量子力学の自然啓示 ・・・・・ 信仰のあかし
                                                        2005 5/20



  「初めに(*)、神が天と地を創造した。地は形がなく、何もなかった。やみが大いなる水の上にあり、神の霊は水の上を動いて(舞いかけて)いた。そのとき、神が「光よ。あれ。」と仰せられた。すると光ができた。(**)」(創1:1−3)

  ・・・ DNA が RNAを転写して複製するように、天地創造の時、神の霊は、三位一体というご自身の性質 π、e 、i を万物に転写された

  * ”初め(ベレーシス(ヘ)、カタポレー(ギ))”は 世の初めのこと。これに対し、キリスト(=神のことば)は ”永遠の初め(アルケー(ギ))”から存在する。(ヨハ1:1、17:5)
 ** この光は物質的なエネルギーであると考えられる。相対論によると エネルギーはすべての質量の根源であり、光は エントロピー 0 の最も若々しい状態である。光速が一定で時間・空間の方がローレンツ変換する事は、光の創造(第一日)が、空間(第二日)に先んじることをあかしする。しかし それよりも優先する性質が存在する。


 【本文】        1. 自然の2重構造         ・・・ 確率性と波動性
             2. 物質波と指数関数       ・・・ 自然における神の3定数(e、π、i )
             3. 観測についての問題提起   ・・・ 自然の因果律と分離不可能性
             4. 量子力学の正しさを決定付けた2つの実験  ・・・ 超光速の遠隔作用
             5. ユダヤ人物理学者の素顔   ・・・ アインシュタインの思索
             6. 量子力学による自然啓示(1)   ・・・・・・・ 信仰のあかし
             7. 量子力学による自然啓示(2)   ・・・・・・・ ”預言”のあかし


          1. 自然の2重構造 ・・・波動関数の導入:


  (1)  複素数の物理:


  量子力学は、20世紀初頭に始まり、半世紀以上もの間 多くの理論的挑戦を受けてきたが、最近までに行われてきた実験によってますますその正しさが立証され、現在は ほぼ確立されている。 量子力学は自然の構造を普遍的に表現できるほとんど唯一の手段である。

  1.観測結果の確率性、2.物質の波動性(波動性 → 重ね合わせの原理、不確定性原理)が最も基本的な自然の2大原理として認識されている。( → 確率性、波動性の発見
  この 量子力学の2つの原理から、自然という被造物の構造が明らかにされる。すなわち、(古典物理のような)連続であり、一意的・必然的・因果法則的に決定され、かつ 決して観測にかからない 複素数の”波動関数(存在の確率密度)”というものを背後に仮定し、それが表面上現われる実数の 不連続で、偶然的・確率的な、観測にかかる”現象”のすべてを支配する、という自然の二重構造である。

  古典物理では、虚数は思索上の便宜的なもので、それぞれの結論では実数のみが残る実数の物理であったが、量子力学では 複素数の波動関数が自然の本質である事を主張する。 ”確率”的観測結果や物理量の間にある”不確定性関係”は、”観測”にかかわって現れる現象で、背後の波動関数には相変わらず古典論的な因果関係が成立しているのである。したがって、これらは 観測理論的な”人が知る限界”を意味している。(確かに、”神はサイコロを振らない” = ”偶然”の否定 を意味する。)

  座標と運動量などの物理量は、波動関数にかかる作用素に置き換えられる。この作用素の間にある ”交換関係”には、プランク定数 h を介して 虚数単位 i (= √−1)が入っていて、これによって 互いに非可換であるすべての物理量の間の”不確定性関係”が導かれる。(プランク定数が 0 であるならば 虚数は消え 古典論の表現になる。)
       

  また、大きな特徴として、量子力学は数学ではなく 理論から観測結果の予測へフィードバックする”物理”だから、観測量として強制的に実数の固有値に持っていくために、 理論構築の初めから 複素共役((注)正則でない)の波動関数や状態ベクトル、作用素を導入して、それらが””で用いられる設定になっている。そして、この 複素共役の対の概念より、その記述法にある数学的性質(線形代数的性質)が随所に用いられている。この性質は、素粒子の対称性、逆・反・対の概念に表され、神の論理性を思わせる。
       

  神が人に与えた思索、すなわち ”数学”において、複素数体までが 四則演算が自由にできる数の体系であるように、神の被造物である ”自然” が本質的に 複素数で構成され、これが合理的にすべての物質に適用されている事は驚くべき一致である。そして、神の3定数、π 、e 、 i が この両者の複素数の場にあって常に躍動的に息づいているのである。

        


   (参考資料)    量子力学の再構築の概略:
              1. 複素共役による定式化(1) ・・・ 複素共役量の導入           ・ 相対論の概要
              2. 複素共役による定式化(2) ・・・ 観測量の導入(物理化)
              3. 不確定性原理         ・・・ 波動ゆえの観測の限界
              4. 混合状態と統計作用素   ・・・ あらゆる可能性の記述法      ・ 
中性子干渉計・超流動・超伝導
              5. EPR問題とその解決    ・・・ 解釈問題の終焉


   (参考文献)   ・ 「基礎量子力学」 町田茂 丸善、 ・ 「量子力学のパラドックス」 日経サイエンス(1995)、
             ・ 「いまさら量子力学」 パリティ・ブックス 丸善、 (・ 「科学は心霊現象をいかにとらえるか」 B・ジョセフソン 徳間書店(1997) ・ データ有り、ただし、ジョセフソンは実在論者でまちがっている))
             ・ 「第四次元」 チョー・ヨンギ 信仰と世界社
 ・ 「ゲーデルの哲学」 高橋 講談社現代新書(1999)
             ・ 「健全なる預言の働きを導入する方法」 スティーブ・トンプソン マルコーシュ


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