テサロニケ人への手紙・第一



  第1章


 1 パウロと、シルワノと、テモテから、父なる神と主イエス・キリストとにあるテサロニケ人たちの教会へ。大いなる恵みと平安とが、私たちの父なる神と、主イエス・キリストから、あなたがたにありますように。
 2 私たちは祈りの時にあなたがたを覚え、あなたがたすべてのことを、いつも神に感謝し、
 3 あなたがたの信仰の働きと、愛の労苦と、私たちの主イエス・キリストにある望みに留まっていることとを、私たちの父なる神の御前に、休むことなくいつも思い起しています。

 4 神に愛されている兄弟たち。私たちは、あなたがたが神に選ばれていることを知っています。
 5 なぜなら、私たちの福音があなたがたに伝えられたとき、それは言葉だけによらず、力と、聖霊と、強い確信において現われたからです。あなたがたのために、あなたがたの間で、私たちによってどのように現われたかは、あなたがたが知っている通りです。
 6 そしてあなたがたは、多くの苦難の中で、聖霊による喜びと共にみことばを受け入れ、私たちと主とを模倣する者たちとなり、
 7 こうして、マケドニヤとアカヤとにいる信者全体の模倣例になりました。

 8 すなわち、主の言葉はあなたがたから出て、ただマケドニヤとアカヤとに鳴り響いているだけではなく、神に対するあなたがたの信仰があらゆる所に伝わっているので、私たちは何も言う必要がないほどです。
 9 私たちが、どのようにあなたがたの所に入って行ったか、また、あなたがたが、どのように偶像から神に立ち返り、生ける真実な神の奴隷となったか、
10 また、神が死者たちの中からよみがえらせた神の御子、すなわち、来たるべき御怒りから私たちを救い出して下さるイエスが天から下って来られる、その一事を待つようになったか、それらのことを、他の人々が言い広めているのです。


   *  テサロニケは、ローマ帝国のマケドニア州の首都で、商業や貿易が盛んであり、人口も最大で、各種民族や多くの宗教が混在し、ギリシャ古来の神秘主義に加え、皇帝礼拝も、ユダヤ人の会堂もあった。 使徒の働き17:2−より、ピりピから出たパウロたち一行は、テサロニケの会堂を中心に3週間にわたって宣教し、ユダヤ人から皇帝礼拝に反逆する分子として追放され、ペレヤに向かった。(使徒17:4−10) しかし、ルカの記述は限定的なものだったと考えられ、実際は、その後もテサロニケのあらゆる場所で異邦人伝道を続けたようである。 テサロニケ教会はパウロたちを忠実に模倣し、マケドニヤ、アカヤ全体の模範的な教会になっていた。(1:7)
     § テサロニケ人への手紙・第一は、パウロの手紙の中でも最初期に書かれ、パウロの著作であることもよく知られている。 使徒18:12−のガリオ総督は、デルフィの碑文よりAD52−53年(あるいは51−52年)の任期中であり、使徒18:1−の1年半のパウロの1回目のコリント滞在の最後の期間がガリオの任期の初期であることから、執筆年代はAD51年(または50年)であり、コリントで書かれたことになる。 また、テサロニケ人への手紙・第二は、その数か月後に書かれたといわれる。

     § 手紙の内容は、パウロがピリピで迫害を受け、困難さと、自分で働いて生活を支えながらの宣教の中で、「力と聖霊と強い確信」(1:5)によって、テサロニケ教会が神に選ばれている(1:4)ことが分かり、マケドニヤ(ピリピ)とアカヤ(コリント)の型になったことを言っている。(1:7) 後半の4章では、この手紙の特徴である、世の終わりの時の主の再臨の様子について、特によみがえりと栄化の順番について述べられている。 さらに、第二の手紙では、教会の中に、主の日がすでに来ていると言い出す者があったので、この回答として、終末に現れる「反キリスト」について言及されている。
   *1  シルワノ(正式な名前): シラス(愛称、預言者)のこと (使徒17:4、10)、  カリス(ギ) 御子イエスにあっての父なる神からの(大いなる)恵み、救いと子たる身分の恵み、  エイレーネー(ギ) 神との平和に基づく、すべての平安
   *3  ヒュポメネー 
steadfast waiting for<ヒュポメノー(ギ) 留まる(ルカ2:43)、(信仰の立場に)踏みとどまる(Tコリ13:7、使徒17:14、ローマ12:12、マタイ10:22、24:13、マルコ13:13)
   *4、5  力、聖霊、強い確信の3つとも エン(in)が前に付いている、   § 福音宣教に伴って、聖霊が主体となって力の働きが現れること  → 神に選ばれている教会のあかし
   *6  ミメテース(ギ) imitator、模倣者、生き写しの (エペ5:1)
   *7  マケドニヤ: コリント、ケンクレヤなど、  アカヤ: ピリピなど、  テューポス(ギ) figure、image; example to be imitated、(貨幣のように型によって打ち出して作る)像、型打ち像、形; 模倣例 ・・・ パウロたちが型である、模範的な教会
   *9  デゥーリューオー(ギ) be a slave、serve、obey to yield obedience、奴隷である、仕える、隷従する
   *10  アナメノー(ギ) wait for one、一つのことを待つ (新約でここだけの言葉)   § 特にテサロニケ教会が終末における「主の再臨」という、ただ一つの事を待ち望む教会であること(2回の再臨はない) → 4:13−17、Uテサ2:1−15



  第2章


 1 兄弟たち。あなたがたが自身がよく知っている通り、私たちがあなたがたの所に入って行ったことは、意味の無いことではなかったからです。
 2 それどころか、あなたがたが知っているように、私たちは、先にピリピで苦しめられ、はずかしめられたにもかかわらず、私たちの神によって、激しい苦闘のうちに神の福音を大胆にあなたがたに語りました。
 3 それは、私たちの教えの方法が、惑わしや不純な動機から出たものでも、詐欺によるものでもないからです。
 4 私たちは、神の承認を受けた上で福音をゆだねられたので、人間に喜ばれるためではなく、私たちの心を試される方である神に喜ばれるように、福音を語るのです。
 5 ご存知の通り、私たちは今までへつらいの言葉を用いたこともなく、どん欲の口実を設けたこともなかったからです。そのことは、神があかしして下さいます。

 6 また、私たちは、あなたがたからも他の人々からもキリストの使徒として重んじられることができたのですが、人間からの栄誉を求めることはしませんでした。
 7 むしろ、あなたがたのただ中で、ちょうど育児婦がその子供たちをかわいがるように、優しく振る舞いました。
 8 このように、あなたがたを慕う心から、神の福音だけではなく、自分のいのちまでもあなたがたに分け与えたいと願ったほどに、あなたがたを愛したのです。なぜなら、あなたがたが私たちの愛する者となったからです。
 9 兄弟たち。あなたがたは私たちの労苦と苦闘とを覚えているでしょう。私たちはあなたがたの誰にも負担をかけまいと、夜も昼も働きながら、あなたがたに神の福音を宣べ伝えました。
10 あなたがたもあかしし、神もあかしして下さることですが、私たちは信者であるあなたがたの前で、信仰深く、正しく、責められるところがないように振舞いました。

11 そして、あなたがたも知っている通り、父がその子に対してするように、あなたがたの一人一人に対して、心から励まし、慰めを与え、
12 また、厳かにあかしをしたのです。それは、あなたがたが、神ご自身の御国とその栄光とに召して下さった、神のみこころにふさわしく歩むようにです。
13 このことを通して、また私たちも、絶えず神に感謝しています。それは、あなたがたが私たちから聞いた神のみことばを受けた時に、それを人間の言葉としてではなく、本当にその通りですが、神のみことばとして受け入れたからです。そして、この神のみことばは、信じるあなたがたのうちに働いているのです。

14 兄弟たち。あなたがたは、ユダヤの、キリスト・イエスにある神の諸教会にならう者となりました。彼らがユダヤ人たちから苦しめられたのと同じように、あなたがたもまた同国人から苦しめられたのです。
15 ユダヤ人たちは、主でおられるイエスと、自分たちの預言者たちとを殺し、私たちをも追放しました。 彼らは神に喜ばれず、すべての人に敵対し、
16 私たちが異邦人に救いのみことばを語ることを妨害し、こうして、いつも自分たちの罪を満たしてきました。そこで、御怒りは彼らに臨んで限界まで達したのです。


17 兄弟たちよ。私たちは、少しの間、あなたがたから引き離されていたので、と言っても、顔を見ないだけで、心においてではありませんが、なおの事、あなたがたの顔を見たいと切に願っていました。
18 それで私たちは、あなたがたの所に行こうとしました。特に私、パウロは、一度ならず二度までも行こうとしました。しかし、私たちはサタンに妨げられました。
19 私たちの主イエス・キリスト再臨の時に、主の御前で、私たちの希望と、喜びと、誇りとの冠となる人たちは、あなたがたを除いて誰がいるでしょうか。
20 あなたがたこそ、私たちの誉れであり、喜びだからです。


   *1  ケノス(ギ) empty、vain、devoid of truth、空虚、手に何も持っていない; 目的の無い、中身のない、むだな (Tコリ15:10、Uコリ6:1)  § パウロはテサロニケを突然去ったことで多くの誤解を受けていた
   *2  ヒュブリゾー(ギ) はずかしめ: ローマ市民権を持つパウロが侮辱されたこと、  使徒16:19−40
   *3  パラクレーシス(ギ) 慰め、教育、説諭、勧め (方法)  ⇔ :2 の ユーアンゲリオン 福音 (中味)
   *4  デドキマスメサ(ギ、完了、受、1・複) <ドキマゾー(ギ) test、examine、recognise as genuine after examination、approve、(金・銀を)ためす、試験する、(試験の後に)認める、  ドキマゾンティ(現在、単・男)
   *6  バロス(ギ) heaviness、weight、burden、trouble、重さ、重荷、問題
   *7  トゥロフォース(ギ) nurse、(授乳しない)保母、育児婦   § 11節以降と合わせて、父の厳しさ、母のやさしさを使い分け、教会を建て上げる
   *10  ホシーオス(ギ、副詞) piously、holily、信心深く、敬虔に(神聖に) ・・・ 神に対して、 (ディカイオース、正しく ・・・ 人に対して)
   *15  エクディオコー(ギ) 追放(駆逐)する、迫害する (ルカ11:49)、   § クラウデオ帝がローマからユダヤ人を追い出したように、異邦人社会にあって反ユダヤ感情が多かれ少なかれあったことにもよる
   *16  § AD70年にエルサレムが陥落し、生き残ったユダヤ人たちも世界中に散らされたことにより、さばきが成就した
   *17  (直訳) 一時間の間
   *19  パルーシーア(ギ) presence、the coming、(主の)再臨、来臨



  第3章


 1 こういうわけで、私たちはこれ以上耐えられなくなって、私たちだけがアテネに留まることが良いと考え、
 2 私たちの兄弟で、キリストの福音における神のしもべテモテを遣わしました。それは、あなたがたの信仰について、あなたがたを堅くし、励まし、
 3 このような患難の中にあって、動揺する者が一人もいないようにするためでした。あなたがたの知っている通り、私たちは苦難に会うように定められているのです。
 4 そして、あなたがたの所にいたとき、私たちが苦難に遭うべきにして遭うこと、あらかじめ何度も言っておきましたが、それが今起こったことはあなたがたが知っている通りです。
 5 そこで、私はこれ以上耐えられなくなり、また、試みる者があなたがたを試み、そのために私たちの労苦が虚しいものになりはしないかと思って、あなたがたの信仰を知るために、彼を遣わしました。

 6 ところが今、テモテがあなたがたの所から私たちのもとに帰って来て、あなたがたの信仰と愛とについて良い知らせを伝えてくれました。それは、あなたがたがいつも私たちのことを良く思っていてくれて、私たちがあなたがたに対してそうであるように、私たちと会うことを熱心に願っているとのことでした。
 7 兄弟たち。それによって、私たちはあらゆる苦難と欠乏との中にありながら、あなたがたの信仰を通して慰められたのです。
 8 なぜなら、あなたがたが主にあって堅く立っているので、私たちは今いのちに満ちているからです。
 9 私たちは私たちの神の御前で、あなたがたのことを喜んでいます。私たちはこのすべての喜びのために、どのような感謝を捧げて、神に応(こた)えることができるでしょう。
10 私たちは、あなたがたの顔を見るように、またあなたがたの信仰の不足分を完全に満たすように、夜も昼も熱烈に祈っています。

11 どうか、私たちの父なる神ご自身と、私たちの主イエス・キリストとが、あなたがたのところへ行く道を、私たちに開いて下さいますように。
12 また、私たちがあなたがたを愛するのと同じように、あなたがたの相互の愛と、すべての人々に対する愛とを、増し加えて、あふれるほど豊かにして下さいますように。
13 そして、私たちの主イエス・キリストが、すべての聖徒たちと共に再臨される時、神の御前に、あなたがたの心を不動にし、聖さ(きよさ)にあって責められるところのない者にして下さいますように。


   *1、5  ステゴオー(ギ) cover、keep secret、hide、覆う、秘密にする、隠す; 我慢する
   *3  § キリスト者が苦難(スリプシス)に遭うことは特別なことではなく、信仰にしっかりと踏みとどまるためであり、御国の栄光にあずかる者として必然的なもの (ヨハ16:33、使徒14:22等)
   *4  メロメン(ギ、1・複) <メロー to be about、to be on the point of doing、〜のように(神に)定められていた、  プロエレゴーメン(未完了、1・複) あらかじめ(何度も)言っていた
   *6  ユーアンゲリゾー(ギ) bring good news、well massage、良い知らせをする、福音を宣べ伝える、  § 使徒18:13−より、1年半のコリント滞在の最後にユダヤ人が彼らを総督ガリオに訴えた時、苦難の中にあって、「福音」に匹敵するほど喜ばしい知らせだったこと
   *11  アウトス(ギ、単・男) same、himself、ご自身(単数)が
   *13  聖徒たち: (直訳) 聖なる(者たち) (ノア以前、旧約、新約の全時代の)主にあって死んだ(召された)信徒たち (ゼカ14:5、ユダ:14) + もちろん御使いたちも共に来る(マタ24:31)、  パルーシーア(ギ) the coming、再臨、来臨



  第4章


 1  それゆえ、結論として、兄弟たち。私たちは主イエスにあってあなたがたにお願いし、また勧めます。あなたがたが、どのように歩いて神を喜ばすべきかを、私たちから学び受けたその通りに、さらにますますそのように歩んでください。
 2 私たちがどのような教えを、主イエスを通して与えたか、あなたがたはよく知っているからです。

 3 神のみこころは、あなたがたが聖くなることです。すなわち、不品行を避け、
 4 各自、自分の品位を、聖く、尊く保つよう気をつけなさい
 5 神を知らない異邦人のように情欲をほしいままにせず、
 6 また、この不品行のことで、兄弟を踏みつけたり、奪い取ったりしてはいけません。前にもあなたがたにきびしく警告しておいたように、主は、これらすべてのことについて、正しくさばかれるからです。
 7 神が私たちを召されたのは、汚れを行なわせるためではなく、聖くならせるためです。
 8 ですから、これらの警告を拒む者は、人を拒むのではなく、聖霊をあなたがたの心にくださる神を拒むのです。

 9 兄弟愛については、今さら書きおくる必要はないほどです。あなたがたは、互いに愛し合うように神から教えられ
10 また、事実マケドニヤ全土にいるすべての兄弟に対して、それを実行しているからです。しかし、兄弟たち。あなたがたに勧めます。ますます、そうしてほしいのです。
11 そして、あなたがたに命じておいたように、平穏な生活をしながら、自分の仕事を請け負い、自分の手をもって働きなさい。
12 それは、外部の人々に対して正しく振舞い、また何の不足もなく生活するためです。


13 兄弟たち。すでに眠りについた人々については、知らないでいてほしくありません。希望を持たない他の人々のように、あなたがたが悲しむことのないためです。
14 イエスが死んで、復活されたことを、私たちが信じているならば、同様に、神は、イエスを通して眠った人々をも、イエスと共に、連れて来られるはずだからです。
15 私たちは主が言われた通りに言いますが、主の再臨の時まで生き残っている私たちが、眠っている人々よりも先に来ることは決してありません。
16 すなわち、主ご自身が、合図の声と、御使いのかしらの声と、神のラッパの鳴り響くうちに、天から下って来られます。その時、キリストにある死者たちがまず最初によみがえり、
17 それから、私たち、生き残っている者たちが、同時に彼らと共に、雲の中に引き上げられ、空中で主に会うのです。こうして、いつも主と共にいることになります。
18 それゆえ、あなたがたは、このみことばにあって、互いに慰め合いなさい。


   *1  ト ロイポン(ギ) the rest、at last; besids、とうとう最後に、(= 結論として)(エペ6:10、ピリ3:1、4:8); その上  (→  3章のパウロの祈りから出てきた、4章の実際的な勧告へ、結論として導かれる)
   *3  ハギアスモース(ギ、名詞) consecration、sanctification of heart and life、聖別、(献身)、(心と体の)聖化、   ポルネイア (広義の)姦淫全般、  § 注意の要点は、偶像崇拝・不品行を、注意深く「避ける」こと
   *4  スキューオス(ギ) vessel; a man of quality、器、家の道具(マコ11:16); 人の資質、品位、  クタオマイ (直訳) 獲得する、(妻を)獲得する
   *6  不品行の は補足、  プレオネクテーオ(ギ) have more(greater part)、be superior、gain or take advantage of another、overreach、もっと多く持つ、大部分を持つ;優越する;他人を利用する、出し抜く (Uコリ2:11、7:2、12:17、18)
   *9  フィラデルフィーア(ギ) brotherly love、兄弟愛 (アガペーという言葉は使っていない) (ロマ12:10、ヘブ13:1、Tペテ1:22、Uペテ1:7 のみ)、  セオディーダクトス(形容詞) taught of God (ここだけ)
   *11  ヘシュカゾー(ギ) keep quiet、 (直訳) 静かにする、 quiet life 平穏な生活
   *12  ユースケモノス(ギ) seemly、decently、まともに・見苦しくなく、礼儀正しく (ロマ13:13、Tコリ14:40)
   *14  § 再臨の時、主は、主にあって死んだ死者の霊たち(アブラハムのふところ(パラダイス)(ルカ16:22、23:43)、殉教者の霊は祭壇の下にいる(黙6:9))のすべてを引き連れて来られる
   *16  エン ケリュースマティ(ギ、与格、単数・中) in a shaut、in an order、in a stimulating cry、(刺激的、覚醒的な、動物の)(一回の)叫びのうちに、(漕ぎ手への)命令、軍令(「ししがほえる時のような大声で」、黙示10:3)、  エン フォーネー アルクアンゲルー in voice of chief-messenger、御使いのかしらの声のうちに、(「かまを送って刈り取ってください」、黙示14:15)、  エン サルピンギ セウー in trumpet of God、神のラッパのうちに、(「奥義(=贖い)が成就」、黙示10:7、11:15、マタ24:31、Tコリ15:51、52、レビ25:9)、   § この預言の詳細は、黙示録に書かれている通りであり、マタイ24章とも合致する
     (※ 艱難期 前 携挙 は聖書のどこにも書かれていない ・・・ キリストにある死者が初めによみがえるので、ますます艱難期 前 携挙ではない。黙示録の順は必ずしも時間順ではなく、「小さい巻物」が間に挿入される構造。 艱難期 前 携挙説は、聖書によってではなく、1830年頃、スコットランド出身の一婦人(マーガレット・マクドナルド)が見たという幻、啓示、預言(艱難前と艱難後の2回の再臨という!)を、数人の神学者(ジョン・ネルソン・ダービーら)が宣伝し、現在、米国福音派などで教義の一つとして広く取り入れられているという問題がある (この教理に賛成: スポルジョン、ジョージミュラー、チャールズ・フィニー、スコフィールド、ハル・リンゼイなど、 反対: ジョン・ウェスレー、ジョナサン・エドワーズ、マシュー・ヘンリーなど
、主に祈って聞く器は、これが間違いだと分かる))
   *17  ハマ(ギ) at the same time、同時に、一緒に、  § 地球規模で同時に行われる主の再臨において、昼夜関係なく同時に(御使いたちが送られて、)携挙が行なわれる



  第5章


 1 兄弟たち。その時までの時間や、どのような時期に起こるのかについては、書いてもらう必要はないでしょう。
 2 それは、あなたがた自身がよく知っているように、主の日は、盗人が夜来るように来るからです。
 3 人々が平和だ、安全だと言っているその時に、ちょうど妊婦に産みの苦しみが臨むように、突如として滅びが彼らに襲いかかります。そして、彼らはそれから逃れることは決してできません。
 4 しかし兄弟たち。あなたがたは暗やみの中にいないのだから、その日が、盗人のようにあなたがたを襲うことはないでしょう。
 5 あなたがたは皆、光の子たちであり、昼の子なのです。私たちは、夜の者でも、暗やみの者でもありません。
 6 それゆえに、他の人々のように眠っていないで、目を覚まして素面(しらふ)いましょう。
 7 眠る者は夜眠り、酔う者は夜酔うからです。
 8 しかし、私たちは昼の者なので、信仰と愛との胸当てを身につけ、救いの望みのかぶとをかぶって、素面でいましょう。
 9 神は、私たちを御怒りに遭わせるように定められたのではなく、私たちの主イエス・キリストを通して救いを獲得するように定められたのです。
10 キリストが私たちの身代わりに死なれたのは、目が覚めていても、眠っていても、私たちが主と共に生きるためなのです。
11 ですから、あなたがたが今している通り、互いに慰め合い、一人がもう一人を建て上げなさい

12 兄弟たちよ。私たちはお願いします。どうか、あなたがたの間で労苦し、主にあってあなたがたを指導し、また訓戒している人々を十分に知り、
13 彼らの働きを通して、愛をもって、大いに尊敬すべきであると考えなさい。あなたがたの間で平和を保ちなさい。
14 兄弟たち。あなたがたに勧めます。秩序を外れる者を戒め、小心な者を励まし、体の弱い者を助け、すべての人に対して忍耐して待ちなさい
15 誰にも悪をもって悪に報いないように心がけ、互いに、またすべての人々に対して、いつも良いことをするよう追い求めなさい。

16 いつも喜んでいなさい。
17 絶えず祈りなさい。
18 すべての事について、感謝しなさい。 これが、キリスト・イエスにあって、神があなたがたに求めておられるみこころだからです。

19 御霊を消してはいけません。
20 預言を軽んじてはいけません。
21 すべてのものを試験して、良いものを堅く守りなさい。
22 あらゆる種類の悪から遠ざかりなさい。
23 どうか、平和の神ご自身が、あなたがたを全く聖なる者としてくださいますように。 主イエス・キリストの来臨のときに、責められるところのないように、あなたがたの霊、たましい、体が完全に守られますように。
24 あなたがたを召された方は約束を守る誠実な方ですから、このことをしてくださいます。

25 兄弟たち。私たちのために、祈ってください。
26 すべての兄弟たちに、聖なる口づけをもってあいさつしてください。
27 私は主によって命じます。この手紙が、すべての兄弟たちに読まれるようにしてください。

28 私たちの主イエス・キリストの大いなる恵みが、あなたがたと共にありますように。アーメン

      (テサロニケの人々へ。第一。 アテネより書き送ります。)


   *1  使徒1:7、  クロノーン(ギ、複数) <クロノス time either long or shortwhile、(長い短いの)時間、その時までが長いか短いか、  カイローン(複数) <カイロス measure of time、opportune、the right time、時期、機会、まさにその時
   *3  エフィステミ(ギ) (直訳) の上に立つ、(come upon) 出くわす、(意訳) 襲う、  § 例えば、世の終わりの時のイスラエルが中東和平を結ぶとき、ゴグの軍隊が総攻撃する(エゼ38:8)、  平和だ、安全だ: エレ6:14、エゼ13:10、アモ5:18、19、ミカ3:5、   産みの苦しみ: マタ24:8、マコ13:8、ヨハ16:21、イザ13:6−8、エレ4:31、ホセ13:13
   *4  暗やみ: 神から離れた霊的状態 (ヨハ3:20、Uコリ6:14等)、  § 主との交わりがあって、あらかじめ主から聞いてその啓示を受けることで、それに十分祈り、対応する余地がある (※ AD67年エルサレム脱出の時も、デカポリスのペラに行くようあらかじめ啓示されていたという)
   *5  フィオイ フォートス(ギ) 光の子たち (ルカ16:8、ヨハ12:36、エペ5:8): 光の性質を持つ者
   *8  (信仰と愛(十字架)による)「義の胸当て」(エペ6:14)、 「救いのかぶと」(エペ6:17)
   *12  ノウセテーオ(ギ) 訓戒: 間違った道を行く人を見出し、忠告し、悔い改めに導くこと (パウロ特有の言葉、ロマ15:14、Tコリ4:14コロ3:16等)
   *13  ヒューペル ペリソース(ギ、副詞) over greatly、over exceedingly、大いに越えている、(意訳) 尊敬すべき
   *14  アタクトス(ギ、形容詞) (軍隊用語) 隊列を離れた → 秩序から外れた、(教会の)仕事をしないで他人の世話になっている (Uテサ3:6)、  オリゴープシュコス たましいの小さい者、小心な者 (ここだけ) (cf.デイロス、(信仰の無きに等しい)臆病者 マタ8:26、黙21:8)
   *16  § 喜び (ピリ3:1、4:4): 異邦人のあいさつにも用いられる、異邦人クリスチャンの最も基本にある霊的状態。 まわりの状況に支配されず、キリストに受け入れられた事実に基づくもの。救いの保証の聖霊は、「喜びの油」(イザ61:3)
   *17  § 祈り: キリスト者にとっての”呼吸”であり、主との交わりの基本。 求める祈りだけでなく、聞く祈りの中で、御声をいただき、主へに聞き従いの歩み(=信仰の歩み)が導かれる
   *18  § 感謝: 良いことだけでなく試練や困難を含むすべてのことについて、主に感謝を語ることは、主の主権を認めることの表明であり、主に喜ばれる。 感謝の告白を続けた結果、しばしば事態が好転する。 とても感謝できないようなことでも、口に出して語リ始めると、あとで心がそれについて行くようになる。(散々祈った後で、感謝。 最後の切り札的方法)  箴言3:5、ロマ8:28
   *19  エペ4:30
   *20  § 教会には預言者がいて(使徒11:27、13:1、15:32、21:9、10等)、預言の賜物を求めることが勧められていて(Tコリ12:28、14:27−32、37−40)、また神の三位一体の中心点にあり(エペ4:11、ロマ12:6、Tコリ12:10、の3つに共通)、神は言葉の神であり、語ったことを必ず成し遂げる(イザ55:11)。 (吟味を経て確認された(Tコリ14:29))預言は、信仰の歩みの土台となる。 預言は予告・予知や指示だけでなく、慰め、励ましが基本となる。 預言は非常に鋭く示されるが、すべての示しの中の一部であり(Tコリ13:9)、また、いつそれが起こるかはその時になってみないと分からないことが多い。(使徒は、それが起こる時が分かり、主に願って調整することができる)
   *21  ドキマゾー(ギ) test、examine、prove、(金銀など)試験する、(試験の結果、本物であると)証明する、  § 霊の識別(ディアクリシス、見分け)(Tコリ12:10)だけでなく、すべてのことについて識別する (ヘブ5:14)
   *23  § 人の力では困難なことなので、実現してくださる力の神に、祈る、  § プニューマ(spirit、霊)、プシュケー(soul、たましい)、ソーマ(body、体): 「人の3層構造」、がすべて守られるように、とは、(当時すぐにでも起こると信じられていた)終末・再臨の携挙、栄化にあずかる信徒たちにふさわしい言葉 (cf. Tコリ3:15、Tペテ4:6は、(肉体や、働き(精神活動の結果)が、滅びても、)霊だけは主の日に救われる。 霊 = 実体)
   *24  ピストース(ギ、形容詞) trusty、faithful; believing、trusting、(人が)信用できる; (神を)信じるべき、語ったことを必ず成し遂げる(イザ55:11)、約束を守る、誠実な (Tコリ10:13、黙示19:11)、 cf. ピスティス faithfulness、(人が)誠実な、約束を守る (ガラ5:22)






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