4. 実験と理論の統合(まとめ)
実験事実によると、EPR問題において観測するという事は、素粒子の全系の状態に対し外部から量子力学的な影響を与えるということである。
測定系を含む全体から見ると、 ― すなわち、実験観測する立場から見ると、 ― 観測にかかわる素粒子という部分の状態は測定装置全体に依存している。しかも、それは空間を越え一瞬にして行われる。
((注) 超光速の情報伝達であって、時間を逆行しているのではない。)
この事により、実験観測の範囲において、コペンハーゲン解釈(量子力学的解釈)はより一層明確にされ、真の不定性のみならず、さらに、物質の”宇宙全体に対する分離不可能性”という驚くべき性質が明らかにされた。(これを支持する物理学者は多い。)
一方、唯一のパラドックスを生じない町田・並木理論では、 ― 決して実験する事はできないが、 ― 素粒子の側から見て、状態は決定論的に初めから確定しており、他方の観測などにより変化するような事は起こらない事が明らかになった。
したがって、量子力学的に超光速で宇宙全体と相互関連する一つ一つの構成要素は、そのすべてが(装置や観測者も含めて)因果律的に初めから定められており、偶然や不定や量子ゆらぎなどという概念はすべて否定されたのである。ただ、観測者がわからないだけである。
まとめ;
結論 | 項目 | 詳細 |
実験では すべて不定 |
ベルの定理 2光子偏光実験 |
隠れた近接的な物理作用をすべて否定 |
遅延選択実験 | 宇宙全体に対する分離不可能性 超光速の遠隔作用 | |
理論では すべて確定 |
町田・並木理論 | 他方の観測の影響を受けず、初めから確定 |