1. 人間は何と悲惨な存在か!

 被造物は弱い、卑しい、のみならず、何と悲惨であるように創られていることか!。


 1) 大量虐殺(ホロコースト);

 ・ アウシュビッツ;

 第二次大戦時のヨーロッパにおいて、多くの戦死者が出たと共に、多くのユダヤ人が迫害され約600万人が組織的に虐殺された。これは、ナチス・ドイツの総統ヒトラーのユダヤ人を全地上から抹殺すべしという”固定観念”によるのであるが、実は、聖書にあらかじめ預言として記されていた事の成就である。ヒトラーは反キリストの予型として用いられた、と同時に、ユダヤ人のシオニズムをさらに加速させるよう神に用いられたのである。
 すなわち、ユダヤ人の不信仰(神の選びの民であるにもかかわらず、神に聞き従わず、イエス・キリストを神の子と認めなかった事)により、AD70年のエルサレム陥落後、ユダヤ人は世界中に散らされ、神のさばきとして、約2000年間、定住地を持たず、すべての国民に嫌われ、ゲットーに押し込められ、そして陰惨な迫害を受け続けてきたのである。そして、大戦時の捕虜収容所での大量虐殺はその最終的な形である。神が一たんさばきを下すと、それはすさまじいものである。
 (マタイ23−39、エゼ36−16〜22、など。イスラエルの再建・救いについては、エゼ36−23〜、これは、1948年イスラエル国の再建により成就が始まった。)

 アウシュビッツ(オフィシュエンツィム)は、ヨーロッパの各地にあった捕虜収容所の一つで、ポーランドのクラクフの南のビスワ川沿いにある。そこには、各地からユダヤ人のみならずポーランド人、ロシア人、ジプシーなどが送り込まれ詰め込まれ、食料が無い状態で死ぬまで働かされたのである。弱った多くの人たちが殺された事が悲惨であるだけではなく、その死に方が悲惨なのである。
 収容所内ではいざこざが絶えず起こり、ユダヤ人とポーランド人、ロシア人、そして、ユダヤ人どおし、狭い所に押し込められた状態で、互いに疑り合い、憎み合い、そして殺し合いまでした。
 そして、役に立たなくなると、順に互いに銃殺させられ、また、チクロンGによる毒ガスにより殺され、死体焼却炉で、時には生きたまま焼かれた。また、一部は人体実験に用いられ、平常時にはできないようなあらゆる残酷な実験が死ぬまで行われたのである。

 (アウシュビッツの収容所長ルドルフ・ヘス(ニュールンベルク裁判に出廷したヘスとは同名異人)は変質者や異常者ではなく、むしろ上官ヒムラーの下す残酷な命令を少しでも緩和しようと努めたのである。しかし、一つの体制に組みこまれた時の人間の弱さについてもここに露呈されたのである。)


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