってマケドニヤに行き、そして再びマケドニヤからあなたがたの所に帰り、あなたがたの見送りを受けてユダヤに行く、というつもりでいました。
17 この計画を立てたのは、軽率なことだったでしょうか。それとも、自分の計画を肉に従って計画したため、私にとって、「しかり、しかり。」が同時に、「否、否。」なのでしょうか。
18 神は信頼すべき方です。あなたがたに対する私たちのみことばは、「しかり。」と同時に、「否。」というようなものではありません。
19 なぜなら、私たち、すなわち、私とシルワノとテモテとが、あなたがたに宣べ伝えた神の子キリスト・イエスは、「しかり。」となると同時に、「否。」となったのではないからです。そうではなく、「しかり。」がイエスにおいて実現されたのです。
20 なぜなら、神の約束はことごとく、彼において「しかり。」となったからです。 だから、私たちは、その方によって「アーメン。」と唱えて、神に栄光を帰するのです。
21 あなたがたと共に私たちを、キリストのうちに堅く造り上げ、油を注いで下さったのは、神です。
22 神はまた、私たちに証印を押し、その保証金として、私たちの心に御霊を与えて下さったのです。
23 私は自分のいのちをかけ、神を証人としてお呼び立てして言いますが、私が今なおコリントに行かないでいるのは、あなたがたのための取って置きのことにしているからです
24 私たちは、あなたがたの信仰を支配する者ではなく、あなたがたの喜びのために共に働いている者にすぎません。それは、あなたがたが信仰に堅く立っているからです。


   *  若い(また気が弱い)テモテがコリント教会に遣わされていった時、そこにいたユダヤ教主義者らの反対に遭った。その後パウロ自身も行ったが侮辱され使徒権まで否定されたので、いわゆる「涙の手紙」(2:4)を書いて、テモテより年長のテトスを遣わした。 パウロは第3回伝道旅行の3年間いたエペソ(使徒20:31)を後に、トロアスから平安のないままマケドニヤに渡り(7:5)、そこでテトスと再会しコリントの良い知らせを受けた。ただし大部分は悔い改めたが、さらに激しく非難する者がまだいて、エルサレムへの献金もそのままであった。そこで3度目のコリント訪問を計画し、この第二の手紙は、この訪問の前にマケドニヤ(おそらくピリピで)書かれた。(AD54−55年頃) コリントでは、AD55−56年の冬を過ごした。(使徒20:3、Uコリ12:14、13:1−10)、 この手紙は、論文というよりも、コリント教会へのパウロの思いが込められた、「牧会の手紙」としての趣きがある。 しかし、パウロの苦悩の中から、現代の私たちに非常に励ましになるポイントのみことばが散りばめられている。
   *2  すべてのパウロの手紙にあるあいさつ文(「恵み」と「平安」)
   *3  オイクティルモース(ギ) compassion、pity、mercy、あわれみ、思いやり、  パラークレシス exhortation、encouragement、consolation、激励、強めること、支えること、(パラクレートス 助け主 (=聖霊))、  神: ここでは三位一体神、  ユーロゲートス(形容詞、単・男) blessed、praised、ほめたたえられますように (11:31、マコ14:61、ルカ1:68、ロマ1:25、9:5、エペ1:3、Tペテ1:3)
   *4  パラクレオー(ギ) beseech、console、encourage、strengthen、慰める、励ます、力付ける
   *5  パラクレーシス(ギ)
   *6  § 苦難に耐えさせるために、慰め・励まし(=聖霊(助け主)による助け、下支え)が与えられる

   *8  スリプシス(ギ) pressing; oppression、affliction、tribulation、圧迫; 艱難、困難、  § おそらくエペソでの出来事 (Tコリ15:32)
   *9  § (アブラハム、イサクのように)死んでも、またよみがえらせてくださると信じた の意
   *11  祈り は補足
   *12  ハプローテス(ギ) singleness、simplicity、sincerity、単純性、単一性、唯一性、誠意、   ヘイリクリネイア purity、sincerity、ingenuousness、純粋性、誠実、偽りのないこと
   *17  § すなわち、矛盾したものなのか、答えが二つあるのだろうか の意
   *18  ピストス(ギ、形容詞) trusty、faithful; believing、信頼できる、裏切らない、(人に対して)忠実な、約束を守る; 信じるべき、語ったことを成し遂げる (Tコリント10:13、Tテサロニケ5:24、ガラテヤ5:22、黙19:11)、  ホ ロゴス(単数) the word、みことば
   *19  シルワノ(ラテン) = シラス(ギ)  (使徒15:22、32、40)
   *20  § 聖書の約束は、イエス・キリストによってことごとく成就したこと、   アーメンは、しかり への応答
   *22  アルハボーン(ギ) earnest、手付金、保証金 (5:5、エペ1:14)
   *23  § なぜこのように強く言ったかというと、いつまでもコリントを訪問しなかったので、パウロはほら吹きだとのうわさが立っていたから、  フェイドマイ(ギ) spare、abstain、取って置きのこと、惜しむ、心遣い



  第2章


 1 そこで私は、あなたがたの所に悲しみにあって行くことは、二度とするまいと決心しました。
 2 もしあなたがたを悲しませるとすれば、私が悲しませているその人以外に、だれが私を喜ばせてくれるのでしょう。
 3 あのような手紙をを書いたのは、私が行く時、私を喜ばせてくれるはずの人々から、悲しい思いをさせられたくなかったからです。それは、私の喜びがあなたがた全体の喜びであることを、あなたがたすべてについて確信しているからです。
 4 私は大きな苦難と心の苦悩の中から、何度も涙を流しながらあなたがたに書き送りました。それは、あなたがたを悲しませるためではなく、それよりもさらに豊かにあふれる私の愛を、あなたがたに知ってほしいからでした。

 5 しかし、もしその人が悲しみの原因となったとすれば、それは私を悲しませたのではなく、 ・・・ 負担にならないように言いますが、ある程度は、 ・・・ あなたがたすべてを悲しませたのです。
 6 その人にとっては、多数の者から受けたあの処罰でもう十分なのだから、
 7 あなたがたはむしろ彼を赦し、また慰めてあげなさい。そうしないと、その人はもっとひどい悲しみに飲み込まれてしまうかもしれません。
 8 そこで私は、彼に対しての愛をしっかり確認することを、あなたがたにお願いします。
 9 私が書き送ったのも、あなたがたがすべての事について従順であるかどうかを、ためすためにほかなりませんでした。
10 もしあなたがたが、何かのことについて人を赦すなら、私もまた赦しましょう。そして、もし私が何かのことで赦したならば、それは、あなたがたのためにキリストの御前で赦したのです。
11 そうするのは、サタンだまし取られることのないためです。私たちは、サタンの邪悪な目的を知らないわけではないからです。

12 さて、キリストの福音のためにトロアスに行ったとき、主によって、私のために扉が開かれたにもかかわらず、
13 兄弟テトスに会えなかったので、私の霊には安らぎが無く、そこの人々に別れて、マケドニヤに向かって行きました。
14 けれども、私は神に感謝します。神はいつも私たちを導いて、キリストの勝利の行列に共にあずからせ、私たちを通して、キリストを知る知識のかおりを、至る所で放って下さいます。
15 私たちは、救われる者にとっても滅びる者にとっても、神に対するキリストのかおりです。
16 ある人にとっては、死から死へのかおりであり、またある人にとっては、いのちからいのちへのかおりである。いったい誰が、このような務めにふさわしい者となるでしょう。
17 しかし、私たちは、多くの人々ように神のみことばに混ぜ物をして売るようなことせず、純粋に、神からのものを、神の御前でキリストにあって語るのです。


   *1  デ(ギ) but、moreover、and、それで、そこで、  § 使徒の働きに書いていない2度目のコリント訪問、テモテを遣わした後の訪問。 その後にいわゆる「涙の手紙」(2:4)を書いて、テトスに持たせて遣わした
   *4  アガペー(ギ) brotherly love、affection、good will; love、兄弟愛、愛情、善意; 愛、博愛、慈悲; 愛餐
   *5  ルペーオ(ギ) make sorrowful、  メー エピバロー(現在、1・単) 重荷を負わせない、負担をかけない (言い過ぎにならないように言いますが の意)、  メーロス part、部分、ある程度、  § その反抗したリーダー格の人(単数)をさばくのは、教会全体の責任。しかし言い過ぎにならないように、一部分、ある程度、と言っている
   *9  ヒュペーコース(ギ、形容詞) giving ear、obedient、耳を与える(耳を傾ける)、従順な、  ドキメー(名詞、女) proving、trial、approved character、試すこと、認可された性質
   *11  ホ サタナース(ギ) Satan、(サタン(ヘ)、サタナー(アラム語)で、反逆者、悪魔)、  ノエマ thought、evil purpose、mind、考え、悪い目的、  cf. エペ6:11 メソデイア 詐欺、悪知恵、技巧、  § 昔エバが欺かれ、良し悪しの木の実を食べて、悔い改めができない霊性になってしまったことが、策略(=わな)。 この場合、悔い改めた罪人を赦さないでいると、その人は悲しみに陥り、サタンの虜になり、再び罪を犯すようになる の意
   *14  § 本来の「キリストのかぐわしいかおり」は、全焼のいけにえ(レビ1:9、13、17)であり、キリストによる贖いをさす。(エペ5:2) ここでは、キリスト者たちが、「キリストのかぐわしいかおり」、と言っている
   *17  カペリューオー(ギ) 売り物にする、(混ぜ物をして)品質を劣化させる(腐敗させる)  § ここでは、ユダヤ教、異教的なものをみことばに混ぜて台無しにする の意



  第3章


 1 私たちは、またもや自己推薦をしているのでしょうか。それとも、ある人々のように、あなたがたに宛てた、あるいは、あなたがたからの推薦状が、私たちには必要なのでしょうか。
 2 私たちの推薦状は、あなたがたではありませんか。それは、私たちの心に記され、すべての人に知られ、また読まれているものです。
 3 そして、あなたがたが、私たちの奉仕によるキリストの手紙なのです。それは、墨によらないで、生ける神の御霊によって書かれ、石の板にではなく、肉の心の板に書かれたものであることが明らかになっているからです。
 4 私たちはキリストを通して、神に対してこのような確信持っています。

 5 もちろん、自分で何かをしたことを数え上げ、それが私たち自身からのものと言うのは十分ではありません。私たちのこのような力は、神から来ているのです。
 6 神は私たちに力を与えて、新しい契約に仕える者とされたのです。それは、文字(もんじ)に仕える者ではなく、御霊に仕える者です。 文字(もんじ)は殺し、御霊は生かすからです。
 7 もし石に彫りつけた文字による死の務めが栄光のうちに行われ、そのためイスラエルの子らは、モーセの顔の消え去るべき栄光のゆえに、顔を見つめることができなかったとすれば、
 8 まして御霊の務めは、どれほど栄光あるものとなるでしょうか。
 9 もし罪を宣告する務めが栄光あるものだとすれば、義を宣告する務めは、それをはるかに越えて、栄光に満ちたものとなります。
10 そして、かつて栄光を受けたものは、この場合、すべてに超越した栄光のゆえに、栄光ではなくなってしまったのです。
11 もし消え去るべきものにも栄光があったのなら、まして永続するものには、さらに大いなる栄光があるはずです。

12 このような望みをいだいているので、私たちはきわめて大胆な言葉を使いますが、
13 モーセが、消え去っていくものの最後を、イスラエルの子らに見られないようにと、顔におおいを掛けたようなことはしません。
14 しかし、彼らの思いは鈍くなりました。今日に至るまで、彼らが古い契約を朗読する場合、その同じおおいが取り去られないままで残っています。それは、キリストにあって初めて廃止されるのです。
15 今日に至っても尚、モーセの書が朗読される時はいつでも、彼らの心におおいが掛かっています。
16 しかし、人が主のほうに振り向くならば、そのおおいは取り去られるのです。

17 主は御霊であり、主の御霊のあるところには、自由があります。
18 私たちは皆、顔おおいが取り去られ、主の栄光を鏡に反映させて見ながら、栄光から栄光へと、主と同じ似姿に変えられます。これはまさに主の御霊によるものです。


   *1−3  § 反対者からの推薦状はすべて人間の書いた手紙に過ぎず、「生ける神の御霊によって」、「心の板に書かれた」ものこそ、コリント教会の兄姉だと言っている
   *6  § 「文字(もんじ)は殺し、御霊は生かす」 は、ユダヤ主義者を念頭において語っている。  律法そのものは良いもの、しかし律法主義は人を殺す (ロマ7:10)、 文字に仕える努め = 罪に定める務め、 御霊に仕える務め = 義とする務め =  キリストの福音を宣べ伝え、新しい契約に仕える務め
   *7  出エジ34:29−35  § キリストの栄光に対して、モーセの顔が光り輝くという、一時的な栄光を表す
   *13  出エジ34:33
   *16  エピストゥレフォ(ギ) turn、turn to one's self、転向する
   *17  ヨハ8:32、ガラ5:1  § 真理の御霊が、律法の束縛(のろい)から自由にする
   *18  カトプトゥリゾマイ(ギ) make(show) to reflect to mirror、look at one's self in a mirror、  エイコーン(ギ) image、figure、likeness、姿、形



  第4章


 1 このように、私たちは、あわれみを受けてこの働きに任命されているので、落胆しません。
 2 恥ずべき隠れたこと許さず、悪巧みによって歩かず、神のみことばを曲げず、真理を明らかにし、神の御前に、すべての人の良心に自分を推薦するのです。
 3 それでも私たちの福音におおいが掛かっているとすれば、それは滅びる者たちに、おおいが掛かっているのです。
 4 彼らの場合、この時代のが不信者たちの思いを盲目にして、神の形であるキリストの栄光、福音の光を、照らさせないようにしているのです。
 5 しかし、私たちは自分自身ではなく、主であるキリスト・イエスを宣べ伝えます。私たち自身は、ただイエスを通しての、あなたがたのしもべにすぎません。
 6 「やみの中から光が輝き出よ。」と仰せになった神は、イエス・キリストの御前に輝く神の栄光の知識を明らかにするために、私たちの心を照して下さったのです。

 7 しかし私たちは、この宝を土の器の中に持っています。 それは、このすべての限界を越えた力が神のものであって、私たちから出たものでないことが、明らかにされるためです。
 8 私たちは常に、あらゆる方面から圧迫を受けますが、困窮することはなく、援助が無くても何も無くなるということはありません。
 9 迫害を受けても見捨てられることはなく、投げ落とされても死にません。
10 いつもイエスの死をこの身に帯びていますが、それは、イエスのいのちが、この身に明らかに示されるためです。
11 私たち生きている者は、イエスのために絶えず死に渡されていますが、それはイエスのいのちが、私たちの死ぬべき肉体にあって明らかに示されるためです。
12 このように、死は私たちのうちに働き、いのちはあなたがたのうちに働くのです。
13 「私は信じた。それゆえに語った。」と書かれている通り、それと同じ信仰の霊を持っている私たちも、信じるゆえに語るのです。
14 それは、主イエスをよみがえらせた方が、私たちをもイエスと共によみがえらせ、そして、あなたがたもいっしょに御前に立たせて下さることを、知っているからです。
15 すべてのことは、あなたがたを通してであり、大いなる恵みがますます多くの人々を通して増し加わり、神の栄光の中に感謝が満ちあふれるためです。

16 だから、私たちは失望しません。たとい私たちの外なる人は衰え果てても、内なる人は日々新しくされていきます。
17 なぜなら、私たちの今しばらくの軽い患難は、限界を越えて働き、私たちにすべての限界を越えた永遠の重い栄光を成し遂げるからです。
18 私たちは、見えるものにではなく、見えないものに目を留めます。 それは、見えるものは一時的であり、見えないものは永遠に続くからです。


   *1  ディアコニア(ギ) service、ministering、office of the deacon、務め、ミニストリー、牧師; 執事
   *2  § にせ使徒たちがしていた、パウロを陥れる一連の陰険な行動のこと、  パヌールギア(ギ) 利己的な目的のために手段を選ばない事(=悪魔のやり方)、悪だくみ (11:3) → 11:14、15
   *4  § 悪魔の支配が許されている今の時代のこと (ヨハ12:31、16:11、エペ6:12)、  エイコーン(ギ) image、figure、likeness、姿、形
   *4、6  ドクサ(ギ) 意見、栄光、尊厳・威厳
   *6  創世1:3
   *7  オストラキノス(ギ) 牡蠣(かき、オストラコン)の派生語、 earthen、clay、土の、粘土の (もろく壊れやすい の意) (ここと、Uテモ2:20 のみ)
   *7、17  ヒュペルボレー 
throwing beyond、beyond (all)measure、すべての測りを越えた (神の栄光、力、愛、恵みなど)  3:10、9:14、エペ1;19、2:7、3:19
   *8、9  7節の具体的な説明、   :9 cf. 詩篇37:24、ミカ7:8
   *11  スネトース(ギ) liable to death、mortal、死すべき
   *12  § パウロたちが苦しみに遭い、その労苦によって、コリント教会の人々が死からいのちへ移されたこと (事実であり、皮肉でない)
   *13  詩篇116:10
   *17  エラフロス(ギ) light in weight、quick、agile、(重さが)軽い、素早い、機敏な  = 「主のくびきは軽い」、 主が共に負ってくださるから快適 (マタ11:30)、  バロス(名詞) 重さ; (悪い意味で)重荷(マタ20:12、黙2:24) 元々、カヴォド(へ) 豊かさ、力強さ、栄光、重さ の意 (イザ59:19)



  第5章


 1 私たちの住んでいる地上の幕屋の家が壊れても、神が与えて下さる建物、すなわち天にある、人の手によらない永遠の家々が備えてあることを、私たちは知っています
 2 そして、天から与えられる聖霊の住まいを、着たいと切に望みながら、この幕屋の中でうめいています。
 3 それを着たなら、裸の状態見出されることはありません。
 4 この幕屋の中にいる私たちは、重荷を負ってうめいています。それは、この幕屋を脱ごうと願うからではなく、天の住まいを着ようと願うからです。それによって、死ぬべきものがいのちにのまれてしまうためです。
 5 私たちを、この事にかなう者にして下さったのは、神です。そして、神は、聖霊という保証金を私たちに下さいました。
 6 それゆえ、私たちはいつも大胆でいるのです。 ただし、肉体を住まいとしている間は、主から離れて外国にいることを知っています。
 7 私たちは、見えるものを通してではなく、信仰を通して歩いているからです。
 8 それゆえ、私たちは大胆でいるのです。そして、むしろ肉体から離れて主と共に住むことが、さらに良いことであると思っています。
 9 そういうわけで、肉体を宿としているにしても、それから離れているにしても、ただ主に喜ばれることが私たちの大きな望みです。
10 それは、私たちは皆、キリストのさばきの座の前に現われ、良いことであれ、悪いことであれ、肉体を通して行った数々の事がらに応じて、それぞれ報いを受けなければならないからです。

11 このように私たちは、主を恐れることを知っているので、人々に説得するのです。私たちのことは、神の御前に明らかにされていますが、さらに、あなたがたの良心においても明らかにされていることを期待しています。
12 私たちは、再びあなたがたに対して自分たちを表明しようというのではなく、ただ私たちのことを誇る機会をあなたがたに与えて、心を誇るのではなく外見だけを誇る人々に対して、答えることができるようになってほしいのです。
13 もし私たちが、気が違っていたのなら、それはただ神のためであり、正気でいるのなら、それはただあなたがたのためです。
14 なぜなら、キリストの愛が私たちに強く迫っているからです。私たちはこう考えます。 一人の人がすべての人の身代わりとなって死んだ以上、すべての人が死んだのです。
15 そして、彼がすべての人の身代わりに死んだのは、生きている者がもはや自分のためにではなく、自分のために、死んで、よみがえってくださった方のために、生きるためです。
16 それゆえ、私たちは今や、誰をも肉に従ってったということはしません。かつてはキリストを肉によって知ったとしても、今はもはやそのような知り方をしません。

17 誰でもキリストにあるならば、その人は新しく造られたものです。 古いものは過ぎ去り、見よ。すべてが新しくなりました。

18 しかし、これらの事はすべて、神から出ています。神は、イエス・キリストを通して、私たちをご自分に和解させ、また、和解の務めを私たちに与えて下さいました。
19 すなわち、神は、キリストのうちに、この世をご自分と和解させ、その罪の責めを人々に負わせることをしないで、和解のみことばを私たちに置かれたのです。
20 私たちはキリストの代理の使節です。それは、ちょうど神が私たちを通して勧めをなさるようです。 そこで、キリストに代わってお願いします。神の和解を受け入れなさい。
21 神は罪を知らない方を、私たちの身代わりにとされました。それは、私たちが、この方にあって神の義となるためなのです。


   *1  オイキア(ギ、女) house、home、家、  オイダメン(ギ、完了、1・複) <オイダ  示されて知っている の意
   *2  聖霊の は補足、  オイケテーリオン(ギ) dwelling place、habitation、(for the spirit)、住む場所  ここでは、天の家(オイキア、house、ヨハ14:2 等)ではなく、血肉の体に対する、「御霊の体」、「栄光の体」のこと (Tコリ15:43−49、ピリ3:21)
   *3  § 霊だけの状態。 死によって人の霊は肉の体と分離して、 天からの住まいである「朽ちない体」を着せられるまでは、「裸の状態」を経る。
   *5  アルハボーン(ギ) earnest、手付金、保証金(1:22、エペ1:14)
   *5、7、9  § 聖霊が共におられ、語りかけを受けることにより、信仰の歩みをして、主に喜ばれる (cf. 「信仰は目に見えないもの」(ヘブ11:1)、「信仰の歩みをしないなら主に喜ばれることはない」(ヘブ11:6))
   *6、8  サルレーオ(ギ) be of good couragecheer、be bold、心強い、大胆である
   *10  § 救われている信者でもさばきの座に立たされる → 「各自の働き」: 実を結ばない働きは焼き尽くされるが、霊だけは助かる (Tコリ3:10−15)、 信じて聖霊を受けた者は、必ず 良いわざをする方向に導かれる(ヤコ2:14−26)、 このさばきは、「主の再臨の時」のことであり、不信者のための 「大きな白い御座」(黙示20:11)のことではない
   *11  § コリント教会の人々に疑われたパウロの品性(1:12−14、4:1、2、6:3−10、7:2−4)と、使徒権(3:1−3、10:1−18)について、説得する
   *14  § キリストは十字架で一度死なれ、(信じる)私たちもキリストと共に死んだ の意 (ロマ6:8)
   *14、15、20、21  ヒューペル(ギ) in behalf of、for the sake of、over、の身代わりに、のために、越えて
   *17  カイネー クティシス(ギ) new creation、新しい被造物、新しい創造、  アルカイオス original、primal、old ancient、元々の、古来の
   *19  パラプトーマ(ギ) sin、misdeed、側あるいは近くに落ちる(=的外れ)、罪、悪事
   *21  ハマルティーア(ギ) miss the mark、sin、的を外すこと、罪、 (罪のためのいけにえ(70人訳)△)、  罪を知らない: 罪に無知ではなく、罪に少しも染まっていない のヘブル的表現



  第6章



 1 そして、私たちは神と共に働く者として、あなたがたに勧めます。神の大いなる恵みむだに受けてはいけません。
 2 神はこう言われます。「わたしは、恵みの時にあなたの願いを聞きいれ、救いの日にあなたを助けた。」 見よ。今は大いなる恵みの時。 見よ。今は救いの日です。
 3 私たちは、この務めがそしられないために、どんな事にも人につまずきを与えないようにし、
 4 かえって私たちは、あらゆる場合に神のしもべとして、自分を人々に表明しています。すなわち、充分に踏みとどまることあっても、さまざまな圧迫あっても、避けようのない困難にも、行き詰まりにも、
 5 棒むちで打たれることにも、入獄にも、騒乱にも、労苦にも、目を覚ましていることにも、断食にも、
 6 貞操と、知識と、忍耐して待つことと、親切と、聖霊と、変装していない愛と、
 7 真理のみことばと、神の力とにあっても、 また、左右に持っている義の武器を通して
 8 ほめられること、そしられること、悪評を受けること、好評を博することを通して、神のしもべとして自分を表明しているのです。 私たちは、人を惑わす者に見えても真理を語り
 9 人に知られていないようでよく知られ、死にそうでも、見よ。生きており、懲らしめられているようで殺されず、
10 悲しんでいるようで常に喜んでおり、貧しいようで多くの人を富ませ、何も持たないようですべての物を持っています。

11 コリントの人たち。私たちの口はあなたがたに向かって開かれ、私たちの心は大きく広がっています。
12 あなたがたは、私たちによってではなく、自分で自分の感情の座を狭くしていたのです。
13 私は子供たちに対するように言います。これに報いて、あなたがたの方でも同じく、心を広くしてください。

14 不信者と、つり合わないくびきを共につけてはいけません。 と不法とに、何の係わりがあるでしょうか。光とやみとに、何の交わりがあるでしょうか。
15 キリストとベリアルとに、何の調和があるでしょうか。信仰と不信仰とに、何の関係があるでしょうか。
16 神の神殿と偶像とに、何の一致があるでしょうか。 私たちは、生ける神の神殿です。神がこう言われます。「わたしは彼らの間に住み、また歩もう。そして、わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。」
17 「それゆえ、彼らの間から出て行き、彼らと分離せよ、と主は言われる。汚れたものに触れてはならない。」 「そうすれば、わたしはあなたがたを受け入れ、
18 わたしは、あなたがたの父となり、あなたがたは、わたしの息子、娘となる、と全能の主が言われる。」


   *1  神と は補足、  ケノス(ギ、形容詞) empty、vain、devoid of truth、空虚な、無駄な、むなしい
   *2  イザ49:8
   *4、8  シュニスタオ(ギ) show、prove、establish、表明する(5:12)、証明する
   *4  ヒュポモネー(ギ、名詞) 
under remaining; steadfastness、patient enduring、下に留まること(原義); 不動であること、(多くの屈辱に対し、信仰の立場に)留まること、踏みとどまること(Tコリ13:7 動詞)、  スリプシス oppression、tribulation、(精神的・肉体的)圧迫、苦難、(使徒14:22、黙2:10)  アナーグケー necessity、calamity、distress、必要、(急な、避けられない)災害、苦痛、  ステノコリア narrow place、dire calamity、(身動きが取れない)狭いところ、大惨事
   *5  プレゲー(ギ) 打撃、棒むちで打つこと(使徒16:23)、  フレケー 見張り付きの投獄(使徒16:23−)、  アカタスタシーア 暴動(使徒13:50、14:5、14:19、16:22、17:5、18:12、19:23−、21:27−、等、ほぼ行く所すべて)、  アグリュプニーア 寝ない事、(徹夜)(11:27)、  ネステイア 断食、(食物が無いこと)(11:27)
   *6  ハグノーテス(ギ) purity、chastity、純粋、純潔、貞操、禁欲、(ここと11:3のみ)、  マクロシュミーア patience、longsuffering、忍耐して待つこと、辛抱強いこと(Tコリ13:4 動詞)、≒寛容、  プニューマ ハギオン 聖霊: ここでは(にせ使徒と区別するための、)聖霊の力・御霊の賜物のこと、  アニュポークリトス unfeigned、undisguised、変装していない(ロマ12:9)
   *7  義の武器: 10:4、 cf. 神の武具: エペ6:11−17より、左右に、「みことばの剣」と、「信仰の大盾」、  § ここから、受動的な エン in から、能動的な、ディア through を通して になる
   *12  スプラーグクノン(ギ) bowels、violent passions、腸、(怒りや愛情などの)感情の座
   *14  申命22:10  「牛とろばを組にして耕してはならない。」
   *15  ベリアール(ギ) ”価値のない”(ヘ) の意、ここではサタンのこと
   *16  レビ26:12、出29:45、エゼ37:27、エレ31:1
   *17  イザ52:11、黙18:4
   *18  ホセ1:10、イザ43:6

   *14−7:1  (6:14−7:1は、この手紙の中での挿入部分といわれる (別の手紙ではない))



  第7章



 1 愛する者たち。私たちは、このような約束を与えられているのですから、肉と霊のあらゆる汚れから自分をきよめ、神を畏れて、聖さを全うしようではありませんか。

 2 どうか、私たちに心の場所を空けてください。私たちは、誰にも不正を働いたことはなく、誰をも破滅させたことはなく、誰からも利益を取ったこともありません。
 3 罪に定めるためにこう言うのではありません。前にも言ったように、あなたがたは私たちの心のうちにあって、私たちと生を共にし、また私たちと死を共にしているのです。
 4 私はあなたがたのことを非常に大胆に語り、あなたがたのために大いに誇っています。また、あふれるばかりの慰めを受け、私たちがどのような苦難の中にいても、喜びに満ちあふれています。


 5 さて、マケドニヤに着いたとき、私たちの肉体に少しの休息も取れないうちに、あらゆる問題に遭遇し、外には戦い、内には恐れがありました。
 6 しかし、へりくだった者を慰める神は、テトスの到来によって、私たちを慰めて下さいました。
 7 ただテトスが来たことだけではなく、彼があなたがたから受けたその慰めをもって、私たちを慰めてくれました。すなわち、あなたがたが私を慕っていること、嘆き悲しんでいること、また私のために熱心になってくれたことを知らせてくれたので、私はさらに喜びにあふれました。
 8 あの手紙によってあなたがたを悲しませたけれども、私はそれを後悔してはいません。あの手紙がほんの短い期間とはいえ、あなたがたを悲しませたのを見て後悔しましたが、
 9 今は喜んでいます。それは、あなたがたが悲しんだからではなく、悲しんで悔い改めに至ったからです。あなたがたは、神に従ってそのように悲しんだので、私たちから何のも受けなかったのです。
10 神に従って受けた悲しみは、後悔のない救いを得させる悔改めに導くからです。一方、この世の悲しみは死をもたらします。
11 見よ。神に従って受けたその悲しみが、どれほどの熱烈な関心をあなたがたに引き起こしたことでしょう。また、弁明、憤慨、恐れ、慕う心、熱意を起こさせ、報復に至らせたことでしょうか。あなたがたはあの問題については、すべての点において潔白であることを証明したのです。
12 それゆえ、私があなたがたに書き送ったのは、不正を行なった人のためでも、不正をを受けた人のためでもなく、私たちに対するあなたがたの熱心が、神の御前で明らかになるためだったのです。

13 このようにして、私たちは慰められました。これらの慰めの上に、テトスの喜びが加わって、私たちはさらに喜びにあふれました。あなたがたすべてによって、彼の休息が与えられたからです。
14 そして、私は彼に対して、あなたがたのことを少し誇りましたが、それは私の恥にならないで済みました。あなたがたに一切の本当のことを語ったように、テトスに対して誇ったことも本当のことになってきたのです。
15 またテトスは、あなたがたすべてが従順であり、恐れとおののきと共に自分を迎えてくれたことを思い出しては、ますますあわれみの心を増し加えています。
16 それで、私は、あなたがたのすべてのことで勇気づけられていることを、喜んでいます。


   *2  心の は補足
   *4  パレーシア(ギ) (直訳) 自由に語る、大胆に言う (信頼する△)
   *5  2:12、13 の詳細を語る、  外の戦い: おそらくマケドニヤ教会の不一致・諸問題、  内には恐れ: テトスとまだ会っていなかったこと
   *9  カタ(ギ) according to、に従って、に沿って、によって
   *11  弁明: 自分たちの失敗を認めたこと、  恐れ: 自分たちの不正についての神に対する恐れ、  慕う心: パウロに対する慕う心、  報復に至らせた: 処罰を断行した、  あの問題: おそらく、扇動者がパウロを排斥したこと
   *12  いわゆる「涙の手紙」(2:3)、  § 扇動者(単数)の糾弾や、パウロ自身(単数)の弁明のためではなかった
   *14  アレーセイア(ギ、名詞) truth、true、真理、本当のこと、  § 問題解決以前からテトスに大胆に語っていたことは、本当になって来た (7:4)
   *15 (直訳) 腸、 あわれみの心
   *16  サッレーオ(ギ) be bold、be of good courage(cheer)、大胆でいる、勇気づけられる



  第8章



 1 兄弟たち。私たちはここで、マケドニヤの諸教会に与えられた神の大いなる恵みを、あなたがたに知らせます。
 2 すなわち、彼らは、いろいろな圧迫のために多くの試錬を受けましたが、その満ちあふれる喜びは、どん底の貧しさにもかかわらずあふれ出て、二心でなしに施す富となったのです。
 3 私はあかしします。彼らは力に応じて、いや、力以上に施しをしました。すなわち、自ら進んで、
 4 聖徒たちへの奉仕に加わる恵みにあずかりたいと、私たちに熱心に願い出て、
 5 私たちの期待以上に、なにより第一に自分自身を、神のみこころを通して、主にささげ、また、私たちにもゆだねてくれたのです。
 6 そこで、この恵みを、テトスがあなたがたの所ですでに始めていたので、それを完成するようにと私たちは彼に勧めたのです。
 7 さて、あなたがたがあらゆる事がらについて富みあふれているように、すなわち、信仰にも、言葉にも、知識にも、あらゆる熱心にも、また、私たちから出たあなたがたにあるにも富んでいるように、この大いなる恵みにも富みあふれてほしいと思います。
 8 こう言っても、私は命令するのではありません。ただ、他の人たちの熱心さを通して、あなたがた自身の愛が正しく生まれたものであることを確かめたいのです。

 9 あなたがたは、私たちの主イエス・キリストの恵みを知っています。すなわち、主は富んでおられたのに、あなたがたのために貧しくなられました。それは、あなたがたが、この方の貧しさによって富む者となるためです。

10 そこで、この大いなる恵みについて、私の意見を述べます。それがあなたがたの益になるからです。あなたがたはこの事を、昨年から、他よりも先に実行したばかりではなく、先にそれを願っていました。
11 それゆえ今、それを成し遂げなさい。喜んでしようとあなたがたが願っているので、持っているものの中からそれができるはずです。
12 誰でも、もし心から願ってそこに置くなら、持っていないものに従ってではなく、持っているものに従って、神に受け入れられるのです。
13 それは、他の人々に楽をさせて、あなたがたを苦しめようとするのではなく、平等にするためです。すなわち、今の時期は、あなたがたの余裕が彼らの欠乏を補い、
14 彼らに余裕ができたなら、あなたがたの欠乏を補い、こうして平等になるのです。
15 それは、「多く集めた者も余ることがなく、少ししか集めなかった者も足りないことはなかった。」と書いてある通りです。

16 私があなたがたのために持つ同じ熱意を、テトスの心にも与えて下さった神に、感謝します。
17 彼は私の勧めを受け入れ、そしてますます熱意に燃え、自分から進んであなたがたのところに行こうとしています
18 私たちはまた、テトスと一緒に、一人の兄弟を送ります。この兄弟は福音宣教にあって、すべての教会を通して称賛されている人です。
19 さらに、彼は、この大いなる恵みの奉仕をしている私たちの同伴者として、諸教会から選ばれたのです。それは、主ご自身の栄光が現われるため、また、私たちの熱意を示すためでであり、
20 私たちが扱っているこの献金について、人々に非難されることを避けるためです。
21 私たちは、主の御前のみならず、人々の前でも、正しくあるよう気を付けています。
22 また、もう一人の兄弟を彼らと一緒に送ります。私たちは、彼が多くの点で熱心であったことを、何度も認めています。彼は今、あなたがたを大いに信頼して、ますます熱心になっています。
23 テトスについて言えば、彼は私の仲間であり、あなたがたに対する私の同労者です。一方、この兄弟たちについて言えば、彼らは諸教会の使者、キリストの栄光です。
24 ですから、あなたがたの愛と、私たちがあなたがたを誇りとする証拠とを、諸教会の前で彼らに示してください。


   *1  使徒20:1マケドニヤの諸教会: ピリピ、テサロニケ、ペレヤの教会、  カリス(ギ) grace、語源: 秩序、美しさ → (大いなる)恵み: すばらしいものを他人に与える働き、神の一方的なご好意の現れ、救いの恵み
   *2  ハプロテース(ギ) 単純に、二心でなしに、見返りを受け取る下心なしに (ロマ12:8、「分与」)
   *5  § 献金の前に、まず「献身」していた
   *6  § 献金を、「(大いなる)恵み」と言っている
   *7  § 皮肉ではなく、コリント教会の人たちは 「愛」という品性にも富んでいた の意
   *8  他の人たち: マケドニヤの教会の人たち、  グネシオス(ギ) legitimately born、not spurious、true、genuine、合法的な生まれ、非嫡出子の; 本物の、  § 献金は、本物の愛による「恵み」のわざなので、命令ではなく、あくまで自発的に行われなければならない
   *9  § この一文は、本書におけるパウロの全主張の中心といえる、 (礼拝の、献金の勧めの時のみことば)、 ・・・ ヨハ17:2、 ピリ2:7、Tヨハ3:5
   *10  昨年: AD55年、(Uコリが書かれたのがAD56年の後期、Tコリをテトスが持って行った時ですでに献金は始められていた(Tコリ16:1−))
   *12  神に は補足
   *13  イソーテス(ギ) equality; equity、fairness、平等; 公正、公平、  § キリストにある御体の一体性、連帯性による (Tコリ12:26)
   *15  出エジ16:18
   *16  § テトスは、「涙の手紙」を持って行き、エルサレムへの献金を勧めた(8:6)、またコリント教会の人々を立ち返らせた、信頼の厚い人物  → エルサレムへ献金を届けるのに熱意を燃やした (もう2人の兄弟たちと共に、8:19、8:22、 パウロ自身は、献金に一切触れていない。不要な誤解を避けるための知恵)
   *17  エクセールセン(ギ、アオ過去2(瞬時)) 行くところです (手紙の不定過去は、現在を表す)

   *23  § エイテ〜エイテ〜、whetheror〜、並列の記述: テトスはパウロの同労者であり、また、この二人の兄弟は諸教会の使者で、キリストの栄光を反映した者たち の意
   *24  カウケーシス(ギ) the act of glorying、勝ち誇ること、栄誉 (信頼△)



  第9章



 1 聖徒たちに対するこの奉仕ついては、いまさら、あなたがたに書きおくる必要はないでしょう。
 2 私は、あなたがたの熱意を知っており、そのために、あなたがたのことをマケドニヤの人々には誇って言い、また、アカヤでは昨年からすでに準備されていると言いました。そして、あなたがたの熱心は、多くの人を奮起させたのです。
 3 私が兄弟たちを送ることにしたのは、あなたがたについて私たちの誇ったことが、この場合無駄にならず、私が言ったとおり準備していてほしいからです。
 4 さもないと、万一マケドニヤの人々が私と一緒に行って、用意ができていないのを見たなら、あなたがたはもちろん、私たちも、このことを確信していただけに、恥をかくことになるでしょう。
 5 だから、私は兄弟たちを促して、あなたがたの所へ先に行かせ、以前に約束していた祝福の準備をさせておくことが必要だと思いました。それを貪欲な心でするのではなく、祝福のものとして用意していてほしいのです。

 6 私はこう考えます。 けちけちして蒔く者は、わずかしか刈り取らず、気前良く蒔く者は、豊かに祝福されて刈り取ります。
 7 一人一人は、嘆き悲しみながらではなく、また、強制されてでもなく、自分の心で決めた通りにしなさい。 神は、喜んで与える人を愛して下さいます。

 8 神は、あなたがたをいつもすべてのもので満ち足らせ、すべての良いわざに満ちあふれさせるために、あらゆる恵みをあふれるほど豊かに与えることができる方です。
 9 「彼は散らして、貧しい人たちに与えた。その義は永遠にとどまる。」と、書いてある通りです。
10 種蒔く人に、種と、食べるためのパンとを備えて下さる方は、あなたがたにも種を備え、それを増やし、そしてあなたがたの義の実を増して下さるのです。
11 こうして、あなたがたはすべてのことに豊かになっていき、二心なく施すようになり、私たちを通して神への感謝となるのです。
12 なぜなら、この奉仕の働きは、聖徒たちの必要を満たすだけではなく、神に対する多くの感謝を通して、あふれるほど豊かになるからです。
13 この奉仕を証拠として、彼らは、あなたがたがキリストの福音の告白に対して従順であり、彼らに、またすべての人にも、二心なく分け合っていることを知って、彼らは神に栄光を帰し、
14 そして、彼らがあなたがたのための祈るとき、あなたがたに与えられた、はるかに超越した神の大いなる恵みのゆえに、あなたがたを慕うようになるのです。
15 言葉に表わせないほどの神の賜物のゆえに、神に感謝します。


   *1  § あらかじめ、Tコリ16で、エルサレムの聖徒たちに持っていく献金の準備を、前もってするよう書いている (一度に多額の献金は無理で、一回だけで集めるのは額が少ない → 前もって準備)
   *5  ユーロギア(ギ) blessing、praise、神の祝福、賞賛、 (献金のこと)
   *6  ルカ6:38、箴言11:24、25、  フェイドメノース(ギ) sparingly、節約して、控えめに、わずかに、けちけちして ( ・・・ 数量のことでなく、質的に)、  エプ ユーロギアイス on praiseconsecration、blessing、物惜しみせずに、気前良く、祝福されて
   *6、7  (§ 献金の勧めのみことば)
   *9  詩篇112:9  → (マソラ訳) 「彼(=献金する人)は、貧しい人々に惜しみなく分け与えた。彼の義は永遠に堅く立つ。」
   *10  イザ55:10、  義の実: 神が与える祝福
   *11  ハプローテス(ギ) 単純に、二心でなしに、見返りを受け取る下心なしに (8:2、 ロマ12:8、「分与」)、  カテルガーゾマイ perform、accomplish、work out、成し遂げる、結果になる (施す は意訳)
   *12  § ロマ12:8 御父が与える7つの奉仕の中の、「分与(メタディドミ、impart)」の働きがこれに当たる。 捧げるほど与えられる
   *13  コイノニア(ギ) 交流; (物を)分け合うこと



  第10章



 1 さて、このパウロが、キリストの柔和さ、穏やかさをもって、あなたがたに勧めます。「私は、あなたがたの間にいて面と向かっているときは謙遜で、離れているときは大胆になります。」
 2 私たちを肉に従って歩いているかのようにみなす人々に対しては、私は勇敢に行動するつもりですが、あなたがたの所では、そのように大胆にふるまうことが無くて済むよう願っています。
 3 私たちは、肉にあって歩んでいますが、肉に従って戦っているのではありません。

 4 私たちの戦いの武器は、肉のものではなく、神の力によるものであり、要塞をも崩すほどのものです。

 5 私たちは、あらゆる思弁と、神の知識に逆らって立つあらゆる高慢の障壁を引き倒し、すべての思想を捕らえてキリストに服従させ、
 6 そして、あなたがたの従順が完全になる時、あらゆる不従順に復讐する用意ができているのです。

 7 あなたがたは、目の前にあることを見なさい。もしある人が、自分はキリストに属する者だと確信しているなら、その人は、自分がキリストに属する者であるように、私たちもそうであることを、もう一度自分でよく考えなさい。
 8 もし、あなたがたを倒すためではなく、建て上げるために主から私たちに与えられた権威について、私が誇りすぎたとしても、恥にはならないでしょう。
 9 ただ、私は、手紙であなたがたを脅しているのだと、思われたくありません。
10 彼らは言います。「彼の手紙は重々しく、力強いが、実際に会ってみると、体つきは弱々しく、話は取るに足りないものだ。」
11 そういう人はよく考えなさい。私たちは、離れていて書き送る手紙の言葉がそうなら、一緒にいる時にもそうなのです。

12 私たちは、自己推薦をする人々の誰かと、自分たちとを同列に置いたり、比較したりはしません。彼らが、自分たちで量り合ったり、比べ合ったりしていることは、知恵の無いことなのです。
13 しかし、私たちは過度に誇るようなことはしません。神が割り当てて下さった地域の基準内で、その基準に従ってあなたがたの所まで行くのです。
14 私たちは、あなたがたの所まで行けない者であるかのように、無理に手を延ばしているのではありません。事実、キリストの福音を携えて、私たちがあなたがたの所に最初に行ったからです。
15 私たちは過度に、他人の労苦の働きによって誇るようなことはしません。ただ、あなたがたの信仰が成長し、私たちの基準に従って、あなたがたの中で私たちの働きがますます豊かに広げられることを望んでいます。
16 こうして、私たちは他の人の地域の基準ですでに準備されたことを誇らずに、あなたがたの向こうの地域にまで、福音を宣べ伝えたいのです。
17 誇る者は、主にあって誇りなさい。
18 自分を推薦する人ではなく、主が推薦してくださる人こそ、承認される人なのです。


   *1  § 10:1 からは、使徒権の弁護について
   *2、3  エン サルキ(ギ) 肉にあって、肉体を持ったものとして、  カタ サルカ 肉に従って、人間的な動機で
   *4、5、8  カサイーレシス、カサイレオー(ギ) pull down、destroy、引き倒す、取り壊す、崩す、破壊する
   *6  § コリント教会の大部分の人々がパウロの「使徒権」を認めた時、彼らを扇動した”ユダヤ主義者たち”を罰することになる の意、 → 一般的なものにも拡張できる 「(まず、)神に従いなさい。そして、悪魔に立ち向かいなさい。そうすれば悪魔は逃げ去ります。」(ヤコ4:7)
   *7  タ カタ プローソポン(ギ) the toward face、(直訳) 顔に向かって、 ブレペテ(命令法、2・複) 見なさい (=見る(直接法) △)
   *10  § パウロの忍耐を臆病と、柔和さを優柔不断と曲解した。 しかし、実際は変わらない
   *13、15  カノーン(ギ) straight rod、rule、standard、基準、標準
   *16  ローマやイスパニヤ (ロマ15:23、28)
   *18  ドキモス(ギ) (テストの結果)受け入れられる、承認される (ロマ14:18)  承認される人: にせ使徒ではなく、パウロ自身のこと



  第11章



 1 私が少しばかり愚かなことを言うのを、どうか我慢してください。しかし実に、あなたがたは我慢しています
 2 私は神の熱心によって、あなたがたを熱愛しています。すなわち、あなたがたをきよい処女として、ただ一人の人の花嫁に定め、キリストに捧げることにしたからです。
 3 しかし、蛇がその狡猾さによってエバを欺いたように、あなたがたの思い腐らされて、キリストへの単純な信仰を失わないかと心配しています。
 4 というのは、ある人がきて、私たちが宣べ伝えもしなかったような異なるイエスを宣べ伝え、あるいは、あなたがたが受けたことのない違った霊を受け、あるいは、受たことのない違った福音を聞く場合にも、あなたがたはよくもそんな者を許してしまっています

 5 事実、私は、あの大使徒たちに少しも劣っているとは思いません。
 6 私は、語ることは学んでいませんが、知識はそうではありません。私は、事あるごとに、いろいろの場合に、あなたがたに対してそれを明らかにしてきました。
 7 それとも、あなたがたを高めるために自分を低くして、神の福音を、報酬を受けずにあなたがたに宣べ伝えたことが、私の罪だったのでしょうか。
 8 私は他の諸教会から略奪して、あなたがたに奉仕するための給料を得たのでしょうか。
 9 あなたがたの所にいて欠乏した時にも、だれにも負担をかけませんでした。私の欠乏は、マケドニヤからきた兄弟たちが、補ってくれたからです。こうして、私はすべての事につき、あなたがたに重荷を負わせないように努めてきました。また、これからも努めましょう。
10 私の中にあるキリストの真理を語ります。この誇りがアカヤ地方で封じられるようなことは、決してありません。
11 なぜでしょう。私があなたがたを愛していないからでしょうか。それは、神がご存じです。
12 しかし、私は、現在していることを今後もしていきます。それは、私たちと同じように誇るところがあると見られる機会を狙っている者たちから、その機会を断ち切ってしまうためです。

13 こういう者たちはにせ使徒で、詐欺の働き人であって、キリストの使徒の姿に変えているにすぎないからです。
14 しかし、驚くには及びません。サタンも光の御使いの姿に変えているからです。
15 だから、たといサタンの手下どもが、義のしもべ姿を変えたとしても、特別なことではありません。彼らの最期は、その行ないにふさわしいものとなります。


16 繰り返して言いますが、誰も私を愚か者と思わないでください。もしそう思うなら、愚か者として扱いなさい。私も、少しは誇ってみせます。
17 これから言うことは、主に従って言うのではなく、愚か者として、自分の自慢話を思い切って言うのです。
18 多くの人が肉によって誇っているので、私も誇ることにします。
19 あなたがたは賢い人たちなのだから、喜んで愚か者を我慢してくれるでしょう。
20 実際、あなたがたは律法の奴隷にされても、食い尽くされても、騙されても、いばられても、顔をたたかれてもよくも許して我慢しています。
21 言うのも恥ずかしいことですが、私たちは弱すぎたのです。もし誰かがあえて誇るなら、私は愚か者になって言いますが、私もあえて誇りましょう。

22 彼らはヘブル人ですか。私もそうです。 彼らはイスラエル人ですか。私もそうです。 彼らはアブラハムの子孫ですか。私もそうです。
23 彼らはキリストのしもべですか。私は気が狂ったようになって言います、私は彼ら以上にそうです。 苦労したことはもっと多く、投獄されたことももっと多く、むち打たれたことは数え切れず、死に直面したこともしばしばでした。
24 ユダヤ人から四十に一つ足りないむちを受けたことが五度、
25 ローマ人にむちで打たれたことが三度、石で打たれたことが一度、難船したことが三度、そして、一昼夜、海上を漂ったこともあります
26 何度も旅をし、川の難、盗賊の難、同国民の難、異邦人の難、都市の難、荒野の難、海上の難、にせ兄弟の難に会い、
27 苦労して働き、たびたび夜を寝ないで過ごし、飢え、渇き、しばしば断食し、寒さに凍え、十分な衣類もなかったのです。
28 他にもいろいろありましたが、それに加えて、日々諸教会の心配ごとが私に迫っていました。
29 誰かが弱っているのに、私も弱らないでいれるでしょうか。誰かがつまずいて罪を犯しているのに、私の心に火が付かないでしょうか。
30 もしどうしても誇らなければならないのなら、私は自分の弱さを誇ります。
31 主イエス・キリストの御父でおられる神、永遠にほめたたえられる方は、私が偽りを言っていないのをご存じです。
32 ダマスコではアレタの代官が、私を捕えようとしてダマスコの町をずっと監視していました。
33 その時、私は窓から町の城壁づたいに、大かごでつり降ろされて、彼の手から逃れました。


   *1  § 愚かなこと: にせ使徒たち、ユダヤ主義者たちにいくらか張り合うために、伝道について誇ったこと、   アネケスセ(ギ、直接法、2・複) <アネコマイ 忍んでいます (=命令法、忍んでください は、 アラ カイ しかし実に より、△)
   *3  ノエマ(ギ) mind、thoughts、思い、思索、思想、   ハプローテス(ギ) 単純さ、単一性
   *4  アネコマイ(ギ) hold up; sustain、bear、endure、許してしまっている、我慢する (§ 霊的に異なる異端、 決してほめているのではない、 1節後半の、我慢 の内容をここで言っている)
   *5  § 「大」は、大きい・偉大な、ではなく、(自称も含む)過ぎた・優れた(ヒュペルリーアン) の意より、また文脈より、 小羊の12使徒のことではなく、4節のような邪悪な働きをした、ユダヤ主義者のにせ教師たち、=”にせ使徒たち”のこと (12:11)
   *6  イディオーテース(ギ、名詞) ordinary、素人、(ラビの教えの形式で)習っていない人、庶民、  § しかし、内容については、神の啓示による真の救いの知識を持っている
   *7、8  § 自分の手で働いて教会に奉仕するのは、教師としてあるまじきと、にせ教師たちは非難した。 さらに、にせ教師たちは、あの貧しいピリピの教会から奪い取った、と非難した
   *13、14  プシューダポーストロス(ギ) にせ使徒、  メタスケマティーゾー(ギ) change the figure of、transform、外見だけを変える、偽装する (スケーマ、外形)
   *15  § この”義のしもべ”とは、律法を守ることによって神の義が得られると教える者たちで(「律法の義」、ピリ3:6、9)、キリストの死を無意味なものとし(ガラ2:21)、福音を否定する、最もサタン的な働き人
   *17、18  § 「肉によって誇る」にせ使徒らに騙されるほどコリント教会の人々は霊的に低かったので、パウロも彼らを矯正するために、あえて肉によって語った (:18)
   *19、20  アネコマイ(ギ) hold up; sustain、bear、endure、許してしまっている、我慢する
   *20  § 4節の、異端の横暴な実態:   カタドゥーロー(ギ) 奴隷の身に落ちる (律法の奴隷 の意、 ここと、ガラ2:4のみ)、律法の は補足、  カテスシオ 食い尽くす、不当な献金の強制(=ルカ20:47)、  ラムバノー 網やわなや餌で獲る(ルカ5:5)、  いばる: 人の上に立って支配する(Tペテ5:3)、  顔をたたく: (比喩的に)侮辱する事、あるいは本当にたたくこと(マタ26:67、使徒23:2)
   *21  § コリントの人々がにせ使徒のひどい横暴に耐え、一方、パウロたちはあまりに遠慮し過ぎたので、彼らには本物の見分けがつかず、「誇り」という肉的レベルで判断してもらうしかない の意
   *22  § ユダヤ民族としての誇り
   *23  パラフロネーオ(ギ) be beside one's self、insane、狂気でいる (愚か、アフロン(11:16、19)よりも強い言い方)、  § にせ使徒たちに無い、「キリストのしもべ」の証拠は、キリストのために比べ物にならないほど苦労していること
   *24  39の鞭: 申命25:1−3では40回まで、しかしミシュナーでは数え間違いを考慮して39回にする(マタ10:17、マコ13:9、多くはこの刑で死亡。それをパウロは5回も受けたという)
   *25  ローマの鞭: 先端に骨を埋めた鉛球を付けて引っ張る、出血を伴う過酷な刑。 パウロはローマ市民権を持っていたが不法にも受けた(使徒16:22、23、27、残り2回は不明)、  石打ち: 神を冒涜した者へ、レビ24:16、使徒14:19、  
これまでの9回の船旅(使徒9:30、11:25、13:4、13、14:25、16:11、17:14、18:18、21)のどこかで3回も難船したことになり、さらにこれからローマ行きで難船する(使徒27)
   *27  コポス カイ モクソス(ギ、名詞) 労働と、苦役(苦しみ)、(肉体労働は奴隷のする仕事だった)
   *28  § 教会の諸問題: つまずき(マタ18:7、ルカ17:1)、分派(Tコリ11:19)、信仰から離れること(Tテモ4:1)、にせ教師が暴れ回る(使徒20:29)、  それに加えて は補足
   *29  § パウロはキリストのように、教会に深い愛情と、柔軟な同情心を持っていた
   *30  § 敵から苦しめられてきた苦難が、弱さだった。しかし、「弱さのうちに、キリストの力が完全に現われる。」(12:9、10) それゆえ、弱さを誇る の意
   *32  アレタ: ナバテア王国(紅海〜ユーフラテス川、BC9−AD40、首都はペトラ、しかしダマスコに代官を置いた)の王の名ではなく、王の称号 (パロ、アウグストなどの称号と同じ)
   *33  使徒9:25、  サルガーネ(ギ) 
basket made of ropes、ロープで編んだ大かご (= スピュリース(ギ) 大かご、背負うかご (マコ8:8、使徒9:25))



  第12章



 1 私は誇るのもやむを得ないので、無益なことですが、主の幻と啓示とについて語ります。
 2 私はキリストにある一人の人を知っています。この人は十四年前に、第三の天にまで引き上げられました。 ・・・ それが、体のままであったか、私は知りません。体を離れてであったか、それも知りません。神はご存じです。
 3 この人が ・・・ それが、体のままであったか、体を離れてであったかは知りません。神はご存知です ・・・
 4 パラダイスに引き上げられ、そして口に言い表わせない、人間が語ってはならない言葉を聞いたのを、私は知っています。
 5 私はこのような人について誇るのです。しかし、私自身については、自分の弱さ以外には誇りません。
 6 もっとも、私が誇ろうとすれば、本当の事を言うのだから、愚か者にはならないでしょう。しかし、誇ることはさし控えましょう。それは、私がすぐれた啓示を受けているので、私について見たり聞いたりしている以上に、人が私を過大に評価してはいけないからです。

 7 そこで、高慢にならないように、私の肉体に一つのとげが与えられました。それは、高慢にならないように、私を打つサタンの使いなのです。
 8 このことについて、私はそれを離れ去らせて下さるようにと、三度も主に祈りました。
 9 ところが、主は言われました。「私の大いなる恵みはあなたに対して満ち足りている。私の力は弱さのうちに完全に現われるからである。」 それゆえ、キリストの力が私を住まいとするので、むしろ、喜んで自分の弱さを誇りましょう。

10 だから、私はキリストのためならば、弱さと、侮辱と、苦痛と、迫害と、行き詰まりとにあることを喜んでいます。 なぜなら、私は、弱い時にはいつでも、私は強くあるからです。

11 私は愚か者となりました。あなたがたが、無理に私をそうしたのです。私は当然、あなたがたから推薦されるべきでした。それは、たとい私は無きに等しい者であっても、あの大使徒たちにあらゆる点で劣るところがなかったからです。
12 私の使徒としてのしるしは、あなたがたの間に踏みとどまってなされた、数々のしるしと、奇跡と、力のわざです
13 あなたがたが他の教会よりも劣っている点は何でしょう。それは、この私があなたがたに負担をかけなかったことだけです。この不均衡を、どうか赦してください。

14 さて、私は今、三度目にあなたがたの所に行く用意をしています。 しかし、負担はかけないつもりです。私の求めているのは、あなたがたの持ち物ではなく、あなたがた自身だからです。子供たちは親のためにたくわえる必要はなく、親が子供たちのためにたくわえるべきです。
15 そこで私は、あなたがたのたましいのためには、大いに喜んで財を費やし、私自身をも使い尽くしましょう。私があなたがたを愛すれば愛するほど、あなたがたからますます愛されなくなるのであってもです
16 あなたがたに重荷を負わせなかったのに、私は狡猾で、あなたがたから詐欺を働いて受け取ったのだと、ある人は言います。
17 私があなたがたに遣わした人たちの誰を通して、あなたがたから利益を奪い取りましたか。
18 私は、テトスに勧めてそちらに行かせ、また、あの兄弟を同行させました。テトスは、あなたがたを欺いたことがあるでしょうか。私たちは皆、同じ御霊によって歩き、同じ歩調で歩いたではありませんか。
19 今までずっと、あなたがたは、私たちがあなたがたに対して弁明をしているのだと思ってきたことでしょう。しかし私たちは、神の御前でキリストにあって語っているのです。愛する者たち。これらのことは皆、あなたがたを建て上げるためなのです。
20 私は、このように心配しています。私が行ってみると、もしかすると、あなたがたが私の期待しているような者ではなく、私も、あなたがたが期待している者でないことにならないでしょうか。また、争い、ねたみ、憤り、党派心、そしり、陰口、高ぶり、騒動があるのではないでしょうか。
21 私がもう一度そちらに行ったとき、私の神が、あなたがたの目の前で私をはずかしめ、その上、多くの人が以前から罪を犯していて、その汚れと不品行と好色とを悔い改めないでいることを、私は嘆くことになりはしないでしょうか。


   *1  オプタシーア(ギ) sight、vision、(目に見える、起きている時に見る)幻、  アポカリュプシス manifestation、revelation、顕現、啓示(黙示)(必ずしも目に見える形ではない)
   *2、4  ある一人の人: パウロのこと、  十四年前: AD43、4年で、アンテオケ教会で1年間仕えていた時(使徒11:26)、  第三の天: パラダイス(キリストにある死者が行く所、主が共におられる)と同じといわれる。 パウロの通るさまざまな苦難に耐えさせるために、この天のすばらしさの体験があらかじめ与えられたと考えられる (ローマ8:18)
   *4  パラダイス(ルカ23:43) = アブラハムのふところ(ルカ16:22)、  人間が語ってはならない言葉: cf. 黙示10:4 「雷の声を書きしるすな」
   *7  ヒュペライーロマイ(ギ) lift one's self up、be exalted、自分自身を高く持ち上げる、高慢である (ここと、Uテサ2:4 「反キリストの予告」のみ。 サタンは高慢によって堕落した(イザ14:13、14)  cf. フューシオーオ inflate、puff up、膨らませる、得意がらせる、偉ぶる(Tコリ13:4)、  § この「肉のとげ」には諸説あるが、近年では、目の悪さについて言う人が多い。(使徒9:4の後遺症、ガラ6:11「大きな字で」、ガラ4:15「目を与える」) パリサイ人ガマリエルの下で学んだ(使徒22:3、5:34)博学のパウロが、ヘブライ語旧約聖書(マソラ本文)を知らないわけが無いから、異邦人筆記者が引用した70人訳ギリシャ語旧約聖書の間違いを指摘できなかった、という事も考えられる
   *9  エイレーケン(ギ、完了、3・単) (一度)言われた、  アルケイ(現在、3・単) (常に)十分である、   エピスケノーオ (直訳) シェキナ(ヘ)栄光、シャカン(ヘ)宿る より、 栄光が宿る、幕屋を張る、住む
   *11  ヒュペルリアン アポストロス(ギ) (自称も含む)過ぎた・優れた (11:5)
   *12  使徒である証拠と権威: セーメイア、テラタ、デュナメイス signs、miracles、powerful deeds、しるし、奇跡(不思議△)、力(のわざ) (この3つセットで、使徒2:22、ロマ15:19、Uテサ2:9(偽りの力)、ヘブ2:4)
   *13  § 不正(不均衡、アンバランス)でも、わびることでもないが、皮肉と愛情をもってこう言っている
   *14  § 一度目は 第2回伝道旅行のアテネ伝道の次(使徒18章)、二度目は記録がないが いわゆる「涙の訪問」で悲しむべき結果だった。今回は手紙を持って遣わされたテトスからの喜ばしい報告だったので、献金ではなく、交わりを目的に行くことにした。(エルサレムへの献金は、先にテトスと2人の兄弟を送る)
   *18  あの兄弟: Uコリ8:18
   *20  争い:  cf.主のしもべにふさわしくないもの(Uテモ2:24)、争いとねたみはよく併記される(ロマ13:13)、  憤り(激情): 争いの原因となる、  党派心(エリセイアイ)の語根は、争い(エリス)、 党派心とねたみを併記(ヤコ3:16、「ねたみや党派心のある所には、騒動とあらゆる邪悪な行いがある」)、  騒動: 無秩序・秩序の乱れのこと



  第13章



 1 私は今、三度目にあなたがたの所に行こうとしています。すべての事がらは、二人か三人の証人の証言によって立証されます。
 2 私は、二度目に滞在していたときすでに言いましたが、以前から罪を犯している人々やその他のすべての人々に、離れている今、もう一度、あらかじめ言っておきます。今度行った時には、決して容赦はしません。
 3 なぜなら、あなたがたが、キリストが、私にあって語っておられるという証拠を求めているからです。キリストは、あなたがたに対して弱くはなく、あなたがたのうちにあって強い方です。
 4 キリストは弱さのゆえに十字架につけられましたが、神の力のゆえに生きておられるからです。このように、私たちもキリストにあって弱い者ですが、私たちはあなたがたに対して、神の力のゆえにキリストと共に生きているのです
 5 あなたがたは、はたしてあなたがた自身が信仰の中にいるかどうかをためし、自分を吟味しなさい。それとも、イエス・キリストがあなたがたのうちにおられることを知らないのですか。もしそうならば、不適格ですが。
 6 しかし私は、あなたがたが不適格ではないことを、あなたがたに知っていてほしいのです。
 7 私たちは、あなたがたがどんな悪をも行わないようにと、神に祈っています。それによって、自分たちが適格者であることを明確にするためではなく、たとい私たちが不適格のようであっても、あなたがたには良い行いをしてほしいからです。

 8 私たちは、真理に逆らっては何をすることもできず、真理のためならば何でもできるのです。

 9 私たちが弱くても、あなたがたが力があるならば、それを喜ぶのです。そして私たちは、あなたがたが健全に成長することを祈っています。
10 このようなわけで、離れていて以上のようなことを書いたのは、私があなたがたの所に行ったとき、主が授けて下さった権威を用いて、きびしい処置をする必要がないようにしたいからです。この権威は、建て上げるためのものであって、取り壊すためではありません。

11 最後に、兄弟たち。喜びなさい健全に成長しなさい。慰めを受けなさい。同じ考え方をしなさい。平和でありなさい。そうすれば、愛と平和の神があなたがたと共にいて下さいます。
12 聖なる口づけをもって、互いにあいさつをかわしなさい。
13 聖徒たち一同が、あなたがたによろしくと言っています。

14 主イエス・キリストの恵みと、神の愛と、聖霊の交わりとが、あなたがたすべてと共にありますように。 アーメン

   (コリント人への手紙・第二は、マケドニアのピリピにおいて、テトス、ルカにより書かれた)


   *1  パス レーマ all things、すべての事がら(事実)、  申命19:15、マタ18:16、  § 新たな2、3人の証人ではなく、パウロたちが何度もコリントに行って確認していること の意
   *2  § パウロの使徒権に逆らうことは、パウロを使徒に召した主の主権に逆らうこと の意 (神に立てられたモーセに逆らったコラと、そのさばきを非難した者たちへのさばき と同じ、民数16:31−、:41−)
   *4  § パウロは、コリント教会の人々に神の力を行使する、と言っている
   *5  アドキモス(ギ) 不適格、テストに合格しない、見捨てられた  → 神が救ってくださらない の意
   *7  § にせ使徒たちから、不適格な者として非難されていた
   *8  テース アレーセイアス(ギ) the truth、真理、 ここでは、「福音の真理」(ガラ2:14)と、「神のみこころ」の両方の意味
   *9、11  カタールティシス(ギ、名詞) strengthening、perfecting of the soul、training、disciplining、完成、調和がとれて健全、整えられ弟子化されている、  § パウロたちの願いは、教会全体がバランス良く、健全に成長すること
   *11  カイレテ(ギ、命令、現在、2・複) rejoice、be glad、(典型的なあいさつ語で)ごきげんよう、さようなら、等; ここではキリスト者向けに、「喜びあれ」とする (ピリ4:4、Tテサ5:16 と同じ)
   *13  聖徒たち: パウロがこの手紙を口述したマケドニアの教会の信徒たち
   *14  コイノニーア(ギ) fellowship、association、community、(親しい)交わり、  (§ 礼拝の最後の「祝祷」に用いられる一文。 三位一体の神からの祝福を祈る、『使徒的祝祷』と呼ばれる。 第2位格のイエスが先に置かれているのは、御子イエスを通して神に近づくことができるから(ヨハ14:6))






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