太陽と宇宙の構造;



 イエス様の偉大さと命の源泉性はマラキ書によると”太陽”にたとえられている。もちろんイエス様は神の創造のわざの執行官(神のことば)として、天地万物を創造された方である。しかし、太陽の大きさとしくみをあえて図鑑的に捉えることによって、十字架にかかられたイエス様が、いかに偉大な神の子でおられるか(御父はもっと偉大)を、”自然啓示”を通してその実質を感覚的に知ることができる。


 (1) 太陽の大きさと永続性;

 太陽の直径; 139万km、これは地球の直径の109倍で、月の軌道がすっぽり入る。太陽表面のプロミネンス(紅炎)は地球よりもずっと大きい。太陽までの距離は、1億5千万km=光速で約8分かかる。我々が見ている太陽の光と熱は8分前に太陽表面から出たもの。太陽の質量は地球の333000倍で2×10の30乗kg。表面での重力は地球の28倍。
 太陽の表面温度; 6000度(K)。しかし、その内部は桁違いに高温で、すぐ内側の対流層で100万度K、内部600万度K、核融合反応(水素→ヘリウム+γ線)がなされる中心核で1500万度K(圧力2000億気圧、密度156g/cm3の奇妙な気体)。表面温度が6000度というのは輻射のスペクトル分析によるもので、暗黒の宇宙空間へのエネルギーの放射と釣合ってこの位の温度に下がっている。
 太陽の寿命; 太陽が誕生したのは約50億年前で、その寿命は数百億年と言われている。(*1)

 太陽にたとえられているイエス様は、永遠の光と熱の巨大な源泉であると同時に、さらにその内側は想像を絶するほど非常に熱く熱く燃えているお方だと言える。

  


 (2) 命の源泉;

 太陽光が地球大気のフィルターを通して、有害なγ線や紫外線が除かれ地表にやってくるとき、適度な白色光になっている。それは葉緑素を持つ植物の光合成に適した波長の光である。植物は、光合成により炭水化物(糖分、デンプン、植物繊維など)を形成し、その葉は酸素を放出する。現在の大気組成(酸素20%)は植物が先にあって充分な炭酸同化作用があらかじめなされ、その後で動物が存在できるようになった事を示す。これらはすべての動物の栄養源になる。われわれは、間接的に、宇宙のかなたから発せられる太陽の光のエネルギーを食べて生活している事になる。(※)

 地球の自転により、昼と夜のリズムが作られ、それぞれ光合成の明反応(光→糖分)と暗反応(糖分→デンプン)が行われる。
 太陽の光量と地球までの距離は絶妙なバランスがあり、生物を構成する有機物が機能的に作用する適度な温度環境に設定されている。(cf. 金星、火星(*2))

 まことの太陽であるイエス様の光に照らされ、いのちの川の両岸に植えられている木の実を食べて永遠のいのちを享受する。その葉は我々をいやし、活力を与える。

 (※ 例外的に、火山地帯や海底に、地下からの硫化水素を栄養源としている熱に強い(80〜90℃)バクテリアもいる(これはゲヘナのうじ虫の類推か))
  


 (3) 宇宙の構造;

 宇宙の広さは、基本的にはハッブルの法則によって定義付けられている。(ごく近距離の星の場合のみ、三角法により距離の測定ができる)(*3) 光のドップラー効果により、遠くにある星ほどその光のスペクトルは長波長側に偏移していて(赤方偏移)、地球から速く遠ざかっている、すなわち、宇宙全体が均一に膨張していると解釈されている。(膨張宇宙論) 光の速さ以上の速度で移動することは相対論から否定されているから、その遠ざかる速さが光速に近づく150〜200億光年位の距離が一応、宇宙全体の大きさとされているが、その速度分布があまりにも均等なので実際にはどうなっているかはわからない。(遠くに行くほど物理法則が変化しているかもしれない。すべては地上での物理法則がどこまでいっても成り立つと仮定して計算されている) ただ、赤方偏移している程度に応じて、星雲の形がある類型をもって変化していると言える。これは光の速度から、星雲の何十億年前の過去の姿と言われている。(*4)
 また、宇宙全体の年齢は、ごく単純に、ハッブル則による宇宙の膨張速度を逆算して出されている。
 物質の太陽は、平均よりやや大きめの一つの星にすぎない。銀河系には約1000億個の星があり、全宇宙には約1000億個の銀河系のような小宇宙がある。しかし、星雲の分布はどこまで行っても均一(立体網目状の分布)で、これといって宇宙の中心と言えるような場所は存在しない。(ビッグバンではない
 超新星爆発(*5)は、太陽よりもずっと大きい星の最後の姿であり、このとき鉄以降の重元素を宇宙空間に撒き散らすとされているが、星の寿命や撒き散らされた物質の拡散速度を考えると、宇宙全体の年齢とはまったく合わない。

 宇宙は生成消滅の繰り返しではなく、ある時点で完成度の高いものが突然出来たと考えると、すべての状況証拠と適合する。
 神の子イエス様は”人として”この地上に来られた。しかし、イエス様と共におられる聖霊様による奇跡の創造のわざは、どの物理法則をも超えるものであった。(参照:ヨハネの福音書における7つのしるし) これは、イエス様の神性(神と一つであること)をあかしするものである。たとえ小さな奇跡であっても、奇跡を行う者は”神の子”であると主張できるのである。(たとえば、聾唖者の耳の中にいる悪霊は非常に小さい) また、創世記から現在に至るまで、信じる人々を通して聖霊様がなされるわざについても同様である。(質量やエネルギーの保存則を破る、重力を超越する、時間を早めたり遅くしたりする、壁を通り抜ける、瞬間移動など) 預言の働きにあっても、神は、初めであり、終わりであるお方で、神にとって時間など全く問題ではなく、神が語ったことばはすでに成就しているからである。

 したがって、逆に言うならば、”奇跡”は、物理法則がこれほどあまねく宇宙全体に適用される事が証明された現代においてこそ、ますます、そのどれをも超越した”奇しい”現象であると言うことができる。


 *1  星の大きさと寿命; 

 太陽 シリウス シリウス伴星 スピカ リゲル アルデバラン ペガススβ アンタレス  ミラ ベテルギウス
表面温度(K) 10000
〜8000
10000
〜8000
 白色矮星 18000 18000   6000   6000  3000  3000  3000
 白〜黄  白〜黄   白   青      橙      赤     
星の直径(太陽1)    1   2   1/50   6   30    45   150  230  440   550

 恒星として輝くことができる星の大きさは、大きい方で太陽の質量の40倍、小さい方で太陽の1/10が限界。大きな星ほど寿命が短く不安定で、大質量の星は寿命が100万年で小爆発を繰り返す。白鳥座のP星は大きさが太陽の150倍、明るさが16万倍で、その中心部では核融合反応が異様に進行する。(太陽の寿命は理論的には100億年は燃えつづけ、その後は静かに白色矮星になると言われている。)
 大きな星が年齢を経ると、水素の核融合反応が終わり、ヘリウム反応から炭素反応まで進行し最終的には鉄になる。この時、中心部の温度と圧力が非常に高くなり、放射の圧力で星は大きく膨らむ。(星の表面温度は低くなるので赤い色になる:超巨星) 太陽も、将来は大きくなり、地球の軌道までも飲み込むと言われている。


 *2  金星と火星; 



 地球の両隣の金星と火星ではどうだろうか。
 金星は、太陽から受ける光の量が地球の2倍(軌道長半径:地球1に対し0.72)。地表の気温475℃、90気圧の焦熱地獄。分厚い二酸化炭素の大気層で表面は光が届かず暗い(1967・マリナ5号)。
 火星は、太陽から受ける光の量は地球の0.5倍(軌道長半径:地球1に対し1.52)。地表の平均気温−40℃、10mbar以下(エベレストより希薄)、大気は二酸化炭素が主成分。火星の表面は月と同じような砂漠である。北極冠は−90℃の氷。春と秋に極の氷が気化して砂塵を巻き込んだ猛烈な季節風が赤道を越えて吹く。火星表面は月のような砂漠(1964・マリナ4号)。火星表面の土に含まれる生物の分析(放射性炭素をマーカーとして入れた養分の変化の追跡、呼吸によるガス組成の変化、光合成の有無)からは全く生物はいないという結果であった(1975・ヴァイキング1、2号)
 いかに地球が、生物の繁殖に適した、神が備えた理想的な環境であるかがわかる。それでも太陽の当たり方が少しでも良いとかなり暑く、当たり方が少しでも悪いとかなり寒く感じる。
 宇宙飛行士たちは、不毛かつ過酷で危険で行動範囲の狭い、死とすれすれの環境を体験して、地球がいかに恵まれた星であるかを知り、神を怖れ、地球に帰還してからクリスチャンになる人が多かった
 生命体を構成している有機物は、その骨組になっている炭素原子のまれに見る特性による一群の化合物である。炭素は自分で長い鎖を作る性質があり、生命体反応特有の水素結合が有効に作用する環境の範囲が比較的広いが、それでも室温±50℃くらい(温泉水で生きる微生物でさえ80〜90℃)。ケイ素、他の元素の水素-酸素化合物はその存在できる範囲が狭く複雑な分子を形成できない。

 *3  近い星・遠い星;

 銀河団の赤方偏移(z=刄ノ/λ(光の波長が長くなる割合)、ハッブル定数H=75km・s-1Mpc-1)は、遠い銀河ほど大きい。観測されている最も遠いクェーサー(銀河の前身で球形をしている)の一つは、光の波長λが4倍にもなり、光速の88%もの速さで遠ざかっていることになる。

おとめ座団   z=0.0039 距離0.59億光年
うみへび座団T   0.0114    1.5
かみのけ座団A2199   0.0309    3.9
かんむり座団A520   0.203     21
かんむり座団A370   0.373     33
1305+2952   0.947     55

 近い星のいくつかは、地球の公転半径とその両端での星の見える角度の変化より、三角法で星までの距離が測定できる。(太陽と地球の距離1億5000万km、ケンタウルスα星の角度偏差1.6秒より、4.3光年)


 *4  星雲の形;
 遠くにある銀河ほど、腕が短く、単純な形になる。非常に遠くにあるクェーサーという天体は球形になり、ジェット流を噴出している。これは銀河が出来る過程の原初宇宙を見ていると言われている。


 *5  超新星爆発;
 太陽よりずっと大きい星の最期は、星の組成が最も安定な鉄の原子核(鉄のスクラムを組む?)になるまで燃えると核反応が止まり急に収縮して、中心部は高温高圧になって大爆発を起こし、鉄以降の重元素が生成し宇宙空間に撒き散らされる。中心部は圧縮され、中性子星、あるいは、もっと星が大きいとブラックホールになる。
 おうし座にあるカニ星雲は、1045年に爆発した超新星の残骸で、秒速500kmで約900年の間広がり続けてきた。(距離3400光年にある直径5光年のガスの塊) 爆発時の光は実視等級で-4〜-5でかなり明るく、日本と中国の記録にある。1006年に爆発したものは実視等級で-8〜-10で、月がもう一個天に輝いているようなものだった。(太陽-26.8、月(満月)-12.6、(三日月)-7、シリウス-1.4)
 超新星爆発は一つの銀河に100年に数個発生し、その明るさは太陽の数億〜100億倍で、遠くにあるほかの銀河の超新星もその銀河と同じくらい輝いて見える。
 超新星爆発では、スペクトルには水素が見当たらず、鉄以降の重元素が作られるとされている。
 中性子星は、質量が太陽の10倍の桁で、半径10kmくらいに潰れている。(一つの巨大な原子核) これが振動や回転すると強力な電波を発する。カニ星雲の中心星(パルサー)の出す電波は3/100秒のめまぐるしい変光をしている。
 白鳥座 X−1として知られる連星系は、見えない非常に重い”点”であるブラックホールが、もう一つの大きな星を振り回しながらゆっくりと飲み込んでいる。物質がブラックホールに落ちる際に強力なX線を発し、それ自身はますます重くなっていく。宇宙は最終的にはこのような”穴”だらけになってしまうと言われている。

 


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