2. ユダヤ人について
(1) ユダヤ人とは?;
ユダヤ人は良く知られているとおり、神の選びの民であるにもかかわらず、不信仰により神に喜ばれず、ユダヤから追放され、世界中に散らされ虐待されつづけてきた民である。(それゆえ、神の計画に従って、恵みが異邦人に及んだのである。)
ユダヤ人の定義は、いわゆるユダヤ教を信奉する、あるいは、家系がユダヤ人であると言える。(ただし、ユダのみ)
現イスラエルでは、母親がユダヤ人である場合、イスラエル国民として受け入れている。
人種的には、ユダヤ人と呼ばれる人で血統が純粋なユダヤ人の人は現在はいなく、長い歴史の中で入り混じってしまった。現在、ユダヤ人は、一部の異邦人の転宗者を除いて、アシュケナズ・ユダヤとスファラディ−・ユダヤである。(いわゆるユダヤ鼻は、ごく初期の段階でヒッタイト人との混血によると言われている。)
アシュケナズは、紀元後の初期に小アジアから散らされたユダヤ人の一部により黒海北部にいた民族が民族レベルでユダヤ教徒になったもので、ヨ−ロッパ方面に住んでいた過半数のいわゆるユダヤ人であり、人種的にはヤペテ系(白色人種)との混血である。彼らは長い間迫害を受け各地をさまよいさらに混血を続け、ようやくシオニズム運動によってヨ−ロッパ、アメリカ、最近ではロシアからイスラエルへ帰還し、現在イスラエルの都市部に住んでいる。
スファラディ−は、イベリア半島や北アフリカに散らされたユダヤ人がそれらの地域で混血したもので、血統からすると本来のユダヤ人に近いセム系(黄色人種)である。彼らはアシュケナズより遅く入植したので、現在イスラエルの地方や周辺部に住んでいる。
( ※ 最近のDNA調査によると、アシュケナズもスファラディーも多くはユダヤ人の血筋である。(Y染色体は父系に遺伝し、代々影響を受けず保存される) ただし、救いは血筋にはよらない。「イスラエルはすべて救われる」とは、文字通りの意味ではなく、神の公義(計画)のゆえに(終末の小艱難期に)イスラエルがリバイバルする事を意味する。リバイバルの後の大艱難期に、同じイスラエルからにせ預言者が出現する。したがって、スファラディーがみな救われ、アシュケナズからにせ預言者が出現するとは言えない。:2003 12 更新分)
* 旧約時代の歴史;
BC15c ・・・ カナン定住 〜 アブラハム、イサク、ヤコブ
13c ・・・ 出エジプト 〜 モーセ
11c ・・・ イスラエル王国 〜 ダビデ
10c ・・・ (最盛期) 〜 ソロモン
8c ・・・ 北イスラエル滅亡(アッシリア)
6c前 ・・・ 南ユダ捕囚(新バビロニア(カルディア)で強制労働)
6c後 ・・・ バビロン捕囚一部帰還、神殿再建、いわゆる”ユダヤ教”ができる
↓ ・・・ ペルシャ、シリアの支配
ローマの支配
* 現イスラエル国の状況;
イスラエルは長い放浪と迫害の歴史の後、1948年にユダヤ国家として再び同じ地に建国され、さらに続々と世界中の国々から帰還が続いている。これは聖書の予告の成就である。(エゼキエル36-24、37-12、ゼカリヤ8-7〜8など)
1998年の人口は約580万人、面積は四国とほぼ同じ、食料を自給、ハイテク分野の研究開発はトップレベル(第二のシリコンバレ−)。
建国以来、絶え間ない移民の波を吸収せざるを得ず、防衛のための国家予算がかさみ、国内需要は小さく、近隣諸国との貿易は不可能、輸送費のかさむ遠隔地との貿易に頼らざるを得なく、国の南半分は砂漠、天然資源が少ないなどの数々の悪条件に見舞われてきた。一方、旧ソ連からの移民のなかに医学、ハイテク分野の数多くの科学者がいて、また、アメリカのシリコンバレ−の企業出身者も多く、さらに小学校から大学までにおいてオリジナリティ−を発揮させる教育を行い、研究開発費に対する政府の投資額はGDP(国内総生産)の2.5%にも及ぶほどの力の入れ方で、これらの状況下で政府は頭脳を売り物にする産業振興策をとってきた。