エペソ人への手紙*
第1章
1 神のみこころによるイエス・キリストの使徒パウロから、キリスト・イエスにあって忠実な、エペソの聖徒たちへ。
2* 私たちの父なる神と主イエス・キリストから、大いなる恵みと平安とが、あなたがたの上にありますように。
3 私たちの主イエス・キリストの父なる神がほめたたえられますように。 神はキリストにあって、天のあらゆる霊的祝福のうちに、私たちを祝福してくださり、
4 世の基が据えられる前からの 主の選びに従って、私たちは 御前で、愛のうちに、聖なる者、傷の無い者とされました。
5 主の喜びの*みこころに従って、イエス・キリストを通して養子縁組*の子どもとなるように、私たちをあらかじめ定めておられました。*
6 これは、神がその愛する方の中で、私たちに与えられた大いなる恵みの栄光が、ほめたたえられるためです。
7 私たちはこの御子において、神の大いなる恵みの豊かさに従って、御子の血による贖い(あがない)、すなわち、罪過*の赦しを受けているのです。
8 神はその大いなる恵みを、あらゆる知恵と理解力にあって、私たちに満ち溢れさせ、
9 神が御子にあってあらかじめ定められた喜びの計画*に従って、神のみこころの奥義を、私たちに知らせて下さいました。
10 その奥義とは、時が満ちてこの計画が執り行われ、諸天*にあるものも、地*にあるものも、すべてが、キリストにあって一つに集められることです。
11 このキリストにあって、私たちはまた、割り当て地のくじを引き当てる*者となりました。それは、みこころの計画のすべてを執り行われる方の供えのパンの並べ方*に従って、あらかじめ定められていたものです。
12 それは、キリストの御前に希望を置いている私たちが、神の栄光をほめたたえる者となるためです。
13 またこの方にあって、あなたがたも、真理の言葉、すなわち、あなたがたの救いの福音を聞き、また、この方を信じたことによって、約束の聖霊の証印を押されたのです。
14 この聖霊は、私たちの相続財産*の手付金*であって、やがて神の所有物が贖(あがな)われ、神の栄光がほめたたえられるためです。
15 このようなわけで、私も、主イエスに対するあなたがたの信仰と、すべての聖徒たちに対する愛とを聞いて、
16 絶えずあなたがたのために感謝し、あなたがたのことを覚えて祈っています。
17 どうか、私たちの主イエス・キリストの神、栄光の父が、ご自身を知らせるために、知恵と啓示との御霊をあなたがたにお与えになり、
18 あなたがたの霊性*の目に光が照らされるように、そして、あなたがたが神の召しの望みがどんなものであるか、聖徒たちの間で受け継ぐものがいかに栄光に富んだものであるか、
19 また、神の大能*の力の働きに従って、私たち信じる者にとって、いかに優れて偉大であるかを、あなたがたが知ることができますように。
20 神はその大能の力をキリストのうちに働かせて、彼を死人の中からよみがえらせ、天上においてはご自分の右の座に着かせて*、
21 すべての支配、権威、権力、主権*の上に置かれ、また、今の世のみならず、来たるべき世においても唱えられる、すべての名の上に高く置かれました。
22 そして、神は、万物をキリストの足の下に従わせ、すべての上におられる、かしらなるこの方を、教会に与えられました。
23 この教会はキリストの御体であり、すべてのものをすべてのものに*満たす方が、満ちておられるところです。
* エペソ人への手紙は、ピリピ、コロサイ、ピレモンと共に、ローマで2年間の軟禁中(使徒28:30、31)に書かれた「獄中書簡」(AD61、62年頃)の4つの内の一つといわれる。(カイザリヤ監禁では外部との接触を止められていた) エペソ市は、政治的にも文化的にも、アジヤ州の首都として栄えた。 この手紙の構成は、全体的に「教会論」であり、最後に「霊の戦い」が結論的に付けられているのが特徴。
§ エペソには、「獣」(Tコリ15:32)であるアルテミス(ダイアナ)女神の神殿(豊穣の女神、アテネのパルテノン神殿の2倍の大きさ、BC590頃−、コリントのような母子神ではない)があり、パウロはこの大騒動に巻き込まれた。(使徒19:23−) この最終的な戦いは、伝承によると、後に使徒ヨハネによって行われた。(祭壇が壊れ、灰がこぼれ落ちたという) 黙示録が書かれた時代になるとアジヤ州で最大の教会になっていた。
初めの愛から離れたこと以外は、にせ使徒を見抜くなど、主にほめられている。(黙示2:1−7)
§ エペソ教会には、牧者としてテモテを派遣(Tテモ1:3)、(オネシポロが引き継いだかどうかは不明、Uテモ1:18) さらにずっと後、パトモス島から帰還後の使徒ヨハネも、ここで牧会したといわれている
§ エペソ書は、パウロ文章の長さが目立つ書簡であり、たとえば1:3−1:14まで句点なしに一気に書き上げられている。(実際の翻訳は、分けて行なっている)
*2 § 冒頭で、「(大いなる)恵み」と「平安」を祈るのは、パウロ書簡の特徴、 恵み(カリス)は、ギリシャ語のあいさつ「喜び」(カイレイン)と同じ語根、 平安・平和(シャローム(ヘ))は、神との平和 の意
*5 ユードキア(ギ) good will、delight、pleasure、desire、喜び、好意、 フュイオセシーア adoption、adoption as sons、養子、養子縁組、子たる身分、 プロオリーゾ predetermine、あらかじめ定める、予定する
*7 パラプトーマタ(ギ) trespass、offence、sin、misdeed、過ち(意図的でない罪)、罪過、罪
*9 ユードキア(ギ) good will、delight、pleasure、desire、好意、喜びの意志、 計画 は補足
*10 天(複数)、 地(単数): ユダヤと同じ考え方(創世1:1)
*11 クレローオ(ギ) cast lots、determine by lot、choose by lot、(割り当て地を)くじで決める; 御国を受け継ぐ の意 (ヨシュ13:6、民数26:55、 ヨハ19:24、使徒1:26、Tペテ5:3、等)、 プローセシス setting forth of a thing、the shewbread、前に置くもの、陳列するもの; (幕屋・神殿の)供えのパン(2列6枚=12枚のパン、イスラエル12部族を表す、異邦人は「隠されたユダヤ人」ロマ2:29、 パンはみことばを表す) (使徒11:23); 目的 の意
*14 クレロノミア(ギ) inheritance、相続財産、御国を受け継ぐこと、 アラボーン(ギ) earnest、手付金、保証金、証拠金 (Uコリ1:22、5:5、 cf.ロマ8:23「御霊の初穂」)
*18 ディアノイア(ギ) understanding、mind、spirit、理解力、精神、霊性
*19 クラトス(ギ) force、strength、power、mighty deed、work of power、dominion、力、力の働き; 主権; 大能 (ルカ1:51、エペ6:10、ヘブ2:14)
*20 右の座: 名誉・力の座(:21、:22、マタ26:64)、楽しみの座(詩篇16:11)、御使いには与えられていない(ヘブ1:13)
*21 支配、権威、能力(権力、力)、統治(主権): この4つとも、神の「御使い」のこと (3:10、コロ1:16、Tペテ3:22(御使い)、 6:12(悪霊)、 ロマ8:38(御使い・悪霊))
*23 パンタ(ギ、形容詞、対格、複・中) エン パシン(形容詞、与格、複・中) all things in all things
第2章
1 さて、あなたがたは、以前は自分の罪過*と罪*によって死んでいた存在の者であって、
2 かつてはそれらの中で、この世界の時代の流れ*に従い、空中の権威の君*、すなわち、不信仰*の子らの中に今も働いている霊*に従って、歩んでいたのです。
3 私たちも皆、不信仰の彼らの中にあって、肉の欲望にあって肉と感性*の欲するままに行ない、他の人々と同様に、生まれつき御怒りを受けるべき子らでした。
4 しかし、あわれみに富む神は、私たちを愛して下さったその大きな愛のゆえに、
5 罪過によって死んでいた私たちを、キリストと共に生かし ・・・ あなたがたが救われたのは、大いなる恵みによるのです ・・・
6 キリスト・イエスのうちに、共によみがえらせ、天上において共に座に着かせて下さったのです。
7 それは、キリスト・イエスのうちに私たちに与えられた善良なる品性*によって、大いなる恵みの豊かな富を、来たるべき世々に明示していくためでした*。
8 あなたがたは、恵みのゆえに、信仰によって救われたからです。それは、あなたがた自身から出たものではなく、神からの賜物です。
9 それは、行いから出たものではありません。誰も誇ることのないためです。
10 私たちは神の作品*であって、良い行ないをするように、キリスト・イエスにあって造られたからです*。神は、私たちがその中で歩むようにと、その良い行いをもあらかじめ備えて下さいました。
11 ですから思い出しなさい。あなたがたは以前は、肉によれば異邦人でした。肉にあって人の手による「割礼ある者」と呼ばれる人々からは、「無割礼の者」と呼ばれ、
12 またその当時は、キリストから離れていて、イスラエルの国籍からも除外され、約束された多くの契約については外国人であり、この世にあって希望もなく、神もない人々でした。
13 ところが、このようにあなたがたは以前は遠く離れていましたが、今ではキリスト・イエスの中にいることにより、キリストの血によって近い者とされたのです。
14 キリストは私たちの平和であって、二つのもの*を一つにし、「隔ての壁」*を取り除き、
15 ご自分の肉において、敵意を、すなわち、さまざまな戒めによる規定から成り立つ律法を、無効*にされました。それは、キリストにあって、その二つのもの*が一人の新しい人に造られるためであり、こうして平和を作るためです。
16 そして、十字架を通して、二つのもの*を一つの御体として、神と和解させるためです。この敵意は、十字架によって、滅び去りました。
17 それからキリストは来られて、遠く離れているあなたがたに平和を宣べ伝え、また近くにいた者たちにも平和を宣べ伝えられたのです。
18 それは、キリストを通して、私たち両方の者が一つの御霊の中にあって、父のみもとに近づくことができるからです。*
19 そこであなたがたは、もはや異国人でも寄留者でもなく、聖徒たちと同じ国民であり、神の家族なのです。
20 また、あなたがたは、使徒たちや預言者たち*という土台*の上に建てられたものであって、キリスト・イエスご自身が隅(すみ)のかしら石*です。
21 このキリストにあって組み合わされ、建物全体が、主にある聖なる神殿に成長し、
22 そして、あなたがたも、キリストにあって共に建てられて、御霊なる神*の御住まいとなるのです。
*1 パラプトーマ(ギ) 故意でない罪、咎、罪過、 ハマルティア(ギ) 罪、内面から出てくる罪(心の中の悪・悪意を含む)
*2 アイオン(ギ、単数) 永遠、世界、(直訳) 時代(の流れ)、歳、 コスモス 世界、宇宙、 アペイセイア(名詞) obstinacy 説得されない事、神のみこころに頑固に反対する、不信仰、(アペイセオー(動詞) ヨハ3:36) § 君(統治者、単数)、霊(単数): サタンは今も、神の天・御使いの天と、地上との間の、空中(アエル(ギ)、air、空気、空中、天空)にいて、不信仰な人々に働きかけて(影響を与えて)いる → 6:12 「霊の戦い」
*3 ディアノイア(ギ) feeling、desiring、understanding; mind、spirit、way of thinking and feeling、thoughts、感性
*7 クレストーテス(ギ) moral goodness、integrity、kindness、善良であること、誠実・正直; 優しさ・温和、善意、(ガラ5:22)、 § 罪と罪過のゆえに死んだ状態から、善意にあふれて、良い行いをするようになったことのあかし。 この時だけでなく、(主の再臨の時までの、)未来の世々にあっても、明示されるべきもの
*10 ポイーエマ(ギ) works of God as creator、被造物、(神の被造物としての)作品、(ロマ1:20) § 私たちの創造の目的: 品性。 キリストに似た者となって、良い行いをするように、造られた (”助ける”レベルでなく、完全に造り変えられた)
*14、15、16 2つのもの: ユダヤ人と異邦人、 ト メソトイコン(ギ、対格) トゥー フラグムー(属格) the middle-wall of the barrier(partition)、エルサレム第2神殿に実際にあった、外庭にいる異邦人を聖所から隔てる「隔ての壁」。
神殿の回りを大きく取り囲む、高さ約1.5メートルの大理石の壁、 札に、”これより中に入る異邦人は、死刑に処す”と記されていた
*15 カタルゲーオ(ギ) 無効にする、力を奪う、止めさせる
*18 § 律法主義によっては分離・差別しかありえない。ユダヤ人さえも完全に守れない。(ガラ6:13) 一方、恵みによる聖霊によって、ユダヤ人も異邦人も御父に近づくことができる
*20 § 最初に宣べ伝えたパウロ(使徒)とシラス(預言者)より、「新約の預言者」のこと、 教会は、イエスが任命する五役者(五職)(エペ4:11)の「使徒」、「預言者」の土台の上に建て上げられる、 アクロゴニアイオス(ギ) the corner foundation stone、(2つの壁のぶつかる所の)角部の大きな土台石 (cf.keystone、(アーチの)仕上げの石、頂角石)
*22 トゥー(属格、単・男) セウー(属格、単・男) エン プニューマティ(与格、単・中) the God in Spirit、聖霊なる神(○)(聖霊によって、神の△)
第3章
1 このような理由で、あなたがた異邦人のためにキリスト・イエスの囚人となっているこのパウロが言います。
2 あなたがたのために、神から私に与えられた大いなる恵みの職務について、あなたがたはすでに聞いています。
3 前に簡単に書いた*通り、私は啓示に従って奥義*を知らされたのです。
4 あなたがたはそれを読めば、キリストの奥義を私がどう理解しているかがわかるはずです。
5 この奥義は、今は、御霊によってキリストの聖なる使徒たちと預言者たちとに啓示されていますが、他の時代には、人の子らに対して知らされてはいなかったのです。
6 それは、異邦人が、福音を通してキリストにあって、私たちと共に御国の*共同相続人*となり、共に一つの御体となり、共に約束にあずかる者となることです。
7 私は、神の超自然的な力の働き*を通して、自分に与えられた神の大いなる恵みの賜物により、福音のしもべとされました。
8 すなわち、すべての聖徒たちのうちで最も小さい者*である私に、この大いなる恵みが与えられたのは、キリストの測り知れない富を異邦人に宣べ伝え、
9 また、イエス・キリストを通して、万物の創造主なる神の中に、世々の昔から隠されてきた奥義について、その職務がどのようなものであるかをすべての人々に示すためです。
10 すなわち今、天にあるさまざまな支配と権威*とに対して、教会を通して、神の非常に多種多様な知恵を知らせるためであり、
11 それは、私たちの主キリスト・イエスにあって神が行なわれた、神の永遠の目的に沿ったことなのです。
12 この方にあって、キリストの信仰を通して*、私たちは大胆さを持ち、確信をもって神に近づくのです。
13* ですから、あなたがたのために私が患難の中にいることで、失望しないでいてほしいのです。その患難はそのまま、あなたがたの光栄なのです。
14 こういうわけで、私はひざをかがめて*、私たちの主イエス・キリストの父なる神に、祈ります。
15* この方は、天にあっても地にあっても、その名が付けられている、あらゆる父から出た者たち*の根源なる方です。
16 どうか父が、その栄光の富に従って、御霊を通して、力をもって、あなたがたの内なる人*を強くして下さいますように。
17 また、信仰を通してキリストがあなたがたの心の中に永住され、愛に根ざし、愛に土台を据えることにより、
18 その*広さ、長さ、高さ、深さがどれほどかを、すべての聖徒たちと共に把握するほどに十分強くなり、
19 人の知識をはるかに越えたものですが、そのキリストの愛を知ることができますように。そして、神のすべてのもので満ちているさまにまで、あなたがたが満たされますように。
20 どうか、私たちの中に働く力に応じて、すべてを越え*、私たちの願うところや、思うところを、はるかに越えて成し遂げる*ことができる方に、
21 この方に*、教会にあって*、キリスト・イエスにあって*、栄光が、世々にわたって、永遠にまでありますように。アーメン。
*3 (別の手紙ではなく、)この手紙の前半に書いたこと の意、 § 奥義: ロマ16:26、Tコリ12:12−14 当時、あまりにも独特な奥義に見えたので、人間的に考案したなどと誤解されないように、「啓示によって」と断っている
*6 シュンクレロノモス(ギ) fellow heir、共に相続する者、 御国の は補足
*7 超自然的 は補足
*8 エラキストテロー(形容詞、(造語) 最上級の語根+比較級) less than the least (of all saints)、 (直訳) 最も小さい者よりも小さい者 (最上級+比較級)、 § パウロのへりくだり: Tコリント15:9 → エペソ3:8 → Tテモテ1:15
*10 § 支配と権威: 御使いのこと。(1:21) 最も小さい聖徒であると告白したパウロが、今度は使命を語るにあたって、天のすべての御使いたちにも示そうと、大胆に語っている
*12 ディア テース ピステオース(属格、単・女) アウトゥー(属格、単・男) through the faith of Him、彼(キリスト)の信仰を通して ・・・ 信仰の創始者であるキリストの持っている、父なる神に対する信仰を、私たちも持って、 = マコ11:22 「神の信仰を持ちなさい」 神の(属格)、信仰を(対格) =神が持っておられて、あなたがたに与える信仰(神の言葉・レーマ)を、受け取りなさい
*13 § パウロの逆境を見てキリストの愛を疑うことなく、それほど犠牲を払ってでも進めていく、この異邦人伝道の価値の高さを見よ、と言っている
*14 § 立って祈るのがユダヤ方式の祈りで、異邦人はひざまづいて祈る
*15 パトゥリア(ギ) 家族、国家; 家、家系 (= (元々)父(パテール)より出た者たち の意。 ex) ダビデの子、アロンの子など) ・・・ 万民の源なる、この唯一の父に祈る と言っている
*16 エイス トン エソー(副詞) アンスローポン(対格、単・男) into the within human、(直訳) 内側へ人の中に ・・・ 人間的でなく、聖霊を通して、力によって、内なる人を強めてくださるよう (第一の祈り)
*18 その: キリストの愛 の意 (:19)
*20 ヒュペル over、を越え、(+はるかに越え、の二重に強調して祈っている) ポイエオー(ギ) do、make、perform、実行する、作る、成し遂げる
*21 アウトー(ギ) to Him、神に、 エン(ギ)、in、にあって、 § 教会にあって(与格、単数、普遍的)と キリスト・イエスにあって(与格) の間に カイ(and)が無いが、ここではキリストと普遍的教会との結婚を表すので、(キリスト・イエスにある教会 ではなく、)併記となる
第4章
1 さて、主にある囚人*である私は、あなたがたに勧めます。あなたがたは、召されたその召しにふさわしく歩みなさい。すなわち、
2 すべての謙遜*と、柔和とを尽くし、忍耐して待ち*、互いに愛の中に堅く保ち*、
3 平和のきずなで結ばれて御霊の一致*を保つよう、熱心に努めなさい。
4 御体*は一つ、御霊も一つです。それは、ちょうど、あなたがたの召しという一つの期待の中に、あなたがたが召されたのと同じです。
5 主は一つ、信仰は一つ、バプテスマは一つ、
6 神は一つ、すべてのものの父です。この方は、すべてのものの上におられ、すべてのものを貫き、あなたがたすべての中におられます。
7 しかし、キリストの賜物の量りに従って、私たち一人一人に大いなる恵みが与えられました。
8 そこで、こう言われています。 「高いところに上られた時、多くの捕虜を引き連れ、人々に賜物を分け与えられた。」*
9 ・・・ この「上られた。」という言葉は、最初に、地の低い所に降りてこられた、ということでなくて何でしょうか。
10 降りて来られた方は、同時に、あらゆるものに満たされるために、すべての天*の上にまで上られた方でもあるのです。 ・・・
11* そしてキリストご自身が、 ある人々を使徒*とし、ある人々を預言者*とし、ある人々を伝道者*とし、ある人々を牧師*、また教師*として、お立てになりました。
12 それは、聖徒たちに奉仕の働きをさせるように装備し、キリストの御体を建て上げ、
13 私たちが皆、神の御子についての、信仰の一致と知識の一致とに到達し、完全な大人になって、ついにキリストの満ち満ちた年齢*に至るためです。
14 こうして、私たちはもはや未成年ではなく、人のサイコロばくちのごまかしや、人を欺く悪賢いはかりごとにより、波にもてあそばれたり、教えの風に吹き回されたりせず、
15 愛のうちに真理を語り*、あらゆる点において成長し、かしらなるキリストに達するのです。
16* キリストによって、御体の全体は、すべての結合部を通じてしっかりとつながり一つに合体し、また、それぞれの部分の量りに従って作用して御体を成長させ、愛のうちに建て上げられていくのです。
17 そこで、私は主にあっておごそかに勧めます。あなたがたは今後、他の異邦人が虚しい心で歩いているように歩いていけません。
18 彼らの知性は暗くなり、彼らの中に存在する無知なるものと、心が鈍くなって*いることにより、神のいのちから遠く離れ、
19 痛みに無感覚になり、ほしいままに好色に身をゆだね、あらゆる汚れを貪欲に行なっています。
20 しかし、あなたがたは、キリストをそのようには学びませんでした。
21 ただし本当に、あなたがたがキリストに聞き*、キリストのうちに教えられたならばです。確かに、真理はイエスにあるからです。
22 その教えとは、以前の生活習慣について言えば、欺きの情欲に従って朽ちていく古き人を、あなたがたが脱ぎ捨て、
23 あなたがたの心の実体まで*、新しいものと取り替えられ*、
24 真理による公義*と敬虔*とを備えた、神の形に造られた、新しい人を着ることでした。
25 それゆえに、あなたがたは偽りを捨てて、それぞれ隣人(となりびと)に対して真理*を語りなさい。私たちは互いに御体の部分だからです。
26 怒っても、罪を犯してはいけません。 憤ったままで日が暮れることがないようにしなさい。
27 悪魔に機会*を与えてはいけません。
28 盗みを働いている者は、これからは盗んではいけません。むしろ、施しが必要な人々に分け与えるために、自分の手で正しい仕事をし、労苦して働きなさい。
29 腐った言葉は、一切あなたがたの口から出してはいけません。必要に応じて人々を建て上げる良い言葉を用いて、聞く者が大いに恵みを受けるようにしなさい。
30 神の聖霊を悲しませてはいけません。あなたがたは、贖い(あがない)の日*のために、聖霊の証印を押された*のです。
31 すべての苦々しさ*、憤り、怒り、叫び、そしりを、すべての悪意と共に捨て去りなさい。
32 互いに、親切な者、心の優しい者*となり、神がキリストにあってあなたがたを赦して*下さったように、あなたがたも互いに赦し*合いなさい。
*1 4章から実践的教会論: ホ デスミオス エン キュリオー(ギ) the prisoner in Lord、主にある囚人 (cf. 3:1 キリスト・イエスの囚人 ・・・ キリスト・イエスによって、異邦人使徒に召されたことを強調)
*2 召しにふさわしい歩みの第一は、謙遜、「へりくだった者は幸い」(マタ5:3)、また「柔和な者は地を相続する」、 マクロシュミア(ギ) (マクロ・長い+スュモス・心) steadfastness、patience、longsuffering、忍耐して待つ、(特に、神が罪人に対して忍耐して待つこと)(Tコリ13:4)、 アネコマイ hold up、hold one's self erect and firm、持続する、自身を堅く保つ、我慢する
*3 テーン ヘノテーア(単・女) トゥー プニューマトス(属格) the unity(agreement) of the Spirit、「御霊の一致」 § 教会が主に聞くことの、非常に重要な概念: 預言・啓示・示し・奇跡などの摂理的な一致。 各人に同じ聖霊が語ることによる (逆に、一致が無いことによって霊が異なることを見分ける)
*4 御体(単数) = 教会、 一つの(普遍的)教会に、一人の御霊、 → 一つの期待(=主の予定)の中に召された
*5 信仰は一つ: 「信仰の一致」
*8 詩篇68:18 ただし、マソラ訳では、「人々からみつぎを受けられました( ラーカハ(ヘ)、take、receive)」と逆になっている
*10 トーン ウーラノーン(ギ、複・男) the heavens、諸天 (伝統的なユダヤ思想では7つ、パウロがUコリ12:2で見た天は
(大きく見て)3層構造)
*11 § キリストによる、五役者(ごえきしゃ、五職)の任命。 地域教会だけでなく、対外的にも権限がある。教会は使徒・預言者の土台の上に建てられる(2:20)、 (cf. 御父が定める7つの奉仕(ロマ12:6−8)、 聖霊が分け与える9つの賜物(Tコリ12:8−10)、 この中ですべてに共通しているのは、預言のみ。預言は、三位一体の中心ポイントにある)、
(本文ではすべて複数:) アポストロス(ギ) apostle、使徒 (小羊の12使徒、パウロ、バルナバ、(主の兄弟のヤコブ?)、・・)、 プロフェーテス prophet、預言者 (シラス、ユダ、アガボ、・・・)、 ユーアンゲリステース evangelist、(福音)伝道者 (伝道者ピリポ、・・・) = ケーリュークス preacher、宣教者、伝道者 (Uテモ1:11、Tテモ2:7)、 ポイメーン shepherd、pastor、牧者・羊飼い(ヨハ10:11等)、牧師、 ディダスカロス teacher、master、教師、師、先生、 § もし五役者が教会に存在しないと、イエス・キリストの権限の不在の状態となり、教会はファンタジーやニューエイジ(キリスト無しに幸福を追及するもの)の方向へ行く
*13 年齢: あるいは 身丈(みたけ)
*15 アレスューオー(ギ) teach the truth、profess the truth、真理を教える(公言する)
*16 § それぞれの結合部により一つの体となり、同時に、それぞれの部分がその力量に応じて成長して、そのようにして全体が成長して、愛によって建て上げられる
*18 (直訳) 心がたこで覆われて
*21 アウトン(対格、単・男) エーコウサテ(ギ、アオ過去、2・複) you hear (to)Him、キリストに聞き: § 救われていて、主の御声を聞くことができること
*23 (直訳) 心の霊にあって、(霊 = その人の実体、中心、深み)、 アナネオーオ(ギ) renew、更新する、再び新しくする、新しいものと取り替える (新約でここだけの言葉)
*24 義、公義、公正(ディカイオシューネー): 人に対する正しい行動、 聖、敬虔(ホシオーテス、piety
towards God): 神に対する正しい行動 の意
*25 アレーセイア(ギ) truth、真理; 真実 (⇔ falsehood、虚偽)
*27 (直訳) 場所
*30 贖いの日: 主の再臨の栄化の時、 スフラギゾー(ギ) set a seal upon、mark with a seal、in order to prove、confirm、証印を押す (1:13)
*31 (直訳) 胆汁、苦い根
*32 (直訳) 健全な内臓 (Tペテ3:8)、 カリゾマイ(ギ) show one's self gracious、grant forgiveness、pardon、自身の恵みを示す、債務を取り消す(ルカ7:42)、(罪を)赦す
第5章
1 それゆえ、あなたがたは、神に愛されている子供たちとして、神と生き写しの者*となりなさい。
2 また、愛の中を歩みなさい。キリストも私たちを愛して下さって、私たちのために、ご自身を、神への捧げ物、またいけにえの供え物として、香ばしいかおりの捧げもの*となられました。
3 聖徒にふさわしく*、あなたがたの間では、不品行、すなわち、どのような汚れも、どん欲も、口にすることさえしてはいけません。*
4 また、わいせつな言葉や、愚かな話や、下品な冗談を避けなさい。これらは、ふさわしくない事です。 それよりも、むしろ感謝を語りなさい*。
5 それは、あなたがたも知っているように、すべての不品行な者、汚れた者、どん欲な者、 ・・・これがすなわち偶像礼拝者ですが、 ・・・ キリストと神との御国を相続することはできないからです。
6 あなたがたは誰も、虚しい言葉で騙されてはいけません。これらのことによって、神の怒りが不信仰の子らに下るからです。
7 ですから、彼らの仲間になってはいけません。
8 あなたがたは、以前は暗やみでしたが、今は主の中で光*となっているからです。光の子として歩きなさい。
9 ・・・ 光は、あらゆる善良さ*と、正義と、真理との、一つの実*を結ばせるものだからです。 ・・・
10 主に喜ばれるものが何であるかを、吟味して悟りなさい*。
11* 実を結ばない暗やみのわざに加わらないで、むしろ、それを有罪と宣言しなさい。
12 彼らが隠れて行なっていることは、語ることさえも恥ずべき事だからです。
13 しかし、すべてのものは光にさらされる時、明らかになります。それは、明らかにされたものは皆、光であるからです。
14 そこで、こう言っています。「眠っている者よ、目を覚ませ。死人の中から起き上がれ。そうすれば、キリストがあなたを照らされる。」*
15 そこで、賢くない者ではなく、賢い者として歩んでいるかを、あなたがたはよく注意して、
16 この時代を買い取るように十分生かして用いなさい*。悪い日々だからです。
17 ですから、愚かな者にならないで、主のみこころが何であるかを悟りなさい。
18 酒に酔ってはいけません。そこには放蕩があるからです。 むしろ、御霊に満たされなさい。
19 詩*と、賛美*と、霊の歌*とをもって互いに語り*、また、主に向かって心の中で*賛美の歌を歌い、また弦楽を奏でなさい。
20 常に、すべてのことのために、私たちの主イエス・キリストの御名によって、父なる神に感謝しなさい。
21 神を恐れることにあって、互いに従い*なさい。
22 妻たちよ。 主に対するように自分の夫に従いなさい。
23 キリストが教会のかしらであり、また御体である教会の救い主であられるように、夫は妻のかしらです。
24 そして教会がキリストに従うように、妻もすべてのことについて、夫に従うべきです。
25 夫たちよ。 キリストが教会を愛して、教会のためにご自身を捧げられた*ように、妻を愛しなさい。
26 キリストがそうされたのは、水で洗うことにより、その語られた言葉*によって、教会をきよめて聖なるものとするためであり、
27 また、汚点も、しわも、そのようなものが一切なく、聖なる、傷のないものとなった栄光の教会を、ご自分の傍らに立たせるためです。
28 このように、夫も自分の妻を、自分の体のように愛する義務があります。自分の妻を愛する者は、自分自身を愛しているのです。
29 自分自身を憎んだ者は、いまだかつて、一人もいません。かえって、キリストが教会になさったように、かえってこれを養います。
30 私たちは、キリストの御体の、肉の、骨の部分なのです。*
31 「それゆえ、人は父母を離れてその妻と結ばれ、二人の者は一つの体*となる。」*
32 この奥義は偉大です。 私は言います。それは、キリストと教会のことです。
33 それはそれとして、あなたがたは、それぞれ、自分の妻を自分自身のように愛しなさい*。妻もまた夫を畏れ敬い*なさい。
*1 ミメテース(ギ) imitator、(騙せるほど、そっくりに、)模倣する者、 § 愛された子は、親に似る
*2 全焼のいけにえ、なだめのかおり (出エジ29:18、ヘブ7:27、9:14)
*3 § キリスト者の自覚に訴えている
*4、5 § 語る言葉が、自らに、また人々の品性に影響する
*8 ヨハ8:12、マタ5:14、 主にあって、光そのものになったこと
*9 アガソーシュネー(ギ) goodness、善良であること、良い性質、善意 (ガラ5:22)、 カルポス(単数) fluit、(一つの)実、 ・・・ 世にあっての品性の実
*10 ドキマゾー(ギ) (金・銀を)試す、テストする、試験の後に悟る
*11 § 後にエペソ教会が、にせ使徒を見抜いたことで、主にほめられている (黙示2:2)
*14 イザ26:19、51:17、52:1、60:1
*16 エクサゴラゾー(ギ) redeem、buy up、make wise and sacred use、買い戻す、買い上げる; 贖う、 (十分生かして は補足)
*19 詩: 詩篇の朗読 (楽器の伴奏付き)、 さんび: 信徒たちが作った賛美歌、 霊の歌: 聖霊にゆだねて歌う、いわゆる「霊歌」、 ラレオー(ギ) speak to utter articulate sounds、talk、(はっきりした音で)語る、 エン テー カルディア in the heart、心の中で、(シナイ、バチカン写本は、「心から」△) → § 前者は会衆賛美、 後者は個人個人の心の中の賛美 となる、 プサッロー twang the strings of a musical、弦楽器をはじいて鳴らす、ハープを弾く
*21、22 ヒュポタッソー(ギ) put under、obey、従う
*25 パラディドミ(ギ) give over into、commit、deliver、引き渡す、委託する
*26 レーマ(ギ) 語りかけ; 演説、説教 ・・・ ここでは、洗礼についての言葉
*30 創世2:21
*31 サルクス (直訳) 肉、 創世2:24
*33 アガパオー(ギ) (アガペーの愛で)愛する、(エロス、フィロスではない) (コロ3:19)、 フォベオー flee、fear、be afraid; reverence、恐れる、敬意を持つ (cf. ヒュポタッソー 従う、コロ3:18、Tペテ3:1)
第6章
1 子供たちよ。主にあって両親に従いなさい。これは正しいことだからです。
2 「あなたの父と母とを敬え。」* これが第一の戒め*であって、次の約束が伴っています。
3 「そうすれば、あなたは幸いになり、地上で長生きする。」*
4 そして、父たちよ。あなたがたの子供たちをいら立たせてはいけません。かえって、主の訓練*と訓戒*とによって、彼らを育てなさい。
5 奴隷たちよ。キリストに対するように、畏れ敬い、また、おののきつつ、一つ心で、肉による主人に従いなさい。
6 ご機嫌取りのような、主人が見ている時だけの勤めをするのでなく、キリストの奴隷*として心から神のみこころを行い、
7 人にではなく主に仕えるように、好意をもって仕えなさい。
8 あなたがたも知っている通り、誰でも良いことを行えば、奴隷であれ、自由人であれ、それに相当する報いを、それぞれ主から受けるのです。
9 そして、主人たちよ。あなたがたも、奴隷たちに対して同じようにふるまいなさい。* おどすことはやめなさい。あなたがたが知っている通り、彼らとあなたがたとの主は、天におられ、また人を差別されないからです。
10 結論として*。私の兄弟たちよ。主にあって、またその大能の御力によって、強められなさい。
11 悪魔の策略*に対抗して立ち向かうために、神の完全武装*を身に着けなさい。
12 私たちのその格闘*は、血と肉に対するものではなく、さまざまな支配と、権威と、この暗やみの世の支配者たち、また天上にいる悪霊ども*に対するものです。
13 それゆえ、邪悪な日*に際し対抗することができるように、またすべてを成し遂げ堅く立つことができるように、神の完全武装を手に取りなさい。
14 それでは、しっかり立ちなさい。 そのために*、真理の帯を腰に締め、義の胸当を着け、
15 平和*の福音の備えを足に履き、
16 これらの上に、信仰の大盾*を手に取りなさい。それをもって、悪しき者*の放つ火矢*を消すことができます。
17 また、救いのかぶとをかぶり*、御霊が与える剣*、すなわち、神の言葉*を受け取りなさい。
18* 絶えず、祈り*と、個別の願い*を、どんな時でも御霊によって祈り、そのために目を覚まして、粘り強く*すべての聖徒のために祈り続けなさい。
19 また、私が口を開くときに語るべき言葉が与えられ、大胆に福音の奥義を知らせることができるように、私のためにも祈ってください。
20 私は鎖につながれてはいます*が、この福音のための大使*であり、つながれていても、語るべきことを大胆に語れるように祈ってください。
21 私がどういう様子か、何をしているかを、あなたがたに知ってもらうために、主にあって愛する兄弟、忠実な奉仕者であるテキコ*が、一切の事を報告します。
22 彼をあなたがたのもとに送るのは、あなたがたが私たちの様子を知り、また彼によって心に励ましを受けるようになるためです。
23 どうか、父なる神と私たちの主イエス・キリストから、平安と、信仰に伴う愛とが、兄弟たちの上にありますように。
24 変らない真実をもって、私たちの主イエス・キリストを、朽ちない愛をもって愛するすべての人々と共に、この大いなる恵み*がありますように。
(エペソの人々へ。 ローマから、テキコによって記す)
*2、3 出エジ20:12、申命5:16、 モーセの十戒の第五戒、 しかし人に関しては第一戒
*4 パイデイア(ギ) 訓練、行動を伴う教育、 ヌーセシア 言葉による訓戒
*6 キリストの奴隷: キリストを信じて新生した奴隷は、うわべだけの仕え方では満足できなくなる (ピリ1:1)
*9 § 奴隷の主人に対しても、畏れおののき、一つ心で、心からみこころを行ない、好意をもって、が全く同様に要求される (ガラ3:28、ピレ:16) 当時は、主人に奴隷の”生殺与奪の権”が与えられていた。キリスト教が広まるにつれ、ギリシャ・ローマ世界から奴隷制度を一掃するようになった
*10 ト ロイポン(ギ) the rest、hereafter、at last、残り、この後、とうとう最後に、(= 結論として) (cf.シナイ、アレキサンドリア、バチカン写本では、 トゥー ロイプー その後、それから ×) § 教会論、夫婦論などを終えて、最後の結論として、「霊の戦い」を述べる の意
*11 メソディアス(ギ、複数) cunning arts、deceit、craft、策略、詐欺、技巧、 パノプリーア(ギ) (パース(すべての)+ホプロン(武具))full armour、complete armour、完全武装 ((当時の)盾、剣、槍、かぶと、すね当て、胸当て の一セット)
*12 ヘー パレー(ギ) (誰もが知っている)レスリング ・・・ 悪霊と個人的に1対1で戦う の意、 § サタンとその使いたちは、今は「空中」(2:2)にいるが、世の終わりの時は地上に追放される (黙12:9)
*13 邪悪な日(the wicked day、単数) 世の終わりの時、時代の節目の邪悪な時、迫害の時など
*14 そのために は補足、 (しっかりと立ちなさい(アオ過去2)、の中態(Mid)として以下の文がある) これらの装備を一つ一つしてから、しっかりと立ちなさい の意
*15 平和: 神との平和(ロマ8:31−34)による確固不動の足場
*16 スキュレオス(ギ) 扉、大盾 ・・・ 救いの信仰(2:8)、 悪しき者(単数) wicked one、悪魔のこと、 § 火矢: 鉄の矢じりと火のついた麻が巻かれた1mほどの矢(サタンの誘惑・試みの言葉、刺さった上に火が付く危険なもの。 これを防ぐには全身を覆う
「信仰の大盾」しかない (ガラ3:11)
*17 § 頭という重要な部分を守るため、かぶとの緒を締めて「救い」がぐらつかないようにする、 § 御霊の剣(マカイラ(ギ)、短剣で、接近戦で用いる): 唯一の攻撃用の武器 = レーマ(単数) セウー 神の(語られる)言葉(レーマ)を、神から受け取る ・・・ 霊の戦いは、御名の権威だけではなく(マコ16:17)、神のレーマを預言的に受け取って語ることにより、サタンを撃退することができる(預言により霊が切れる、霊の重い影響力が消える) (マタ4:1−10、黙1:16、19:5、ヘブ4:12)
*18 プロシューケー(ギ) prayer、(一般の)祈り、 デエーシス need、indigence、asking、個別の依頼、 プロスカルテレーシス perseverance、根気良さ、粘り強さ § すべての武具を装備し終えた主の兵士は、神の指示と助けを祈り、敵の動向を把握し、同時に、味方の守備が破られないように祈る
*20 § 監視のローマ兵と鎖で連結、 また皇帝ネロの前での弁明の不安もあった、 大使: 老練(大使の語根)な者が大使に任じられた、 この時AD5年生まれのパウロは60歳前後
(ピレ:9、使徒28:30)
*21 テキコ: 使徒20:4(アジヤ人)、コロ4:7、8、Uテモ4:12、テト3:12
*24 ヘー カリス(ギ) 冠詞があるので、今まで語ってきた、この手紙の主題である「恵み」 の意