2. 地層年代とノアの洪水:



  (1)  炭素14法のノアの洪水による修正:


  炭素14法(C14法)による年代決定法は、約4000年前までの生体の遺物(有機物や炭)については、考古学的に年代のわかっているものとほぼ一致するが、それ以前のものは突然史実に合わなくなる。ただし、Ar−K法、U−Pb法、Rb−Sr法など(*)による何億年というとてつもない年代ではなく、古くても数万年(max7万年)程度(**)である。

    *  1803年に噴火したハワイのファラライ火山の溶岩をK−Ar法で1963年に年代測定した所、凝固して閉じ込められてから160年しか経っていないのに、1.6億〜29.6億年という測定結果が出された。

  ** たとえば、1982年ニジェールで発掘された恐竜の骨(ウーラノサウルス・ニゲリエンシス)について、米アリゾナ大、米地質調査所、ロサンゼルス博物館、ページ博物館、東京大学で、各独立に炭素14法で測定した所、1〜7万年前という値が出た。(進化論者はその周りの岩石をK−Ar法などによって測って、自説に都合の良いように とてつもない長い年月を発表する。)
  横須賀・夏島貝塚のカキ殻、木炭:9400年(考古学的に合わない)、大賀の蓮の実:1040年(史実と合う)


  4000年前に”ノアの洪水”があって、その水の起源の一つが”上の水”、すなわち、はるか上空のオゾン層(オゾン生成・分解反応のため高温なので安定)あたりに水蒸気の分厚い層が存在したと仮定すれば、宇宙からの1次宇宙線からできる2次宇宙線の主成分である中性子線(1次宇宙線は主として陽子や重陽子)が、水の水素原子核(陽子)が中性子とほぼ同じ質量なので効果的に減速して(大きな原子核では同じ速度で跳ね返されなかなか減速しない)その所で止められヘリウム核などになる。
  したがって、下の大気層中の窒素と反応してできる炭素14の生成量が現在よりもはるかに少なかったので、数万年前と見積もられる資料については、炭素14の量が過去からずっと”一定の量”であったと仮定する見かけの年代と比べ、実際の年代はかなり新しいと考えられる。

    14N + n(中性子) → 14C + p(陽子)    ・・・・ 炭素14の生成反応
    14CO2 → 植物 → 動物   ・・・ 炭酸同化作用による取り込み
    14C → 14N + e   ・・・・ 閉じ込められてからのβ壊変(時間をパラメーターとして指数関数的に減少)

  (炭素14の量は、通常の炭素12の1兆分の1.2(1.2×10-12)程度なので、非常に高精度の測定(加速器質量分析(AMS法))が必要。 また、大気中の炭素14の量は現在も増加中で平衡に達するには約3万年かかる。)


     


   このグラフより、4000年前に(= ノアの洪水時)閉じ込められた資料が2〜3万年前であると測定されたとすると、天地創造からノアの洪水までの地表大気の炭素14の量の比 1/2 は現在の5〜15%位と見積もられる。この程度まで炭素14の生成量が押さえられるためにはかなりの厚さの水の層が必要である。
  鳥に似た恐竜のプテラノドンは、その構造から現在の大気圧では空を飛べなかったと言われていて、充分に飛ぶためには大気圧が2〜3気圧(空気の密度が2〜3倍)なければならかったと考えられる。したがって、上空大気にあった水蒸気層の量は、液体の水に換算して厚みが10数m(1気圧=10332kgf/m2=10332mmAq水柱)程度であろう。
  創世記6:4より、「40日間」降り続いたとある。たとえば、一時間に13mmの豪雨だったとすると、”上の水”の総量は全地に約12mになる。

  樹液が化石化した鉱物である琥珀(コハク)の中に気泡が含まれていることがある。この気泡は樹液が固まった時の大気を保持していてほとんど樹脂の酸化反応が無いと考えられる。その成分を調べると、酸素が約30%も含まれていた。(ランディス、米・地質学者) すなわち、太古の空気は、現在の酸素濃度(21%)に比べ、酸素に富んでいたのである。

  この高濃度の酸素(同時に、2〜3気圧の高圧、地球全体が温暖で寒暖の差が小さい)が存在する環境下では、生物は呼吸器官や循環器官の割に大きな体で活発に動くことができ、大きさも大きいものが存在し得たと考えられる。全長30mの恐竜や羽を広げると1mにもなるトンボ、巨大な貝、高さが40mにもなるシダなどが存在できた。植物の光合成反応(明反応−暗反応)や動物の睡眠に必要な昼夜(=地球の自転)は初めからあったが、寒暖の差が少なかったので、この時代の樹木には年輪が見えない。寒暖の差ではなく、天体の動きが時のしるしとなった。(創1:14) 水蒸気層は赤外線を吸収し光合成に必要な可視光を良く通す。




  (2)  地下水と地殻大変動の要素:

  しかし、その後も、「(当時の)すべての山が水で覆われ」(創7:19)、「150日間、水が増えつづけた」(創7:24)とあるので、それほど水温の高くない多量の”下の水”が地下から吹き上げてきたと考えざるを得ない。現在の地形をならして全て平らにすると、全地は約2400mの海底に沈む。もちろん、創造の始めから、一つの浅い「海」(創1:9、10)もあった。

  世界各地の先カンブリア紀の地層は、非常に傾いていて、褶曲や断層だらけで、さらに、圧力やマグマの貫入の熱によって大規模に変成している。ノアの洪水に伴って(大雨による洪水が起因とは考えにくいが、主の奇跡によるさばきとして短時間の間に大地殻変動が起こり、すべての「地下水」(創2:6)を噴出すると同時に大陸移動が起こったと考えられる。
  大洪水後に速やかに水が引いていったのは、「山は上がり、谷は沈んだ。」(詩104:8)とあるように、この地殻大変動によった。同時に大量の土砂がきわめて短期間のうちに堆積したはずである。

  先カンブリア紀とその上の地層とは世界中どこにも整合性が無いのは、先カンブリア紀の地層が洪水以前からあって、大洪水によって土砂がきれいな層状をなしてその上に堆積したからである。堆積物がまだ柔らかいうちに圧縮を受けると断層の無いきれいな褶曲層となる。

  化石
は、先カンブリア紀の層に発見された事例は無く、全てそれより上の地層に含まれている。木などの長い遺物は複数の地層にまたがることもある。一般に生物の化石は、瞬間的に土砂に閉じ込められなければ化石に成り得ない。エベレストをはじめ、多くの高い山の山頂付近にある堆積岩は、もと海底の生物だった石灰岩であったり、アンモナイトなどの水生生物の化石が含まれている。


     




  (3)  堆積物が岩石化する速さ:


  オーパーツ(ooparts、out-of-place artifacts)とは、進化論者の立場から見て放射線年代測定法により非常に古いはずの岩石中に、 在るはずのない 人間による工芸品などが含まれているもので、世界中の堆積岩からこのようなオーパーツが発見されている。

  ex)
  ・ 石炭の中から円形の鉄製容器(米・オクラホマ、1912)
  ・ 炭鉱の石炭層からヒトの子供の歯(米・モンタナ、1926)
  ・ 硬い岩石中から10数本の鉄のボルト(ロシア・ブリヤンスク市、1997、岩石の年代は15億年前と測定された)
  ・ 石灰岩の中から鉄のハンマーと木製の柄、米・テキサス・ロンドン、1億年前と測定)
  ・ 白亜紀の泥炭土層からヒトの指(米・テキサス・チョークマウンテン)
  ・ シベリヤ・ヤクーツクの冷凍マンモス、凍土層の多量のゴミ


  逆に、年代のわかっているものが硬い岩石に閉じ込められているものも発見され、それらは非常に新しい。堆積した土砂は、静かな強い圧力のもとで、特に、炭酸カルシウム リッチの条件下で、非常に速やかに(条件が整えば数ヶ月で)硬い岩石に変わる

  ex)
  ・ 船舶の古い時計の部品が閉じ込められている岩石(米・ワシントン・ウェストポートの海岸付近、1975)
  ・ ガラス瓶が硬い礫岩中に(南アフリカ・ケープタウン)
  ・ 砂岩の中に1960年製の自動車の鍵(米・オレゴン・海岸近く、創造と地球史の博物館、1994発見)
  ・ 噴火で没した村の跡から帽子の化石(1886年の噴火)
  ・ ハムや小麦粉、テディーベアの化石

  炭酸カルシウムを多く含む環境で、CO2の吸収・放出でCaCO3が砂粒に沈着・固化する。これは、鍾乳石の生成の仕方と同じである。(鍾乳石に閉じ込められたコウモリなど) また、炭酸カルシウムや水無しでも、鉄パイプ中で一定の圧力を加えられた砂が3ヵ月で固化した実験がある。

     CaCO3 (固体) + H2O + CO2 → Ca(HCO3)2 (水溶性)
     Ca(HCO3)2  → CaCO3 ↓(沈殿・固着) + H2O + CO2 ↑ ・・・ 減圧・昇温・脱水など

  また、地下資源の石炭、石油も極めて短時間で生成する。実験では、樹木と水と酸性土(珪藻土、火山灰土など)と共に、常圧で閉じ込め150℃×4〜36週加熱すると、高品質な石炭が生成した。(アルゴン国立研究所) また、ヘドロを空気を遮断して450℃で加熱し、発生した水蒸気を含むガスを初めの炭化した残存物に触れさせるようにすると30分ほどで軽油状態の石油ができる。(オーストラリアのプラント実験)


  1982 5/19 のセントヘレンズ山噴火(米・ワシントン州)に伴い、氷雪が融け大量の土石流が流れ下り、1980 5/20 の噴火により降り積もった火山灰層、及び、1980 6/12 噴火の火砕流によってできた地層と共に、以前から存在していた硬い火成岩をも同様に削り取って、グランドキャニオンと同じような、地層が露出する峡谷地形にしてしまった。土石流は、時速160kmで流れ下り、3時間の間に深さの平均30m、最深45mの峡谷が形成された。それらの3度の噴火によってできた地層はわずか2年の間に形成され、現在は岩のように硬くなっている。峡谷の底にはタートル川が流れているが、このように、川が何万年もかけて地形を侵食して切り開いたのではない。
  したがって、グランドキャニオンも、世界中の多くの峡谷も、せき止められた窪地の水が決壊し 土石流によって短時間に一挙に作られたと考えられる。

  また、セントヘレンズ山の下の方にあるスピリット湖は、湖面の一部が引き千切られた樹木による多くの丸太で覆われ、その一部が湖底に垂直に埋没している。イエローストーン国立公園の垂直に埋まっている珪化木群もこのようにしてできたと認められてきている。



  (ヒトのサンダルで踏みつけられた三葉虫の化石) ユーチューブ

 



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