3. 終末の幻の構成;


 ヨハネの黙示録による終末の出来事が成就する時間順は、必ずしもマタイ、マルコの福音書の時間順と一致していない。(特に、天変地異の箇所)
 黙示録を基準とする終末の出来事の時間的順序は、基本的に7つの封印の(大きな)巻物により展開されると考えられる。 その間に、艱難期のイスラエルと異邦について書かれてある小さい巻物の最後の刈り取りの時(=主の再臨の時(黙14−14〜16)が、7つ目のラッパが吹き鳴らされる時にほぼ一致するように展開されていく、(また、ラッパのさばきの第2の災い = 2人の預言者のあかし)と解釈してみたい。(マタ24−31、Tテサ4−16、レビ23−24、27)



  


 注) 14万4千人の他に、新生した異邦人クリスチャンにも贖いの日のために、明らかに証印(聖霊の証印)が押されている。(エペ4−30) そして、彼らは大きな患難(大艱難)から抜け出てきた者である。(黙7−14)


 


 注) 14万4千人のうち残りの10部族に異邦人クリスチャンが含まれる可能性が大きい。
    荒らす憎むべき者はエルサレムと異邦の教会(神殿)の両方に設置される。
    女の子孫の残りの者の多くは大艱難を通るが、テサロニケ教会やフィラデルフィヤ教会などは守られる。


  (参考1)  他の預言書との関係;

 詳細な終末預言はヨハネ黙示録しかないが、他の預言書はその様子を部分的に類推することができる。

   

 神の計画により、また、人の罪の性質により、歴史は繰り返す。
 近代ヨーロッパは、ナポレオンにより開かれた。(獣2→獣3、前周期のギリシャのアレクサンダーに同じ) その後の4分割によって、西ヨーロッパ(マケドニア)、アメリカ(エジプト)、合理主義化したアジアなど?(トラキヤと小アジア)、東ヨーロッパとロシア?(シリヤ)のように、合理主義、産業革命、民主主義的な3番目のひょうのような獣の時代となり、現代に至っている。黙13の獣(国)は、合理主義・科学信奉(現代のヘレニズム)を体とし(ひょう)、足はメド・ペルシャ(熊)のように不均衡で、法令で固められていて、口は人間至上主義的な傲慢な事(人が神になる事(Uテサ2−4))を語るバビロン(あるいはローマ)(しし)のような姿をしている。 


    

 エゼキエル書には、終末の反キリストを表す記述は、38、39章のゴグ・マゴグ(3重預言)しかない。このような重要な事は他の預言者たちによっても繰り返し語られてきた。(エゼ38−17) また、モスクワはエルサレムの真北にある。北は常にイスラエルを脅かしてきた方角である。 メシェク=モスクワ、トバル=トベリーツ(グルジヤ共和国(首都トビリシ):スターリンの出身地) 共産主義は大きな赤い竜(黙12−3)とみなす事ができる。 ゴグのイスラエル攻略に、イスラム圏と共に、ゴメルやベテ・トガルマ(ヨーロッパ)が同盟する。(エゼ38−5、6) (このように完全にイスラエルを包囲する形になる。) したがって、反キリストの国はロシアで、10本の角はEU10ヶ国であろう。
 何人かの預言者も、ロシアはアメリカを奇襲し世界の覇権を握ってゆく、と預言している。(ヘンリー・グルーバーなど) また、共産主義が世界中に復活してくるとも預言されている。(リック・ジョイナー)(リックジョイナーの預言は、生みの苦しみからリバイバル直前までの一連の幻=黙13の前段階=リバイバルの器の整え)
 ダニエル書のシリア(北の王)を旧ソ連、エジプト(南の王)をアメリカととると、東西の冷戦時代の関係になる。 シリアの再興時に現れ、荒らす憎むべき者を据えた、アンティオコス・エピファネスは、反キリストがどのように出現するかを予告すると解釈する。(ヒトラーの出現のしかたも同様に類推となる。) また、当時のシリアは地理的にバビロンを含む。 ただし、キティムの船(当時のローマ軍)(ダニ11−30)がもしかしたら現在のカトリック圏かもしれず、終末のにせ預言者と関係が深いと思われる。



  (参考2) 大バビロンの乗っている獣(反キリスト)の秘儀(黙17−7〜); 

 7つの頭、すなわち、7人の王をローマ時代の歴代の王たちととると、終末の予告になっていない。(1.アウグスト、2.テベリオ、3.カリグラ、4.クラウディオ、5.ネロ、6.ヴェスパシアヌス(今:69−79)、7.ティトゥス(治世短い:79−81)、8.ドミティアヌス(ネロよりも大規模な迫害者:81−96)) さらに、数ヶ月程度の短い治世の2人の王を除いて数えている、ドミティアヌス以降も迫害者の王たちが立った、ヨハネがこの啓示を著したのはAD90〜95頃と言われ、ヴェスパシアヌスよりあとである、などより、当時のローマ皇帝と言うよりも、もっと大きな意味を表わしていると考えられる。

 7人目の王は、多くの聖書では、その治世が”短い”と訳されている。 これを、ある解説書のように、”長い”と訳すと、歴史上、反キリスト的で、かつ、イスラエルが妥協し、その後イスラエルを蹂躙した、それぞれの時代の帝国ととることができ、非常によく分かる。

 1. アッシリア(サマリヤ陥落BC722、BC701エルサレム侵入、しかし、イザヤの助言により救われた)
 2. バビロニア(エルサレム陥落・BC587、アッシリヤのニネベ攻略BC612)
 3. メディアとペルシャの連合国(クロスによるバビロン陥落BC539)
 4. ギリシャ、すぐ4分割 → (マケドニア、トラキヤ)、5.エジプト(プトレマイオス朝)シリヤ
 6. ローマ( 今居る: * ヨハネが啓示を受けた時代)
 7. オスマントルコ( * ユダヤ人たちが散らされた後、長い間、パレスチナを支配した)
 8. 終末のバビロニア世界帝国(この時、エルサレムは大バビロンと名前が付けられ最悪の状態となる)

 あるいは、エルサレム(*)というポイントで捉えるならば、アッシリアを除き、エジプト(南の王)とシリヤ(北の王)を別々にとる。


 獣の7つの頭は、それぞれサタン的な7つの性質を表わす。
 特に、終末の大バビロニア帝国は、かつてのバビロン帝国の再来であり、これが反キリストの特徴をそのまま現すものである。古代バビロンや、さらに、バベルの塔を紐解けば、反キリストの謎がわかるはずである。バベルの時代、猟師ニムロデを中心に人々は主に反抗して集まり、人間が神になろうとした
 また、ダニエル書7章の2重預言や、使徒・教父の時代の迫害によれば、ローマの側面がある。脱出後にさばき、という点では、エジプト(新王朝)やソドムのようでもある。


 * エルサレムは地理的にも世界の中心である。・・・世界を細かく分割し、各点からその他の点までの距離の二乗を総和した価が、最小値になるような地点はエルサレムである。(かなり以前行なわれたコンピューターによる計算結果)


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