ヨハネの黙示録




  第1章


 1 イエス・キリストの黙示。 この黙示は、神が、すぐに起るはずのことをそのしもべたちに示すため、神がキリストに与えられ、そして、キリストが御使いを遣わして、これをしもべヨハネに伝えられたものである。
 2 ヨハネは、神のみことばとイエス・キリストのあかし、すなわち、自分が見たすべてのことをあかしした。
 3 この預言の言葉を朗読する者と、これを聞いて、その中に書かれていることを守る者たちとは、幸いである。その時期が近づいているからである。

 4 ヨハネからアジヤにある七つの教会へ。今おられ、昔よりおられ、後に来られる方から、また、その御座の前にある七つの御霊から、
 5 また、忠実な証人、死人の中から最初によみがえられた方、地上の王たちの支配者であるイエス・キリストから、大いなる恵みと平安が、あなたがたにあるように。 イエス・キリストは、私たちを愛し、その血によって私たちを罪から解放し、
 6 私たちを、ご自分の父なる神のために、王とし、祭司として下さった方に、世々限りなく栄光と支配とがあるように。アーメン。
 7 見よ。彼は、雲と共に来られる。すべての目、特に、彼を突き刺した者たちは、彼を見る。また地のあらゆる諸族は、彼のゆえに胸を打って嘆く。 その通り、アーメン
 8 今おられ、昔よりおられ、後に来られる方、全能者である方、主である神が、こう言われる。 「わたしはアルファであり、オメガである初めであり、終わりである。」


 9 私ヨハネは、あなたがたの兄弟であり、共にイエスの苦難と、御国と、忍耐とにあずかっている者であり、神のみことばとイエスのあかしとのゆえに、パトモスという島にいた。
10 ところが、私は、主の日に御霊に感じ、私の後ろの方で、ラッパのような大きな声がするのを聞いた。
11 その声はこう言った。「あなたが見ていることを記して巻物とし、それをエペソ、スミルナ、ペルガモ、テアテラ、サルデス、フィラデルフィヤ、ラオデキヤにある七つの教会に送りなさい。」
12 そこで私は、私に呼びかけたその声を見ようとして振り向いた。すると、七つの金の燭台が見えた。
13 それらの燭台の真中には、足まで垂れた衣を着、胸に金の帯を締めている、人の子のような方が見えた。
14 その頭と髪の毛とは、雪のように白い羊毛のような白であり、目は火の炎のようであった。
15 その足は、炉で精錬されて光り輝くしんちゅうのようであり、声は大水のとどろきのようであった。
16 その右手には七つの星を持ち、口からは鋭い両刃(もろは)の剣が出ていて、顔は強く照り輝く太陽のようであった。

17 私はその方を見たとき、彼の足もとに伏し倒れて死人のようになった。すると、彼は右の手を私の上に置いて、こう言われた。 「恐れるな。わたしは最初であり、最後であり、
18 また、生きている者である。わたしは死んだが、見よ。永遠に至るまで生きている。アーメン。そして、ハデスと死とのかぎを持っている。
19 そこで、あなたがすでに見たこと、現在あること、これらの後に起こることを、書き留めなさい。
20 あなたがわたしの右手に見た七つの星と、七つの金の燭台との奥義は、こうである。すなわち、七つの星は七つの教会の御使いたちであり、七つの燭台は七つの教会である。


   *  ヨハネの黙示録は、終末の預言書であり、伝統的に使徒ヨハネが書いたものと言われている。実際その内的証拠として、ヨハネ文書の単語、対語が共通している。(ことば(=キリスト)(ヨハ1:1、黙示19:13)、 小羊(ヨ1:29、黙5:6、8、12、13他)、 牧者キリスト(ヨ10:1−、黙7:17)、 いのちの水(ヨ4:14、黙7:17、21:6、22:17)、 マナ(ヨ6:31、黙2:17)、 渇いている者(ヨ7:37、黙22:17)、 まことの(アレーシノス)(福音書9回、Tヨハ4回、黙10回)、 あかし、戒めを守る、勝つ、など。 また、光とやみ、真理と偽り、神の力とこの世の力、など。) これらの対語は他の新約聖書にはほとんど出てこない
     § 執筆年代は、AD95、6年頃の、小アジアにも皇帝礼拝を強要したドミティアヌス(在位81−96年)の時代とされ(ネロ(在位54−68年)の時代はローマ国内のみ)、このときヨハネはパトモス島に流されていた。ペルガモの「サタンの王座」(2:13)、迫害がすでに起こりこれからひどくなる時(パウロの時代にはスミルナ教会は無かった)。 ただし、13章の獣はこの時代のローマ帝国ではなく、終末の時のこと(獣の数字666=ネロの時代は終わっている)
     § 構成の中心部分は、あくまで「終末預言」であり、これ以外のリベラルな解釈、間違った解釈(艱難期 前 携挙、過去主義・歴史主義 等)はすべて無視することにする。 イザヤ書が時間順に全くなっていないのに比べ、黙示録はかなり時間順が保持されている。大きくは、大きな巻物(5章−)の全体的な流れの中に、小さい巻物を挿入する形となる。この小さい巻物(10章−14章)に、キリスト者とイスラエルの詳細な出来事(2人の預言者、小艱難期、イスラエルのリバイバル、反キリスト・大艱難期、主の再臨と携挙、さばき)が集中して書かれている
   *1  黙示とは、(漢訳聖書の名残で)、啓示(アポカリュプシス(ギ)、覆いが取り除かれ明らかになること) の意、  ドゥーロス(ギ) 奴隷、しもべ、  アンゲロス messenger、angel、御使い、使者
   *2  テーン マルテュリアン(ギ、対格、単・女) testimony、witness、あかし: 預言者は主の管になり切り、神から受けたこと、見たことをすべて証言する (Tヨハ1:1、2)
   *3  トゥース ログース(複数) テース プロフェティーアス(ギ、単数) the words of the prophecy、預言の言葉、  マカリオス(ギ) blessed、happy、(幸運の意味で)幸い = マタ5:3 等 (cf.ユーオドゥーマイ(ギ) 良い旅をする、(繁栄の意味で)幸い Vヨハ2)、  カイロス measure of time; seasonable time、the right time、時間; 時期、期間 (終末の時期のこと)
   *4  アジヤ: ローマ属州の小アジヤ、 § 7は完全数であり、終末直前の異邦の全教会が、この7つの教会の霊的な型に分類される、   黙示1:8、4:8、  ホ オーン(現在) the one being、 ホ エーン(未完了過去) the one was、 ホ エルコメノス(現在) the one coming (すなわち = 、ヤハウェ(未完了相・3・単・男、 彼は在り続ける の意) 出エジ3:14)
   *5  ピストス(ギ) faithful、信頼のおける、忠実な(2:13、3:14、19:11等)、信じるべき(21:5等)、  プロートトコス (直訳) 長子の、最初に生まれた、(初子 ヘブ11:28、 長子 ロマ8:29、ヘブ12:23等)、  バシレフス prince、commander、king、王、  アルコーン(ギ) ruler、commander、chief、統治者、君主
   *6  バシレフス (ギ) 王、王子、(王国はバシレイア×)  クラトス force、strength、power、dominion、力; 支配、統治権
   *7  メタ(ギ) with、after、behind、共に、  § キリストを突き通した人々(ヨハ19:37、ゼカ12:11) ユダヤ、ローマ → 終末のイスラエルの人々(主は黄金門を通って入ってこられる)、  しかり(ナイ(ギ)) はい、確かに、その通り、 アーメン(ヘ) 確かに、まことに、その通り (同じことを繰り返して言っている)
   *8  アルファであり、オメガである: アルファベットの最初と最後より、全存在を表す表記法 (21:6、22:13)、   アルケー(ギ) 初め、根源、  テロス end、終わり  § 万物の根源であり、 終わりの完成である の意
   *9  エゴー イオアネス(ギ) 私ヨハネ: 黙示文学の習慣より、啓示を受けた人の名を名乗っている (ダニ7:28、8:1)、  みことば: 冠詞付き・単数、   パトモス島: エーゲ海の15km×9kmの、流刑の島。使徒ヨハネはAD94年頃、ドミティアヌス帝(在位81−96年)によってここに流され、洞窟に住んだとされる
   *10  主の日: キリスト教の日曜日 (ここだけ)、  エゲノメーン(アオ過去2、1・単) エン プニューマティ I became in Spirit、(直訳) 御霊の中にいるようになって
   *12  独立した金の燭台が7本: cf. 7つの枝の燭台(出25:31、32、ゼカ4:2)、ソロモン神殿にはそれが左右5本(T列7:49)
   *13  ダニ10:5、6は、似ているが御子でなく御使い、 大祭司の服装(出39:29)とも違う

   *14  フロックス ピュロス(ギ) flame of fire、火の炎
   *15、16  ダニ10:6、エゼ1:7、  :20、  イザ49:2、11:4、  10:1、マタ13:43、17:2(変貌山)、Tテモ6:16
   *17  (仰向けでなく)前に倒れた、  プロートス(ギ) first、最初、第一、  エスカトス last、最後(時間、場所、地位など)
   *18  ハデス(ギ): よみ(シェオル(ヘ))のうちのパラダイスでないほう、 贖われなかった死者がさばきの日まで一時的にいる所 (ルカ10:15、16:23、黙20:13)、  ハデスと死のかぎ: 人を生と死にさばく、御子の権限
   *20  ミュステリオン(ギ) secret、mystery、隠されていたこと、奧義、   アンゲロス(ギ) messenger、angel、御使い、使者、 § ここでは、各(普遍的)教会の「守護天使」 の意 (※ 霊を見る賜物の人によると、実際、教会の上に御使いが見え、覆う者(coverer)の役割を担っている)、 cf. 2、3章の書き送る相手は「使者」



  第2章


 1 エペソにある教会の使者に、こう書き送りなさい。 『右の手に七つの星を持つ者、七つの金の燭台の間を歩く方が、次のように言われる。
 2 わたしは、あなたの行ないと、労苦と、忍耐とを知っている。また、あなたが、悪い者たちを我慢することができず、使徒と自称しているが、実はそうでない者たちをためして、その偽りを見抜いたことも知っている。
 3 あなたは重荷に耐えてきて、今、堅く立っており、わたしの名のゆえに労苦したが、疲れ果てることはなかった。
 4 しかし、あなたに対して言うべきことがある。 あなたは初めの愛から離れてしまった
 5 そこで、あなたはどこから落ちたかを思い出し、悔い改めて初めの行ないをしなさい。もし、そうしないで悔い改めなければ、わたしはあなたのところに行って、あなたの燭台をその場所から取り外そう。
 6 しかし、あなたにはこのことがある。あなたはニコライ派の人々の行ないを憎んでいて、わたしもそれを憎んでいる。
 7 耳を持つ者は、御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。勝利を得る者には、神のパラダイスにあるいのちの木の実を食べさせよう。』


 8 スミルナにある教会の使者に、こう書き送りなさい。 『最初であり、最後である方、死んだが、また生き返った方が、次のように言われる。
 9 わたしは、あなたの苦難や、貧しさを知っている。しかし実際は、あなたは富んでいる。 また、ユダヤ人と自称しているが実はユダヤ人でない、サタンの会堂に属する者たちに、中傷されていることも知っている。
10 あなたの受けようとする苦しみを恐れてはならない。見よ、悪魔が、あなたがたのうちのある者を試みるために、牢に投げ入れようとしている。あなたがたは十日の間苦しみを受ける。死に至るまで忠実でありなさい。そうすれば、いのちの冠を与えよう。
11 耳を持つ者は、御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。勝利を得る者は、決して第二の死によって滅ぼされることはない。』


12 ペルガモにある教会の使者に、こう書き送りなさい。 『鋭い両刃(もろは)の剣を持っている方が、次のように言われる。
13 わたしはあなたの住んでいる所を知っている。そこにはサタンの王座がある。あなたは、わたしの名を保ち続け、わたしの忠実な証人アンテパスがサタンの住んでいるあなたがたの所で殺された時でさえ、わたしに対する信仰を捨てなかった。
14 しかし、あなたに対して言うべきことが、少しばかりある。あなたの中に、バラムの教えを奉じている者たちがいる。バラムはバラクに教え、イスラエルの子らの前につまずきとなるものを置き、偶像にささげたものを食べさせ、また不品行を行なわせた。
15 同じように、あなたがたの中にも、ニコライ派の教えを奉じている者がいる。
16 だから、悔い改めなさい。そうしないと、わたしはすぐにあなたのところに行き、わたしの口の剣をもって彼らと戦おう。
17 耳を持つ者は、御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。勝利を得る者には、隠れたマナを与えよう。また、白い石を与える。この石の上には、これを受ける者の他は誰も知らない新しい名が書いてある。』


18 テアテラにある教会の使者に、こう書き送りなさい。 『火の炎のような目と光り輝くしんちゅうのような足とを持った神の子が、次のように言われる。
19 わたしは、あなたの行ない、すなわち、あなたの愛と、信仰と、奉仕と、忍耐とを知っている。また、あなたの最後の行ないが、最初の行ないよりも多いことを知っている。
20 しかし、あなたに対して言うべきことがある。あなたは、あのイゼベルという女を、そのなすがままにさせている。この女は女預言者と自称し、わたしのしもべたちを教え、惑わしに導き、不品行を行なわせ、偶像に捧げたものを食べさせている。
21 わたしは、この女に悔い改める機会を与えたが、不品行を悔い改めようとはしない。
22 見よ。わたしはこの女を病の床に投げ込もう。この女と姦淫する者をも、悔い改めて彼女のわざから離れなければ、大きな患難の中に投げ込もう。
23 また、この女の子供たちを死によって殺す。こうしてすべての教会は、わたしが感情と知性を探る者であることを知るようになる。わたしは、あなたがた一人一人の行ないに応じて報いよう。
24 また、テアテラにいる他の人たちで、まだあの女の教えを受けておらず、彼らが言うサタンの深みを知らないあなたがたに言う。わたしは他の重荷を、あなたがたに負わせない。
25 ただ、わたしが来る時まで、自分の持っているものを堅く保っていなさい。
26 勝利を得る者、また終わりの時までわたしの働きを保ち続ける者には、諸国民を支配する権威を与えよう。
27 彼は鉄の杖によって土の器を打ち砕くのと同様に、彼らを牧する。それは、わたし自身が父から支配の権威を受けているのと同じである。
28 また、わたしは彼に、明けの明星を与える。
29 耳を持つ者は、御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。』


   *1  エペソ (エフェソス permitted、許可された の意): 小アジヤ最大の商業都市であり、そこの教会も7つのうち最も大きかった、  アンゲロス(ギ) (ここでは)使者 ととる、(ルカ7:24、9:52)
     § これらの手紙は、まずドミティアヌス迫害直前(ネロと違って、ローマ国内だけでなく小アジヤにも皇帝礼拝(2:13)を強要して迫害した)の各地域教会に送られたが、内容的には各時代のすべての教会が学び、反省する内容に富んでいる。 特に現在におけるこの「黙示録」は、終末直前の大リバイバル期に出来上がった世界中の教会に対するものでもある、と解釈できる。 異邦人教会は、この7つの普遍的教会に分類される (イスラエルの教会は、2つの燭台 黙11:4)  § 主は、エペソ以外のすべての教会もよく知っていて、常に臨在し、支配している方であることを強調

   *2  プセウデス(ギ、形容詞) lying、deceitful、false、うそを言っている、偽の
   *3  ヒュポモネー(ギ、名詞) steadfastness、constancy、endurance、patient、不動の者
   *4  エコー カタ スー ホティ(ギ) I have against you that、(直訳) あなたに対抗して次のことを持っている、  プロートス first、最初の、  § 最初に信じたときのキリストへの愛が、次第に冷えてきたこと (異端の教えを見抜くために注力しすぎ、本来の神に対する熱心さから遠ざかったことが考えられる)、 それと並行して互いに批判的になり、兄弟愛も冷えてしまった
   *5  § 悔い改めの3段階: 1.思い出す、2.完全に悔い改める、3.最初の行ないをする、  § 初めの愛とは、聖霊との親しい交わりのことであり、行ないを伴うものだった、  § 燭台が取り除けられるとは、教会が世の光としての機能を失い、教会としての霊的位置付け(トポス)を失うこと (教会から主の臨在が失われ、単なる人間の集まりとなること。キリストの教会ではなくなること)。 愛から離れるとは、それほど深刻な問題
   *6  § ニコライ派: ニコライテス(ギ) ニカン(win、勝つ)・ラオス(people、民に) destruction of people、民に勝つ、民を破壊する の意、 ”政治的”、”制度的教会”のこと (制度的教会は、十字軍や異端審問など、多くの人々を殺してきた)  § キリスト教国の教会など、教会が大きくなると政治的影響力が増し、このような誘惑が起こってくる
   *7  耳 は単数、  パラデイソス(ギ) (ペルシャ語で、”庭園”の意味、エデンの園を思わせることから) ルカ23:43、Uコリ12:4  贖われた者たちが住む、永遠の天の御国のこと、  いのちの木 (22:2、14、創2:9)
   *8  スミルナ (スミュールナ、myrrh、没薬): エペソに次ぐ第2の商業都市、港湾が深く広い。BC6世紀にリディアに滅ぼされ、300年後には復興した(復活の町であること)  § 迫害下にあるスミルナ教会には、主が死んでよみがえったことを強調して励ましている
   *9  貧しさ: 一文無しの赤貧、(下層階級の人が信じて、また信仰のゆえ貧しくなった Uコリ8:2)   § シナゴーグ 会堂、 ユダヤ人たちは主の会衆を自称したが、実際は主に敵対する会衆となっていた
   *10  § 使徒ヨハネの弟子、スミルナの長老ポリュカルポス(AD65年頃−155年頃)も、ユダヤ人らによって殉教した、  ピーラゾー(ギ) ためす、信仰を試す、  十日間: (試しの期間 ダニ1:14、創24:55) 特に、ラッパの日7月1日から艱難期で、贖いの日が7月10日(レビ25:9) の類推、  いのちの(属格)冠: いのちの素材で造られた冠、いのちでできた冠 の意 (ヤコ1:12) (cf. 朽ちない冠 Tコリ9:25、 義の冠 Uテモ4:8)

   *11  黙示20:6、14、12:8
   *12  ペルガモ (ペルガモス height or elevation、高きところ): 丘の上にある政治と文化の中心地で、アジヤ州の首都、  § 両刃の剣(1:16): 一つには、異教の勢力や政治的勢力を断ち切る、 もう一つは、信仰的妥協を許さないこと
   *13  サタンの王座: 皇帝礼拝の中心地だった(BC29−、皇帝アウグストの神殿)、 + アスクレビオス(紋章が蛇)神殿

   *14  バラムの教え: 民22:5−、Uペテ2:15、ユダ:11、 § 占い師バラム(ベ・レ・アム(ヘ) 民でない者 の意)がモアブ人の王バラクから報酬を得るためにイスラエルの民を呪い、異邦人をそそのかして民の中に不道徳な問題を引き起こした(民31:16) ≒ グノーシスの悪い方のグループで、肉の不道徳を正当化するもの(Tヨハ1:8、10)
   *15  2:6  (この2か所のみ)
   *16  § 両刃の剣のもう一方の刃で、異端者たち+惑わされた者たちと戦う の意。 主が語る預言的言葉によって、すぐにさばきが実現する
   *17  隠れたマナ: 天から与えられる霊的食物、  白い石: (大祭司の胸当ての宝石ではなく、)陪審員が投げ込む無罪の白い石 の説が有力、  新しい名: 勝利を得る者への新しい性質 (名は本質を表す)
   *18  テアテラ (シュアティーラ odour of affliction?、苦難の香り?): ペルガモとサルデスの道路の中間に位置し、アジヤ州で最も古くから各産業の同業組合があった(毛織物、革製品、陶工、染色、亜麻製品、銅細工、奴隷売買など、 ルデヤがテアテラ出身の紫布の商人(使16:14)、 太陽神の偶像(テュリムノス)があったが、皇帝礼拝は盛んでなく、女神崇拝も無かった、  キリストを「神の子」と呼ぶのは、黙示録でここだけ、  (1:14、15)
   *20  § おそらく同業組合の会合を偶像の宮で行なうという、当時の職業と信仰の問題があった。にせ預言者イゼベルは、世と妥協させ、姦淫と、霊的姦淫をさせた。  § アハブの妻、シドン人の王の娘イゼベルの名を暗示し、イゼベルはバアル崇拝(アシュタロテ‐バアルの母子神崇拝)を行ない、主の預言者たちを殺した。(T列16:31、18:4、U列10:19) この母子神崇拝の流れの”マリア崇拝”は、偶像の名前が変わっても霊が乗り換えただけで、終末の「大淫婦」(17:1)まで展開されていく (母子神崇拝の流れ: 猟師ニムロデとその母 → アシュタロテとその息子バアル → コリントの女神アフロディト(アシュタロテから派生) → マリア崇拝 → 終末の大淫婦)、  元々、カトリックのマリア崇拝は、世俗宗教との妥協の産物だった、   § 18節で表された御子の姿は、マリア像の赤ん坊のように”小さく無力に表現されたキリスト”とは似ても似つかない、雄々しく、強い、「神の子」、すなわち「子なる神」の真の姿である
   *23  エン サナトー(ギ) in、by、with death、死によって、(死病・疫病×)、  ネフロース kidonys、(直訳)腎臓、感情の座、  カルディアス hearts、(直訳)心臓、知性の座、  § マリア崇拝は心の深い所にまで入る。 キリシタン時代(イエズス会、フランシスコ会の両方にマリア崇拝)の迫害が非常に激しかった理由でもある (史上ローマに次ぐ死者数だった)
   *24  バシュース、deep、深み、  § サタンの深み(タ バセー トゥー サタナ)はグノーシス主義でよく用いられた言葉で、パウロの言う、「神の深み(タ バセー トゥー セウー)」(Tコリ2:10)はこれに対抗するもの、  バロス(ギ) 重荷、律法の義務  § すなわち、律法の義務を負う = 救いを失う の意
   *26  § 制度的教会が世的方法によって国々を支配したように、本当の信者たちは、報いのときから主にあって国々を支配する
   *27  鉄の杖をもって: 詩篇2:9、   ホース as、like、even as、ように、として、  ポイマイノー(ギ) (羊を)牧する  § 羊飼いが持つ2本の杖は、一つは羊を追う心地よい杖(詩23:4の「杖」)と、もう一つは、外敵に対する棍棒(詩23:4の「むち」×)、 この後者の外敵に対する(鉄の)杖のこと
   *28  明けの明星: 22:16 キリストが明けの明星より、終末の、夜明け前の最も暗いときに、キリストとの交わりが与えられる の意



  第3章


 1 サルデスにある教会の使者に、こう書き送りなさい。 『神の七つの御霊と、七つの星とを持つ方が、次のように言われる。わたしはあなたの行ないを知っている。すなわち、あなたは、生きているという名を持っているが、死んでいる。
 2 目をさまし続けている者になりなさい。そして、死にかけている残りの者たちを力づけなさい。わたしは、あなたの行ないが、神の前に全うされたとは見ていない。
 3 だから、あなたが、どのように受け、また聞いたかを思い出しなさい。それを注意深く守りなさい。悔い改めなさい。 もし目を覚ましていないなら、わたしは盗人のように来る。どの時にあなたのところに来るか、あなたには決してわからない。
 4 しかし、サルデスにその衣を汚さなかったの名が幾人かある。彼らは白い衣を着て、わたしと共に歩み続ける。彼らはそれにふさわしい者たちだからである。
 5 勝利を得る者は、このように白い衣を着せられる。わたしは決して、その名をいのちの書から消すようなことをしない。また、わたしの父と御使いたちとの前で、その名を言い表わそう。
 6 耳を持つ者は、御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。』


 7 フィラデルフィヤにある教会の使者に、こう書き送りなさい。 『聖なる方、まことなる方、ダビデのかぎを持つ方、彼が開けば誰も閉じることがなく、彼が閉じれば誰も開けることのない方が、次のように言われる。
 8 わたしは、あなたの行ないを知っている。見よ。わたしは、あなたの前に、だれも閉じることのできない門を開いておいた。なぜなら、あなたには少ししか力がなかったにもかかわらず、わたしのみことばを守り、わたしの名を否まなかったからである。
 9 見よ。サタンの会堂に属する者、すなわち、ユダヤ人と自称してはいるが、実はそうではなく、うそを言う者たちに、こうする。見よ。彼らをあなたの足もとに来させてひれ伏させ、わたしがあなたを愛していることを、彼らに知らせよう。
10 忍耐についてのわたしのみことばをあなたが守ったから**、わたしも、地上に住む者たちを試みるために、人の住む地に臨もうとしている試錬の時に、あなたを守ろう**
11 見よ。わたしは、すぐに来る。あなたの冠を誰にも奪われないように、自分の持っているものをしっかりと持っていなさい。
12 勝利を得る者を、わたしの神の聖所における柱にしよう。彼は決して二度と外へ出ることはない。そして彼の上に、わたしの神の御名と、わたしの神の都、すなわち、わたしの神のみもとから出て天から下ってくる新しいエルサレムの名と、わたしの新しい名とを、書き記そう
13 耳を持つ者は、御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。』


14 ラオデキヤにある教会の使者に、こう書き送りなさい。『アーメンなる方信頼すべきまことなる証人、神に造られたものの根源である方が、次のように言われる。
15 わたしはあなたの行ないを知っている。あなたは冷たくもなく、熱くもない。むしろ、冷たいか熱いかであってほしい。
16 このように、熱くもなく、冷たくもなく、なまぬるいので、これからあなたを口から吐き出すところである
17 あなたは、自分は富んでいる、豊かになった、何の不自由もない、と言っているが、実は、あなた自身が苦しんでいる者、哀れな者、貧しい者、目の見えない者、裸な者であることに気がついていない。
18 わたしはあなたに忠告する。富む者となるために、わたしから火で精錬された金を買い、また、あなたの裸の恥をさらさないため身に着けるように、白い衣を買いなさい。また、見えるようになるため、目に塗る目薬を買いなさい。
19 わたしは、わたしの愛する者を、叱り、また懲らしめる。だから、熱心になってしっかり悔い改めなさい
20 見よ。わたしは戸の外に立って、叩いている。誰でもわたしの声を聞いて戸を開けるなら、わたしはその中にはいって彼と食事を共にし、彼もまたわたしと食事を共にする。
21 勝利を得る者には、わたしと共にわたしの座に着かせよう。それはちょうど、わたしが勝利を得てわたしの父と共にその御座についたのと同じである。
22 耳を持つ者は、御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。』」


   *1  サルデス (サルディス red ones、赤い者たち): ヘルムス川沿いの切り立った崖に囲まれた難攻不落の裕福な町だったが、安心しきって2度も攻略された歴史がある (BC6世紀にはリディアの首都だったが、一度目はペルシャのクロスにより(BC549)、二度目はセレウコス朝アンティオコス3世により(BC218)攻略、BC189からはローマの支配下) 町は繁栄していたが、無気力で退廃した風潮があった。 § 教会の問題は外部からの迫害ではなく、内部からの退廃であった、   7つの御霊と7つの星: それぞれの教会に臨在される聖霊と、それぞれの教会の御使いたち(黙1:20)、すなわち 目に見えないが確かに生きて働いているもの
   *2  (現在命令法) 目を覚まし続けて、 § 油断して攻略された歴史のある人々に、目を覚まし続けるように言われた、   わたしの(神) とは書いていない
   *4  道徳的なきよさ のこと、  白い衣: 祝祭の時(伝道9:8)、純潔(7:9−)、天の身分の者(ダニ7:9)
   *5  テース ビブロイ(<ビブロス) テース ゾーエース book、scroll、書、巻物、 (cf. ビブリーオン 巻物、 ビブラリーディオン 小さな巻物(10:8))
   *7  フィラデルフィア (brotherly love、兄弟愛): この7つの教会の中で一番小さい教会だった。 サルデスのさらに奥地にあり、BC150年頃ペルガモのフィラデルフォスが建設したのでこの名がある。彼はここからヘレニズム文化を内陸部に伝播させようとし、それゆえ町には、「開かれた門」という別名があった。 AD17年に町が倒壊する地震があったが、皇帝テベリオの援助により再興した、   アレシノス(ギ) (偽物、フィクションに対して)本物の、まことの、信頼に値する、(情報が)真実な、正確な、   ダビデのかぎ: イザ22:22  天のエルサレムの門のかぎのこと
   *8  § 門を開いておいた: ヘレニズム文化(ギリシャ文化)のうちの、聖なるもの、正しいもの、信頼に値するものを伝えることにおいて、天のエルサレムの門が開かれていること (たとえば、創造論、自然啓示による伝道)
   *9  2:9、  § シナゴーグ 会堂、 ユダヤ人たちは主の会衆を自称したが、実際は主に敵対する会衆となっていた  (※ (参考) 現在では、いわゆる ”にせユダヤ”資本グループ(ロックフェラー、ロスチャイルド)、およびその反キリスト的下部組織全般を指すと考えられ、多国籍企業、戦争屋、総国民の奴隷化・搾取、聖書改ざん、異端宗教の働き、イスラエル支配などを行う。 このことは、たとえば2008年9月のリーマンショックでロックフェラー財閥が事実上その経済的支配力を失ったことで成就)、  ひれ伏させ: あるいは、ひざまづかせ、  イザ60:14の逆で、神に従わないユダヤ人たちが、異邦人クリスチャンのところにきてひざまづくことが起こる
   *10  § 終末の時、7つの教会の中で唯一、守られる教会に指定されている (ただし、殉教者が出なかったわけではなく、スミルナ教会の迫害でそこにいたフィラデルフィア教会員は殉教した)、  **テーレオー 守る という同じ言葉、  ピーラスモス(ギ、名詞)、ピーラーゾー(動詞) trialtemptation、試練、誘惑
   *11  冠: cf. いのちの(属格)冠(いのちでできた冠)(2:10、ヤコ1:12)、朽ちない冠(Tコリ9:25)、義の冠(Uテモ4:8)
   *12  ステューロス(ギ) 柱(単数): ソロモン神殿のボアズとヤキン(T列7:21)、エルサレム教会の柱(複数、ペテロ、ヤコブ、ヨハネのこと)(ガラ2:9)、  § 神殿にしっかりと組み込まれること、かつて地震のために出て行ったことはもうないこと、  § 御名が書き込まれることは、それに属する者であることを表す。 キリストの新しい名が存在する。 キリスト者に神の名が記されること(14:1、22:4)
   *14  ラオデキヤ (justice of the people 民の正義 (BC3世紀にこの町を再建したアンティオコス2世の妻の名より)): エペソからフルギヤ(北)、リディア、カリア(南)の3地方へ、また遠くはユーフラテス川までの通商路にあり商業都市として栄え、ユダヤ人も多く、特に、金融業、黒い羊毛の毛織物、薬学校の作る世界的に有名な目薬が特徴であった。AD60年の地震でも、ローマの援助によらず自力で再建した、   イザ65:16、エロヘ・アメン(ヘ)、アーメンの神: 確かな、偽りのない神 の意、  ピストス(ギ) 信頼のおける、忠実な、  アレシノス まことの、偽りのない、本物の、(真実な△)、  アルケー 初め、根源 (ヨハ1:3、コロ1:15−18): ラオデキヤ教会にエパフラスによって伝えられたコロサイ人への手紙(コロ4:16)と、共通する言葉となっている
   *15  § ラオデキヤには迫害はなく、偶像崇拝や不品行の罪もなかったが、世的平和と繁栄のため信徒たちは自己満足の生ぬるい信仰に陥っていた、  「冷たい」: パウロのように反対方向に熱心だった者が悔い改めて主の器として用いられることも含める。主は、どっちつかずのあいまいな態度を嫌われる
   *18  § 町の特産品を用いてたとえている: 火で精錬された金: 主から信仰の言葉(=真の霊的富)を熱心に求め、主の言葉を土台として信仰の歩みをすること(Tペテ1:7、コロ2:3)、主は信仰の歩みを喜ばれる(ヘブ11:6)、  § 現在は特に、反カリスマ、艱難期前携挙の2大にせ教理のために、一般信徒が霊的に戦えない、信仰の歩みができない状態になっている
   *19  ゼローソン(ギ、命令、アオ過去、2・単)、メタノエーソン(命令、アオ過去、2・単) どちらも、きっぱりと熱心になり、悔い改めてしまいなさい の意
   *20  § 主を心の外に締め出して、御声を聞いていない状態。 それでも主は戸をたたき続けている(現在形)、  ディープネオー(ギ) 1日のうち一番良い食事、晩餐(Tコリ11:20): 相互の深い交わりを表す
   *21  § なまぬるさに勝利して熱い信仰になったラオデキヤの信徒は、主と同じ座に着かせるという最高の褒賞が待っている (20:4、ルカ22:30)



  第4章


 1 これらのことの後、私は見た。そして、見よ。開いた門が天にあった。そして、以前にラッパのような声で私に呼びかけるのを聞いた最初の声が、「ここに上って来なさい。そうすれば、これらの後に起るはずのことを示そう。」と言った。

 2 すると、たちまち、私は御霊に感じた。そして、見よ。一つの御座が天に設けられ、その御座に着いている方がおられ、
 3 その座しておられる方は、碧玉や赤めのうのように見え、また、御座の回りには、緑玉のように見える虹が現れていた。
 4 また、御座の回りには二十四の座があって、二十四人の長老たちが、白い衣を身にまとい頭に金の冠をかぶり、それらの座に着いていた。
 5 御座からは、いなずまと、雷鳴と、声々とが発せられていた。また、七つのともしびが、御座の前で燃え続けていた。これらは、神の七つの御霊である。

 6 御座の前は、水晶に似たガラスの海のようであった。御座のそば近くそのまわりには、四つの生き物がいたが、その前にも後にも、一面に目がついていた。
 7 第一の生き物はししのようであり、第二の生き物は雄牛のようであり、第三の生き物は人のような顔をしており、第四の生き物は飛ぶわしのようであった。
 8 この四つの生き物には、それぞれ六つの翼があり、その翼のまわりも内側も目で満ちていた。そして、昼も夜も、絶え間なくこう叫びつづけていた、「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな。全能者なる、神であられる主。昔よりおられ、今おられ、後に来られる方。

 9 これらの生き物たちが、御座に着いて、永遠に至るまで生きておられる方に、栄光と、誉れと、感謝をささげている時、
10 二十四人の長老は、御座に着いておられる方の御前にひれ伏し、永遠に生きておられる方を拝み、彼らの冠を御座の前に投げ出して、言った。
11 「主よ。あなたこそは、栄光と、誉れと、力とを受けるにふさわしい方です。あなたは万物を創造されました。あなたのみこころのゆえに、万物は存在し、また創造されたのです。


   *1  1:10
   *2  エン プニューマティ(ギ) I became in Spirit、(直訳) 御霊の中にいるようになった
   *3  イアスピス(ギ) jasper、碧玉、ジャスパー (紫から緑までいろいろな色がある微細石英の宝石、不純物をかなり含む)、  サルディオン sardius、サージウス、カーネリアン、紅玉髄、赤メノウ、  スマラグディノス emerald、エメラルド、緑柱石、緑玉、  イリス rainbow、虹: 神との契約のしるし(創世9:13)、の栄光(エゼ1:28)
   *4  24人の長老: すでに座について王の権威をもっていて、7:14でヨハネが「Sir」と呼び掛けていることから、将来の、旧約12長老 + 新約12長老、あるいは、イスラエルと異邦のそれぞれ12人の長老ととる(イスラエルの一部族を牧するはず(マタイ19:28、ルカ22:30)の使徒ヨハネも含まれている (7:14では、将来の自分に呼び掛けた)、 これを24人の御使いとする説もある
   *6  15:2、21:18、21
   *6、7、8  § ケルビム(いわゆる”智天使”、エゼ10:2、20)のようで、相違がある御使いたち: ケルビムはそれぞれ4つの顔(エゼ1:6)に対し、彼らは一つの顔、 ケルビムの翼は4つ(エゼ1:6)、彼らは6つ、 ケルビムの頭上に王座(エゼ1:26)、彼らは王座の周りにいて、常に飛んでいる。(サタンは元ケルブ(ケルビムの単数形)だった エゼ28:14)、  § イザ6:2、3より、これらの生き物はセラフィム(いわゆる”熾天使”)であり、8節と同様に、 カードーシュ(ヘ) 
holy、聖なる と叫んでいる
   *8  ハギオス(ギ、形容詞、主格、単・男)、ハギオス、ハギオス holy holy holy、聖なる、聖なる、聖なるかな、  パントクラートル ruler of all、almighty、すべての支配者、全能の、   黙示1:4、8、 § 主が、時間を超越して永続的に生きておられる創造主でおられるること、  § 御使いたちは、天地創造以前に造られてから今に至るまで御父の御座の周りを飛び回り、御父から発せられる今まで一度も見たことのない新しい栄光を垣間見るたびに、驚愕のあまり「聖なるかな!」と叫び続けている。 セラフィムたちはこの永遠のいのちに常に触れている (ヨハ17:3)
   *10  § 自分の栄光の冠を捨てて、御前にへりくだり、神に栄光を帰している
   *11  → 御子について同じことが言われる: 5:12、 コロ1:15−17




  第5章


 1 私はまた、御座に着いておられる方の右の手に、巻物があるのを見た。その内側にも外側にも字が書かれ、七つの封印で封じてあった
 2 また、一人の強い御使いが、大声でふれ回り、「その巻物を開き、封印を解くのにふさわしい者は誰か。」と言うのを見た。
 3 しかし、天にも、地にも、地の下にも、誰一人この巻物を開くことができ、またそれを見ることのできる者はいなかった。
 4 巻物を開いてそれを見るのにふさわしい者が見当らないので、私は激しく泣いていた
 5 すると、長老の一人が私に言った、「泣かなくてもよい。見よ。ユダ族のしし、ダビデの根である方が、勝利を得たので、その巻物を開き七つの封印を解くことができます。」
 6 また私は見た。そして見よ。御座四つの生き物との間、また、長老たちの間に、ほふられたとみられる小羊が立っていた。それに七つの角と七つの目とがあった。これらの目は、全世界に遣わされた、神の七つの御霊である。

 7 小羊は進み出て、御座に着いておられる方の右の手から、巻物を受け取った。
 8 巻物を受け取った時、四つの生き物と二十四人の長老とは、それぞれ、立琴と、香の満ちている金の鉢とを手に持って、小羊の前にひれ伏した。この香は聖徒たちの祈りである。
 9 彼らは新しい歌を歌って言った。 「あなたこそは、その巻物を受け取り、封印を解くにふさわしい方です。あなたはほふられ、その血によって、あらゆる部族、国語、民族、国民の中から神のために人々を贖(あがな)い、
10 私たちの神のために、彼らを王たちとし、祭司たちとされました。私たちは地上を治めることになるのです。」

11 さらに見ていると、御座と生き物と長老たちとの回りに、多くの御使いたちの声を聞いた。その数は万の幾万倍、千の幾千倍であり、
12 大声で言った。 「ほふられた小羊こそは、力と、富と、知恵と、能力と、 誉れと、栄光と、賛美とを受けるにふさわしい方です。」
13 また私は、天と、地と、地の下と、海の上のあらゆる造られたもの、また、それらの中にあるすべてのものの言う声を聞いた。 「御座に着いておられる方と小羊とに、賛美と、誉れと、栄光と、主権とが、永遠に至るまでありますように。」
14 四つの生き物はアーメンと唱え、二十四人の長老たちはひれ伏して永遠まで生きておられる方を礼拝した。


   *1  ビブリーオン(ギ) scroll、巻物、  § 当時、普通はパピルスの横になっている繊維の面に書いたが、書くことが多いときは裏面も使った、 巻物をひもで結び、結び目に木蝋(ろう)で封印。完全数の7つの封印とは、神の主権による未来のご計画が絶対的な秘密であったこと
   *3  地の下: よみ(シェオル) あるいは ハデスのこと (ピリ2:10と同様、3区分)
   *2  アクシオス(ギ) worthy、(倫理的、道徳的に) ふさわしい (ルカ3:8等)、 価する(マタ10:10、ヨハ1:27)
   *4  エクライオン(ギ、未完了過去、1・単) 泣いていた、  § すべての被造物が、罪の性質により、この奧義を明らかにすることができないことへの悲しみにより
   *5  ユダ族のしし: 創49:9、エゼ19:2等、  リザー ダビード(ギ) ダビデの根(22:16):(旧約には無いが) 「エッサイの根株(幹)から枝が出て」として、イザ11:1、 「エッサイの根」として、イザ11:10、ロマ15:12
   *6  § 御父と、すべてのものの間に の意、 セラフィムたちが御父に「聖なるかな」と叫ぶためには、御子が間に存在することが不可欠である、  ホース(ギ) as、ような、とみえる、 § 一度は死んだ(完了)が生きている の意、  角: 力の象徴 (「野牛の角」 民23:22、申33:17等)、   アルニオン(ギ) little lamb、lamb、小羊 ヨハ21:15以外はすべて黙示録(29回) (同じ意味のアムノス(小羊)が他の個所で用いられる、マコ14:12等)、ルカ10:3はアレンsheep、lamb
   *8  立琴: 賛美の時に用いる楽器 詩33:2、98:5、等、 賛美の象徴、  香: 聖徒たちの祈りの象徴(詩141:2)、  ゲーモー(ギ) be full、filled、  § 四つの生き物(天地創造以前の世界の被造物の代表)と、24人の長老(今の天地の被造物の代表)、による、天におけるキリストへの礼拝
   *9  新しい: カイノス (質的に)新しい、新鮮な の意(Uコリ5:17等)、黙示録の「新しい」はすべてカイノス、「新しい名」、「新しいエルサレム」、「新しい天と地」) cf.ネオス (時間的に)新しい、最近の、   新しい歌: 新しい秩序が始まる時(イザ42:10)などの、特別な時に歌われた(詩33:3、40:3、96:1、144:9、149:1)
   *10  バシレイス(ギ、対格、複・男) <バシレフス kings、王たち (バシレイア 王国×)、  バシリューソメン(未来、1・複) <バシリューオー (私たちは)統治することになる (ネストレでは現在×、彼らは×)
   *12  デュナミス(ギ) 能力、強さ、力、  イスキュース ability、force、strength、能力、力量、強さ  § 初めの4つ(力、富、知恵、能力)はキリストが持っておられるもの、後の3つ(誉れ、栄光、賛美)は人間がキリストに対して捧げるもの を表す
   *13  クラトス(ギ) force、power、mighty deed、dominion、(神の)能力、主権、支配



  第6章


 1 小羊がその七つの封印の一つを解いた時、私が見ていると、四つの生き物の一つが、雷のような声で、「来て、よく見なさい。」と呼ぶのを聞いた。
 2 そして見ていると、見よ。白い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、弓を手に持っており、また冠を与えられて、勝利の上に勝利を得ようとして出て行った。
 3 小羊が第二の封印を解いた時、第二の生き物が、「来て、よく見なさい。」と言うのを、私は聞いた。
 4 すると今度は、火のような赤い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、人々が互いに殺し合うようになるために、地上から平和を奪い取ることを許され、また、大きな剣を与えられた。
 5 また、第三の封印を解いた時、第三の生き物が、「来て、よく見なさい。」と言うのを、私は聞いた。そこで見ていると、見よ、黒い馬が出てきた。そして、それに乗っている者は、量りを手に持っていた。
 6 すると、私は四つの生き物のただ中から出る声が、こう言うのを聞いた。「小麦一桝(ます)*は一デナリ。大麦三桝(ます)も一デナリ。オリーブ油とぶどう酒に害を与えてはならない。」
 7 小羊が第四の封印を解いた時、第四の生き物が、「来て、よく見なさい。」と言う声を、私は聞いた。
 8 そこで見ていると、見よ。灰緑色の馬が出てきた。そして、それに乗っている者の名は死と言い、それにハデスがつき従った。彼らには、地の四分の一を支配する権威、および、剣と、ききんと、と、地の獣とによって、人を殺す権威とが与えられた。

 9 小羊が第五の封印を解いた時、神のみことばのゆえに、また、彼らが保っていたあかしのゆえに、殺された人々のたましいが、祭壇の下にいるのを、私は見た。
10 彼らは大声で叫んで言った。「聖なる、まことなる主よ。いつまであなたは、さばくことをなさらず、また地に住む者に対して、私たちの血の報復をなさらないのですか。」
11 すると、彼らの一人一人に白い衣が与えられ、「あなたがたと同じく殺されるはずの、しもべ仲間や兄弟たちの数が満ちるまで、もう少しの間休んでいなさい。」と言い渡された。

12 小羊が第六の封印を解いた時、私が見ていると、見よ。大地震が起って、太陽は毛織の荒布のように黒くなり、月は全面、血のようになり、
13 天の星は、いちじくのまだ青い実が大風に揺られて振り落されるように、地に落ちた。
14 天は巻物が巻かれるように消えてなくなり、すべての山と島とはその場所から移された。
15 地の王たち、高官、千卒長、富める者、勇者、奴隷、自由人らはみな、ほら穴や山の岩かげに身を隠して、
16 山と岩とに向かってこう言う。「われわれの上に倒れかかって、御座に着いておられる方の御顔と、小羊の怒りとから、われわれをかくまってくれ。
17 御怒りの大いなる日が来たのだ。誰が御前に立っていることができようか。」


   *1  御子によって大きな巻物の7つの封印のさばき:  ブレーポー(ギ) see、discern、understand、observe、見分ける、観察する、理解する   おそらく「ししのような生き物」が言った
   *2  § 終末の初めに必ず現れる、征服することを求めてやまない侵略者 (もちろん、キリストではない。  反キリストという説もあるが、獣は今は御使いによって引き止められており(Uテサ2:6)、底知れぬ所から出現するのは13章で、まだ先。 ただし、後に、これに反キリストの霊が完全憑依する可能性はある)
   *4  「雄牛の顔の生き物」が言った、  ピューロス(ギ)  colour of fire、red、火のような赤、  § マタ24:7、マコ13:8、ルカ21:10の、国家間の大きな戦争を表し、一部が、第一次、二次世界大戦で成就した。 これは「生みの苦しみの始まり」である、  剣は神のさばきを表す (イザ27:1、34:5、エゼ21:3) 現在は核(大きな剣?)の抑止力で止まっているが、小規模の戦争やテロは世界各地で続いている
   *6  「人間の顔の生き物」が言った、  5:6より、キリストが直接命令している、  アディケオー(ギ) 罪を犯す、損害を与える、  一枡(コイニクス(ギ)) 約1リットル ≒ 人の一日分の食料。  § 一日働いて買える食糧(1デナリ)が一日分の食糧にしかならないほどの、大飢饉をもたらす災い。 ぜいたく品であるオリーブ油とぶどう酒は変わらず、貧富の差が激しくなることを言っている
   *8  「わしのような生き物」が言った、  クローロス(ギ) green、yellowish pale、灰緑色、  サナトス(ギ、単数・男) death、死、(死病・疫病×)  ハデス(単数・男) 1:18、 贖われなかった死者がさばきの日まで一時的にいる所であり、生前の行ないに応じて拷問を加える (ルカ10:15、16:23、黙20:13)  (※ 地の四分の一: すでに、アメリカ、ヨーロッパなどの広い地域で世界的な伝染病のコロナ・ウィルスに罹患し、多くの人が死んでいる。中国は飢饉が慢性化しそうである。しかし、これはまだ始まりに過ぎない)
   *9  プシュカス(ギ、複・女) <プシュケー souls、life、たましい、(肉の)いのち、  § 祭壇(=幕屋の入り口にある全焼の祭壇): レビ4:7より、犠牲(いけにえ)の血(=いのち)を、至聖所内の香の祭壇の角に塗り、それから、天幕の入り口前の全焼のいけにえの祭壇の土台に血の全部を注いだ。 殉教者の特権の場所
   *10  アレセイノス(ギ、形容詞) (偽物に対する)本物の、まことの
   *11  白い衣: 義の衣というよりも、勝利の衣(3:4)、  シュンドゥーロイ(ギ) felow-slavesservants)、奴隷(しもべ)仲間たち
   *12  セイスモス(単数・男) メガス(ギ) earthquake great、(一つの)大地震、 (AD60−61のラオデキヤ、63のポンペイ(79噴火)の大地震ではなく、)終末の、世界規模の一連の大地震
   *12、13、14  ヨエ2:31、イザ34:4、 マタ24:29、マコ13:24 「苦難のすぐ後に、太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は天から落ち、・・・」、 § 十字架の時御子から御顔をそむけられたとき暗くなったのと同様に、恵みの御顔を世からそむけられることの示し。 宇宙は”ハリボテ”状のものに変わり、多くの流星が降り、天空はパピルスの巻物のように巻かれて無くなる、  § いちじくの「青い実」は冬にできる実で、大部分が春の「大風」によって熟する前に落ちる、  地上では、大きな地殻変動が起こる(かつての、ノアの洪水の時代のように)

   *15  § 7種類の人々(7は完全数より) = 地のすべての種類の人々
   *16  ホセ10:8、ルカ23:30
   *17  御前に は補足 (マラ3:2)、 しかしまだもう一つの災いが来る




  第7章


 1 この後、私は四人の御使いが地の四隅に立っているのを見た。彼らは地の四つの風を堅く押さえ、地にも、海にも、すべての木にも、吹き付けないようにしていた。
 2 また、もう一人の御使いが、生ける神の印を持って、日の出る方から上って来るのを見た。彼は、地と海とを損なう権威を受けている四人の御使いに向かって、大声で叫んで言った。
 3 「私たちが、私たちの神のしもべたちの額に印を押してしまうまでは、地と、海と、木に害を与えてはならない。」

 4 私は印を押された者の数を聞いたが、イスラエルの子らのすべての部族のうち、印を押された者は十四万四千人であった。
 5 ユダの部族のうち、印を押された者は、一万二千人、ルベンの部族のうち、一万二千人、ガドの部族のうち、一万二千人、
 6 アセルの部族のうち、一万二千人、ナフタリ部族のうち、一万二千人、マナセの部族のうち、一万二千人、
 7 シメオンの部族のうち、一万二千人、レビの部族のうち、一万二千人、イッサカルの部族のうち、一万二千人、
 8 ゼブルンの部族のうち、一万二千人、ヨセフの部族のうち、一万二千人、ベニヤミンの部族のうち、一万二千人がいた。

 9 その後、私が見ていると、見よ。あらゆる国民、部族、民族、国語のうちから、誰にも数えることができないほどの大ぜいの群衆が、白い衣を身にまとい、シュロの枝を手に持って、御座と小羊との前に立ち、
10 大声で叫んで言った。 「救いは、御座に着いておられる私たちの神にあり、小羊にある。」
11 すべての御使いたちは、御座と、長老たちと、四つの生き物との回りに立っていたが、御座の前にひれ伏し、神を拝して言った。
12 「アーメン。賛美、栄光、知恵、感謝、誉れ、力、能力が、永遠に至るまで、私たちの神にあるように。アーメン。」

13 長老たちの一人が、私に言った。「この白い衣を着ている人々は、誰でしょうか。また、どこから来ましたか。」
14 私は彼に答えた。「主よ、それはあなたがご存じです。」 すると、彼は私に言った。「彼らは、あの大きな患難を通って来た人たちで、その衣を小羊の血で洗い、白くしたのです。
15 それゆえ彼らは、神の御座の前にいて、昼も夜もその聖所で神に仕えているのです。御座に着いておられる方は、彼らの上に幕屋を張られます。
16 彼らは、もはや飢えることも、渇くこともありません。太陽も、どんな炎熱も、彼らの上に下ることはありません。
17 それは、御座の正面におられる小羊が、彼らの牧者となって、いのちの水の泉に導いて下さるからです。また神は、彼らの目から涙をことごとくぬぐい取って下さいます。」


   *1  7章は、中間的挿入部(艱難から抜け出て来たキリスト者たち):   地の四隅(イザ11:12、7:2)、天の四方の風(ダニ7:2(4頭の獣の出現時の)、ゼカ2:6(民を散らした風)、 § 当時、地は東西南北の四隅があってそこから風が吹いてくると考えられていた。 ユダヤ人は、世の終わりの時は激しい風と共に起こると考えていた。(≒ イザ59:19 さばきに伴う主の息)
  *2、3  § 四人の御使いとは、1節の風を支配する御使いであり、地と海と木を損なう権威を持っている  (cf. 火を支配する御使い(14:18)、水を支配する御使い(16:5))、  額に印を押す: エゼ9:4、6
   *4  § イスラエルの子の14万4千人: 現在エチオピアから帰還したダン族の末裔は各部族に交じってしまった。代わりに、ヨセフ(=エフライム)と、マナセ(ヨセフの子)の2部族となる、  § ここで次のように置くと、以下の展開がよく理解できる:  このイスラエルから特別に選ばれた14万4千人は、= イスラエルの二人の預言者と彼らにつく群れ(11:3−13) = 男の子(12:5、イザ66:7では「子ら」) = 初穂(14:4) であり、イスラエルのリバイバルの小艱難期(前3年半)の終わりに上ってくる獣によって殉教し、三日半後によみがえり、天に上るグループ(11:13)。 cf. 残りの、荒野に逃げるイスラエルのキリスト者と、異邦人キリスト者で構成される、メインのグループは、次の9節の非常に多くの群衆
   *9  白い衣: 小羊の血で洗って白くした「義の衣」(7:14)であると同時に、大きな艱難(=大艱難期、後3年半)から抜け出て来た人々なので、「勝利の白い衣」(3:4)でもある、  シュロの枝: 主のエルサレム入城のとき(ヨハ12:13、「ホサナ。主の御名によって来られる者に祝福あれ。イスラエルの王に。」)
   *12  ≒ 5:12 (「富」が「感謝」になっているだけ、 小羊に対する、御使いの賛美)、  イスキュース(ギ) ability、force、strength、能力、力量(Tペテ4:11)、強さ
   *14  キュリエ(ギ、呼格、単・男) lord、sir、(軽く)旦那 程度の呼びかけ、  § 「12人の使徒たちは12の玉座に座り、イスラエルの12部族を裁く」(マタ19:28)より、長老のひとりは未来のヨハネ自身であり、時間を超えて自分と話した!  § あの大きな艱難(テース スリプセオース テース メガレース(ギ)、the tribulation the great): 冠詞付きなので、終末の大艱難期(後3年半)を表す、  白くした: (直訳) 漂白した(マコ9:3)、 § 洗うも、白くするも能動態なので、聖徒たちが積極的に悔い改め、またどちらもアオ過去(不定過去)なので地上で生きていたときにそのようにした
   *16  ピプトー(ギ) fall、落ちる、倒れる、下る
   *17  イザ25:8、黙21:4



  第8章


 1 小羊が第七の封印を解いた時、半時間ばかり天に静けさがあった。
 2 そして私は、神の御前に立っている七人の御使いを見た。そして、彼らに七つのラッパが与えられた。
 3 また、別の御使いが出て来て、金の香炉を手に持って祭壇の前に立った。彼に、たくさんの香が与えられていたが、これは、すべての聖徒たちの祈りに加えて、御座の前の金の祭壇の上にささげるためであった。
 4 香の煙は、聖徒たちの祈りと共に、御使いの手から、神の御前に立ち上った。
 5 御使いはその香炉を取り、これを祭壇の火で満たして、地に投げつけた。すると、声々と、多くの雷鳴、いなずまと、一つの地震とが起った。
 6 そこで、七つのラッパを持っている七人の御使いが、ラッパを吹く用意をした。


 7 第一の御使いが、ラッパを吹き鳴らした。 すると、血の混じった雹(ひょう)*と火とが現われ、地上に投げ込まれた。そして、地の三分の一が焼け、木の三分の一が焼け、また、すべての青草も焼けてしまった。

 8 第二の御使いが、ラッパを吹き鳴らした。 すると、火の燃えさかっている大きな山のようなものが、海に投げ込まれた。そして、海の三分の一は血となり
 9 海の中の造られた生き物の三分の一は死に、船舶の三分の一が朽ち果ててしまった。

10 第三の御使いが、ラッパを吹き鳴らした。 すると、たいまつのように燃えている一つの大きな星が天から落ちて来て、川々の三分の一とそれらの水源の上に落ちた。
11 この星の名は「苦よもぎ」と言い、水の三分の一が苦よもぎのように苦くなった。水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ。

12 第四の御使いが、ラッパを吹き鳴らした。 すると、太陽の三分の一と、月の三分の一と、星々の三分の一とが打たれて、これらのものの三分の一は暗くなり、昼の三分の一は明るくなくなり、夜も同じようになった。

13 また、私が見ていると、一人の御使いが中天を飛びながら、大声でこう言うのを聞いた。 「わざわいだ。わざわいだ。わざわいだ。地に住む人々に。さらに三人の御使いがラッパを吹き鳴らそうとしている。」


   *1 第7の封印と、7つのラッパのさばき:   ヘミオリオン(ギ) half an hour、半時間、  § 第6の封印で天変地異が起こったのに、第7の封印を解くと、一旦、天の賛美、礼拝が止まり、しばらくの間静寂である。 半時間とは、一時と二時と半時で3年半(ダニ7:25)、一週で7年、半週で3年半(ダニ9:27)より、半年かもしれないし、本当の半時間かもしれない ・・・ :3−4の、香と聖徒たちの祈りが御前に捧げられる期間、ととれる
   *2  ラッパ(サルピンゲス(ギ、複・女) <サルピンクス trumpets): マタ24:31、Tコリ15:52、Tテサ4:16、黙示10:7、 レビ23:24 (ラッパの日)
   *3  至聖所にある、香の祭壇 (出30:1、40:5) (cf. 6:9は、全焼のいけにえの祭壇)、 香は、聖徒たちの祈りの香 (5:8) とは別のもの
   *4  § ラッパのさばきの前に、「すべての聖徒たちの祈り」が御前に捧げられる。 7つのラッパの災害は、この祈りが終わるまでしばらくの間(8:1)の時があった
   *5  地震以外は複数(多くの は補足)、地震は単数(一つの は補足)
   *7  雹と火 (出エジ9:24)、 血と火(ヨエ2:30、使2:19)、  デンドロン(ギ) (オリーブ、いちじく、ぶどうなどの果樹の)木
   *8  海の三分の一は血 (cf.出エジ7:20、21、ナイル川)
   *9  プロイオン(ギ) ship、(大型の、漁業の)船、  ディアフセイロー 腐食する、虫食い・蚕食する(ルカ12:33)、衰え果てる(Uコリ4:16)、破壊する
   *10  ラムパス(ギ) ともしび(4:5、マタ25:3、4等)、松明(たいまつ)
   *11  アプシンソス(ギ) ニガヨモギ(=腸内の虫を殺す
warmwood) 毒性はないが苦いので、人々は水を飲むことができす渇きで死ぬ(?)、 (※ 原発が大爆発したチェルノブイリは、ウクライナ語でニガヨモギ(黒いヨモギ)の意。これがひな型とすると、星に含まれる放射能で人々が死ぬことになる)
   *12  ≒ 出エジ10:21、神のさばきでやみが与えられること
   *13  メスーラネーマ(ギ)(天文用語) 天頂、天の最も高いところ (14:6、19:17)、  ウーアイ alas、woe、ああ、災いだ (マタ23:13等)



  第9章


 1  第五の御使いが、ラッパを吹き鳴らした。 すると私は、一つの星が天から地に落ちたのを見た。この星に、アビスの縦穴を開くかぎが与えられた。
 2 そして、この底知れぬ所の穴が開かれた。すると、その穴から煙が大きな炉の煙のように立ち上り、その穴の煙によって、太陽も空も暗くなった
 3 その煙の中から、いなごが地上に出てきたが、地のさそりが持っている威力のような能力が与えられた。
 4 彼らは、地の草やすべての青草、またすべての木に害を与えないで、額に神の印がない人たちにだけ害を加えるように言い渡された。
 5 彼らは、人間を殺すことはしないで、五か月のあいだ苦しめることだけが許された。彼らの与える苦痛は、人がさそりに刺される時のような苦痛であった。
 6 その日々には、人々は死を求めるが与えられず、死にたいと願っても、死のほうが彼らから逃げ続けていくのである。
 7 これらのいなごは、戦闘の用意ができた馬に似ていて、その頭には金の冠のようなものを着け、その顔は人間の顔のようであり、
 8 また、その髪の毛は女の髪のようであり、その歯はししの歯のようであった。
 9 また、鉄の胸当のような胸当を着けていて、その羽の音は、馬に引かれて戦場に馳せる多くの戦車の響きのようであった。
10 そして、さそりのような尾と針とを持っていて、その尾には、五か月間、人々に害を加える力があった。
11 彼らは、底知れぬ所の使いを王にいただいており、その名をヘブル語でアバドンと言い、ギリシヤ語ではアポリュオンと言う。
12 第一のわざわいは、過ぎ去った。見よ。この後、さらに二つのわざわいが来る。

13 第六の御使いが、ラッパを吹き鳴らした。 すると、一つの声が、神の御前にある金の祭壇の四つの(つの)*から出て、
14 ラッパを持っている第六の御使いに言った。「大ユーフラテ川のほとりにつながれている四人の使いを解き放せ。」
15 すると、その時、その日、その月、その年に備えておかれた四人の使いが、人類の三分の一を殺すために、解き放たれた。
16 騎兵隊の数は二億であった。私はその数を聞いた。
17 そして、このように、幻の中で、馬とそれに乗っている者たちとを見た。彼らは、火のような色、くすんだ青紫色、硫黄の色の胸当をつけていた。また、それらの馬の頭はししの頭のようであり、その口から火と、煙と、硫黄とが出ていた。
18 これらの三つ、すなわち、その口から出て来る火と、煙と、硫黄とによって、人間の三分の一は殺されてしまった。
19 馬の威力はその口と尾とにあって、その尾は蛇のようであり、それに頭があり、その頭で人に害を加えるのである。
20 これらの災害で殺されずに残った人々は、自分の手で作ったものについて悔い改めようとせず、悪霊どもや、金、銀、銅、石、木で作られた、見ることも聞くことも歩くこともできない偶像を拝み続け、
21 また、殺人や、魔術や、不品行や、盗みを悔い改めようとしなかった。


   *1  アビューソス(ギ) abyss、アビス、底知れぬ所 (9:1、11:7、17:8、20:3、ルカ8:31)、 Uペテ2:4では タルタロスともいう  § 堕落天使らがゲヘナの最終的なさばきを受ける前に、一時的に入れられる獄。(ユダ:6) サタンも千年王国の間ここに閉じ込められる (cf. 贖われていない人は、ハデス)、  フレーアル well、pit、井戸、縦穴
   *2  ヨエ2:4
   *3  エクソーシア(ギ) 力、権力、能力、威力、資格
   *4  7:2、3  神のしもべの額に神の印
   *5 、10 § 5か月は、バッタやイナゴの寿命に相当する

   *11  使い(アンゲロス): この場合、堕落天使のこと、  アバドン(ヘ) ヨブ26:6、28:22、詩88:11、箴言15:11、 滅び、破壊の場所; 破壊者(=サタンのこと)
   *13  ケラス(ギ) 出エジ27:2 (ケレン(ヘ)) horn、角(つの)
   *16  § この4人の堕落天使の配下にある、(霊的な)騎兵隊の兵士らが2億人 の意  (※ 中国軍でもここまでいない。準軍事組織の民兵(800万)を含めても1000万人以下)
   *17  彼ら: 馬ではなく乗っている者たち、   ピュリノス(ギ) fiery、火のような (ここだけ)、  ヒュアキンシノス hyacinth、ヒヤシンス色(青紫) (ここだけ)
   *18  § 人類の3分の1が死ぬという、今までにない大量殺戮である
   *19  エクソーシア(ギ) 力、能力、威力
   *20  エルゴン(複・中) (わざ、行ない)、手で作ったもの (すなわち偶像) 申4:28、詩106:37、Tコリ10:20
   *21  ファルマコン(ギ) 魔術(薬や毒を使うものを含む)(ここと18:23だけ)、  ポルネイーア (売春、不貞、好色など)不品行全般  § これほどの厳しいさばきが行われても、この時救われていない人々には悪霊的な強い縛りがあって、悔い改めにつながって行かない




  第10章


 1 私は、もう一人の強い御使いが、雲に包まれて、天から降りて来るのを見た。その頭に、虹をいただき、その顔は太陽のようで、その足は火の柱のようであった。
 2 彼は、開かれた小さな巻物を手に持っていた。 そして、右足を海の上に、左足を地の上に踏み、
 3 ししがほえるように大声で叫んだ。 彼が叫ぶと、七つの雷がおのおのその声を発した。
 4 七つの雷が声を発した時、私はそれを書き留めようとした。すると、天から声があって、「七つの雷の語ったことを封印せよ。それを書き留めるな。」と言うのを聞いた。
 5 それから、海と地の上に立っているのを私が見たあの御使いは、右手を天に上げ、
 6 天とその中にあるもの、地とその中にあるもの、海とその中にあるものを造られた、永遠に生きておられる方を指して、誓った。「もう時は延ばされない。

 7 第七の御使いが吹き鳴らすラッパの音がする時には、神がそのしもべである預言者たちに良い知らせを告げられた通りに、神の奥義は成就する。」


 8 すると、先に天から聞いた声が、再び私に語りかけて、こう言った。「さあ行って、海と地との上に立っている御使いの手にある、開かれている小さな巻物を、受け取りなさい。」
 9 そこで、私はその御使いのところに行って、「その小さな巻物を下さい。」と言った。すると、彼は言った。「取って、それを食べなさい。あなたの腹には苦くなるが、口には蜜のように甘い。」
10 私は御使いの手からその小さな巻物を受け取って食べた。すると、私の口には蜜のように甘かったが、それを食べてしまうと、私の腹が苦くなった。
11 その時、彼は私に言った。「あなたは、もう一度、多くの民族、国民、国語、王たちについて、預言しなければならない。」



   *1  小さい巻物の挿入(10〜14章): (大きな)巻物の9章に続いていくのではなく、時間をかなり巻き戻して再スタートする、   虹: 4:3、 神との契約のしるし(創世9:13)、の栄光(エゼ1:28)
   *2  ビブラリディオン(ギ) scrollet、little book、小さい巻物、 § すでに開かれている(重要で、緊急性の高い内容の)巻き物、   海: 異邦、 地: イスラエル  § イスラエルと異邦のキリスト者の動きについて、より詳細に記述
   *3  § この「叫ぶ(エクラセン <エクラゾー、he cried)、声(フォーネ sound、voice)」が、 = Tテサ4:16の 「号令・咆哮(ケリュースマ、a shout)」 (Tテサ4:16の「ラッパの響き」=10:7、 「御使いのかしらの声」=14:15)
   *4  § ヨハネ個人に示されたこと。 Uコリ12:4のように、人間には語ることが許されていないことを啓示されることもある
   *6  クロノス(ギ) (長い短いの)時間、時間の経過
   *7  第七の御使いが吹き鳴らすラッパ = 「最後のラッパ(エスカテー サルピンギ(ギ)、the last trumpet)」(Tコリ15:52)、 cf. 「ラッパの大きな音と共に」(マタ24:31)、「ラッパの日・ユダヤ暦の7月1日」(レビ23:1、「贖いの日」は7月10日)  最後のラッパは、7番目のラッパのこと。 この時が聖徒たちの贖いの日(=空中携挙の日)、   ミュステーリオン 秘密、奧義(Tコリ15:51)
   *8  ビブラリーディオン、tiny scroll、小さな巻物 (cf. ビブリオン 巻き物)
   *10  神の言葉のゆえに「甘かった」: エゼ3:3、エレ15:16、  § 預言者の使命の一つである、神からの「大いなる災い」の宣言をも忠実に語らなければならない重荷のゆえに、腹が苦くなった  cf. ヨブ32:18−22
   *11  もう一度: これまで見聞きしたことの記述に加えて、この「小さな巻物」について改めて預言すること。  § ここから第2の預言のスタート




  第11章


 1 それから、私は杖のような測りざおを与えられ、御使いが立ってこう言った。「さあ立ち上がって、神の聖所と、祭壇と、そこで礼拝している人々とを、測りなさい。
 2 聖所の外の庭は、異邦人に与えられているので、そのままにしておきなさい。それを測ってはならない。彼らは、四十二か月の間、この聖なる都を踏みにじる

 3 そしてわたしは、わたしの二人の証人任命すると、彼らは粗布(あらぬの)の喪服を着て、千二百六十日の間、預言をする。」
 4 彼らは、地に立つ、主の御前の二本のオリーブの木、また、二つの燭台である。
 5 もし彼らに害を加えようとする者があれば、彼らの口から火が出て、その敵を食い尽くす。もし彼らに害を加えようとする者があれば、その者は必ずこのように殺される。
 6 預言をしている期間、彼らは、天を閉じて雨を降らせないようにする力を持っている。さらにまた、水を血に変え、何度でも思うままに、あらゆる災害で地を打つ力を持っている。

 7 そして、彼らがそのあかしを終えると、アビスから上って来る獣が、彼らと戦って勝ち、彼らを殺す。
 8 彼らの死体は、霊的な意味では、ソドムや、エジプトと呼ばれる大きな都の大通りに置かれる。彼らの主も、この都で十字架につけられたのである。
 9 いろいろな民族、部族、国語、国民に属する人々が、三日半の間、彼らの死体をながめるが、その死体を墓に納めることを許さない
10 地に住む人々は、彼らのことで喜び祝い、互いに贈り物を贈り合う。この二人の預言者が、地に住む者たちを苦しめたからである。

11 三日半の後、いのちの息が、神から出て彼らの中に入り、彼らがその足で立ち上がったので、それを見ていた人々は非常な恐怖に襲われた。
12 そして、天から大きな声がして、「ここに上りなさい。」と言うのを、彼らは聞いた。そして、彼らは雲に包まれ天に上った。 彼らの敵はそれを見た。
13 その時、大地震が起って、都の十分の一は倒れ、その地震で七千人が死に、生き残った人々は恐怖に満たされ、天の神に栄光を帰した
14 第二のわざわいは、過ぎ去った。見よ。第三のわざわいがすぐに来る。


15 第七の御使いが、ラッパを吹き鳴らした。 すると、大きな声々が天に起こって言った。 「この世の国々は、私たちの主のもの、神のキリストのものとなった。主は永遠に治められる。」
16 また、神の御前で座に着いている二十四人の長老は、ひれ伏し、神を礼拝して言った。
17 「今おられ、昔よりおられる、全能者なる神である主。あなたがその大いなる御力を働かせて、治められたことを、感謝します。
18 諸国民は怒りましたが、あなたの御怒りが到来しました。そして、死者のさばかれる時、あなたのしもべである預言者たち、聖徒たち、小さい者も、大きい者も、すべて御名を畏れかしこむ者たちに報いを与えられる時、また、地を滅ぼす者どもが滅ぼされる時が来ました。」
19 そして、天にある神の聖所が開かれ、聖所の中に契約の箱が見えた。また、多くのいなずまと、声々と、雷鳴と、一つの地震とが起り、大きな雹が降った。


   *1  カラモス(ギ) (直訳) 葦、  § 時は、「ゴグ・マゴグ」(エゼ38、39章)の大事件が終わったところまでさかのぼる。 この時、イスラム圏の力は中東で無くなり、エルサレムから岩のドームのモスクが取り除かれ、そこに(今すでに材料が用意されている)「第3神殿」が建てられ、ユダヤ教が復興する
   *2  § ただし、イスラム教がいなくなった分、代わりにキリスト教のローマカトリック(バチカン)が台頭し、第3神殿もエルサレムも支配し始める 聖所の婦人の庭の外の、「異邦人の庭」にはすでにバチカンが常駐している。 42か月 = 3年半 = 1278日 は、小艱難期直前の期間、   § 聖所とエルサレムが異邦人に踏みにじられること: イザ63:18、ダニ8:13(かつてのアンティオコス・エピファネスのように)、 ルカ21:24 → その後に、6:12−17の第6の封印の「天変地異の前兆」が起こる (ルカ21:25、26)
   *  ドーソー(ギ、未来、1・単) <ディドミ 
give、appoint to、(力を)与える、(働きに)任命する
   *3、4  § ここで、 二人の証人 = イスラエルの2つの教会(燭台、1:20) = モーセとエリヤの再来、あるいは、彼らの霊性を持つ預言者たちとそれにつく人々(11:5、6) = イスラエルの贖われた14万4千人(7:4−8、14:1) = 男の子(12:5) = 初穂(14:4) と置く。 すると、彼らの活動時期 = 「小艱難期の前3年半」 となって、= イスラエルのリバイバルの時期 となる (「陣痛と同時に子らを産んだ」(イザ66:8))
   *4  地に立つ: テース ゲース the land、(冠詞付き)地=イスラエルより、イスラエルに立てられた の意、   二本のオリーブの木: ゼカ4:3、14より、二人の油注がれた者、ゼルバベルとヨシュアが人間の力ではなく聖霊の力によって → 終末のイスラエルの二人の預言者に成就 (二重預言)
   *5、6  § モーセとエリヤ(律法と預言者の象徴)を思わせるミニストリー(働き)である  U列1:10−; T列17:1、ヤコ5:17; 出7:20−
   *7  アビス、底知れぬ所 (9:1、11:7、17:8、20:3、ルカ8:31)、   獣(野獣、冠詞付き、単数・中): すなわち (終末の)反キリスト (13:1−、Uテサ2:4)、  ニカオー 勝つ
   *8  プトーマタ(ギ、複数・中) corpses、死体(複数)、(cf.「死体(単数)のある所、ハゲタカも集まる」 は反キリストの像のこと ルカ17:37)  プニューマティコース spiritually、霊的には、  § 大きな都: 御子が十字架に付けられたエルサレムのこと  この時期すでにエルサレムはソドム、エジプトのように堕落していて、さらに大艱難期には最悪の「大バビロン」(17:5)にまで堕落する。  § ルカ9:30、31で、イエスがご自身の十字架の死について、モーセとエリヤと語っておられたのは、世の終わりの時に彼らにもう一度世に出て同じようにあかししてくれないか、ということだったと思われる
   *9、10  § ユダヤ人にとって、墓に納めないのは最大限の侮辱であり、また、当時は休日に贈り物を贈る習慣があった
   *11  プニューマ(ギ) 御霊; 霊; いぶき、息(創2:7)、風
   *12  エン テー ネフェレー(ギ、与格、単・女) in the cloud、雲のうちに、  § すなわち、「初穂」(14:4)として先に携挙された、ごく一部のグループとなる
   *15  第7のラッパが吹き鳴らされる: このときには神への賛美が天に起こり、小艱難・大艱難の時期を経て(12、13章)、聖徒たちの贖いが成し遂げられ(14章)、それから7つの鉢のさばき(15章−)へと進んでいく
   *17  パントクラトール(ギ) ruler of all、almighty、全能者、万物の支配者、  エイレーファス(ギ、完了、2・単) <ラムバノー you have gotton、(直訳) 得られた、受け取られた
   *19  ナオス(ギ) 聖所、エルサレムの神殿、   § 契約の箱は、U歴35:3(ヨシヤ王)を最後に、ネブカデネザルによる神殿破壊の時から失われている。 エゼキエル書にも契約の箱は出てこない、 (※ 第2マカベア書(外典)には、エレミヤが契約の箱と香壇を地下の洞穴(石切り場)に隠したとある)、   いなずまと、声々と、雷鳴: (4:5より、)御座から常に発せられる主の臨在



  第12章


 1 また、大いなるしるしが天に現れた。一人の女が太陽を着て、足の下に月を踏み、その頭に十二の星の冠をかぶっていた。
 2 この女は子を宿しており、産みの苦しみと痛みとのために、叫び声をあげた。
 3 また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ。大きな、赤い竜がいた。それに七つの頭と十の角とがあり、その頭に七つの王冠を着けていた
 4 その尾は天の星の三分の一引きずり込み、それらを地に投げつけた。竜は子を産もうとしている女の前に立ち、生まれた時にその子を食い尽そうと構えていた。
 5 女は男の子を産んだ。彼は鉄の杖をもってすべての国民を牧することになっている。この子は、神のみもと、その御座のところに引き上げられた。
 6 女は荒野へ逃げた。そこには、彼女が千二百六十日の間、養われるように、神によって用意された場所があった。

 7 さて、天では戦いが起った。ミカエルとその御使いたちは竜と戦った。竜とその使いたちは応戦したが、
 8 勝つことができず、もはや天には彼らのいる場所がなくなった。
 9 この巨大な竜、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれる、全世界を惑わす年を経た蛇は、地に投げ落され、その使いたちも共に投げ落された。
10 その時、私は、大きな声が天でこう言うのを聞いた。「今や、私たちの神の救いと、力と、御国と、また、神のキリストの権威が現われた。 それは、私たちの兄弟たちの告発者、昼も夜も私たちの神の御前で彼らを訴える者が、投げ落されたからである。
11 兄弟たちは、小羊の血と彼らのあかしの言葉とによって、彼に打ち勝ち、死に至るまでもそのいのちを惜しまなかった。
12 それゆえ、天とその中に住む者たちは喜び祝いなさい。しかし、地と海に住む者たちには、わざわいである。悪魔が、自分の持つ時が短いことを知り、激しい怒りを持って、そこに下ったからである。」

13 竜は、自分が地上に投げ落されたことを知ると、男の子を産んだ女を追いかけた。
14 しかし、女は自分の場所である荒野に飛んで行くために、大わしの二つの翼を与えられた。それは、蛇の前から逃れて、その自分の場所で、一時と二時と半時の間養われるためであった。
15 蛇は女の後ろに水を、口から川のように吐き出して、女を押し流そうとした。
16 しかし、地は女を助け、その口を開いて、竜が口から吐き出した川を飲み干した。
17 竜は女に対して怒り、女の子孫の残りの者たち、すなわち、神の戒めを守り、イエスのあかし持っている者たちに対して、戦おうとして出て行った。


   *1  § イスラエルについてのしるし: 女は、「おとめイスラエル」(エレ31:4)、 光を衣のように着る方の栄光を表すこと(詩104:2) + ヨセフの夢: 「太陽、月、11の星」(創37:9)より
   *2  § 小艱難期(前3年半)における、イスラエルの、迫害と同時に起こるリバイバルの様子 (「陣痛を起こすと同時に、子らを産んだ」、イザ66:8) = 11章の、殉教して天に引き上げられた、「2人の預言者」(=子ら)とそれにつく者たちを、再度記述 = 殉教者なので当然、「イスラエルの十四万四千人」、「初穂」
   *3  ビューロス(ギ) 火のような赤色 (6:4)、  ディアデーマ(ギ) diadem、ダイアデム(装飾されたヘッドバンド、王冠に匹敵する王のしるし)、王冠、王権 (cf.ステファノス 花輪、勝者の冠))、  § 共産主義を思わせるような色、また罪の赤色でもある(再生する共産ロシア との説がある)、 共産主義のやり方(神の存在の否定、洗脳、作り話、非難・中傷、裏切りと密告の収容所国家)は極めてサタン的(サタン:神に敵対する者、ディアボロス:中傷する者)、  § ダニ7:7、8は、第4の獣(ローマ、反キリストの国): 十本の角と一本の小さい角(「にせ預言者」)、 黙13:1は、「反キリスト」: 十本の角と十の王冠(十の角(力)にそれぞれ王冠(支配権))、七つの頭 で、この「竜」(7つの頭にそれぞれ王冠(支配権))とは少し異なる
   *4  星: 御使いのこと、  § この節が、サタンが天地創造以前に御使いの3分の1を誘惑して堕落させ、自分の配下に置いたこと の根拠となっている (新規で惑わすのではない)、  シュロー(ギ) draw、drag、(裁判所、刑場などに)引いていく、  地: イスラエル
   *5  男の子は、過去のキリストのことを言っているのではない、  2:27(テアテラの勝利者)と同様に、(羊を追う杖とは別の、敵に対する)鉄の棒で治めること
   *6  § 殉教しなかったイスラエルの信徒たちは、「ぞっとする忌むべき者(反キリストの像)」がにせ預言者の手によって第3神殿の至聖所のケルビム(翼)のところに据えられてすぐに、「ユダヤにいる人々は、山地(荒野)へ逃げなさい。 逃げるのが冬や安息日にならないように祈れ」(マタ24:16、20) とあるように、脱出する。 このとき、荒野に奇跡的な方法で飛んでいくための、「大わしの翼2つ」が与えられる (:14)、   1260日 = 3年半弱、  出エジプトの民が養われたように養われる (マナ、水、雲の柱と火の柱(冷暖房)、衣類は擦り切れない)
   *7  ダニ12:1、  ミカエルは御使いのかしら (ユダ:9)
   *8  空中、(第二の天)が彼らの居場所だった (エペ2:2、6:12)

   *9  ディアボロス(ギ) 中傷する者 の意、  サタン(ヘ) (神への)敵対者 の意、 天地創造以前に造られた堕落した「覆う者ケルブ」(エゼ28:14、16)
   *10  カテーゴロス(ギ) accuser、(刑事の)原告、告発人
   *11  § 第一に御子の血、第二に、あかしをする殉教者たちの精神 (ルカ14:26、ヨハ12:25)
   *12  ユーフライーノ(ギ) 歓喜する、喜び祝う(11:10、ルカ12:19等)、  地と海: イスラエルと異邦 = この地上のこと、  自分の時が短い: 3年半(+閉じ込められる1000年)しかないこと
   *14  出エジ19:4、 奇跡的な力で運ばれること、  前: (直訳)顔、  カイロス(期間): 1期間 2期間 半期間 = 3年半 (ダニ12:7)
   *16  § 地が口を開いて、大勢の軍隊を飲み込むこと (詩32:6、124:4、5、イザ43:2、ダニ11:22など)
   *17  スペルマ(ギ、単数・中) seed、(直訳)種、子孫(単数)=キリストのこと、  「イエスのあかし」(単数): 1:2、9(イエスについて見聞きしたこと)、19:10(預言の霊)、20:4



  第13章


 1 そして 私は海の砂の上に立ち、一匹の獣が海中から上がってくるのを見た。それには角が十本、頭が七つあり、それらの角には十の王冠があって、それぞれの頭には神を汚す一つの名がついていた。
 2 私の見たこの獣はひょうに似ており、その足は熊の足のようで、その口はししの口のようであった。竜は自分の力と位と大きな権威とを、この獣に与えた。
 3 その頭の一つは、死に至るようほふられてしまっていたが、その死に至った打ち傷も治ってしまった。そこで、全地の人々は驚いて、その獣の後について
 4 竜を拝んだ。それは、獣に権威を与えたのが竜だったからである。さらに彼らは、その獣をも拝んで言った。「誰が、この獣のようであろうか。誰が、これと戦うことができようか。」
 5 この獣には、また、大きなことを言い、非難中傷を語る口が与えられ、四十二か月の間、活動する権威が与えられた。

 6 そこで、彼は口を開いて神に向かって冒涜を語り、神の御名と、その幕屋、すなわち、天に住む者たちとをののしった
 7 また彼は、聖徒たちに戦いをいどんで打ち勝つことを許され、すべての部族、民族、国語、国民を支配する権威が与えられた。
 8 地に住む者で、ほふられた小羊のいのちの書に、その名を世の初めから記されていない者は皆、この獣を拝むようになる。
 9 耳を持つ者は、聞きなさい。
10 もし誰かがとりこを集めるならば、その人はとりこになって去っていく。剣で殺す者は、自らも剣で殺されなければならない。ここに、聖徒たちの忍耐と信仰とがある。


11 私はまた、もう一頭の獣が地から上って来るのを見た。それには小羊のような角が二つあって、竜のようにものを言った。
12 そして、初めの獣の持つすべての権威をその前で働かせた。また、地と、そこに住む人々に、死に至った打ち傷が治った初めの獣を拝ませた。
13 また、大きなしるしを行ない、人々の見ている前で、火を天から地に降らせることさえ行なった。
14 さらに、初めの獣の前で行なうことが許されたしるしで、地に住む人々を惑わし、また、剣の打ち傷を受けたがなお生きている初めのの獣の像を作ることを、地に住む人々に命じた。
15 それから、その獣の像に息を吹き込んで、その獣の像が物を言うことさえできるようにし、また、その獣の像を拝まない者をみな殺させた。

16 また、小さい者にも、大きい者にも、富む者にも、貧しい者にも、自由人にも、奴隷にも、すべての人々に、その右の手、あるいは額に刻印を押させ、
17 この刻印、またはその獣の名、またはその名前の数字のない者は、誰も物を買うことも売ることもできないようにした。
18 ここに、知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を計算しなさい。その獣の数字とは、ある人間をさすものである。そして、その数字は六百六十六である。


   *1  セリオン(ギ) wild animal、wild beast、野獣、獣、  海: = 異邦、  ディアデーマ(ギ) diadem、ダイアデム(装飾されたヘッドバンド、王冠に匹敵する王のしるし、特にペルシャ、エジプトの王)、王冠、王権 (cf.ステファノス 花輪、勝者の冠)、  名(単数)より: 一つの は補足、神を汚し反逆する名前、   § 竜は7つの頭に王冠なのに対し(12:3)、獣は、十の角(=力)に王冠を着けているので、「とりでの神(マルス、武力)」を崇める反キリストを表す (ダニ11:38)
    § ダニエル書の第4の獣(ローマ)とは頭が7つある点で異なっている。むしろ竜に近い、  § 17:9の解き明かしより、アッシリアから現代までの歴代の7人の王、  17:12より、この時代の10人の王(獣と共に一時的に王位につく)
   *2  § ダニエル書7章から解き明かし: ひょう(3番目の獣・4つの翼と4つの頭、近代〜現代(マケドニア)) ダニ7:6、 熊(第2の獣、片足を上げ不均衡・口に3本の肋骨、中世ヨーロッパ(メド・ペルシャ)) ダニ7:5、 しし(第1のもの、わしの翼・引き抜かれて人間になる、ローマ帝国(バビロニア)) ダニ7:4(「人間の心が与えられた」は、バビロニアのネブカデネザルの悔い改め、ローマのキリスト教国教化 でバビロニアとローマは重なる)  →  ∴ 本体は科学・技術を高度に推し進めた国であり、社会の土台は中世並みに不均衡で、傲慢な大きなことを言う口がある、そのような国。 その代表者が、反キリスト(人)
   *2、4、5  エクソーシア(ギ) 力、能力、権威、資格

   *3  過去に滅亡してしまった(完了形)国、7つの頭の一つ=歴代のある帝国、がサタンの力によって再生したこと: 8番目で、先の7人の一人 = バビロニア帝国の再来 (17:11)
   *5、6  ブラスフェミア、ブラスフェメーオ(ギ) 冒涜、非難中傷、汚しごと、 ののしる (同じ言葉)
   *7  § それゆえ反キリストによって、地上のキリスト教勢力は一度全滅させられる (ダニ12:7 「聖なる民の勢力を打ち砕くことが終わった時、これらのことが成就する」)
   *8  § 世の初めから予知されていること
   *10  シュナゴー(ギ) gather、draw together、collect、集める、   ヒュポモネー steadfast waiting for、堅く立って待つこと、(信仰に)踏みとどまること、忍耐、   ピスティス belief、faith、(神との交わりをもつ)信仰  § 反キリストの勢力に抵抗して剣をとるなら、剣で滅ぼされる の意。 終末の反キリストに対しては、ただ逃げるようにあらかじめ語られている (マタ24:16−18)、 § 神との交わり(=愛)があって、信仰に「踏みとどまる」(ヒュポメノー)ことができる(Tコリ13:7)、 「すべてのことを働かせて益としてくださる」(ロマ8:28) cf. ネロの迫害の時は、キリスト者の血は種として、殉教ごとにますます信者が増えていった
   *11  地: = イスラエル、 ダニ7:8の「小さな角」がこれに相当、  2本の角: (17:12の解き明かしから類推すれば、) = (優しそうに見える小羊のような小さな角の)この獣と共にいる2人の王  (ダニ7:8 10本の角の間からもう1本の角が出て、3本が引き抜かれた)  § ゴグ・マゴグの後、エルサレムに第3神殿ができてから、エルサレムを支配しているバチカンと思われる、  § 「本当に神が言われたのですか」(創3:1)のように神の言葉に疑いをいだかせることから始めて、キリストの十字架の後の復活を一度滅亡して復活した獣の国に、神の奇跡を悪霊からのものに、神の刻印(7:3)を獣の数字に、すべてすり替えていく
   *12  エクソーシア(ギ) 力、能力、権威、資格、  イスラエルに住むすべての人々に の意
   *13  § 信者さえ惑わそうとする (マコ13:22、Uテサ2:9)
   *14  エイコーナ(ギ、対格、単数・女) (一つの)像、  § エルサレム第3神殿の至聖所の、契約の箱の上のケルビム(翼)のところに、「凄まじい憎むべきもの」(マタ24:15、ダニ9:27)を設置するのが、このにせ預言者である
   *15  (直訳) 霊を(息を)与え、  § ロボットではなく、生き物のように動く不気味な像である
   *18  (直訳) ここに知恵がある (17:9)、  § この「666」の刻印(カラグマトス、印・マーク)を受けると救いを失う (14:9−11)、  § 666(六百六十六): ネロ・カエサルを一度ギリシャ語訳(N が入って、ネロン・カエサルになる)して、ヘブライ語のアルファベットに当てはめ(NRWN QSR)、総和すると、666になる。(Nを除くと、マイナーな異本にある616になる) ただしネロは過去の人物であり、ひな型に過ぎず、将来現われる人物ということになる (今のところ他に有名人で666になる人はいない)、  どの方面をとっても、完全数の7よりも一つ足りない6 の解釈もある



  第14章


 1 それから私は見た。見よ。小羊がシオンの山に立っていた。また、十四万四千の人々が小羊と共にいて、彼らの額には小羊の名と、小羊の父の名が書かれていた。
 2 また私は、大水の音のような、激しい雷鳴のような声が、天から出るのを聞いた。また、竪琴(たてごと)を弾き歌う人が、竪琴を弾き鳴らす音のようでもあった。
 3 彼らは、御座の前と、四つの生き物と長老たちとの前で、新しい歌を歌った。この歌は、地から贖(あがな)われた十四万四千人以外は、誰も学ぶことができなかった。
 4 彼らは、女に汚されたことのない者である。なぜなら、彼らは童貞だからである。そして、小羊の行く所へは、どこへでもついて行く。彼らは、神と小羊とに捧げられる初穂として、人々の中から贖(あがな)われた者たちである。
 5 彼らの口に欺きを見出さなかった。彼らは神の御座の前に傷のない者である。

 6 私は、もう一人の御使いが中天を飛ぶのを見た。彼は地に住む者、すなわち、あらゆる国民、部族、国語、民族に宣べ伝えるために、永遠の福音をたずさえて来て、
 7 大声で言った。「神を畏れ、神に栄光を帰しなさい。神のさばきの時が来たからである。天と、地と、海と、水の源とを創造した方を、礼拝しなさい。」
 8 また、もう一人の御使いが、続けて言った。「倒れた。大きな都バビロンは倒れた。その不品行に対する御怒りのぶどう酒を、あらゆる国民に飲ませた者であるゆえに。」
 9 さらに、第三の御使いが彼らに続けて、大声で言った。「獣とその像とを拝み、額や手に刻印を受ける者は、
10 神の憤り**の杯に混ぜものなしに注がれた、神の御怒りのぶどう酒を飲み、聖なる御使いたちと小羊との前で、火と硫黄によって苦しめられる。
11 その苦しみの煙は永遠にまでも立ち上り、獣とその像とを拝む者、また、誰でもその名の刻印を受ける者は、昼も夜も休みを得ない。
12 ここに、神の命令を守り、イエスの与える信仰を保ち続ける聖徒の、不動の忍耐がある。」
13 また私は、天からの御声がこう言うのを聞いた。「書き記せ。『今から後、主にあって死ぬ死者は幸いである。』」 御霊も言う。「その通り。彼らはその労苦を解かれて休み、その行ないは彼らについていく。」


14 また私は見た。見よ。白い雲があって、その雲の上に人の子のような方座っておられ、頭には金の冠をかぶり、手には鋭いかまを持っておられた。
15 すると、もう一人の御使いが聖所から出てきて、雲の上に座っておられる方に大声で叫んだ。「かまを遣わして刈り取ってください。地の穀物はよく実り、刈り取り入れ時が来ましたので。」
16 雲の上に座っておられる方は、そのかまを地に投げ入れた。すると、地は刈り取られた。


17 また、もう一人の御使いが、天の聖所から出てきたが、彼もまた鋭いかまを持っていた。
18 さらに、もう一人の御使いで、火を支配する権威を持っている者が、祭壇から出てきて、鋭いかまを持つ御使いに大声で言った。「その鋭いかまを地に入れて、地のぶどうのふさを刈り集めなさい。ぶどうの実がすでに熟しているので。」
19 そこで、御使いはそのかまを地に投げ入れて、地のぶどうを刈り集め、神の憤りの大きな酒ぶねに投げ込んだ。
20 その酒ぶねは都の外で踏まれた。すると、血が酒ぶねから流れ出て、馬のくつわにとどくほどになり、一千六百スタディオンにも広がった。


   *3  カイノス(ギ) (質的に)新しい、新鮮な (Uコリ5:17等)、(黙示録の「新しい」はすべてカイノス、「新しい名」、「新しいエルサレム」、「新しい天と地」) cf.ネオス
   *2、4  贖われた: アゴラゾー(ギ) 
buy or sell、(redeem×) (直訳) 買われた、  § この殉教者たちのみが、「学ぶこと」 = 「霊歌」(エペ5:19、コロ3:16)の解き明かしを知ること、 他の人には異言の賛美なので内容が分からない
   *4  § 汚された: 象徴的な意味で彼らは小羊の花嫁であり、世との不貞の関係が一切ないこと、  どこへでもついて行く: ヨハ10:4、  アパルケー(ギ) firstfruit(単数・女) 初物、初穂
   *5  ドロス(ギ) 欺き、 (cf.プセウドス 偽り)、  § 口に欺きがない: ヨハ1:47より、本当のイスラエル (ナタナエルについてイエスがご覧になったことが、ここでイスラエルの14万4千人について成就)
   *6  § ここで、8:13に、残りの三人の御使いのラッパのわざわいの知らせをした御使いに続いて、神の審判の告知をする、   中天: メスーラネーマ(ギ)(天文用語) 天頂、天の最も高いところ (8:13、19:17)
   *8  § 堕落し切ったエルサレムの姿として、ここに初めてバビロンの名前が出てくる (17:5)、   ポルネイーア(ギ) 不貞、売春、同性愛、姦淫などの全般的な不品行
   *8、10  御怒り: オルゲー(ギ) (神の義に基づく)怒り、御怒り、  ** 憤り: シュモス 情熱、憤り、感情的な爆発的な怒り
   *12  テーン ピスティン(対格、単・女) イエスー(属格、単・男) the faith of Jesus、イエスの(イエスによる)信仰、  ヒュポモネー steadfast waiting for、堅く立って待つこと、(信仰に)踏みとどまること、忍耐
   *13  マカリオス(ギ) 祝福された、幸いな、  ナイ yesyea、はい、そうです、しかり、  § 大艱難期に、獣の像と666の試練に惑わされなかった非常に多くのキリスト者が殉教するが、それは大勝利である
   *14、15、16  § ここが、すべての聖徒たちが目標とし、希望としていた主の再臨と携挙の箇所 = 本当の「贖いの日」(レビ23:27、ルカ21:28、 Tコリ15:52、Tテサ4:17)
   *14  「人の子のような方」は、1:13より、明らかにキリスト
   *15  ペムポー(ギ) 
send、送る、遣わす、  よく実り: (直訳) (穀粒が)乾いて、  ホーラ(ギ) 一時間; (瞬間的な)その時、時刻、時機
   *16  § 実際的には、主が鎌である御使いたちを遣わして、天の果てから果てまで主の民を集める (マタ24:31)、 地球は球なので夜昼同時に (ルカ17:34−36)

   *17−20  § さばきのための、残った不義の、腐れぶどうの処理
   *18  § 火を支配する御使いは、(聖所ではなく)いけにえの祭壇から出てきて、火のさばきを行なう
   *20  イザ63:3、 都の外で処刑(ヘブ13:12)、王の酒ぶね(ゼカ14:10)、  馬のくつわ: 手綱をつける馬の口の部分、 1スタディオン = 185メートル ∴ さばかれた地の四方(4×4=16)の全世界の(×100=1600)人の、膨大な量の血



  第15章


 1 また私は、天に大いなる驚くべきほかのしるしを見た。七人の御使いが、最後の七つの災害を持っていた。これらの災害で、神の憤り終わりに達するのである。

 2 また私は、火の混じったガラスの海のようなものを見た。そして、このガラスの海のそばには、獣から、その像から刻印から、その名の数字から勝利を得た人々が、神の竪琴を持って立っているのを見た。
 3 彼らは、神のしもべモーセの歌と、小羊の歌とを歌って言った。「あなたのみわざは、偉大であり、また驚くべきものです全能者なる、神でおられる主よ。 あなたの道々は正しく、まことです聖徒たちの王よ
 4 主よ。あなたを畏れず、御名をほめたたえない者が誰かいるでしょうか。あなただけが聖なる方であり、あらゆる国民は来て、あなたを伏し拝むでしょうなぜなら、あなたの正しいさばきが、明らかにされたからです。」

 5 その後、私が見ていると、天にある、あかしの幕屋の聖所が開かれ、
 6 その聖所から、七つの災害を携えている七人の御使いが出てきた。彼らは、きよい光り輝く亜麻布を身に着け、胸には金の帯を締めていた
 7 そして、四つの生き物の一つが、永遠に生きておられる神の憤りが満ちている七つの金の鉢を、七人の御使いに渡した。
 8 すると、聖所は神の栄光から、また神のから、立ち上る煙で満たされ、七人の御使の七つの災害が終ってしまうまでは、だれも聖所に入ることができなかった。



   *1  § 第7のラッパと共に聖徒たちの贖い(空中携挙)が終わり、7つの鉢による最後のさばきとなる、   シュモス(ギ) 情熱、憤り (14:10、19、15:7)、  エテレスセー(アオ過去、受動、3・単) <テレオー 終わりになる、成し遂げられる (確実に起こることなので不定過去)
   *3  モーセの歌: 出エジプトの勝利の歌、  偉大で驚くべき (詩92:5、139:14)、  パントクラートール(ギ) ruler of all、almighty、すべての支配者、全能の神、  アレシノス true、本物の、まことの、  聖徒らの王(○) (シナイ写本で”世々の王”×)
   *4  ホシオス(ギ) 神聖不可侵な、(罪や悪から完全に自由の)、  詩篇86:9
   *5  あかしの幕屋: ここと 使徒7:44 のみ、 あかし = 律法の石の板、 ソロモン神殿ではなく荒野の幕屋を指す
   *6  1:13の、キリストの姿と同じ (義の胸当て、真理の帯 エペ6:14)
   *8  エク テース デュナメオース(ギ) <デュナミス out of the power、力、能力 から、 § 神の尊厳は、神の栄光と力から出ている、   煙: 雲とともに、神の尊厳を表す (煙: イザ6:4、 雲: 出40:34、T列8:10、エゼ10:4)



  第16章


 1 それから、大きな声が聖所から出て、七人の御使いに、「出て行って、神の憤りの七つの鉢を、地に注ぎ、ばらまけ。」と言うのを聞いた。
 2 そして、第一の御使いが出て行って、その鉢を地に注いでばらまいた。すると、獣の刻印を持つ人々と、その像を拝む人々との体に、ひどい悪性の腫物ができた。
 3 第二の御使いが、その鉢を海にばらまいた。すると、海は死人の血のようになり、その中の生き物は皆、死んだ。
 4 第三の御使いが、その鉢を川と水の源流とにばらまいた。すると、それらは血になった。
 5 それから、水御使いがこう言うのを、聞いた、「あなたは義なる主です。今おられ、昔よりおられ後もあり続ける方。あなたが、これらのさばきをなされたからです。
 6 彼らは、聖徒たちと預言者たちとの血を流しましたが、あなたはその血を彼らに飲ませました。彼らはそうされるのにふさわしいからです。」
 7 また私は、祭壇がこう言うのを聞いた。「その通りです。主よ。全能の神よ。あなたのさばきはまことで、正しいさばきです。

 8 第四の御使いが、その鉢を太陽に注ぎ出した。すると、太陽は火で人々を焼くことを許された。
 9 人々は、激しい炎熱で焼かれたが、これらの災害の権威を持つ神の御名をののしり、悔い改めて神に栄光を帰することをしなかった。
10 第五の御使いが、その鉢を獣の王座にばらまいた。すると、獣の国は暗くなり、人々は苦痛のあまり舌をかんだ。
11 その苦痛と腫物とのゆえに、天の神をののしり、自分の行ないを悔い改めなかった。

12 第六の御使いが、その鉢を大ユーフラテス川にばらまいた。すると、その水は、日の出る方から来る王たちに道を備えるために、干上がってしまった。
13 また見ると、竜の口から、獣の口から、にせ預言者の口から、かえるのような三つの汚れた霊が出てきた。
14 これらは、しるしを行う悪霊どもであり、全世界の王たちのところに出て行き、彼らを召集した。それは、全能の神の大いなる日の戦いに備えるためであった。
15 ・・・ 見よ。わたしは盗人のように来る。裸のままで歩かないように、また、裸の恥を見られないように、目を覚まし着物を身に着けている者は、幸いである。 ・・・
16 こうして彼らは、ヘブル語でハルマゲドンという所に、王たちを召集した。

17 第七の御使いが、その鉢を空中にばらまいた。すると、大きな声が聖所から出て、御座から、「事は成就した。」と言った。
18 すると、声々と、雷鳴と、いなずまが起こり、また大きな地震があった。それは人間が地上に現われて以来、かつてなかったようなもので、それほどに激しい地震であった。
19 また、その大きな都は三つの部分に分けられ、諸国民の町々は倒れた。大バビロンは神の御前に覚えられ、これに、神の御怒りでできた、憤りのぶどう酒の杯が与えられた。
20 島々は皆、逃げ去り、山々は見えなくなった。
21 また、一タラントほどの重さの大きな雹が、天から人々の上に降った。人々は、この雹の災害のゆえに神をののしった。その災害が、非常に大きかったからである。


   *1  § ラッパのさばきでは3分の1だったのが、ここでは全さばきになっている、  シュモス(ギ) 情熱、憤り (14:10、19、15:1、7)、  エクケオー pour out、注ぎ出す
   *4  ペゲー(ギ) fountain、spring 、well、噴水、泉、井戸
   *5  水(複数)の御使い: 風、火を支配する御使い(7:1、14:18)など、それぞれの働きに特化した御使い、  エソメノス(ギ、未来、主格、単・男) one that shall be、(cf.ホシオス 聖なる×、15:4)
   *7  アレシノス(ギ、形容詞) true、(偽物に対して)本物の、まことの、   さばき(複数): 「のさばきはまことで、ことごとく正しい。」(詩篇19:9)
   *10  暗くなり: 第5のラッパによる煙の暗やみ(9:2)、出エジプ時の災害(出10:21−23)よりも暗く、しかも苦痛を伴うもの (:11より、腫物(:2)とは別)
   *12  § クロス王はバビロン攻略時にユーフラテス川を干上がらせて川床を渡った、とある(ヘロドトスの『歴史』1巻191章)。 AD1世紀には川の向こうにパルティア王国があった。 これらから、イランや東アジア方面から、この大バビロン(エルサレム)を首都とする獣の国の「ハルマゲドン」(:16)に一旦集まる。 この時までに大バビロンは、(ゴグ・マゴグの後から)ユーフラテス川まで領土が拡大している(創15:18)
   *14  § 地上の軍の総力を挙げて、なんと、神と戦おうとしている
   *15  §  第6の鉢のさばきに挿入されている: この凄まじい状況で、まだ救われる人々がいる、ということ (=落ち穂拾い・イスラエルの贖いの3回目・御使いが伝道 → :18)、 再臨のキリストは、(14章の空中携挙が終わってから、)一度、オリーブ山に立たれ、それからエルサレムの黄金門(東の門)から入って来られる (使徒1:11、ゼカ14:3)
   *16  ハルマゲドン: メギドの丘(ハル(ヘ)、山)、 イズレエル平原西端の丘であり、ゼカ12:11で、ヨシヤ王の戦死(U歴35:22−)や偶像崇拝を嘆いた地でもあり、一大決戦にふさわしい場所。 ここが人類最後の(神との!)決戦の場所となる  § 有名なハルマゲドンだが、大部分の信者が第7のラッパの後、空中携挙されているので、この第6の鉢のハルマゲドンはかなり後でありほとんど関係ない
   *17  空中: サタンとその使いどもが天から落とされ(12:9)、なお残っている悪霊どものいる空間 (エペ2:2)、  ゲゴネン(ギ、完了2、3・単) <ギノマイ it has occurredbecome、fulfilled)、(事は)成った  →  中天の悪霊どもが人々に憑依して滅ぼすさばきとなる (19:17、18)
   *18  地震(単数): § 主の「地上再臨」の時、再臨の主がオリーブ山に立たれる時に起こる (使徒1:11、 ゼカ14:4、5、この時、南北に大きく裂けてできた山の谷に、嘆いて(1:7)悔い改めて、エルサレムから逃げ込む人々がいる)、  § ノアの洪水後も大きな地殻変動があったが、堆積直後の柔らかな状態だったので地震にならなかった。 これは地殻が固まっているので、とんでもない大地震になる
   *19  諸国の町々にも大地震が伝播する、  バビュローン ヘー メガレー(ギ) Babylon the great、大バビロン、  オルゲース(属格) <オルゲー (義による)怒り、御怒り、  シュモス (感情的)怒り、激情、憤り
   *21  タラント: 1タラント = 35キログラム



  第17章


 1 それから、七つの鉢を持つ七人の御使いの一人が来て、私と語って、こう言った。「ここに来なさい。多くの水の上に座っている、大淫婦(だいいんぷ)*に対するさばきを見せましょう。
 2 地の王たちはこの女と不品行を行ない、地に住む人々もこの女の不品行のぶどう酒に酔わされたのです。」
 3 御使いは、御霊のうちにいる私を、荒野へ連れて行った。私は、そこで一人の女が緋色の獣に乗っているのを見た。その獣は神を冒涜する多くの名で満ちていて、七つの頭と十本の角を持っていた。**
 4 この女は、紫色と緋色の衣を着て、金と宝石と真珠でうわべを飾り、憎むべきものと自分の不品行の汚れとで満ちている金の杯を手に持ち、
 5 その額には、その奧義である一つの名が記されていた。すなわち、「大バビロン。娼婦たちと、地の憎むべきものらとの母。」であった。
 6 私は、この女が、聖徒たちの血とイエスの証人たちの血に酔っているのを見た。この女を見た時、私は非常に驚いた。
 7 すると、御使いは私に言った。「何をあなたは驚いているのですか。この女と、女を乗せている七つの頭と十の角のある獣との奥義を、あなたに話しましょう。


 8 あなたの見た獣は、昔はいたが、今はおらず**、そして、やがてアビスから上って来ることになっていて、また、滅び去るに至ります。地に住む者たちのうち、世の初めからいのちの書に名を記されていない者たちは、この獣が昔はいたが今はおらず、そしてまたいるようになるのを見て驚きます。

 9 ここに、知恵を持っている心が必要です。 七つの頭は、この女が座っている七つの山のことです。
10 また、彼らは、七人の王であり、そのうちの五人はすでに倒れ、一人は今いて、もう一人は、まだ来ていません。それが来れば、短い間留まることになっています。
11 昔はいたが今はいない獣**とは、すなわち八番目でもありますが、あの七人の中の一人であり、彼はついには滅び去るに至ります。

12 あなたの見た十本の角は、十人の王たちのことであって、彼らはまだ国を受けてはいませんが、獣と共に、一時だけ王としての権威を受けます。
13 彼らは一つの考えを持ち、自分たちの力と権威とを獣に与えます。
14 彼らは小羊に戦いをいどんできますが、小羊は彼らに打ち勝ちます。なぜなら、小羊は、主の主、王の王だからです。また、小羊と共にいる者たちは、召された、選ばれた、忠実な者だからです。」

15 御使いはまた、私に言った。「あなたの見た水、すなわち、あの淫婦の座っている所は、あらゆる民族、群衆、国民、国語です。
16 あなたの見た十本の角と獣とは、この淫婦を憎み、荒廃させ、裸にし、その肉を食い、火で焼き尽くすようになります。
17 神は、彼らの心の中に神の想いを与えて、一つの考えとなるようにし、神の語られる言葉が成就するまで、彼らの支配権を獣に与えるようにされたからです。
18 あなたの見たあの女は、地の王たちの上に王国を持つ、大きな都のことです。」


   *1  テース ポルネース(属格) <ポルネー テース メガレース(ギ、属格) the harlot the great、大いなる 売春婦 (娼婦) (※ 大淫婦(だいいんぷ) は漢訳の名残)、 § 主に選ばれ、愛されたはずのエルサレムの都が、反キリストや地上の王たちとの姦淫の都にまで堕落した、不貞による呼び名
   *3  コーキノス(ギ) scarlet、深紅の、緋色の(高貴な色とされる) (マタ27:28、ヘブ9:19等)、  名前(複数)
   *4  ポルヒュルース(ギ) purple、紫色(高貴な色とされる) (ヨハ19:2、5)、   元々、金めっきする の意、  憎むべき(忌むべき)もの: (特に、反キリストの)偶像のこと (マタ24:15、ダニ9:27))
   *5  一つの名: ローマの遊女たちは額に自分の名がついた札を付けた
   *8  アビューソス(ギ) abyss、 (直訳) アビス、底知れぬ所 (9:1、11:7、17:8、20:3、ルカ8:31)、  **すなわち、(ヨハネが啓示を受けている)「今はいない」ので、ローマではない
   *9  ≒ 13:18、 必要です は補足
   *10  § 7人の王とは、11節より7つの獣なので、(他の「獣」の箇所よりダニエル書の獣を類推して、)(また5人はすでに倒れ、今6人目がいる(=ローマ)ことで、)ダニエル7章の4頭の獣にエジプト、アッシリアをそれぞれ一番目、二番目に追加することで成立する。 すなわち、 1: エジプト、 2: アッシリア、 3: バビロニア、 4: メド・ペルシャ、 5: マケドニア(ギリシャ・シリア)、 6: ローマ、 7: (キリスト教化した)ローマ となる。  7番目の獣は、短い間(オリゴス、short、few、little、small)なので、長期間エルサレムを支配したオスマン帝国等ではなく、キリスト教を公認してから東西分裂前までのローマ帝国(313−395)と解釈する。(キリスト教化したがやはり獣) ここで一度、一連の獣の支配が途絶える とする  (※ 当時の歴代のローマ皇帝と取る解釈は、そもそも終末預言になっておらず、ネロ(5番目)が生き返り、それがドミティアヌス(8番目)になる という無理が生じる ×)
   *11  **3節、13:1の獣は、この獣の7つの頭の一つ = 獣自身 という混同が本文に初めからある。 通常は、 頭の獣 = 獣 として解釈する、  § 13:3より、その頭が一度完全に滅びて、再興したものなので、現在も続いているエジプト、イラン(ペルシャ)、ギリシャ、ローマではなく、完全に滅亡したアッシリアかバビロニアである。 14:8、16:19、17:5に「バビロン」という言葉が出てくるので(Tペテ5:13のバビロン=ローマではない)、結局、反キリストの国(第8番目の王)とは、 「新生バビロニア帝国」 ということになる。 かつてあったバビロニアより類推して、圧倒的な軍事力を持ち、偶像崇拝と恐怖政治を行なう、全世界を支配する帝国となる。 反キリストは自分を神とする(ダニ11:36)と同時に、軍事力を神とする(ダニ11:38)
   *12  § 十本の角は10人の王たちであり、終末のこの反キリストの帝国で、後3年半の間、獣(反キリスト)と共に全世界を分割支配する

   *13  グノーメ(ギ) 意見、目的、考え   彼らはキリストに反逆する同じ考えでいること
   *16  § 聖徒たちへの大迫害が終わると、裏切り行為が行われ大バビロン(エルサレム)が攻撃される
   *17  グノーメ(ギ) 想い、考え、意見、  タ レーマタ(複数・中) <レーマ、語りかけ、語る言葉 (ホ ロゴス、みことば ×)

   *18  § 大きな都とは堕落しきったエルサレムのことであり、これを支配するのは、「王たちの上に王国を持つ国」、すなわち、カトリック圏の国々の上に国を持つ形態の唯一の国として、バチカン市国が挙げられる



  第18章


 1 この後、私は、もう一人の御使いが、大いなる権威を持って、天から降りて来るのを見た。地は彼の栄光によって明るくなった。
 2 彼は力強い声で叫んで言った。「倒れた。大バビロンは倒れた。そして、それは悪霊どもの住む所、あらゆる汚れた霊どもの牢獄、また、あらゆる汚れた憎むべき鳥どもの監獄となった。
 3 すべての国民は、彼女の不品行に対する憤りのぶどう酒を飲み、地の王たちは彼女と不品行を行い、地上の商人たちは、彼女のぜいたく及ぼす力によって富を得たからである。」

 4 私はまた、もう一つの声が天から出るのを聞いた。 「わたしの民よ。彼女から離れ去りなさい。その罪にあずからないために、その災害に巻き込まれないために。
 5 なぜなら、彼女の罪は積り積って天にまで達し、神はその不正を覚えておられるからです。
 6 あなたがたは彼女が支払ったとおりに彼女に支払い、その行ないに応じて二倍にして返しなさい。 彼女が混ぜて入れた杯の中に、その倍の量を混ぜ合わせなさい。
 7 彼女が自分自身を誇り、ぜいたくをほしいままにしたので、あなたはそれと同じ苦しみと悲しみとを彼女に与えなさい。なぜなら、彼女は心の中で、『わたしは女王の座に着いている者であり、やもめではないので、悲しみを知らない。』と言っているからです。
 8 それゆえ、さまざまの災害、すなわちと、喪の悲しみと、ききんが、一日のうちに彼女を襲い、そして、彼女は火で焼き尽くされます。彼女をさばく神である主は、力強い方だからです。

 9 彼女と不品行を行ない、ぜいたくをほしいままにしていた地の王たちは、彼女が火で焼かれる煙を見て、彼女のために泣いて、胸を打って嘆き
10 彼女の苦しみを恐れるゆえに、遠くに立って言います。 『わざわいだわざわいだ。大きな都よ。力強い都、バビロンよ。おまえのさばきは、ひと時のうちに来た。』

11 また、地の商人たちも、彼女のために泣いて喪に服します。もはや、彼らの商品を買う者が誰もいないからです。
12 その商品とは、金、銀、宝石、真珠、 麻布、紫布、絹、緋布(ひぬの)、 各種の香木、各種の象牙細工、 高価な木材、銅、鉄、大理石で作られたあらゆる器具、
13 肉桂香木、香、香油、乳香、 ぶどう酒、オリーブ油、麦粉、麦、 牛、羊、馬、多くの体、そして人々のいのちです。
14 おまえのたましいの望みである熟したくだものは離れ去り、あらゆる油っこいもの*はおまえから消え去り、もはやそれらのものは見出すことができません。
15 これらの品々を売って、彼女から富を得た商人は、彼女の苦しみを恐れるゆえに、遠くに立ち、泣いて喪に服して
16 こう言います。『わざわいだわざわいだ。麻布と、紫布と、緋布を着て、金、宝石、真珠で身を飾っていた大きな都よ。

17 これほどの富が、一瞬にして無に帰してしまうとは。』 また、すべての船長、各地へ向かう航海者、水夫、すべて海で働いている人たちは、遠くに立ち、
18 彼女が焼かれる火の煙を見て、叫んで言います。『これほどの大いなる都は、他にあるだろうか。』
19 彼らは頭にちりをかぶり、叫んで泣いて、喪に服します。『わざわいだわざわいだ。この大いなる都よ。そのぜいたくによって、海に船を持つすべての人が富を得ていたのに、ひと時のうちに荒れ廃れてしまうとは。』

20 天よ、聖徒たちよ、使徒たちよ、預言者たちよ。この都について喜びなさい。神は、あなたがたのために、この都にさばきを宣告されたからです。」

21 すると、一人の力強い御使いが、大きな、引き臼のような石を持ち上げ、それを海に投げ込んで言った。「大バビロンは、このように激しく投げ落とされ、もはや決して見出されることはない
22 また、おまえの中で、立琴を弾く者たち、音楽家たち、笛を吹く者たち、ラッパを吹き鳴らす者たちの楽の音は聞かれなくなり、あらゆる技能の職人たちももはや決して見出されることはなくなり、また、引き臼の音も聞かれなくなる。
23 また、おまえの中では、ともしびの光りも輝かず、花婿、花嫁の声も聞かれなくなる。 それは、おまえの商人たちが地上で高官となり、すべての国々の民がおまえの魔術惑わされ
24 また、預言者たちや聖徒たちの血、さらに、地上で殺されたすべての者の血が、この都で見出されたからである。」


   *3  シュモス (感情的)怒り、激情、憤り、  ストゥレノス(ギ) luxury、eager desire、贅沢、  デュナミス 力、能力、影響力
   *5  (直訳) 結び合わされ
   *6  エレ50:29、  イザ40:2、エレ16:18、出22:4、7、9
   *8  ペンソス mourning、喪、哀悼、喪の悲しみ
   *10  ウーアイ ウーアイ(ギ) woe woe、災い、災い
   *12  北アフリカ産の香木はテーブルの上板に用いた
   *13  肉桂 インド産、   アモーモン(ギ) メディア、インド産の髪につける香木(婦人用、祭儀用)、  麦: ローマでは主にエジプトから輸入した、  車: 当時ローマで流行した4輪の車 (戦車ではない)、  ソーマトーン(属格、複数・中) <ソーマ 
bodies、体(複数)、  プシュカス アンスローポーン(属格、複・男) lives of humans、人々のいのち、  § 奴隷として、人の体とたましいまでをも商品としている
   *14  長い間熟するのを待っていた果物を失うように、ローマのぜいたくな生活は消え失せる の意、  タ リパラ(ギ) <リパロス 油っこい: ぜいたくな食物 の意
   *17  § タルムードによると、当時のローマに世界の富の9割が集まっていたという
   *23  メギスタン(ギ) 高官、要人、重要人物、(6:15、マコ6:21)、   ファルマケイア(ギ) 魔術(薬や毒を使うものを含む) (9:21)
   *24  § これが大バビロンがさばかれる主な理由となる (= マタ23:35)、  (直訳) ほふられた



  第19章


 1 この後、私は天に大群衆が大声で唱えるような声を聞いた。「ハレルヤ。救いと、栄光と、力とは、われらの神のもの。
 2 そのさばきは、まことで正しいからである。神は、不品行によって地を腐らせた大淫婦をさばき、ご自分のしもべたちの血の報復を、彼女にされたからである。」
 3 彼らは再び言った。「ハレルヤ。彼女の煙は、永遠に立ち上る。」

 4 すると、二十四人の長老と四つの生き物とがひれ伏し、御座に着いておられる神を礼拝して、「アーメン。ハレルヤ。」と言った。
 5 その時、御座から声が出て言った。「すべての神のしもべたちよ。小さい者も、大きい者も、神を畏れかしこむ者たちよ。われらの神を賛美せよ。」

 6 私はまた、大群衆の声、多くの水の音、また激しい雷鳴のようなものを聞いた。それはこう言った。「ハレルヤ。全能者なる、われらの神である主は、王となられた。
 7 私たちは喜び楽しみ、神をほめたたえよう。小羊の婚姻の時が来て、花嫁はその用意ができたのだから。
 8 彼女は、きよい、光り輝く、麻布の衣を着ることが授けられた。この麻布の衣は、聖徒たちの義の事である。」

 9 それから、御使いが私に言った。「書き記しなさい。小羊の婚宴に招かれた者は、幸いです。」 また私に言った。「これらは、神の真理の言葉です。」
10 そこで、私は彼の足もとにひれ伏して、彼を拝もうとした。すると、彼は言った。「やめなさい。私は、あなたと同じように、またイエスのあかしを持っているあなたの兄弟たちと同じように、しもべ仲間です。ただ神だけを拝しなさい。 それは、イエスのあかしは、すなわち預言の霊だからです。**

11 また私は、天が開かれているのを見た。見よ。そこに白い馬がいた。それに乗っている方は、「信頼すべきまことなる。」と呼ばれる方であり、絶えず義によってさばきをなし、また、戦いをされる。
12 その目は燃える炎であり、その頭には多くの王冠があった。その王冠には、彼以外には誰も知らない名が記されていた**
13 彼は血に染まった衣を着て、その名は「神のことば」と呼ばれた。
14 そして、天の軍勢が、純白できよい麻布の衣を着て、白い馬に乗り、彼につき従った。
15 その方の口からは、諸国民を打つために、鋭い剣が出ていた。彼は、鉄の杖をもって諸国民を牧される。また、全能者である神の憤り御怒りの酒ぶねを踏まれる。
16 その着物にも、そのももにも、「王の王、主の主。」という名が記されていた。

17 また見ていると一人の御使いが太陽の中に立っていた。 彼は、中空を飛んでいるすべての鳥に向かって大声で叫んだ。 「さあ、神の大宴会に集まって来い。
18 そして、王たちの肉、将軍たちの肉、勇者たちの肉、馬たちの肉、馬に乗っている者たちの肉、また、すべての自由人と奴隷との肉、小さい者と大きい者の肉を食べよ。」


19 さらに私が見ていると、獣と、地の王たちと、彼らの軍勢とが集まり、馬に乗っている方とその軍勢とに対して、戦いをいどんだ。
20 しかし、獣は捕えられ、また、この獣の前でしるしを行なって、獣の刻印を受けた者とその像を拝む者とを惑わしたにせ預言者も、獣と共に捕えられた。そして、この二人は、生きたまま硫黄の燃えている火の池に投げ込まれた。
21 それ以外の者たちは、馬に乗っておられる方の口から出る剣で殺され、その肉を、すべての鳥が飽きるまで食べた。


   *1  ハレルヤ(ヘ) (ヤハ)を賛美せよ の意 (詩篇104:35、105:45、等多数)  (※ 新約聖書ではこの章のみ)
   *4  § 24人の長老: おそらく旧約、新約(小羊の12使徒)の被造物(人)の代表者 (4:4、7:14、マタ19:28)、  4つの生き物: この天地創造以前の被造物(御使い)の代表者 (4:6)
   *5  ホイ フォボーメノイ(現在、複・男) アウトン(ギ) the ones-fearing Him、神を畏れる者たち (11:18) = すべてのキリスト者のこと
   *6  ホ パントクラトール(ギ) the allmighty、全能者、万物の支配者
   *8  ディカイオーマタ(ギ、複・中) <ディカイオーマ 義の事がら、 義の行ない(ロマ5:18)、正しいさばき(15:4)
   *9  マカリオス(ギ) 祝福されている、幸いです (黙示録に7回出てくる)、  アレシノス true、本物の、真理の
   *10  § **御使いもまた、自分は神ではなく、人と同様に、預言の霊(神の霊)を受けてあかしをする仲間である の意  (人の尺度は、御使いの尺度と同じ 21:17)
   *11  ピストス(ギ) trusty、faithful; believing、信頼すべき、忠実な、約束を守る、語ったことを成し遂げる; 信じやすい、 cf.ピスティス faithfulness、(人が)誠実(ガラ5:22)、約束を守ること、  アレシノース true、(偽物ではない)本物の、本当の、まことの、真理の、(情報が)正確な (真実な△)、   現在形より、 絶えず は補足
   *12  1:14、2:18  主の目にはすべてが明らか、  ディアデーマ(ギ) diadem、ダイアデム(装飾されたヘッドバンド、王冠に匹敵する王のしるし、特にペルシャ、エジプトの王)、王冠、王権 (cf.ステファノス 花輪、勝者の冠)、   § (一世紀の魔術では、その人の名前を知れば支配下におけると信じられていたので、) 誰にも支配されることがない方 の意 (=2:17)
   *13  § 敵の返り血で染まっている の意 (:15、イザ63:1−)、  ホ ロゴス トゥー セウー(ギ) the Word of the God、神のことば § もちろんキリストは「神のことば」 (ヨハ1:1、Tヨハ1:1)であるが、特に、神を完全に掲示する唯一の方 の意 (ヘブ1:1、2、ルカ5:1、8:11、11:28等)
   *14  § 御使いたちは、武器も持たず衣も白いので、戦うまでもなく、キリストが戦われるだけで十分勝利した の意
   *15  羊を牧するための軽い杖ではなく、敵に対する棍棒のこと (2:27、12:5、詩23:4)
   *17  太陽の中: 中天(天頂)にいる者たちに呼びかけるのに都合の良い場所、  鳥: 空中の悪霊ども
   *19  ここで、16:16の続き、すなわち「ハルマゲドンの戦い」 戻る
   *20  § 審判もなしに、即、ゲヘナのさばきとなる (※ にせ預言者(13:11−)へのさばきの厳しさに注意。 聖徒らへの大迫害の首謀者のため)

   *21  § キリストの口から出る言葉はただちにさばきを創造・実現し、人々のたましいへのさばきは、無制限に悪霊どもに憑依・拷問される凄惨なものとなる



  第20章


 1 また私は、一人の御使いが、アビスのかぎと大きな鎖とを手に持って、天から降りて来るのを見た。
 2 彼は、悪魔でありサタンである竜、すなわち、あの年を経た蛇を捕え、千年の間、縛って、
 3 アビスに投げ込み、入口を閉じてその上に封印し、千年が終わるまで、諸国の民を惑わすことがないようにした。その後、短い間、解放されなければならない。

 4 また私は、多くの座があり、その上に人々が座っているのを見た。彼らにはさばきの権限が与えられていた。 また、イエスをあかしし、神のみことばを宣べ伝えたために、首を切られた人々のたましいと、また、獣もその像も拝まず、その刻印を額や手に受けなかった人々とを見た。 彼らは生き返って、キリストと共に千年の間、王となった
 5 それ以外の死者は、千年の期間が終わるまで生き返らなかった。 これが第一の復活である。
 6 この第一の復活にあずかる者は、幸いな者、また聖なる者である。この人々に対しては、第二の死は何の権威持っていない。彼らは神とキリストとの祭司となり、キリストと共に千年の間、王となる。

 7 しかし、千年の期間が終わると、サタンはその獄から解き放たれ、
 8 出て行って、地の四方にいる諸国民、すなわちゴグ、マゴグを惑わし、彼らを戦いのために召集する。その数は、海の砂のようであった。
 9 彼らは地上の広がった所に上ってきて、聖徒たちの宿営と、愛された都とを、包囲した。すると、天から火が降ってきて、彼らを焼き尽した。

10 そして、彼らを惑わした悪魔は、火と硫黄の池に投げ込まれた。そこは、獣も、にせ預言者もいる所で、彼らは永遠に、昼も夜も、苦しめられる

11 また私は、大きな白く光り輝く御座と、そこに座っておられる方を見た。地も天も、御顔の前から逃げ去って、あとかたもなくなった。
12 また、死者たちが、大きい者も小さい者も、御座の前に立っているのを見た。幾つかの書物が開かれたが、もう一つの書物が開かれた。これはいのちの書であった。死者たちはその行ないに応じて、この書物に書かれていることに従って、さばかれた。
13 海はその中にいる死者たちを出し、死もハデスもその中にいる死者たちを出し、そして、おのおのその行ないに応じて、さばきを受けた。

14 それから、死もハデスも火の池に投げ込まれた。この火の池が第二の死である。
15 このいのちの書に名が記されていない者は皆、火の池に投げ込まれた。


   *1、3  アビューソス(ギ) アビス、底知れぬところ: 堕落天使が暫定で閉じ込められる所 (9:1、11:7、17:8、20:3、ルカ8:31)
   *2  12:9  ディアボロス(ギ) 中傷する者 の意、  サタナス(ギ) サタン(ヘ) (神への)敵対者 の意
   *4  § 千年王国: 「一日は千年のようであり、」(Uペテ3:8、詩90:4)、創世記の第7日目にはすべてのわざを終えて休まれた、より、(全7000年の第4周期として、)確かにキリストが治められる「千年王国」(約6000年目〜約7000年目)の期間が存在する (cf. イザ65:17−は「新天新地」)、  バシリューオー(ギ) be king、reign、王になる、統治する (使徒たち マタ19:28、聖徒たち Tコリ6:2)
   *7  § サタンは千年間閉じ込められても、全く悔い改めない者であることが証明された。そして、ただちに肉の人々を惑わしに出て行った
   *8  § ゴグ、マゴグ: エゼ38、39章のマゴグの地のゴグとは別の、地の四方にいる原罪を持ち、寿命のある肉的人々(救いの時はすでに終わっている)。終末のさばきを地の四方で生き残った彼らは、この時までに非常に増えていた

   *9  プラトス(ギ) breadth、幅(21:16)、広がり(エペ3:18)、  パレムボレー (出エジの)宿営、(軍隊の)陣営
   *10  リムネ(ギ) lake、湖(ルカ8:22)、人工池、  バサニスセーソンタイ(未来、受動、3・複) <バサニゾー 苦しめられる (11:10、12:2、マタ8:29、14:24、ルカ8:28等)
   *11  § キリストがさばきの座に着き、さばきをなされる (生と死のさばき・御子がさばく マタ25:31−33、ヨハ5:22、使17:31、Uテモ4:1、  cf.信者へのさばき Uコリ5:10)
   *12  § 死者たちのさばかれる時:  幾つかの は書物が複数のため追加、  ビブリーオン(ギ) 書物、巻き物、  救われなかった死者たちは、いのちの書に名前が無く、さばきは生前の行ないによる (救われた人々は、基本的にさばかれない。イエスご自身が完全な弁護人であるから)
   *13  ハデス(ギ) よみ(シェオル(ヘ))の中の、死者が一時的に滞留するところで、堕落天使から拷問を受ける (6:8、Tコリ15:55、マタ11:23)
   *15  § 最後に最も恐ろしいさばきが書かれている。 救われなかった人々はすべて、究極的にはゲヘナに投げ込まれることになる




  第21章


 1 また私は、新しい天と新しい地とを見た。先の天と地とは消え去り、もはや海もない。
 2 また私は、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために着飾った花嫁のように整えられて、神のみもとを出て、天から下って来るのを見た。
 3 そのとき私は、天から大きな声が出て、こう言うのを聞いた。 「見よ。神の幕屋が人と共にある。 神は彼らと共に住まわれ、人は神の民となり、神ご自身が彼らと共におられ、彼らの神となられる
 4 また神は、彼らの目からすべての涙をぬぐい取って下さる。もはや、死もなく、悲しみも、叫びも、苦痛もない。なぜなら、先のものが、すでに過ぎ去ったからである。」
 5 すると、御座におられる方が言われた。 「見よ。わたしはすべてのものを新しくする。」 また言われた。「書き記せ。これらの言葉は、真理であり、信じるべきものである。」
 6 そして、私に言われた。 「事はすでに成った。わたしは、アルファでありオメガである。初めであり、終わりである。 渇いている者には、いのちの水の泉から価なしに飲ませよう
 7 勝利を得る者は、これらのすべてを相続する。 わたしはその者の神となり、その者はわたしの子となる。
 8 しかし、おくびょう者、不信仰な者、忌むべき者、人を殺す者、不品行の者、魔術を行なう者、偶像を拝む者、すべての 偽りを言う者たちには、火と硫黄の燃える池の中に、彼らの受ける報酬がある。これが第二の死である。」


 9 最後の七つの災害が満ちている七つの鉢を持っていた七人の御使いの一人が来て、私語って、こう言った。「ここに来なさい。小羊の妻である花嫁を見せましょう。」
10 この御使いは、私を、御霊のうちに大きな高い山に連れて行き、聖なるエルサレムの大きな都が、神のみもとを出て、天から下って来るのを見せてくれた。
11 都には神の栄光があった。 その都の輝きは、最も高価な宝石のようであり、水晶のように透明な碧玉のようであった。
12 それには大きな、高い城壁があって、十二の門があり、それらの門には、十二人の御使いがいて、イスラエルの子らの十二部族の名が書いてあった。
13 東に三つの門、北に三つの門、南に三つの門、西に三つの門があった。
14 また都の城壁には十二の土台があり、それらには小羊の十二使徒の十二の名が書いてあった。

15 私に語っていた者は、都と、その門と、城壁とを測るための金の測りざおを持っていた。
16 都は四角であって、その長さと、幅とは同じである。彼がその測りざおで都を測ると、一万二千スタディオンであった。長さと、幅と、高さとは、いずれも同じである。
17 また城壁を測ると、百四十四ペーキュスであった。 これは人間の尺度によるものであり、同時に、御使いの尺度でもある
18 城壁は碧玉で造られ、都は澄み切ったガラスのような純金で造られていた。

19 都の城壁の土台は、あらゆる宝石で飾られていた。 第一の土台は碧玉、 第二は瑠璃(るり)*、 第三はめのう、 第四は緑玉
20 第五は赤縞めのう、 第六は赤めのう、 第七はかんらん石、 第八は緑柱石、 第九は黄玉、 第十は緑玉髄、 第十一はヒヤシンス石、 第十二は紫水晶であった。
21 十二の門は十二の真珠であり、門はそれぞれ一つの真珠で造られ、都の大通りは、透明なガラスのような純金であった。

22 私は、この都の中には聖所を見なかった。全能者なる、神である主と、小羊とが、都の聖所だからである。
23 また、都は、太陽や月がそれを照らす必要がない。神の栄光が都を照らし、小羊が都のともしびだからである。
24 救われた諸国の民は都の光の中を歩き、地の王たちは、自分たちの光栄と誉れをそこに携えて来る。
25 都の門は、一日中決して閉ざされることはない。そこには夜がないからである。
26 彼らは、諸国の民の光栄と誉れを、そこに携えて来る。
27 しかし、汚れた者や、忌むべきことと、偽りとを行う者は、その中に決して入れない。入れる者は、小羊のいのちの書に名を記されている者だけである。


   *1  新天新地: イザ65:17、66:22、Uペテ3:13、  新しい: カイノス (質的に)新しい、新鮮な の意(Uコリ5:17等)、黙示録の「新しい」はすべてカイノス、「新しい歌」、「新しい名」、「新しいエルサレム」、「新しい天と地」) cf.ネオス (時間的に)新しい、最近の、   エティ still、more、もはや〜ない (もはや、ない もの7つ: 海、 :4 死、悲しみ、叫び、苦痛、 22:3 のろい、 22:5 夜)
   *3  ヘー スケーネー(ギ) the tabanacle、幕屋 § 荒野の暫定の幕屋ではなく、主が臨在されるところ の意、主の民になる永遠の契約を伴う (エゼ37:27、レビ26:11、12)、  アンスローポーン(属格、複数) humans、human being、人々、人類
   *5  アレーシノス(ギ) まことなる、本物の、真理の、  ピストス 忠実な、信頼すべき
   *6  ゲゴネン(ギ、完了2、3・単) <ギノマイ it has become、事は成った、  アルファベットの最初と最後より、全存在を表す表記法 = 1:8、  アルケー(ギ) 初め、根源、 テロス end、終わり § 万物の根源であり、 終わりの完成である の意、   いのちの水: イザ55:1、ヨハ4:10、14、黙7:17、22:17
   *8  ディーロス(ギ) timid、fearful、迫害を恐れて信仰を告白しない者たち (→すべて複数)、  ブデリューソマイ abominable、忌むべき、憎むべき =偶像崇拝(特に、反キリストの像、666など)とそれにかかわる罪、  ファルマコス(名詞) 魔術師、 ファルマケイア(ギ) 魔術(薬や毒を使うものを含む) (9:21、18:23)
   *11  イアスピス(ギ) jasper、碧玉、ジャスパー (紫から緑までいろいろな色がある微細石英の宝石、 一般に、不純物をかなり含む) (4:3)
   *12、13  12の門、12部族の名: エゼ48:31−35、  12人の御使い: ≒ イザ62:6
   *14  セメリウース(ギ、名詞、複数) <セメーリオス laid down as a foundation、土台(基礎)として敷設すること、 § 12重の土台ではなく、各門の近くの城壁の土台がそれぞれ一種類の土台
   *15  (直訳) 金の葦 (葦=測り竿、 11:1)
   *16  1スタディオン = 185メートル (12000スタディオン=2220km)、  ヒュプソス(ギ) height、高さ (エペ3:18等)、  § すなわち、一辺が2220キロメートルの巨大な立方体!
   *17  1ペーキュス(≒キュビト) = 約45センチメートル (144ペーキュス = 約65m)  § これが城壁の高さととる(高い城壁 :12より)、 御使いは人と全く異なる時期に創造されたが、人間と同じ尺度を使っていた
   *18  カサロース(ギ) (どちらも) clearpure、clean、透明な、純粋な、きよい
   *19、20  § 大祭司の胸当てに付けられていた宝石に近い(出エジ28:15−21 ・・・ 1列:赤めのう、トパーズ(黄玉)、エメラルド(緑玉)、2列:トルコ玉、サファイア?、ダイヤモンド?、3列:ヒヤシンス石(赤ジルコン)、めのう、紫水晶、4列:緑柱石、しまめのう、碧玉)、    § 2: サプフェイロス(ギ) 瑠璃(ラピスラズリ・青色の鉱物) (今のサファイアではない)、 4: 緑玉、エメラルド(強い緑色の緑柱石)、 5: サードニックス、赤縞めのう、 6: サージウス、紅玉髄、赤めのう、 7: 橄欖(かんらん)石、ペリドット(黄緑色、ローマ時代から夜会のエメラルドと呼ばれた)、 8: ベリル、緑柱石、 9: 黄玉、トパーズ、 10: 緑玉髄(クリソプレーズ)、 11: ヒヤシンス石(赤ジルコン)、 12: アメシスト、紫水晶  ・・・ これらが、イスラエル12部族と小羊の12使徒の名前に対応する (12使徒の最終的順は 使徒1:13)  (※ それぞれの宝石は、ありふれた砂のような石英やケイ酸塩などを(緑柱石などは一部ベリリウムなどの特殊な元素を含む)、非常な高温・高圧で長時間置くとできる。 わずかな不純物でその宝石特有の色が付く)
   *21  § 巨大な真珠を一つの門にしている、  ディアファネス(ギ) 
transparent、透明な (ガラス) (:18と違った言葉)
   *22  ナオス(ギ) 聖所 (神と人とが合う場所); (エルサレム、異教の)神殿
   *27  忌むべき(憎むべき)こと: 反キリストの像を拝んだり、666の印を受けること



  第22章


 1 彼はまた、水晶のように輝いているいのちの水のきよい川を私に見せてくれた。この川は、神と小羊との御座から出て、
 2 都の大通りの中央を流れている。川の両側にはいのちの木があって、十二種の実を結び、毎月実ができ、また、その葉は諸国民をいやした
 3 神によってのろわれる物事は、もはや何一つない。神と小羊との御座は都の中にあり、そのしもべたちは神に仕え、
 4 神の御顔を仰ぎ見る。 彼らの額には、御名が記されている
 5 夜は、もはやない。彼らがともしびを持つことも、太陽の光も、必要ない。それは、神である主が彼らを照らすからである。 彼らは永遠に王である。

 6 彼はまた、私に言った。「これらの言葉は信頼すべきものであり、本当のことです。聖なる預言者たちの神である主は、何がすみやかに起こらなければならないかを神のしもべたちに示すために、この神の御使いを遣わされたのです。」
 7 「見よ。わたしは、すぐにでも来ようとしている。この書の預言の言葉を守る者は、幸いである。」


 8 これらのことを見聞きした者は、このヨハネである。私が見聞きした時、それらのことを示してくれた御使いの足もとにひれ伏して拝もうとすると、
 9 彼は、「やめなさい。私は、あなたや、あなたの兄弟である預言者たちや、この書の言葉を守る人々と、同じしもべ仲間です。神を拝みなさい。」と言った。
10 また私に言った。「この書の預言の言葉を封じてはいけません。時が近づいているからです。
11 不義な者はさらに不正を行ない、汚れた者はさらに汚れを行ない、また、義なるはさらに正しいことをを行ない、聖徒はさらに聖なる者とされなさい。」

12 「見よ。わたしは、すぐにでも来ようとしている。それぞれの行ないに応じて報いるために、わたしの与える報酬と共に来る。
13 わたしはアルファであり、オメガである。初めであり、終わりである。 また、最初であり、最後である
14 自分の着物を洗って、いのちの木にあずかる特権を与えられ、また門を通って都に入れるようになる者たちは、幸いである。
15 犬ども、魔術を行なう者、不品行な者、人を殺す者、偶像を拝む者、また、偽りを好み、行う者はすべて、外に出される。
16 わたしイエスは、使者を遣わして、諸教会のために、これらのことをあなたがたにあかしした。わたしは、ダビデの根、また子孫であり、輝く明けの明星である。」
17 御霊も花嫁も言っている。「来てください。」 聞いている者は、「来てください。」と言いなさい。 渇いている者はここに来なさい。いのちの水がほしい者は、価なしに自由にそれを受けなさい。

18 この書の預言の言葉を聞くすべての人々に対して、私はあかしする。もしこれに書き加える者があれば、神はその人に、この書に書かれている災害を加えられる
19 また、もしこの預言の書の言葉から一部でも取り除く者があれば、神は、いのちの書から、聖なる都から、この書に書かれてある事がらから、その人の部分を取り去られる

20 これらのことをあかしする方がこう言われる。「その通り。わたしはすぐにでも来ようとしている。」 アーメン。そうです。主イエスよ。来てください

21 主イエス・キリスト大いなる恵みが、あなたがたすべてと共にありますように。 アーメン



   *1  21:9の7人の御使いの一人、  「いのちの水」は、7:17、21:6、22:17の「泉」ではなく、エデンの園の川(創2:10)、神殿の幻(エゼ47:1−12)のような「川」となっている (また、ヨハ7:8、39、ゼカ14:8 川の水 = 聖霊の流れ。 エデンの園の本格的な回復) ただし、川は、都だけを潤す
   *2  (直訳) 12の実、 「御霊の実」(ガラ5:22、23)には多くの種類がある、  いつでも実がなっている の意、   セラペイア(ギ、名詞) medical service(healing)、household service、§ 新天新地に病気があるのではなく、生き生きとした活力を与えること (※ 肉の体においてドーパミンが元気のもとであるように)
   *3  神によって は補足、 すべてがみこころにかなうため
   *4  § 直接、御顔を仰ぎ見る(Tコリ13:2、Tヨハ3:2): cf. モーセの時代は御顔を見ると死んだ(出33:20−23)、  ≒ 額に金の札(「主への聖なるもの」 出28:36−38)

   *6  (預言者たちのたましいの ×)、  御使い(単数) 自身のことを言っている、  エン タケイ(ギ、与格、単・中) <タコス(速度) すぐに、速やかに
   *7  エルコマイ(現在、1・単) I am coming、来つつある
   *8  § あまりの啓示のすばらしさに、ヨハネは、相手が御使いであることを忘れ、ユダヤ人の伝統である”御使い礼拝”をうっかりしそうになった
   *9  シュンドゥーロス(ギ) しもべ仲間
   *11  § 悔い改めができなくなる時が近づいている、恵みの時が終わろうとしている の意 (cf.「今は恵みの時、救いの日」 Uコリ6:2)、  ディカイオス(ギ) righteous (observing divine laws、innocent、義なる(者)、無罪の、  ハギオス most holy thing、saint、聖徒
   *13  「アルファであり、オメガである。初めであり、終わりである」 1:8 (今おり、昔からあり、後に来る者。 万物の根源であり、終わりの完成である者 の意)、   「最初であり、最後である」 1:17、2:8 (死んだが、また生き返った者 の意)
   *14  § 殉教者(7:14)はもちろんのこと、すべての信徒も御子の血で洗われる(Tヨハ1:7)
   *15  ≒ 21:8、  犬: 悪人、異端者・悪い働き人、(ユダヤ人が異邦人に対して)(申23:18、詩22:16、20、ピリ3:2、マタ7:6)、  ホ フィローン カイ ポイオーン(ギ、現在、単・男) the one being fond of and doing falsehood、好んで(故意に)偽りを行なう者
   *16  アンゲロス(ギ) (ここでは)使者 ととる、(2:1等、ルカ7:24、9:52)、   リーザ root、根(単数)、  ゲノス offspring、子孫(単数)、  2:28、Uペテ1:19 § 最も暗いときに、神の日が来て、義の太陽(マラ4:2)が上ることを鮮やかに予告する
   *17  「来てください」: 7節、12節の「すぐにでも来ようとしている」 に対する、聖霊と教会(花嫁)の応答、  ホ アクーオン(ギ) the one-hearing、聞いている者 ≒ (主の語りかけに聞く)耳を持つ者 2:7等
   *18  エピティセミ(ギ) put on、add、置く、担ぐ(マタ23:4、ルカ15:5)、加える、(制裁等を)加える(使16:23)
   *19  アフェーレオー(ギ) take away、remove、cut off、取り除く(ルカ1:25)、奪い去る(ルカ10:42)、切り取る、  :18、:19より、どちらにしても救いを失うことになる (※ バチカン写本には黙示録そのものが無い)
   *20  ナイ(ギ) yes、yea、はい、確かに、(しかり)、  § 主よ来てください の表現は、Tコリ16:22の マラナ・タ(アラム語) と同じで、本書は一貫して主の再臨を望む流れとなっている







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